押入れとエアコン以外は何も無い和室六畳間の中央に、二組のお布団が並べて敷いてありました。
「わぁ、なんだか旅行に来たみたい。旅館みたいですね」
「ここは本当に寝るためだけの部屋だからね。余計な物は置いてないの」
おっしゃりながら、お姉さまがバスローブの紐を解き、スルスルッと脱ぎ捨てて裸になりました。
「裸になると、また何かしたくなっちゃうけれど、あたし、明日のために寝ておかないとまずいから、ごめん、電気消すね」
お姉さまが枕元に置いてあったリモコンで電気を消し、お布団の上に座っていた私を抱き寄せてチュッと頬にキスをくださってから、ドアに近い側に敷いたほうのお布団に潜り込みました。
残念だけれどわがままは言えないので、私も隣のお布団に潜り込みます。
「直子はあたしが出て行った後も、好きなだけ寝ていていいからね。明日はうちの会社もお休みだから、ここにも誰も来ないはず」
暗闇の中、私のほうを向いているらしいお姉さまのハスキーなお声が聞こえてきました。
「冷蔵庫に冷凍ピラフとか、いろいろあるがら遠慮しないで自由に食べていいわよ。シャワーもご自由に」
「あ、はい」
「そうそう、この部屋はオートロックだから、いったん外に出たらもう入れないからね」
「もしもうっかり裸のまま廊下に出てドア閉じちゃったら、大変なことになっちゃうわよ?」
おそらく、そうなったときの私を想像しながらおっしゃったのでしょう、クスクス笑い混じりなお声でした。
「たぶん来ないとは思うけれど、宅配便とか、他の誰が来ても出なくていいから。インターフォンにもね」
「あと、明日もし晴れていたら、掛け布団だけ、ベランダに干してくれると嬉しいかな、午前中いっぱいくらい」
「出来たらでいいわ。用事があって午後まで居られないなら、そのまま押入れにしまってくれればいいから」
「はい。別に明日は用事ありませんから」
「ンンーーーッ」
お姉さまがお布団の中で伸びをされたよう。
「おっけ。それじゃあ、おやすみー」
「おやすみなさい」
お姉さまのお布団が束の間ゴソゴソ動いて、やがてしんとなりました。
私も目をつぶりましたが、頭の中で今日の出来事のおさらいが始まり、なかなか寝つけません。
4、5分くらいそうしていたら、再びお姉さまのお布団がゴソゴソしだしました。
「直子?」
ひっそり声で問いかけられます。
「はい」
「起きてたの?」
「はい、なかなか眠れなくて」
「あたしもよ。気が昂ぶっているのか目が冴えちゃって」
「お姉さまは、明日何時に起きるおつもりなのですか?」
「5時半のバスだから、4時半くらいには起きないとね」
「あらら。もうあんまり時間がないですね」
おそらくもう深夜2時近くになっているはずです。
「直子?」
「はい?」
「こっちおいで」
「え?」
「もういいや。バスや飛行機の中でも眠れるし、この昂ぶりを鎮めるほうが建設的みたいだから」
お姉さまがご自分の掛け布団の端を開き、私は喜んで滑り込みました。
お姉さまのスベスベなお肌に密着して、横向きに抱き合いました。
唇を重ね、お布団の下でおっぱい同士を密着させ、脚を絡めます。
お姉さまのしなやかな右の太腿を私の両脚で挟み、お姉さまの右腿が私の股間をスリスリ、私の左腿がお姉さまの股間をスリスリ。
いやらしい声が出そうになると、お姉さまの舌が塞いできます。
粘膜を互いの腿に擦りつけるように腰を振って、ふたり、じわじわと高まっていきました。
そのうち、お互い左腕だけで抱き合う形となり、右手は互いの秘部へ。
互いの指が互いの粘膜を執拗に責め立てます。
上半身をクネクネくねらせて乳首を弾き合うあいだも、唇はずっと重ねたまま。
掛け布団はすっかりはだけたようで、真っ暗闇の中、上と下の唇を貪り合うクチュクチュという音と、ハアハア荒い息遣いだけが響きました。
「んんんぅーうっ!」
「うっうぅーんっ!」
クチュクチュのピッチが上がり、互いの背中が弓反ります。
「んはぁーっ!!!」
「あふぅーっ!!!」
ふたり、ほぼ同時にイって、抱き合ったまま、ぐったり。
そして、ぐっすり。
目覚めたとき、自分がどこに居るのか一瞬わかりませんでした。
すぐに思い出して上半身を起こします。
私は、最初に寝たほうのお布団に戻っていて、お隣のお布団はもぬけの殻。
掛け布団だけ、きれいにたたまれていました。
今何時なのだろう?
薄暗い寝室を見渡しても、どこにも時計は無いみたい。
お姉さまったら、目覚ましもかけず時計も無しで、ちゃんと起きて出かけられたんだ。
さすがお姉さま、って感心しながらも、フワーッとあくびをひとつ。
えいやっ、て立ち上がり、お隣のリビングへ。
壁の丸い時計は、朝の9時を少し回っていました。
ターコイズブルーのカーテンを開くと、もう一枚真っ白なレースカーテン。
大きな窓から眩しい陽射しがパーッとリビング内に射し込んで、お外は快晴のようでした。
昨夜までお姉さまの上着を着ていたワイヤートルソーが、私のジャケットだけまとっています。
テーブルの上に、旅行用のような歯磨きセットと白い紙と外国ブランドのショッパーがひとつ、そして私のバッグが置いてありました。
白い紙は、お姉さまからの置き手紙でした。
直子へ
おはよう。よく寝ているようなので起こさずに行きます。
火曜日に戻る予定なので、戻ったら連絡します。次に会う日を決めましょう。
ブラウス、スカート、ソックスは汚れているのでクリーニングに出しておきます。
代わりの服を置いておくので、帰りはそれを着て。直子にはニットが似合うと思う。
下着は無しよ。ドレイだから(笑)
ハブラシも持って帰ってね。
次に会う日が楽しみです。それではよい一日を
そのお手紙を二度読み返してからたたんで自分のバッグにしまいました。
それからショッパーの中身を取り出します。
真っ白なニットワンピース!
生地がふわふわ軽くって、ひょっとしてカシミア?
ラウンドネックの七分袖で、すっごく可愛い!
すぐにでも着てみたかったのですが、まずは朝のおつとめをしなければ。
歯磨きセットを手に取り洗面所へ。
鏡を覗いたら、それに気づいてしまい、途端に全身が火照ってしまいました。
私の首筋や胸元、二の腕にうっすらと残る淡い内出血。
お姉さまからのキスマーク。
数えたら、鏡で見えるだけでも5つありました。
もう、たとえようもないくらい幸せな気持ちです。
歯を磨いてから顔を洗おうと前髪を上げたとき、おでこにも赤っぽい痕があるのに気がつきました。
こちらのは、ルージュの痕のよう。
淡いながらも、はっきり唇の形に残っています。
きっとお姉さまがお部屋を出る直前に、私のおでこにチュっとしてくださったのでしょう。
そう考えたら、鏡の中で自分の顔がだらしなく緩み、えへへ、って笑ってしまいました。
おでこのマークを消さないように注意深く顔を洗っていたら、良いアイデアが浮かびました。
今日は別に予定も無いし、ゆっくりしていけます。
それに、このお部屋にいる限り、着ける下着が無いので、必然的に全裸でいることになります。
だったら、いつも自分の家で妄想と共に実行している全裸家政婦を、実際に、このお部屋でやってみたらどうだろう、って。
昨日のお姉さまとのあれこれを思い出して余韻に浸りつつ、お姉さまへの感謝の気持ちを込めて、このお部屋を綺麗にお掃除してから帰るのです。
お姉さまのお願い通り、お布団を干して、ついでにバスタオルとかもお洗濯して、自分で汚した床やソファーももう一度綺麗にして・・・
そう決めたら、ワクワクムラムラしてきました。
おトイレの後、とりあえずリビングに戻って、段取りを考えることにします。
ソファーにバスタオルを敷いて腰掛け、あらためてお部屋を見渡しました。
昨日まで来たこともなかったよそさまのお部屋で、ひとりこうして全裸で居ることに、そこはかとなく興奮してきます。
なんで私は今こんなところで、裸ん坊なのだろう?
誰も訪ねて来ないことがわかっているとは言え、絶対非常識です。
不安感、背徳感、罪悪感、倒錯感・・・
そういうのがないまぜになって、あそこがキュンキュン疼きます。
だめだめ、そういうのはあと。
お仕事が終わってから。
「全裸家政婦直子、絵美お姉さまのために、精一杯ご奉仕、がんばります!」
マゾの服従ポーズになって、実際に口に出して言ってみて、自分で照れてしまいました。
お布団やお洗濯ものは、お日様がある早いうちにお外に干さなければいけません。
まずはお布団を干してしまいましょう。
リビングの突き当たりのレースのカーテンが掛かった大きな窓。
その向こう側がベランダのようです。
あの窓を開けると、お外の様子がどうなっているのか?
全裸家政婦にとっては、最初から難問でした。
立ち上がって窓際へ。
レースカーテンを開けると全面曇りガラスの窓。
窓の鍵をはずしてから、向かって右側のターコイズブルーのカーテンに裸身をくるみ、窓をそっと開けてみました。
もあーっとした街の喧騒音と共に、春の陽射しとそよ風がお部屋に舞い込んで来ます。
いいお天気。
カーテンの陰からお外を覗くと、一段低くなっているベランダ自体は意外に狭く、幅は畳一畳分くらい、細長いスペースでした。
目隠しフェンスはコンクリート製ぽくて、隙間も無くかなり高め。
ベランダの向こう側は青空で、見える範囲に建物は見えません。
これなら裸のまま出ても大丈夫かな?
でも、ここはお姉さまの会社のお部屋だし、万が一誰かに見られちゃって変な噂になったらご迷惑だし・・・
目隠しフェンスが高めなことはわかったので、カーテンの陰から出て、その場にしゃがみました。
片方の窓を全開にして、しゃがんだままベランダに降りてみます。
両脇のお部屋のベランダとは上まできっちり目隠しされているので、しゃがんでいる分には、どこからも見られちゃう心配は無いみたい。
お外側の目隠しフェンスは、1メートル3~40センチくらい?
私が立ち上がったら、バストギリギリかな。
ステンレスの物干し竿が、そのフェンスより高い位置に二段あるので、そこにお布団を掛けるとしたら、背伸びしなければ無理。
だからやっぱり、最低バストだけは何かで隠さないと。
バスタオルでも巻こうか・・・
しゃがんだままフェンス際まで寄って、恐る恐る少しづつ腰を上げ、顔だけフェンスを超えるように外へ向けると、眼下に緑の木々が見えました。
ベランダの対面は広めな公園のようです。
子供たちのはしゃぐ声が聞こえてきます。
中腰のまま急いでリビングに戻りました。
全裸のままベランダに出て、お布団を干すのは無謀のようです。
さあどうしましょう?
考えながらも、私の下半身は今の冒険でヌルヌルでした。
だって、しゃがんだままとは言え、全裸でよそのお家のベランダに出ちゃったのですから。
お外の空気が、文字通り全身をやさしく包んで愛撫してくれたのですから。
ああんっ、今すぐオナニーしたいぃ!
だめよ!お仕事が終わってから!
心の中のふたりの私の鬩ぎ合いは、お外が公園、と知ったとき、すでに答えを出していました。
ベランダ下の景色を見て、公園、という言葉が浮かんだ瞬間、昨夜の裸ブレザーのスリル、恥ずかしさ、興奮をまざまざと思い出していました。
この状況なら、こうするしかありません。
寝室に戻り、掛け布団を2枚とも窓際に運びました。
それから、お姉さまのトルソーに駆け寄り、自分のジャケットを取って素肌の上に羽織りました。
ジャケットの裏地が素肌を包む感触で、昨夜の性的高揚が鮮やかに蘇ります。
上のボタンひとつだけ留めて、窓際に戻りました。
掛け布団を一枚持ってベランダへ。
上半身は裸ブレザー、下半身は丸裸。
ベランダとは言え立派にお外なのに、私ってば、なんていう格好。
破裂しそうなドキドキを感じつつ、何食わぬ顔で背伸びしてお布団を物干しに掛けます。
背伸びするとジャケットの胸元が浮いてたわみ、自分の胸元を見下ろすとたわんだVラインの中で、おっぱいが乳首まで丸見えになっていました。
二段ある物干しの高いほうにお布団を掛けると、お布団がいっそう高い目隠しとなり、私の全身をすっぽり隠してしまうようです。
ということは、干したお布団の裏側なら・・・
淫らに歪む自分の顔を自覚しながら、まだ何も干していないほうのフェンスに寄って眼下の公園を見下ろしました。
公園では何組かのママさんと小さい子供たちが甲高い声を上げて遊んでいました。
フェンスに両手を乗せて公園を眺めながら自分の淫らさに酔っていると、こちらを見上げている女の子に気づきました。
ずいぶん遠くだったけれど、目が合った気がしました。
「おねえーさーん、おはよーございまーすっ」
5、6才くらいの可愛らしい女の子が私を見上げて手をぶんぶん振ってきました。
傍らに居たママさんらしき人も、娘につられて私を見上げ、こちらに小さく会釈をしてから、ニコニコと女の子に何か語りかけています。
私も会釈を返し、小さく手を振り返しました。
それを見た女の子は、ますます喜んで手を振りつづけます。
しばらく手を振り合っていたら、もうどうにもがまん出来なくなって、リビングに戻りました。
もう一枚のお布団を、お外を見ないようにして大急ぎで干し終え、リビングに戻るなりジャケットのボタンをはずし、フローリングに寝転びました。
なんてはしたない女なのよ、直子!
裸ブレザーに下半身丸出しで、よそのお家のベランダに出て、いたいけな女の子にニコニコ手を振ったりして・・・
こんなによく晴れた土曜日の午前中なのよ?普通の人は健全に親子で公園を楽しんでいるのよ?
それなのに直子はえっちなことばっかり考えて、ヘンタイなことしか頭になくて、オマンコからおツユをだらだら垂らしながら嬉しそうに微笑んで・・・
乳首とおマメをぎゅうぎゅう潰して自分を虐め、しばらくふしだらな快楽に耽ってしまいました。
やっとムラムラが落ち着いてからは、真剣に全裸家政婦にいそしみました。
昨夜ふたりが使ったバスタオルとシーツをお洗濯。
干すときは、掛け布団2枚が目隠ししてくれているので、思い切って全裸のまま、ベランダに出ちゃいました。
お布団をあげて仕舞って和室のお掃除。
リビング全体の床とソファーをもう一度念入りに拭き掃除。
おトイレとバスルームも水浸しになりながら入念に磨きました。
気がつくともう午後2時近く。
さすがにお腹が減ったので、お姉さまのお言葉に甘えて、冷凍ピラフとインスタントのスープをご馳走になりました。
食休みはファッション雑誌をめくって、しばしまったり。
3時前にベランダに出ると、バスタオルもシーツもポカポカに乾いていました。
シーツは寝室の押入れへ、バスタオルは脱衣場の籠の中にしまいました。
ここまでは全裸。
あとはお布団です。
これを取り込んだら、もう帰るだけ。
なので、お姉さまがご用意してくださったニットワンピースを着てみることにしました。
すっごくいい感じ。
布地表面はスベスベで、とっても軽くて、素肌でもチクチクしなくて、それでいてあったかい。
ただひとつ。
サイズが小さいのか、もともとそういうデザインなのか・・・
すっごくボディコンシャス。
完全に私のからだのライン通りのシルエットなんです。
丈は膝のちょっと上くらいなので、下半身はノーパンでも良いのですが、問題は上半身。
バストのふくらみが、わたしのおっぱいの形通りに布に包まれ、その左右の先端にまさに、これ見よがし、と言う感じで、恥ずかしい突起がポチポチッと浮き出ていました。
うわー、なんだかすごくえっちぃ。
洗面所の鏡に映して、ひとり赤面してしまうほど。
だけど、これはお姉さまのお見立て。
そう考えたら、この姿が自分らしいのかな、とも思えてきました。
その姿でベランダに出て、お布団を取り込みました。
お外は少し陽が翳ってきていますが、公園内にはまだ、けっこう人がいました。
みなさんベンチに座ってまったりされているご様子。
取り込んだお布団を寝室の押入れにしまい、窓に鍵をかけてカーテンを2枚とも閉じました。
さあ、そろそろおいとましましょう。
ジャケットを羽織ってボタンを留めたらバストのポッチも隠れ、コーディネート的な色合いもおシャレ。
昨夜の裸ブレザーノーパンミニスカに較べたら、ぜんぜんファッショナブル。
このままショッピングモールにお買い物にでも行きたいような気もするけれど、やっぱり今日はまっすぐ帰ります。
お姉さまとの昨日からのあれこれを反芻して、もう一度思い切り身悶えたい気分だから。
戸締りをしっかり確認して、忘れ物をチェックして、お部屋の玄関ドアを出たのは、午後3時42分。
そんなふうにして、私と絵美お姉さまとのおつきあいは、始まりました。
*
*就職祝いは柘榴石 01へ
*
直子のブログへお越しいただきまして、ありがとうございます。ここには、私が今までに体験してきた性的なあれこれを、私が私自身の思い出のために、つたない文章で書きとめておいたノートから載せていくつもりです。
2014年9月7日
2014年8月31日
ランデブー 6:42 09
「あの、お姉さま、バスタオルか何かをお借り出来ますでしょうか?」
「いいけれど、なぜ?」
私が自分の足元に視線を落とすと、つられてお姉さまも、同じ場所に目線を移されました。
ニーハイソックスを脱がされてしまったため、内腿を滑り落ちるおツユを途中で堰き止めてくれるものがなくなり、床に恥ずかしい水溜りが出来ていました。
「このまま座ったら、ソファーを汚してしまいます」
「そんなこと気にしなくていいわ。そのソファー合皮だし、あとで拭き取れば大丈夫。それより早く、いやらしく悶える顔を見せて」
お姉さまに促され、おずおずとソファーに腰掛けました。
お尻の下がヌルッと滑ります。
両手は後頭部で組んだまま、両膝をピッタリ閉じて、背もたれに背中を預けました。
火照った素肌に、冷たいソファーが気持ちいい。
「両手、解いていいのよ。直子の好きなようにからだをまさぐって、好きなだけイキなさい」
両手を腰に当てたお姉さまが私の真正面に立ち、ソファーに座った全裸の私を見下ろしていました。
「明るいままでいいわよね?視られたがりなのだから」
「あ、はい」
お姉さまの瞳が妖しく輝いています。
射抜くように見つめてくるお姉さまの瞳に視線を合わせ、ゆっくりと両手を後頭部から放し、体の前に持ってきます。
居酒屋さんや街中での羞恥プレイで焦らしに焦らされた昂ぶりを、ついに慰めることが出来るのです。
それも、大好きなお姉さまに間近で視られながら。
すぐにイッちゃうだろうな・・・
そう思いながら、自分のふたつの乳房を、左右それぞれの手でわしづかみました。
「はうんっ!」
乳首に手のひらが触れた途端、からだがビクンと震え、閉じていた膝がだらしなく開き、恥ずかしい声がほとばしりました。
ずっと長いあいだ物理的な刺激を渇望しながらもお預け状態だった私のからだは、全身が性感帯と化していました。
乳首を指のあいだに逃がしてギュッと挟みつけながら、おっぱいをわしわしと揉みしだきます。
「あっ、あっ、あうっん!」
おっぱいが歪むたびに下半身の奥がジーンと痺れ、粘膜から粘液がジワジワ滲み出てくるのがわかります。
「んっ、んっ、ぅうぅっん!!!」
自分のからだが欲している淫らな刺激をお姉さまにもわかっていただけるように、すがるようにじっと見つめつつ、自分のおっぱいをいたぶりました。
両方の乳首を指先で思い切り潰すように責めていたら、早くも頭の中で火花が炸裂しました。
腰全体がクネクネ大きく悶えて、おっぱい虐めだけであっさりイってしまいました。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
無我夢中でついつぶってしまった両目を開けると、お姉さまの視線とぶつかりました。
お姉さまが形の良い唇の端を微かに上げて、小さな笑みをくださいます。
「はあんっ、お姉さまぁ・・・」
その微笑にお応えしたくて、両膝を大きく広げました。
両足をそれぞれソファーの上に乗せ、全開のアソコだけ前に突き出すような恥ずかしいM字です。
直子のいやらしく濡れたオマンコ、中までじっくり視てください、お姉さま・・・
お姉さまが大好き過ぎて、実際に声に出すことを躊躇してしまうヘンタイな科白を、心の中でつぶやきました。
左手はおっぱいにそのまま、右手を裂け目へ。
瞬く間にベットリ濡れる右手のひら。
つづけてイキたい、何度でもイキたい。
割れ始め付近でプックリ腫れている肉芽を、ギューッとつまみました。
「あうぅぅっ!!!」
全身を電流がビリビリッとつらぬき、腰がソファーから大きく浮き上がりました。
「あっ、あっ、あぁっ・・・」
親指と人差し指でおマメをつまんだまま、中指と薬指を曲げて穴へ潜り込ませました。
そのまま膣壁をひっかくようにピストン運動。
左腕でおっぱい全体を潰し、指先で右乳首を執拗に捻り回します。
「あああ、いい、いい、いぃーのぅっ!」
お姉さまのお顔を見上げながら、訴えるように喘ぎます。
「あ、あっ、イク、イク、イッちゃうぅぅぅ!!!」
潜り込んでいる指が強くキュッと締め付けられました。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
右手全体が濡れてふやけてふにゃふにゃ。
そのヌルヌルの手で左おっぱいを掴み、交代に左手を股間へ。
ソファーの上で膝立ちの四つん這いになり、お尻をお姉さまに向けました。
このほうがオマンコの奥までよく視ていただけるし、お尻の穴だって視て欲しいから。
今度は左手の指三本を潜り込ませ、粘膜をかきまわします。
ヂュプヂュプヂュプヂュプ・・・
卑猥な淫音が自分の股間から聞こえてきます。
首を思い切り捻ってお姉さまに向けると、バチッと視線がぶつかりました。
「何回イッたの?」
相変わらず両手を腰に当て、真剣なご表情で私を見守るお姉さま。
「ああんっ、えっと、3回か、4回か・・・」
自分のアソコを嬲る手は止めず、喘ぎ喘ぎお答えします。
「すごいわね。いくらか落ち着いた?」
「い、いいえ、どんどんどんどん昂ぶっちゃって、どんどんどん気持ち良くなっちゃっていますぅ・・・」
お姉さまに高く掲げたお尻をぶって欲しい、思いっきり強く、何度も何度もぶって欲しい・・・
そんな願望も口に出せないまま、それでもグングンのぼりつめていきます。
「あっ、あっ、あぁぁーーっ!」
お姉さまの視線、お姉さまのお声、お姉さまの香り、お姉さまの息遣い・・・
それらをこんなに近くに感じながら、浅ましく恥ずかしい自慰姿をご披露出来るだけで、本当に夢のよう。
「あーっ、あんっ、あぅんっ、え、絵美お姉さま、だ、大好きですぅぅ・・・!!!」
はしたなくも贅沢な願望は封印して、心の底から想っている本心を叫ぶように声にすると、クリトリスを擦る速度が猛烈に上がって、またまたイってしまいました。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
四つん這いだとお姉さまのほうを向きにくいことに気づき、再びM字に戻りました。
今度こそずーっとお姉さまを見つめながらイこう。
そう決めて、再び右手を股間に滑らせました。
お姉さまは私から目線をはずし、うつむいていました。
両手がご自分のおへそのあたりでゴソゴソしています。
「ああんっ、お姉さまぁ?・・・」
アソコをまさぐる手は止めず、こちらを向いて欲しくて語尾が上がりました。
「んっ?」
気づいたお姉さまが上目遣いで私を見ました。
「あたしのことは気にしないで、つづけてて」
おっしゃりながらお姉さまは、スーツのスラックスのベルトをはずし、ジッパーをジジジッと下げました。
「直子の凄いオナニー姿見ていたら、あたしもがまん出来なくなっちゃった」
照れたようにおっしゃってから身を屈め、スラックスを脱ぎ捨てました。
お姉さまがお洋服を脱いでいる!
お姉さまが裸になる!?
一瞬、何がおきているのかわからなくなり、軽いパニック状態。
それまでの私は、私だけが裸になってお相手は着衣のまま辱められる、という羞恥マゾプレイばかりを経験していたので、今日も、それが当然と思い込んでいたようでした。
ランジェリーショップのときもそうでしたし。
でも今日は、お姉さまも裸になって、私のお相手をしてくださるおつもりなんだ!
考えてみれば、おつきあいを始めたふたりが夜更けにお部屋でふたりきりなのですから、そうなるのはあたりまえのことなのですが、マゾプレイに馴れ過ぎていた私にはひどく新鮮でした。
今夜はマゾプレイではなく、恋人同士。
初めてお姉さまの裸が見れる。
初めてお姉さまと裸で抱き合える。
初めてお姉さまと一緒にイける。
ワクワクが止まりません。
お姉さまは、スラックスの下は生足で、品の良いパープル色の布地が小さめな下着を着けていらっしゃいました。
レースっぽいキラキラした生地で、とてもローライズ。
ああいうのをスキャンティって呼ぶのかな。
薄い布地にうっすら翳りが透けているような気がします。
ブラウスのボタンをはずし始めるお姉さま。
スキャンティとお揃いなパープル色のお洒落な小さめブラが覗きました。
キリッとしたビジネススーツの下に、あんなえっちぽい下着を着けていたんだ。
それってひょっとして、私のため?
心臓がドキドキ弾んでいます。
「ほら、手が止まっているわよ?」
セクシー過ぎるランジェリー姿になった美し過ぎるお姉さまが、ゆっくりソファーに近づいてきました。
私の目前で立ち止まり、右手を伸ばしてきます。
この世の人とは思えないほどクールビューティ!
「立って」
お姉さまの右手を右手で捕まえると、ゆっくり引っ張られました。
よろけるように立ち上がった瞬間、お姉さまのしなやかな両腕が私の背中に絡みつきました。
「むぐぅ・・」
強く抱きすくめられると同時に、お姉さまの唇が私の唇を塞ぎました。
あのショッピングビルのエレベーターのときと同じように。
お姉さまの甘い舌が私の口内に挿し込まれます。
「むぅう・・・」
私も舌を伸ばして迎え入れ、ふたりの舌が激しく絡み合います。
お姉さまの右手は私の裸のお尻を撫で回し、私はお姉さまの背中に回した手探りで、ブラのホックをはずしにかかります。
長く熱いくちづけの後からだを離すと、お姉さまのブラがスルスルッとふたりのあいだに落ちました。
「直子のからだ、すっごく熱くなっているのね。それにベトベト」
「お姉さまのからだ、ほんとにほんとに、すっごくお綺麗です」
初めて見るお姉さまの生おっぱいは、少し小ぶりながら上向きにツンと尖った円錐形で、まさに美乳。
淡いピンクな小さめ乳輪の中心に、感度の良さそうな小さめ乳首が精一杯背伸びをしていました。
たまらず今度は、私からお姉さまにしがみつきます。
私が勢い良く飛びついたために、お姉さまがバランスを崩してよろけ、ソファーの上にお姉さまを押し倒すような格好になってしまいました。
仰向けになっても崩れない、お姉さまの美乳。
「あ、ごめんなさい、お姉さま」
あわててからだを離す私。
「大丈夫よ。脱がせて」
ソファーに腰掛け直したお姉さまが両脚をまっすぐに揃えて、私の前に突き出してきます。
私は床にひざまづき、お姉さまの腰から慎重に、スキャンティを抜き取りました。
お姉さまのソコには、細い逆三角形に美しく刈り揃えた小さな茂みがありました。
スキャンティの内側がしっとり湿っています。
お姉さまも感じていらっしゃるんだ。
すっごくシアワセな気持ちになりました。
「隣に来て。ふたりで気持ち良くなりましょう」
オールヌードのお姉さまがご自分の右隣をトントンと叩きました。
「はいっ」
喜び勇んでピッタリ寄り添います。
「試着室のときから、ずっとこうしたいと思っていたのよ。あなたとふたりきりで」
お姉さまが私の耳元でささやき、今度はやさしく唇が重なりました。
お姉さまの右手が私の股間をまさぐり、負けずに私もお姉さまのソコへ指を侵入させます。
ヘアがある人のをさわるのは、すっごく久しぶり。
サワサワした感触が新鮮です。
お姉さまの中も、すでに充分潤っていて、とっても熱くなっていました。
それから長いあいだ、お姉さまと私は互いのからだを貪り合いました。
唇を合わせ、乳房を揉みしだき、乳首をつまみ、肌を吸い、爪を立て、舌を這わせました。
指でかきまわし、宝石を磨き、蜜を舐め合い、粘膜を擦りつけ合って、再び唇を合わせました。
お姉さまのソコはやや上付きで、ラビア派手めで薔薇の花のようにとっても綺麗。
クリちゃんは、私よりぜんぜん小さいけれど感度良好。
ラブジュースも私より少ないながら、酸味ちょっぴりのしょっぱめで、大変美味でした。
しなやかでしっとりとした素肌は、肌を合わせると吸いつくようで、いつまででも抱いていたい、抱かれていたいからだでした。
「あぁっ!いいわっ。そこ、そこよっ!」
「直子、上手よ!そこをもっと、もっとぉーーー!」
「ああん、お姉さま、イキますぅ、イっちゃいますうぅ」
「あっ、だめっ、いやっ、もっとっ、だめーーーっ!」
貪欲に、何度も何度も求め合い、何度も何度もイカせ合いました。
ソファーからフローリングの床の上へ、そして、ふたりのからだ中がヌルヌルのベトベトになると、お姉さまのご提案でバスルームに移動。
泡まみれで抱き合いながら、お互いのからだをからだで洗いました。
湯船の中で向き合い、互いの股間に伸ばした指で同時にイったあと、ようやくふたり、落ち着きを取り戻しました。
湯船の中でギューッと抱き合い、お顔を寄せ合って、うふふ、って笑い合いました。
バスルームから出て、パウダールームでからだを拭き合いながら、お姉さまが私の無毛な土手を指さしました。
「直子って、オナニー好きを自認するだけあって、すごく上手よね、ソコへの愛撫が」
「あたし、こんなに乱れたの、生まれて初めてよ。自分では、そういうのには淡白なほうだと思っていたのに」
「私も、縛ったり痛くしていないのに、こんなに何度も何度も気持ち良くなったの、初めてです」
「きっとお姉さまが素敵過ぎるんです。だからキスされるだけでもう、舞い上がってしまうんです」
「そっか、そう言えば直子って、ドMのヘンタイさんだったわね。抱き合ったらすっかり忘れちゃっていたわ」
お姉さまが白いバスローブを羽織りながらおっしゃいました。
「それだったら、もっと虐めてもっと奉仕してもらえば良かったわ。直子のフィンガーテクに負けられない、って夢中になっちゃった」
おどけておっしゃるお姉さま。
「おっしゃってくだされば、いつでも精一杯ご奉仕させていただきます。だって私はお姉さまという魅惑のカゴの中の小鳥、恋のドレイなのですから」
私もおどけて返すと、お姉さまがあははと笑いました。
「ドレイだったら服はいらないわね。直子、自分の家ではほとんどいつも全裸って言っていたじゃない」
「あとはもう寝るだけだから、今夜はずっと裸でいてね。バスタオルも巻いちゃダメ」
「あたし直子の裸好きだから、ずっと視ていたいの」
「はい。もちろんです。ドレイ直子はいつでもお姉さまの仰せのままに・・・」
いやん、あんなにイったのに、また疼いてきちゃう。
リビングに戻ると、ソファー周辺が悲惨な有様でした。
「やだっ!もうこんな時間!?まいったなー。明日の朝早いのに」
ホワイトボードの脇に掛けてある学校にあったような丸いアナログ時計を見ると、すでに深夜0時を大きく回っていました。
「お姉さまは先にお寝みください。床とソファーは私が綺麗にしておきますから。ほとんど私が汚したようなものですし」
「何言ってるの?こんなのふたりでやればあっという間の楽勝じゃない。あたしはソファーを拭くから、直子は床をお願いね」
バスローブ一枚のお姉さまと全裸の私で拭き掃除開始。
固く絞ったタオルを何度かゆすいで、10分くらいで後片付けが終わりました。
髪を乾かし身繕いをして、寝室に入ったのは1時を過ぎた頃でした。
*
*ランデブー 6:42 10へ
*
「いいけれど、なぜ?」
私が自分の足元に視線を落とすと、つられてお姉さまも、同じ場所に目線を移されました。
ニーハイソックスを脱がされてしまったため、内腿を滑り落ちるおツユを途中で堰き止めてくれるものがなくなり、床に恥ずかしい水溜りが出来ていました。
「このまま座ったら、ソファーを汚してしまいます」
「そんなこと気にしなくていいわ。そのソファー合皮だし、あとで拭き取れば大丈夫。それより早く、いやらしく悶える顔を見せて」
お姉さまに促され、おずおずとソファーに腰掛けました。
お尻の下がヌルッと滑ります。
両手は後頭部で組んだまま、両膝をピッタリ閉じて、背もたれに背中を預けました。
火照った素肌に、冷たいソファーが気持ちいい。
「両手、解いていいのよ。直子の好きなようにからだをまさぐって、好きなだけイキなさい」
両手を腰に当てたお姉さまが私の真正面に立ち、ソファーに座った全裸の私を見下ろしていました。
「明るいままでいいわよね?視られたがりなのだから」
「あ、はい」
お姉さまの瞳が妖しく輝いています。
射抜くように見つめてくるお姉さまの瞳に視線を合わせ、ゆっくりと両手を後頭部から放し、体の前に持ってきます。
居酒屋さんや街中での羞恥プレイで焦らしに焦らされた昂ぶりを、ついに慰めることが出来るのです。
それも、大好きなお姉さまに間近で視られながら。
すぐにイッちゃうだろうな・・・
そう思いながら、自分のふたつの乳房を、左右それぞれの手でわしづかみました。
「はうんっ!」
乳首に手のひらが触れた途端、からだがビクンと震え、閉じていた膝がだらしなく開き、恥ずかしい声がほとばしりました。
ずっと長いあいだ物理的な刺激を渇望しながらもお預け状態だった私のからだは、全身が性感帯と化していました。
乳首を指のあいだに逃がしてギュッと挟みつけながら、おっぱいをわしわしと揉みしだきます。
「あっ、あっ、あうっん!」
おっぱいが歪むたびに下半身の奥がジーンと痺れ、粘膜から粘液がジワジワ滲み出てくるのがわかります。
「んっ、んっ、ぅうぅっん!!!」
自分のからだが欲している淫らな刺激をお姉さまにもわかっていただけるように、すがるようにじっと見つめつつ、自分のおっぱいをいたぶりました。
両方の乳首を指先で思い切り潰すように責めていたら、早くも頭の中で火花が炸裂しました。
腰全体がクネクネ大きく悶えて、おっぱい虐めだけであっさりイってしまいました。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
無我夢中でついつぶってしまった両目を開けると、お姉さまの視線とぶつかりました。
お姉さまが形の良い唇の端を微かに上げて、小さな笑みをくださいます。
「はあんっ、お姉さまぁ・・・」
その微笑にお応えしたくて、両膝を大きく広げました。
両足をそれぞれソファーの上に乗せ、全開のアソコだけ前に突き出すような恥ずかしいM字です。
直子のいやらしく濡れたオマンコ、中までじっくり視てください、お姉さま・・・
お姉さまが大好き過ぎて、実際に声に出すことを躊躇してしまうヘンタイな科白を、心の中でつぶやきました。
左手はおっぱいにそのまま、右手を裂け目へ。
瞬く間にベットリ濡れる右手のひら。
つづけてイキたい、何度でもイキたい。
割れ始め付近でプックリ腫れている肉芽を、ギューッとつまみました。
「あうぅぅっ!!!」
全身を電流がビリビリッとつらぬき、腰がソファーから大きく浮き上がりました。
「あっ、あっ、あぁっ・・・」
親指と人差し指でおマメをつまんだまま、中指と薬指を曲げて穴へ潜り込ませました。
そのまま膣壁をひっかくようにピストン運動。
左腕でおっぱい全体を潰し、指先で右乳首を執拗に捻り回します。
「あああ、いい、いい、いぃーのぅっ!」
お姉さまのお顔を見上げながら、訴えるように喘ぎます。
「あ、あっ、イク、イク、イッちゃうぅぅぅ!!!」
潜り込んでいる指が強くキュッと締め付けられました。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
右手全体が濡れてふやけてふにゃふにゃ。
そのヌルヌルの手で左おっぱいを掴み、交代に左手を股間へ。
ソファーの上で膝立ちの四つん這いになり、お尻をお姉さまに向けました。
このほうがオマンコの奥までよく視ていただけるし、お尻の穴だって視て欲しいから。
今度は左手の指三本を潜り込ませ、粘膜をかきまわします。
ヂュプヂュプヂュプヂュプ・・・
卑猥な淫音が自分の股間から聞こえてきます。
首を思い切り捻ってお姉さまに向けると、バチッと視線がぶつかりました。
「何回イッたの?」
相変わらず両手を腰に当て、真剣なご表情で私を見守るお姉さま。
「ああんっ、えっと、3回か、4回か・・・」
自分のアソコを嬲る手は止めず、喘ぎ喘ぎお答えします。
「すごいわね。いくらか落ち着いた?」
「い、いいえ、どんどんどんどん昂ぶっちゃって、どんどんどん気持ち良くなっちゃっていますぅ・・・」
お姉さまに高く掲げたお尻をぶって欲しい、思いっきり強く、何度も何度もぶって欲しい・・・
そんな願望も口に出せないまま、それでもグングンのぼりつめていきます。
「あっ、あっ、あぁぁーーっ!」
お姉さまの視線、お姉さまのお声、お姉さまの香り、お姉さまの息遣い・・・
それらをこんなに近くに感じながら、浅ましく恥ずかしい自慰姿をご披露出来るだけで、本当に夢のよう。
「あーっ、あんっ、あぅんっ、え、絵美お姉さま、だ、大好きですぅぅ・・・!!!」
はしたなくも贅沢な願望は封印して、心の底から想っている本心を叫ぶように声にすると、クリトリスを擦る速度が猛烈に上がって、またまたイってしまいました。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
四つん這いだとお姉さまのほうを向きにくいことに気づき、再びM字に戻りました。
今度こそずーっとお姉さまを見つめながらイこう。
そう決めて、再び右手を股間に滑らせました。
お姉さまは私から目線をはずし、うつむいていました。
両手がご自分のおへそのあたりでゴソゴソしています。
「ああんっ、お姉さまぁ?・・・」
アソコをまさぐる手は止めず、こちらを向いて欲しくて語尾が上がりました。
「んっ?」
気づいたお姉さまが上目遣いで私を見ました。
「あたしのことは気にしないで、つづけてて」
おっしゃりながらお姉さまは、スーツのスラックスのベルトをはずし、ジッパーをジジジッと下げました。
「直子の凄いオナニー姿見ていたら、あたしもがまん出来なくなっちゃった」
照れたようにおっしゃってから身を屈め、スラックスを脱ぎ捨てました。
お姉さまがお洋服を脱いでいる!
お姉さまが裸になる!?
一瞬、何がおきているのかわからなくなり、軽いパニック状態。
それまでの私は、私だけが裸になってお相手は着衣のまま辱められる、という羞恥マゾプレイばかりを経験していたので、今日も、それが当然と思い込んでいたようでした。
ランジェリーショップのときもそうでしたし。
でも今日は、お姉さまも裸になって、私のお相手をしてくださるおつもりなんだ!
考えてみれば、おつきあいを始めたふたりが夜更けにお部屋でふたりきりなのですから、そうなるのはあたりまえのことなのですが、マゾプレイに馴れ過ぎていた私にはひどく新鮮でした。
今夜はマゾプレイではなく、恋人同士。
初めてお姉さまの裸が見れる。
初めてお姉さまと裸で抱き合える。
初めてお姉さまと一緒にイける。
ワクワクが止まりません。
お姉さまは、スラックスの下は生足で、品の良いパープル色の布地が小さめな下着を着けていらっしゃいました。
レースっぽいキラキラした生地で、とてもローライズ。
ああいうのをスキャンティって呼ぶのかな。
薄い布地にうっすら翳りが透けているような気がします。
ブラウスのボタンをはずし始めるお姉さま。
スキャンティとお揃いなパープル色のお洒落な小さめブラが覗きました。
キリッとしたビジネススーツの下に、あんなえっちぽい下着を着けていたんだ。
それってひょっとして、私のため?
心臓がドキドキ弾んでいます。
「ほら、手が止まっているわよ?」
セクシー過ぎるランジェリー姿になった美し過ぎるお姉さまが、ゆっくりソファーに近づいてきました。
私の目前で立ち止まり、右手を伸ばしてきます。
この世の人とは思えないほどクールビューティ!
「立って」
お姉さまの右手を右手で捕まえると、ゆっくり引っ張られました。
よろけるように立ち上がった瞬間、お姉さまのしなやかな両腕が私の背中に絡みつきました。
「むぐぅ・・」
強く抱きすくめられると同時に、お姉さまの唇が私の唇を塞ぎました。
あのショッピングビルのエレベーターのときと同じように。
お姉さまの甘い舌が私の口内に挿し込まれます。
「むぅう・・・」
私も舌を伸ばして迎え入れ、ふたりの舌が激しく絡み合います。
お姉さまの右手は私の裸のお尻を撫で回し、私はお姉さまの背中に回した手探りで、ブラのホックをはずしにかかります。
長く熱いくちづけの後からだを離すと、お姉さまのブラがスルスルッとふたりのあいだに落ちました。
「直子のからだ、すっごく熱くなっているのね。それにベトベト」
「お姉さまのからだ、ほんとにほんとに、すっごくお綺麗です」
初めて見るお姉さまの生おっぱいは、少し小ぶりながら上向きにツンと尖った円錐形で、まさに美乳。
淡いピンクな小さめ乳輪の中心に、感度の良さそうな小さめ乳首が精一杯背伸びをしていました。
たまらず今度は、私からお姉さまにしがみつきます。
私が勢い良く飛びついたために、お姉さまがバランスを崩してよろけ、ソファーの上にお姉さまを押し倒すような格好になってしまいました。
仰向けになっても崩れない、お姉さまの美乳。
「あ、ごめんなさい、お姉さま」
あわててからだを離す私。
「大丈夫よ。脱がせて」
ソファーに腰掛け直したお姉さまが両脚をまっすぐに揃えて、私の前に突き出してきます。
私は床にひざまづき、お姉さまの腰から慎重に、スキャンティを抜き取りました。
お姉さまのソコには、細い逆三角形に美しく刈り揃えた小さな茂みがありました。
スキャンティの内側がしっとり湿っています。
お姉さまも感じていらっしゃるんだ。
すっごくシアワセな気持ちになりました。
「隣に来て。ふたりで気持ち良くなりましょう」
オールヌードのお姉さまがご自分の右隣をトントンと叩きました。
「はいっ」
喜び勇んでピッタリ寄り添います。
「試着室のときから、ずっとこうしたいと思っていたのよ。あなたとふたりきりで」
お姉さまが私の耳元でささやき、今度はやさしく唇が重なりました。
お姉さまの右手が私の股間をまさぐり、負けずに私もお姉さまのソコへ指を侵入させます。
ヘアがある人のをさわるのは、すっごく久しぶり。
サワサワした感触が新鮮です。
お姉さまの中も、すでに充分潤っていて、とっても熱くなっていました。
それから長いあいだ、お姉さまと私は互いのからだを貪り合いました。
唇を合わせ、乳房を揉みしだき、乳首をつまみ、肌を吸い、爪を立て、舌を這わせました。
指でかきまわし、宝石を磨き、蜜を舐め合い、粘膜を擦りつけ合って、再び唇を合わせました。
お姉さまのソコはやや上付きで、ラビア派手めで薔薇の花のようにとっても綺麗。
クリちゃんは、私よりぜんぜん小さいけれど感度良好。
ラブジュースも私より少ないながら、酸味ちょっぴりのしょっぱめで、大変美味でした。
しなやかでしっとりとした素肌は、肌を合わせると吸いつくようで、いつまででも抱いていたい、抱かれていたいからだでした。
「あぁっ!いいわっ。そこ、そこよっ!」
「直子、上手よ!そこをもっと、もっとぉーーー!」
「ああん、お姉さま、イキますぅ、イっちゃいますうぅ」
「あっ、だめっ、いやっ、もっとっ、だめーーーっ!」
貪欲に、何度も何度も求め合い、何度も何度もイカせ合いました。
ソファーからフローリングの床の上へ、そして、ふたりのからだ中がヌルヌルのベトベトになると、お姉さまのご提案でバスルームに移動。
泡まみれで抱き合いながら、お互いのからだをからだで洗いました。
湯船の中で向き合い、互いの股間に伸ばした指で同時にイったあと、ようやくふたり、落ち着きを取り戻しました。
湯船の中でギューッと抱き合い、お顔を寄せ合って、うふふ、って笑い合いました。
バスルームから出て、パウダールームでからだを拭き合いながら、お姉さまが私の無毛な土手を指さしました。
「直子って、オナニー好きを自認するだけあって、すごく上手よね、ソコへの愛撫が」
「あたし、こんなに乱れたの、生まれて初めてよ。自分では、そういうのには淡白なほうだと思っていたのに」
「私も、縛ったり痛くしていないのに、こんなに何度も何度も気持ち良くなったの、初めてです」
「きっとお姉さまが素敵過ぎるんです。だからキスされるだけでもう、舞い上がってしまうんです」
「そっか、そう言えば直子って、ドMのヘンタイさんだったわね。抱き合ったらすっかり忘れちゃっていたわ」
お姉さまが白いバスローブを羽織りながらおっしゃいました。
「それだったら、もっと虐めてもっと奉仕してもらえば良かったわ。直子のフィンガーテクに負けられない、って夢中になっちゃった」
おどけておっしゃるお姉さま。
「おっしゃってくだされば、いつでも精一杯ご奉仕させていただきます。だって私はお姉さまという魅惑のカゴの中の小鳥、恋のドレイなのですから」
私もおどけて返すと、お姉さまがあははと笑いました。
「ドレイだったら服はいらないわね。直子、自分の家ではほとんどいつも全裸って言っていたじゃない」
「あとはもう寝るだけだから、今夜はずっと裸でいてね。バスタオルも巻いちゃダメ」
「あたし直子の裸好きだから、ずっと視ていたいの」
「はい。もちろんです。ドレイ直子はいつでもお姉さまの仰せのままに・・・」
いやん、あんなにイったのに、また疼いてきちゃう。
リビングに戻ると、ソファー周辺が悲惨な有様でした。
「やだっ!もうこんな時間!?まいったなー。明日の朝早いのに」
ホワイトボードの脇に掛けてある学校にあったような丸いアナログ時計を見ると、すでに深夜0時を大きく回っていました。
「お姉さまは先にお寝みください。床とソファーは私が綺麗にしておきますから。ほとんど私が汚したようなものですし」
「何言ってるの?こんなのふたりでやればあっという間の楽勝じゃない。あたしはソファーを拭くから、直子は床をお願いね」
バスローブ一枚のお姉さまと全裸の私で拭き掃除開始。
固く絞ったタオルを何度かゆすいで、10分くらいで後片付けが終わりました。
髪を乾かし身繕いをして、寝室に入ったのは1時を過ぎた頃でした。
*
*ランデブー 6:42 10へ
*
2014年8月24日
ランデブー 6:42 08
「直子って、本当に面白いわね」
エレベーターの中で、お姉さまはずっとクスクス笑いっぱなしでした。
「あそこの床に、そんな仕掛けがあったなんて、あたしも今まで気がつかなかったわ」
「立った位置とか光の加減にもよるのでしょうけれど、あんなにハッキリ映ってしまうものなのね」
「ひとりで真っ赤になっているから、何事?って思ったわよ」
「そばに誰も居なくてよかったわね?あ、それとも残念?」
矢継ぎ早にからかってくるお姉さまにジト目を返す私。
「まあ、あたしは、そこまで短いスカートを、しかもノーパンでなんて絶対穿くつもりないから、関係ないけれどね」
この姿はお姉さまの仕業じゃないですか、って抗議しようとしたらチーンと鳴り、エレベーターの扉が開きました。
ホテルみたいな間接照明のオシャレな廊下を少し歩いた先で、お姉さまがカードキーをかざしました。
「さ、どうぞ」
玄関の扉を開いてお姉さまが先に立ち、奥へと案内してくださいました。
通されたお部屋は、どう表現したらいいのか、不思議な雰囲気の空間でした。
10帖以上はある広いフローリングのお部屋のほぼ中央に、会議テーブルくらい大きくてシックなダイニングテーブルがどーん。
その左右に3脚づつ、キャスター付きのダイニングチェアーが並んで収まっています。
壁際にはソファー、その対面に大画面テレビ。
もう一方の壁際には、オーディオラックとブックシェルフが並び、その脇にはワイヤートルソーが1、2、3・・・6体も。
一番広い壁には、大きなホワイトボードと、雑誌の切り抜きか何かなのか、ピンナップみたいな写真がたくさんピンで留められたコルクボードが掛けてありました。
普通の一般的な家庭のリビングとは、明らかに趣を異にするお部屋。
ホテルのミーティングルームが少しくだけた感じ、みたいな。
「あら、たまほのったら、ずいぶん綺麗にかたづけていってくれたのね」
お姉さまが独り言みたいにおっしゃって、脱いだスーツの上着を当然のように、一体のワイヤートルソーに掛けました。
つられて私も、上着を取ろうか、と一瞬思いましたが、ジャケットの下のことをすぐに思い出してやめました。
「このトルソーはね、うちのスタッフの体型に合わせて特注したものなのよ。それぞれ自分専用なの」
とするとみなさん、プロポーションよさげです。
真っ白なシャツブラウス姿になったお姉さまの大きく開いた胸元がすっごく艶かしくて、ドキドキしちゃいます。
「ヘンな部屋、って思っているのでしょう?」
「あ、えっと、なんだか、隠れ家ぽい個室レストラン、みたいな感じで、素敵だと思います。生活感が希薄で・・・」
思っていたことを正直にお答えしました。
「ここはスタッフ全員が使う部屋だから、私物とか置くのは一切禁止にしているの。ほら、なくなったとかで身内で揉めるのって馬鹿らしいじゃない」
「ここにあるものは全部、全員が協議の上で選んだ共有物。あとは所有を放棄してご自由にお使いください的なもの。だからインテリアが誰か一個人の趣味志向に偏らなくて、結果、生活感も出ないのよ」
「うちのスタッフは、この部屋のこと、部室、って呼んでいるわ」
ああ、なるほど。
言われてみれば、この妙に居心地の良さそうな雰囲気は、学生時代の部活やサークルの部室に似ていました。
気の合う仲間だけが気軽に集まれるヒミツのカクレガ、みたいな。
それのゴージャス版。
「あ、そうだった。洗面所はあそこだからね。外から帰ったらまず手を洗ってうがいでしょ?」
お姉さまが突然、今入って来た玄関のほうを指さしておっしゃいました。
「あ、はい」
「それと、寝るときはどっちがいい?そっちの洋間にはベッドがふたつ。くっつけることも出来るわよ。こっちの和室だったらお布団敷いて」
今度はリビング内のふたつのドアを順番に指さすお姉さま。
「うーんと、それでしたら和室、かな?お布団敷いて寝るのって、旅行以外ではしたことないですから・・・」
「おっけー。それじゃあ準備しておくから、直子は手を洗ったら、そこのソファーにでも座ってくつろいでいて」
「あ、私もお手伝いしますよ?」
「いいのいいの。直子はお客さまなのだから」
お姉さまが先に手を洗い、洗面所に私を残してどこかへ消えました。
私がリビングに戻ると、テーブルの上にペットボトルのお茶とグラスがふたつ出ていました。
そのお茶をいただきながら、お部屋内を観察してみます。
リビングの突き当りがお外に向いた窓のようで、今は綺麗なターコイズブルーのカーテンで閉ざされています。
そこから壁に沿ってゆっくり歩いてみます。
ブックシェルフの本や雑誌は、やっぱりファッション関係が多く、発行順にきれいに並べられています。
コミックスや小説、DVDもぎっしり。
CDの背表紙は横文字が多くて、私が知らないのばっかりみたい。
トルソーは、一見アンティークぽい感じで、作りもしっかりしていて、見るからに高級そう。
一番バストが大きいかたのは、ウエストもキュッとくびれていてプロポーション凄そう。
お姉さまの上着からはふうわり、グリーン系のパフュームが香っていました。
ホワイトボードは、落書きなど無くてほぼ真っ白。
一行だけ、一番左端に女の子らしい可愛らしい文字で、
おつかれさまでした!次の企画もみんなでがんばりましょう!!! ほのか
と、小さく書いてありました。
ソファーの上の壁に掛かっている大きなコルクボードにピンで留められた写真たちを、ソファーに両膝を乗せて眺めます。
近くで見ると、雑誌の切抜きだったり、手描きイラストだったり、チェキだったり。
乱雑にたくさん貼り付けてありました。
素敵なドレスを召した超美人のファッションモデルさんらしき外国人女性の写真が多いみたい。
たまに、私でも知っている映画スターやロックスターの写真も混ざっています。
カラフルで綺麗で、なんだか楽しくなって、順番にじっくり見てしまいました。
「お待たせ。準備完了。あら、これを見ていたのね」
いつの間にかお姉さまが私の背後に来ていました。
「あ、はい。これってデヴィッドボウイさんですよね?」
突然お声をかけられ驚いてビクンとして、そのとき考えていたことがそのまま口から出てしまいました。
「え?あ、そうね」
私が指さした切抜きを見てうなずくお姉さま。
お部屋に小さく、ラヴェルのピアノ曲が流れているのに気づきました。
「その写真はジギースターダストの頃ね。この頃のボウイが一番素敵だわ。って直子、よく知っているわね?もうン十年前よ?もちろんあたしもまだ生まれていないけれど」
「両親が、とくに父が昔から洋楽好きなんです。ちっちゃい頃から父の部屋にはレコードやCDがたくさんあって、よく聴かせてくれたから」
「なるほどね。それで直子はボウイのファンなの?」
「いえ、別にですけれど、綺麗なお顔だな、とは思っていました」
「うちのスタッフのひとりがね、この頃の彼に顔がそっくりなのよ。あたしの高校からの友達なのだけれど」
「高校の頃からもうモテモテだったわよ。バレンタインデイなんて下級生からのチョコの山。女子高だけれどね」
「あっ、そのスタッフさんて、女性なのですね?」
お姉さまの、高校からのお友達、というお言葉にひっかかった私は、ホッと胸を撫で下ろします。
「そう。うちの会社って、高校のときの服飾部がそのまま会社になったようなものなの。創立メンバーは同期の部員3人だから」
「へー、ステキですね。ボウイさんそっくりなお顔の女性のかた、一度お会いしてみたいです」
「あはは。まあそのうちね」
「このかたは、どなたなのですか?」
さっきから気になっていた写真のことを尋ねてみました。
素肌に白いシャツ一枚でイタズラっぽくこちらを見ている西洋系の超美人さん。
髪型はまったく違うけれど、お顔の、とくに瞳の雰囲気がお姉さまにすっごく似ていました。
「ああ、それはジーナガーション。アメリカの映画女優」
「お姉さまに似ていますよね?」
「そう?たまに言われるけれど、あたし、そんなにアヒル口ではないわよ?」
少し照れたようなお姉さま。
確かにお口は少し違うけれど、このかたのお口をもう少し小さくして、東洋系の細面にすればズバリ、お姉さまです。
「この人はね、えっちな映画が多いのよ、知らない?けっこう前に悪い意味で話題になったショーガールっていうラスヴェガスのストリップダンサーの映画」
「あっ!知ってます。興味があってDVDで観ようかなって少し調べたら、男の人とのそういうシーンも多そうなので、あきらめましたけれど」
「ああ、直子はそういうのも気になっちゃうのね。ま、無理して観るほどの映画ではなかったわ。衣装とジーナは良かったけれど」
「それよりも直子だったら、バウンド、は観たほうがいいわ。これもジーナが出ていて、こっちはレズビアンの話だから。DVD持っているから、今度貸してあげる」
お話が途切れた、と思ったら、ソファーの背もたれのほうに向かって膝立ちになっている私の背中に、お姉さまが突然、覆いかぶさってきました。
私の背中にシャツ越しのお姉さまのバストが密着します。
「あっ、お姉さま・・・」
背後から抱きつかれた形の私が驚いて首をひねると、私の左肩にお姉さまのお顔がありました。
頬と頬がぶつかります。
「そんなことより、どうして直子はいつまでもジャケットを脱がないの?自分の家だと思ってリラックスしていいのよ?直子は自分の家だといつも裸ん坊なのでしょ?」
お姉さまの両手がジャケットのボタンをふたつともはずし、ジャケットと一緒にお姉さまのからだも離れました。
「ああん、いやんっ」
「さあ直子、ソファーの前に立って、こっちを向いて」
上半身裸にされた私は、ソファーから降り、おずおずとお姉さまのほうへ向きました。
両腕でバストをかばったまま。
お姉さまと目が合い、私を見つめたまま、ご自分の端正な顎を少し上にしゃくりました。
うなずくときの動作と反対の動作です。
その動作に促されるように、私の両手はバストを離れ、頭の後ろへ。
「本当に良く躾けられているのね、直子って。なんだか悔しいわ」
マゾの服従ポーズになった私を、お姉さまが薄い笑いを浮かべながら見つめてきます。
「そのニップルパッドもずいぶんがんばったわね。あたしが取ってあげるわ」
お姉さまの右手が私の左おっぱいに近づいてきて、皮膚を爪の先で軽くひっかかれた、と思ったら、スルッという感じで剥がれました。
異物感が去り、ホッとする開放感。
背伸びしたい欲求をシリコンの下で虐げられ、皮膚にいくぶんめり込んでいた乳首が息を吹き返すのが、自分でもわかりました。
「直子の大きなコリコリ乳首に負けないで、よく今までしがみついていたものだわ。優秀な製品ね」
右乳首のも剥がされて、私の乳首たちが久しぶりにお姉さまの視線に晒されます。
そう考えた途端に、今まで以上に乳首がムズムズ疼きだすのを感じました。
「どうだった?ニップルパッド初体験は?」
お姉さまが私の乳首をじーっと見つめて尋ねます。
「そ、そうですね・・・」
マゾの服従ポーズのまま、お答えしようとしますが、乳首がどんどんムズムズしてたまりません。
「や、やっぱり、肌に何か貼り付けている、という違和感が気になりました。ムズ痒い、と言っても、気持ち良いほうのではない、不快感て言うか・・・」
「あと、うまく言えないのですが、ズルイと言うか、ただ隠すために着けている気がして、スリルが無いって言うか・・・」
「ふーん。で?」
お姉さまが小さく首を傾けて、先を促してきます。
「実は私、お外歩いているときも、どうせなら着けていないほうが良かったな、なんて思っていたんです。べ、別に、誰かに見せたい、っていうわけではないのですけれど・・・」
「そのほうがもっとドキドキ出来るし、スリルを感じられるのにな、なんて・・・」
「なんだか、安心感が逆に残念だったんです・・・」
「私は、今日みたいな場合だったら、すっごく布面積の小さなマイクロビキニブラとか、シースルーブラとか、逆にそこだけ穴の空いているTシャツとかを下に着ていたほうが、もっとゾクゾクしたと思います」
「ああ。なんとなくわかる気がするわ」
お姉さまが近づいてきました。
「考えてみると、ニップルカバーって、乳首だけは絶対見せたくない、っていう人がするものだものね。セクシーな格好をしてもそこだけは見えない安心感、が売り物の」
「あと、セクシータレントとかグラビアモデルやダンサーが、自分の最後の砦を死守、と言うか、より価値を上げたいために着けているイメージもあるし」
「乳首さえ見せなければ、ってほぼ全裸で嬉しそうにニッコリしているのもなんだかなって思うし、隠すためだけのもの、っていう実用性一点張りなのは、エレガントではないわ」
「直子みたいに、見えちゃうかも、気づかれちゃうかもっていうスリルを味わいたいヘンタイさんとは、相容れないものなのかもね」
おっしゃりながら私のスカートのウエストを手際良く直し、ホックをはずしてジッパーを下げ、お話が終わると同時に私のスカートがストンと床に落ちました。
「うん。素敵よ、直子の裸」
お姉さまの視線に私の全身が上から下まで、くまなく舐め回されます。
「もうこれも取っちゃいましょう」
お姉さまが私の足元にひざまづき、左のニーハイソックスに手をかけました。
「うわー。ソックスの履き口のところ、両方ともベトベトよ?ずいぶん下まで湿っちゃっているわ」
「あ、私、自分で脱ぎます!」
あまりの恥ずかしさに、思わず体勢を崩す私。
「いいからいいから。直子のおツユの洪水にはもう慣れちゃったから、あたし」
手馴れた手つきで左右のソックスがクルクルっと丸められ、私の両足を離れました。
「これで今日初めての、正真正銘オールヌードね。気分はどう?」
私の目の前50センチくらいに立ち、腰に手を当てて挑むように尋ねてくるお姉さま。
「・・・は、恥ずかしいです」
「あたししか見ていないのに?」
「お姉さまだから・・・です」
「へー、可愛らしいこと言ってくれるのね。それならあたしのお願いも、聞いてくれるわよね?」
「はい。もちろんです。何だって喜んで」
マゾの服従ポーズで熱くお姉さまのお顔を見つめます。
内腿をまた、おツユがツツーッと滑り落ちていきます。
「そこのソファーに座って、オナニーをしてみせてくれる?」
「今日はえっちな道具無しで、直子の指だけで、あたしを見ながら。出来るわよね?」
「はい・・・」
そのご命令だけで、すでにもうイキそうでした。
*
*ランデブー 6:42 09へ
*
エレベーターの中で、お姉さまはずっとクスクス笑いっぱなしでした。
「あそこの床に、そんな仕掛けがあったなんて、あたしも今まで気がつかなかったわ」
「立った位置とか光の加減にもよるのでしょうけれど、あんなにハッキリ映ってしまうものなのね」
「ひとりで真っ赤になっているから、何事?って思ったわよ」
「そばに誰も居なくてよかったわね?あ、それとも残念?」
矢継ぎ早にからかってくるお姉さまにジト目を返す私。
「まあ、あたしは、そこまで短いスカートを、しかもノーパンでなんて絶対穿くつもりないから、関係ないけれどね」
この姿はお姉さまの仕業じゃないですか、って抗議しようとしたらチーンと鳴り、エレベーターの扉が開きました。
ホテルみたいな間接照明のオシャレな廊下を少し歩いた先で、お姉さまがカードキーをかざしました。
「さ、どうぞ」
玄関の扉を開いてお姉さまが先に立ち、奥へと案内してくださいました。
通されたお部屋は、どう表現したらいいのか、不思議な雰囲気の空間でした。
10帖以上はある広いフローリングのお部屋のほぼ中央に、会議テーブルくらい大きくてシックなダイニングテーブルがどーん。
その左右に3脚づつ、キャスター付きのダイニングチェアーが並んで収まっています。
壁際にはソファー、その対面に大画面テレビ。
もう一方の壁際には、オーディオラックとブックシェルフが並び、その脇にはワイヤートルソーが1、2、3・・・6体も。
一番広い壁には、大きなホワイトボードと、雑誌の切り抜きか何かなのか、ピンナップみたいな写真がたくさんピンで留められたコルクボードが掛けてありました。
普通の一般的な家庭のリビングとは、明らかに趣を異にするお部屋。
ホテルのミーティングルームが少しくだけた感じ、みたいな。
「あら、たまほのったら、ずいぶん綺麗にかたづけていってくれたのね」
お姉さまが独り言みたいにおっしゃって、脱いだスーツの上着を当然のように、一体のワイヤートルソーに掛けました。
つられて私も、上着を取ろうか、と一瞬思いましたが、ジャケットの下のことをすぐに思い出してやめました。
「このトルソーはね、うちのスタッフの体型に合わせて特注したものなのよ。それぞれ自分専用なの」
とするとみなさん、プロポーションよさげです。
真っ白なシャツブラウス姿になったお姉さまの大きく開いた胸元がすっごく艶かしくて、ドキドキしちゃいます。
「ヘンな部屋、って思っているのでしょう?」
「あ、えっと、なんだか、隠れ家ぽい個室レストラン、みたいな感じで、素敵だと思います。生活感が希薄で・・・」
思っていたことを正直にお答えしました。
「ここはスタッフ全員が使う部屋だから、私物とか置くのは一切禁止にしているの。ほら、なくなったとかで身内で揉めるのって馬鹿らしいじゃない」
「ここにあるものは全部、全員が協議の上で選んだ共有物。あとは所有を放棄してご自由にお使いください的なもの。だからインテリアが誰か一個人の趣味志向に偏らなくて、結果、生活感も出ないのよ」
「うちのスタッフは、この部屋のこと、部室、って呼んでいるわ」
ああ、なるほど。
言われてみれば、この妙に居心地の良さそうな雰囲気は、学生時代の部活やサークルの部室に似ていました。
気の合う仲間だけが気軽に集まれるヒミツのカクレガ、みたいな。
それのゴージャス版。
「あ、そうだった。洗面所はあそこだからね。外から帰ったらまず手を洗ってうがいでしょ?」
お姉さまが突然、今入って来た玄関のほうを指さしておっしゃいました。
「あ、はい」
「それと、寝るときはどっちがいい?そっちの洋間にはベッドがふたつ。くっつけることも出来るわよ。こっちの和室だったらお布団敷いて」
今度はリビング内のふたつのドアを順番に指さすお姉さま。
「うーんと、それでしたら和室、かな?お布団敷いて寝るのって、旅行以外ではしたことないですから・・・」
「おっけー。それじゃあ準備しておくから、直子は手を洗ったら、そこのソファーにでも座ってくつろいでいて」
「あ、私もお手伝いしますよ?」
「いいのいいの。直子はお客さまなのだから」
お姉さまが先に手を洗い、洗面所に私を残してどこかへ消えました。
私がリビングに戻ると、テーブルの上にペットボトルのお茶とグラスがふたつ出ていました。
そのお茶をいただきながら、お部屋内を観察してみます。
リビングの突き当りがお外に向いた窓のようで、今は綺麗なターコイズブルーのカーテンで閉ざされています。
そこから壁に沿ってゆっくり歩いてみます。
ブックシェルフの本や雑誌は、やっぱりファッション関係が多く、発行順にきれいに並べられています。
コミックスや小説、DVDもぎっしり。
CDの背表紙は横文字が多くて、私が知らないのばっかりみたい。
トルソーは、一見アンティークぽい感じで、作りもしっかりしていて、見るからに高級そう。
一番バストが大きいかたのは、ウエストもキュッとくびれていてプロポーション凄そう。
お姉さまの上着からはふうわり、グリーン系のパフュームが香っていました。
ホワイトボードは、落書きなど無くてほぼ真っ白。
一行だけ、一番左端に女の子らしい可愛らしい文字で、
おつかれさまでした!次の企画もみんなでがんばりましょう!!! ほのか
と、小さく書いてありました。
ソファーの上の壁に掛かっている大きなコルクボードにピンで留められた写真たちを、ソファーに両膝を乗せて眺めます。
近くで見ると、雑誌の切抜きだったり、手描きイラストだったり、チェキだったり。
乱雑にたくさん貼り付けてありました。
素敵なドレスを召した超美人のファッションモデルさんらしき外国人女性の写真が多いみたい。
たまに、私でも知っている映画スターやロックスターの写真も混ざっています。
カラフルで綺麗で、なんだか楽しくなって、順番にじっくり見てしまいました。
「お待たせ。準備完了。あら、これを見ていたのね」
いつの間にかお姉さまが私の背後に来ていました。
「あ、はい。これってデヴィッドボウイさんですよね?」
突然お声をかけられ驚いてビクンとして、そのとき考えていたことがそのまま口から出てしまいました。
「え?あ、そうね」
私が指さした切抜きを見てうなずくお姉さま。
お部屋に小さく、ラヴェルのピアノ曲が流れているのに気づきました。
「その写真はジギースターダストの頃ね。この頃のボウイが一番素敵だわ。って直子、よく知っているわね?もうン十年前よ?もちろんあたしもまだ生まれていないけれど」
「両親が、とくに父が昔から洋楽好きなんです。ちっちゃい頃から父の部屋にはレコードやCDがたくさんあって、よく聴かせてくれたから」
「なるほどね。それで直子はボウイのファンなの?」
「いえ、別にですけれど、綺麗なお顔だな、とは思っていました」
「うちのスタッフのひとりがね、この頃の彼に顔がそっくりなのよ。あたしの高校からの友達なのだけれど」
「高校の頃からもうモテモテだったわよ。バレンタインデイなんて下級生からのチョコの山。女子高だけれどね」
「あっ、そのスタッフさんて、女性なのですね?」
お姉さまの、高校からのお友達、というお言葉にひっかかった私は、ホッと胸を撫で下ろします。
「そう。うちの会社って、高校のときの服飾部がそのまま会社になったようなものなの。創立メンバーは同期の部員3人だから」
「へー、ステキですね。ボウイさんそっくりなお顔の女性のかた、一度お会いしてみたいです」
「あはは。まあそのうちね」
「このかたは、どなたなのですか?」
さっきから気になっていた写真のことを尋ねてみました。
素肌に白いシャツ一枚でイタズラっぽくこちらを見ている西洋系の超美人さん。
髪型はまったく違うけれど、お顔の、とくに瞳の雰囲気がお姉さまにすっごく似ていました。
「ああ、それはジーナガーション。アメリカの映画女優」
「お姉さまに似ていますよね?」
「そう?たまに言われるけれど、あたし、そんなにアヒル口ではないわよ?」
少し照れたようなお姉さま。
確かにお口は少し違うけれど、このかたのお口をもう少し小さくして、東洋系の細面にすればズバリ、お姉さまです。
「この人はね、えっちな映画が多いのよ、知らない?けっこう前に悪い意味で話題になったショーガールっていうラスヴェガスのストリップダンサーの映画」
「あっ!知ってます。興味があってDVDで観ようかなって少し調べたら、男の人とのそういうシーンも多そうなので、あきらめましたけれど」
「ああ、直子はそういうのも気になっちゃうのね。ま、無理して観るほどの映画ではなかったわ。衣装とジーナは良かったけれど」
「それよりも直子だったら、バウンド、は観たほうがいいわ。これもジーナが出ていて、こっちはレズビアンの話だから。DVD持っているから、今度貸してあげる」
お話が途切れた、と思ったら、ソファーの背もたれのほうに向かって膝立ちになっている私の背中に、お姉さまが突然、覆いかぶさってきました。
私の背中にシャツ越しのお姉さまのバストが密着します。
「あっ、お姉さま・・・」
背後から抱きつかれた形の私が驚いて首をひねると、私の左肩にお姉さまのお顔がありました。
頬と頬がぶつかります。
「そんなことより、どうして直子はいつまでもジャケットを脱がないの?自分の家だと思ってリラックスしていいのよ?直子は自分の家だといつも裸ん坊なのでしょ?」
お姉さまの両手がジャケットのボタンをふたつともはずし、ジャケットと一緒にお姉さまのからだも離れました。
「ああん、いやんっ」
「さあ直子、ソファーの前に立って、こっちを向いて」
上半身裸にされた私は、ソファーから降り、おずおずとお姉さまのほうへ向きました。
両腕でバストをかばったまま。
お姉さまと目が合い、私を見つめたまま、ご自分の端正な顎を少し上にしゃくりました。
うなずくときの動作と反対の動作です。
その動作に促されるように、私の両手はバストを離れ、頭の後ろへ。
「本当に良く躾けられているのね、直子って。なんだか悔しいわ」
マゾの服従ポーズになった私を、お姉さまが薄い笑いを浮かべながら見つめてきます。
「そのニップルパッドもずいぶんがんばったわね。あたしが取ってあげるわ」
お姉さまの右手が私の左おっぱいに近づいてきて、皮膚を爪の先で軽くひっかかれた、と思ったら、スルッという感じで剥がれました。
異物感が去り、ホッとする開放感。
背伸びしたい欲求をシリコンの下で虐げられ、皮膚にいくぶんめり込んでいた乳首が息を吹き返すのが、自分でもわかりました。
「直子の大きなコリコリ乳首に負けないで、よく今までしがみついていたものだわ。優秀な製品ね」
右乳首のも剥がされて、私の乳首たちが久しぶりにお姉さまの視線に晒されます。
そう考えた途端に、今まで以上に乳首がムズムズ疼きだすのを感じました。
「どうだった?ニップルパッド初体験は?」
お姉さまが私の乳首をじーっと見つめて尋ねます。
「そ、そうですね・・・」
マゾの服従ポーズのまま、お答えしようとしますが、乳首がどんどんムズムズしてたまりません。
「や、やっぱり、肌に何か貼り付けている、という違和感が気になりました。ムズ痒い、と言っても、気持ち良いほうのではない、不快感て言うか・・・」
「あと、うまく言えないのですが、ズルイと言うか、ただ隠すために着けている気がして、スリルが無いって言うか・・・」
「ふーん。で?」
お姉さまが小さく首を傾けて、先を促してきます。
「実は私、お外歩いているときも、どうせなら着けていないほうが良かったな、なんて思っていたんです。べ、別に、誰かに見せたい、っていうわけではないのですけれど・・・」
「そのほうがもっとドキドキ出来るし、スリルを感じられるのにな、なんて・・・」
「なんだか、安心感が逆に残念だったんです・・・」
「私は、今日みたいな場合だったら、すっごく布面積の小さなマイクロビキニブラとか、シースルーブラとか、逆にそこだけ穴の空いているTシャツとかを下に着ていたほうが、もっとゾクゾクしたと思います」
「ああ。なんとなくわかる気がするわ」
お姉さまが近づいてきました。
「考えてみると、ニップルカバーって、乳首だけは絶対見せたくない、っていう人がするものだものね。セクシーな格好をしてもそこだけは見えない安心感、が売り物の」
「あと、セクシータレントとかグラビアモデルやダンサーが、自分の最後の砦を死守、と言うか、より価値を上げたいために着けているイメージもあるし」
「乳首さえ見せなければ、ってほぼ全裸で嬉しそうにニッコリしているのもなんだかなって思うし、隠すためだけのもの、っていう実用性一点張りなのは、エレガントではないわ」
「直子みたいに、見えちゃうかも、気づかれちゃうかもっていうスリルを味わいたいヘンタイさんとは、相容れないものなのかもね」
おっしゃりながら私のスカートのウエストを手際良く直し、ホックをはずしてジッパーを下げ、お話が終わると同時に私のスカートがストンと床に落ちました。
「うん。素敵よ、直子の裸」
お姉さまの視線に私の全身が上から下まで、くまなく舐め回されます。
「もうこれも取っちゃいましょう」
お姉さまが私の足元にひざまづき、左のニーハイソックスに手をかけました。
「うわー。ソックスの履き口のところ、両方ともベトベトよ?ずいぶん下まで湿っちゃっているわ」
「あ、私、自分で脱ぎます!」
あまりの恥ずかしさに、思わず体勢を崩す私。
「いいからいいから。直子のおツユの洪水にはもう慣れちゃったから、あたし」
手馴れた手つきで左右のソックスがクルクルっと丸められ、私の両足を離れました。
「これで今日初めての、正真正銘オールヌードね。気分はどう?」
私の目の前50センチくらいに立ち、腰に手を当てて挑むように尋ねてくるお姉さま。
「・・・は、恥ずかしいです」
「あたししか見ていないのに?」
「お姉さまだから・・・です」
「へー、可愛らしいこと言ってくれるのね。それならあたしのお願いも、聞いてくれるわよね?」
「はい。もちろんです。何だって喜んで」
マゾの服従ポーズで熱くお姉さまのお顔を見つめます。
内腿をまた、おツユがツツーッと滑り落ちていきます。
「そこのソファーに座って、オナニーをしてみせてくれる?」
「今日はえっちな道具無しで、直子の指だけで、あたしを見ながら。出来るわよね?」
「はい・・・」
そのご命令だけで、すでにもうイキそうでした。
*
*ランデブー 6:42 09へ
*
2014年8月16日
ランデブー 6:42 07
手をつないだまま小走りに路地を抜け、公園が見えなくなって、やっとお姉さまが歩調を緩めました。
「ああびっくりしたー」
私を振り向いたお姉さまの愉しそうなお顔。
おトイレの鏡から目を逸らしてお外を見たとき。
おトイレ入口の2メートルくらい向こうに、ぼんやり人影が見えました。
入るとき、そこには誰も居なかったはず。
おトイレの電気を点けてからも、一度お外を見たので確実です。
その人影は、4人掛けくらいの細長いベンチの一番端に座っていました。
少し前のめりになって、真正面にある女子トイレの入口をじーっと窺がっていたように見えました。
その人影にびっくりした私が小さく悲鳴を上げると、お姉さまもすでに気づかれていたようで、さっと壁に腕を伸ばし、おトイレの電気を消して真っ暗にしました。
それから私の右手を引っ張り、おトイレの建物の裏手へと誘導してくださいました。
幸いその近くにも公園への出入り口があったので、そこから路上に出て、路地を小走りに公園から離れました。
「あの人、私たちがトイレに入るのを見て、近づいてきたのでしょうね」
「外を見てすぐに気づいたわ。あたしを見てニヤって笑った気がしたから、気持ち悪くて咄嗟に電気を消したの」
「黒っぽいカーディガンみたいの着ていて浮浪者風ではなかったわね。夜なのにサングラスなんかして、プロの覗き魔か何かかしら」
「周りがしんとしていたから、トイレ内での会話も聞かれちゃっていたかも」
「あの様子だと今頃女子トイレに侵入して、あたしたちの置き土産をみつけているでしょうね」
矢継ぎ早に話しかけてくるお姉さま。
お姉さまも意外に興奮されているご様子。
「直子、どうする?あなたのえっちなおツユの臭い、絶対オカズにされちゃっているわよ?」
茶化すようなお姉さまのイジワル声。
「そ、それは、恥ずかしいですし、気持ちも悪いですけれど、でもちょっとだけ、その恥ずかしさにちょこっと疼いちゃうような感じも・・・」
「あら?変態覗き魔男のオカズにされちゃうのよ?直子は男性が苦手、なんじゃなかったっけ?」
「あ、はい。それはそうなのですが、でも今は、お姉さまといるから・・・」
さっきおトイレで告げられた、何かあったらあたしが守ってあげる、というお姉さまの頼もしいお言葉に、私の男性恐怖症さえ霞んでいました。
「さっきお姉さまに手を引っ張られたとき、弾みでスカートが思い切り暴れちゃったんです」
「電気は消えていたけれど、きっとあの人に私のお尻、視られちゃったと思います」
その瞬間を思い出してゾクゾクしながら、お姉さまに告げました。
「あらあら。ずいぶんサービスしちゃったのね。今頃あの覗き魔男の右手、止まらなくなっちゃっているのじゃないかしら」
お姉さまが笑いながら、お下品なご想像を述べました。
「それにしてもひどいトイレだったわね。まだスーツに臭いが染み付いているような気がするわ」
ご自分の右袖をクンクンされるお姉さま。
同感でしたし、行く手にまた別のコンビニの灯りが見えて、つい言ってしまいました。
「私、あのときお姉さまに、コンビニに寄ってくれませんか?って頼もうとしたんです。そこでおトイレをお借りしようかと」
「そしたらお姉さまが、公園のことをおっしゃられて・・・」
「ああ、なるほど。コンビニね。そういう手もあったわね」
感心したようにおっしゃってから急に立ち止まり、イタズラっぽい笑顔で振り向いて、私を見つめてきました。
「直子はもしコンビニ入ったら、まっすぐトイレに直行する気だったの?」
「いえ、それはちゃんと店員さんに許可をいただいて・・・」
「そうよね。トイレ借りるならちゃんと断って、帰り際にガムのひとつでも買っていくのが都会人としてのたしなみよね」
お姉さまが愉しそうなイジワル顔になっています。
「そっか。直子はコンビニのレジで店員さんに、そのえっちな胸元を間近で視てもらいたかったんだ」
「コンビニみたいな明るいところなら、店員さんにもお客さんにも、セクシーな姿をじっくり視てもらえるものね。ごめんね、気がつかなくて」
「ブラウスを取る前だって、見事に胸の谷間が見えてとてもコケティッシュだったもの。それを見せるチャンスを奪っちゃったのね、あたし」
お芝居っぽくおっしゃって、私の手を引いて再び歩き出すお姉さま。
「あっ、いえ、違うんです。そういう意味ではなくて・・・」
そんなこと、まったく思い当たらなかった私は、大いにあわてます。
そうでした。
コンビニの店内って、すっごく明るいんでした。
「直子が恥ずかしいかなー、と思って、なるべく人通りの少ない、暗めの道を選んでここまで来たのだけれど、直子の旺盛な露出欲にとっては、余計なお世話だったみたいね?」
「いえいえいえ、そんなことぜんぜんっありません。暗いほうがいいです。人通りが無いほうがいいですぅ。ごめんなさいぃ」
この後の展開が容易に読めたので、必死になって謝ります。
コンビニがどんどん近づいてきます。
「ちょうどあそこにもコンビニがあるから、寄って行きましょうか。露出魔ナオちゃんのリクエストにお応えして」
ふたり、コンビニの灯りの少し手前で立ち止まりました。
間近で見るコンビニ店内は、明る過ぎるくらい明るくて、健全でした。
お姉さまの肩越しにそっと覗くと、店内にお客さんが3人くらい、レジの店員さんは若い男性でした。
そして、そのコンビニの周辺を見渡したとき、不意に気づいてしまいました。
そのあたりは、私が昼夜問わずよく利用する、完全に生活圏内であることを。
コンビニに面した通りには、マンガやアニメ関係のグッズやコスプレ用品を扱うお店がたくさん集まっていて、私もよく通っていました。
もちろんそのコンビニにも、何度も入ったことがありました。
通りを渡ると自動車教習所があって、郵便局があって・・・
東京に来てから、数え切れないくらい行き来した一帯で、私は今、裸ブレザーにミニスカノーパンでした。
お姉さまと一緒にいる楽しさから薄れていた、羞恥心と背徳感が一気に、強烈によみがえりました。
こんな格好でいるところを、誰か知っている人に見られたら・・・
アニメ関係のお店には、顔見知りになった店員さんも何人かいます。
夜更けなのでお店は全部閉まっているでしょうけれど、お仕事を終えた彼女たちに出会ってしまったら・・・
偶然ご近所さんに目撃されちゃったら・・・
いてもたってもいられず、一刻も早くこの通りを離れ、どこか暗い路地に逃げ込みたい心境でした。
「お姉さま、お願いですから許してください。ここのコンビニ、けっこう使っているんです。こんな恥ずかしい姿を店員さんに視られたら、もう来れなくなっちゃいますぅ」
お姉さまの手をギューッと握り締め、祈るようにお願いしました。
「だと思ったわ。この辺はアニメ関係のお店多いから、きっと直子も通っているだろうな、って」
「うふふ。わかったわ。直子がこの界隈で露出狂のヘンタイさんとして有名になっちゃったら可哀想だものね。コンビニ露出は許してあげる。別に買うものも無いしね」
「だからそんな、今にも泣き出しそうな顔しないの。あ、でも直子のそういう顔は、あたし好きよ」
私を虐めてご機嫌なご様子のお姉さまに手を引かれ、明るいコンビニの脇を素通りし、ちょうど車が途切れた車道を横切りました。
そこからはオフィス街なので、灯りの点いた窓もまばら、外灯だけの薄暗さに戻りました。
人通りもほとんどなくなって、しんとした静けさ。
お姉さまのヒールの音だけがコツコツと響きます。
「直子と一緒に居ると退屈しないわね。次から次へと面白いことがおこるから」
「そのたんびに直子の表情がコロコロ変わって、ほんと見ていて飽きないわ」
からかうようにおっしゃるお姉さまの手をギュッと握り、左腕に寄り添うようにからだを寄せて、暗い道をしばらく幸せに歩きました。
灯りが全部消えて真っ暗になっている立体駐車場のような外観の広い自動車教習所のはずれを右に曲がると、池袋のランドマークとも言える一画に出ます。
有名な高層ビルを中心に、高層ホテル、ショッピングモール、イベント会館などが一体となった広大なエリア。
私も毎日と言っていいくらい、行き来する見慣れた場所です。
思わず緊張が増しますが、夜更けなので灯りも少なく人通りもあまり無くてホッ。
「この信号を渡ればもうすぐよ。このエリアの向こう側だから」
信号待ちをしながらお姉さまが指さす方向だけ、やけに明るく闇に浮かんでいました。
エリアのはずれの、昼間は観光バスとか荷物のトラックとかが出入りしている、向こう側まで吹き抜けになっている広い場所でした。
「あそこだけ、ずいぶん明るいですね?こんな夜更けなのに」
「ああ、あれは高速バスを待っている人たちがいるのよ。昼間にも観光バスとかが停まっているでしょ。夜はその一画が深夜高速バスのターミナルになるの」
「ここから関西とか信州上越とかに車中泊で行って、朝から現地で遊ぼうっていう人たちね」
「学生さんは今春休みだから、テニスやらお花見やらするのでしょうね。うらやましいこと」
信号を渡って近づくと、夜更けにしては派手めな嬌声がキャッキャウフフと聞こえてきました。
若めな男女が2、30人くらいいるみたい。
「建物の横の道をバカ正直にまっすぐ行くより、ここを斜めに突っ切っちゃうと、近道なんだけどなあ」
お姉さまがイタズラっぽく、私の顔を覗き込んできます。
「えっ!?こんな、こんなに明るいところを、ですか?人もたくさん居るし・・・」
自分のえっちな胸元をあらためて確認してドキドキしながら、出来れば許して欲しい、というニュアンスを込めてお答えしました。
「大丈夫よ。さっきやりたがっていたコンビニ露出よりは、ぜんぜんリスクは小さいから」
お姉さまったらもう!私、やりたがってなんていません!
「コンビニだと店員さんやお客さんが地元民の確率が高いけれど、ここに今来ている人たちは、ただバスに乗るためにいろんな所から集まってきただけだし、バスが来れば乗ってどこかへ行っちゃう、一過性の人たちだもの」
「たとえ視られたって、直子がどこの誰かなんてわかるはずないし、目的地で遊んで帰って来る頃には忘れているわ」
よくわけのわからない理屈で、説得にかかるお姉さま。
「ね?大丈夫よ。だってあたしがついているのだから、ね?」
「そ、そうですね・・・」
結局、その殺し文句でその気になっちゃう私。
勇気を出してその明るい空間に一歩足を踏み入れました。
ワイワイガヤガヤのボリュームが一段上がります。
バスを待つ人が集まっているのは、私たちが立つ出入り口周辺の壁際の一画、空間全体の四分の一くらいだけで、その奥の広い空間には誰もいないみたいです。
ただし、そちらのほうも満遍なく灯りが点いていて明るいですが。
「さあ、行くわよ。なるべく堂々と歩きなさいね」
お姉さまが私の右耳にささやきます。
「それと、遊びに行く前の若い子たちってテンション上がっているから、ヘンなのにみつかったらお下品に冷やかされるかもしれないわ。その覚悟だけはしておきなさい」
とても愉しそうなお姉さまのお声。
「さ、行きましょう」
私の右手を握り直し、お姉さまがみなさまのたむろする壁側、私がその左側を少し遅れて、という形でゆっくり歩き始めました。
壁際でてんでばらばらにワイワイしている一団の5、6メートルくらい前を斜めに横切ることになります。
煌々と照っている明るい灯りの下、裸ブレザーにミニスカノーパンという破廉恥な格好の私が堂々としていられるわけがありません。
「あっ、あの男の子、直子のほう視てる」
「隣の子の肩つっついて、こっちを指さしているわよ」
「おい、あれって露出狂じゃねーの、なんて言ってるのかしら」
「あ、あっちの子もじーっと視てるわ」
小声でいちいちイジワルく実況中継してくださるお姉さまのお言葉を、嘘かほんとか確かめることなど出来るはずも無く、ひたすらうつむいて自分の足元を見ながら歩く私。
お姉さまの優雅な歩き方に比べて、肩を落とした私は、叱られたばかりの子供のようだったでしょう。
私たちが近づいていくとガヤガヤのトーンが急に下がったように感じたので、みなさまに注目されてしまったのは確かなようです。
ジャケット一枚だけに覆われた心臓はドッキドキ、足を動かすごとに空気が直に撫ぜてくるアソコの奥がキュンキュン。
一団の前を通り過ぎるまで、すごく長い時間がかかったような気がしました。
なんとか無事に通り過ぎて、行く手が無人の空間になったとき、ターミナル内に低いエンジンの音が響きました。
「バスがやって来たようね」
甲高い女性声で行き先や乗車の仕方を告げるアナウンスが大きく聞こえ、ガヤガヤザワザワが再びボリュームアップ。
私もホッと一息です。
もう彼らからは、私の背中しか見えません。
「けっこう視られていたわよ、男にも女にも。みんなしきりにこっち見てヒソヒソしていたもの」
もうすぐターミナルの外、というところでお姉さまが立ち止まり、バスのほうを振り返りました。
バスの低音なアイドリング音が空間内を満たし、さざめきを飲み込んでいました。
「あら?まだバスに乗り込まずに、バスの前で未練たらしくこっちを見ている男の子がいるわ」
「ずいぶんなスケベさんね。ご褒美としてちょっとサービスしてあげましょう」
おっしゃるなり、お姉さまの手が私のスカートのお尻側を、大きくペロンとめくり上げました。
「あ、だめぇ!」
めくられたのは後ろなのに、咄嗟に前を押さえる私。
「大丈夫よ。一瞬だったし10メートル以上も向こうだもの。パンツ穿いているかいないかさえ、わかりっこないわ」
「でもあのスケベさんには、この一連の行為が、直子の恥ずかしい姿を見せたいがためのもの、ということはわかってもらえたはずよ。どう?嬉しい?」
心底愉しそうなお姉さまのお声も上の空。
私は、こんな見慣れた普段使いの公共の場所で、意図的に生お尻を露出して、そしてそれを目撃した赤の他人が確実にひとりはいた、という公然猥褻な事実に、ズキンズキン感じまくっていました。
足腰がもうフラフラです。
エリアの反対側の通りに出ました。
「ここまで来れば、もうすぐそこよ」
「で、でも、こっち側は人通りが多いですね。灯りも多いし」
通りの向こう側へ渡ろうと、車が途切れるのを待っている私たちに、行き交う人がチラチラ視線を飛ばしてくるのを感じていました。
「そうね。こっち側には24時間営業の大きなスーパーもあるし、地下鉄の駅も近いから」
おっしゃりながらもキョロキョロ左右に目を配り、車の流れが途絶えた隙を突いて、通りに飛び出すお姉さま。
手を引かれた私もおたおたと、車道を突っ切って反対側へ。
支えの無いバストがジャケットの下でプルプル揺れて、スカートの裾もヒラヒラ揺れました。
すぐに通りを逸れて路地に入るお姉さま。
「ここよ」
マンションの入口らしきゲートが、まぶしいくらいの電飾で煌々と照らし出されていました。
「ずいぶん立派なマンションですねー」
ゲートも入口も乳白色の大理石でツヤツヤ光り、カードキーで入ったエントランスには、品の良い柔らかそうなソファーがでーんと置いてありました。
大きな姿見に自分の姿が映ってドキンッ!
「そうね。建物自体はけっこう古いみたいだけれど、お手入れも行き届いているし、調度品の趣味もいいし、住み心地はいいわよ」
エントランスの奥にエレベーターホール。
空間全体が明るく照らし出されていますが、幸い誰の姿も無く私たちだけだったので、少しリラックス。
エレベーターが降りてくるのを待ちます。
うわー、ここは床も大理石なのかな?
墨汁に白い糸をパラパラ散らしたような模様の黒光りする床が、ピカピカに磨かれて輝いています。
12階にいたエレベーターが6階を通過しました。
そのとき何気なく自分の足元を見て、愕然としてしまいました。
「いやんっ!」
思わずつないでいた手を振りほどき、両手でスカートの前を押さえて、前屈みの中腰になっていました。
「どうしたの?」
お姉さまが驚いたお顔で聞いてきます。
私は真っ赤になって首を振るだけ。
内腿を勢い良く、おツユが垂れていくのがわかりました。
このマンションのお掃除の係りの人、お仕事がんばりすぎです。
ピカピカに磨き上げられた床は鏡となり、短いスカートの下で剥き出しな私のワレメが、ソコを真下から覗き込んだらそう見えるであろう構図で、黒光りの床にクッキリと映し出されていたのでした。
*
*ランデブー 6:42 08へ
*
「ああびっくりしたー」
私を振り向いたお姉さまの愉しそうなお顔。
おトイレの鏡から目を逸らしてお外を見たとき。
おトイレ入口の2メートルくらい向こうに、ぼんやり人影が見えました。
入るとき、そこには誰も居なかったはず。
おトイレの電気を点けてからも、一度お外を見たので確実です。
その人影は、4人掛けくらいの細長いベンチの一番端に座っていました。
少し前のめりになって、真正面にある女子トイレの入口をじーっと窺がっていたように見えました。
その人影にびっくりした私が小さく悲鳴を上げると、お姉さまもすでに気づかれていたようで、さっと壁に腕を伸ばし、おトイレの電気を消して真っ暗にしました。
それから私の右手を引っ張り、おトイレの建物の裏手へと誘導してくださいました。
幸いその近くにも公園への出入り口があったので、そこから路上に出て、路地を小走りに公園から離れました。
「あの人、私たちがトイレに入るのを見て、近づいてきたのでしょうね」
「外を見てすぐに気づいたわ。あたしを見てニヤって笑った気がしたから、気持ち悪くて咄嗟に電気を消したの」
「黒っぽいカーディガンみたいの着ていて浮浪者風ではなかったわね。夜なのにサングラスなんかして、プロの覗き魔か何かかしら」
「周りがしんとしていたから、トイレ内での会話も聞かれちゃっていたかも」
「あの様子だと今頃女子トイレに侵入して、あたしたちの置き土産をみつけているでしょうね」
矢継ぎ早に話しかけてくるお姉さま。
お姉さまも意外に興奮されているご様子。
「直子、どうする?あなたのえっちなおツユの臭い、絶対オカズにされちゃっているわよ?」
茶化すようなお姉さまのイジワル声。
「そ、それは、恥ずかしいですし、気持ちも悪いですけれど、でもちょっとだけ、その恥ずかしさにちょこっと疼いちゃうような感じも・・・」
「あら?変態覗き魔男のオカズにされちゃうのよ?直子は男性が苦手、なんじゃなかったっけ?」
「あ、はい。それはそうなのですが、でも今は、お姉さまといるから・・・」
さっきおトイレで告げられた、何かあったらあたしが守ってあげる、というお姉さまの頼もしいお言葉に、私の男性恐怖症さえ霞んでいました。
「さっきお姉さまに手を引っ張られたとき、弾みでスカートが思い切り暴れちゃったんです」
「電気は消えていたけれど、きっとあの人に私のお尻、視られちゃったと思います」
その瞬間を思い出してゾクゾクしながら、お姉さまに告げました。
「あらあら。ずいぶんサービスしちゃったのね。今頃あの覗き魔男の右手、止まらなくなっちゃっているのじゃないかしら」
お姉さまが笑いながら、お下品なご想像を述べました。
「それにしてもひどいトイレだったわね。まだスーツに臭いが染み付いているような気がするわ」
ご自分の右袖をクンクンされるお姉さま。
同感でしたし、行く手にまた別のコンビニの灯りが見えて、つい言ってしまいました。
「私、あのときお姉さまに、コンビニに寄ってくれませんか?って頼もうとしたんです。そこでおトイレをお借りしようかと」
「そしたらお姉さまが、公園のことをおっしゃられて・・・」
「ああ、なるほど。コンビニね。そういう手もあったわね」
感心したようにおっしゃってから急に立ち止まり、イタズラっぽい笑顔で振り向いて、私を見つめてきました。
「直子はもしコンビニ入ったら、まっすぐトイレに直行する気だったの?」
「いえ、それはちゃんと店員さんに許可をいただいて・・・」
「そうよね。トイレ借りるならちゃんと断って、帰り際にガムのひとつでも買っていくのが都会人としてのたしなみよね」
お姉さまが愉しそうなイジワル顔になっています。
「そっか。直子はコンビニのレジで店員さんに、そのえっちな胸元を間近で視てもらいたかったんだ」
「コンビニみたいな明るいところなら、店員さんにもお客さんにも、セクシーな姿をじっくり視てもらえるものね。ごめんね、気がつかなくて」
「ブラウスを取る前だって、見事に胸の谷間が見えてとてもコケティッシュだったもの。それを見せるチャンスを奪っちゃったのね、あたし」
お芝居っぽくおっしゃって、私の手を引いて再び歩き出すお姉さま。
「あっ、いえ、違うんです。そういう意味ではなくて・・・」
そんなこと、まったく思い当たらなかった私は、大いにあわてます。
そうでした。
コンビニの店内って、すっごく明るいんでした。
「直子が恥ずかしいかなー、と思って、なるべく人通りの少ない、暗めの道を選んでここまで来たのだけれど、直子の旺盛な露出欲にとっては、余計なお世話だったみたいね?」
「いえいえいえ、そんなことぜんぜんっありません。暗いほうがいいです。人通りが無いほうがいいですぅ。ごめんなさいぃ」
この後の展開が容易に読めたので、必死になって謝ります。
コンビニがどんどん近づいてきます。
「ちょうどあそこにもコンビニがあるから、寄って行きましょうか。露出魔ナオちゃんのリクエストにお応えして」
ふたり、コンビニの灯りの少し手前で立ち止まりました。
間近で見るコンビニ店内は、明る過ぎるくらい明るくて、健全でした。
お姉さまの肩越しにそっと覗くと、店内にお客さんが3人くらい、レジの店員さんは若い男性でした。
そして、そのコンビニの周辺を見渡したとき、不意に気づいてしまいました。
そのあたりは、私が昼夜問わずよく利用する、完全に生活圏内であることを。
コンビニに面した通りには、マンガやアニメ関係のグッズやコスプレ用品を扱うお店がたくさん集まっていて、私もよく通っていました。
もちろんそのコンビニにも、何度も入ったことがありました。
通りを渡ると自動車教習所があって、郵便局があって・・・
東京に来てから、数え切れないくらい行き来した一帯で、私は今、裸ブレザーにミニスカノーパンでした。
お姉さまと一緒にいる楽しさから薄れていた、羞恥心と背徳感が一気に、強烈によみがえりました。
こんな格好でいるところを、誰か知っている人に見られたら・・・
アニメ関係のお店には、顔見知りになった店員さんも何人かいます。
夜更けなのでお店は全部閉まっているでしょうけれど、お仕事を終えた彼女たちに出会ってしまったら・・・
偶然ご近所さんに目撃されちゃったら・・・
いてもたってもいられず、一刻も早くこの通りを離れ、どこか暗い路地に逃げ込みたい心境でした。
「お姉さま、お願いですから許してください。ここのコンビニ、けっこう使っているんです。こんな恥ずかしい姿を店員さんに視られたら、もう来れなくなっちゃいますぅ」
お姉さまの手をギューッと握り締め、祈るようにお願いしました。
「だと思ったわ。この辺はアニメ関係のお店多いから、きっと直子も通っているだろうな、って」
「うふふ。わかったわ。直子がこの界隈で露出狂のヘンタイさんとして有名になっちゃったら可哀想だものね。コンビニ露出は許してあげる。別に買うものも無いしね」
「だからそんな、今にも泣き出しそうな顔しないの。あ、でも直子のそういう顔は、あたし好きよ」
私を虐めてご機嫌なご様子のお姉さまに手を引かれ、明るいコンビニの脇を素通りし、ちょうど車が途切れた車道を横切りました。
そこからはオフィス街なので、灯りの点いた窓もまばら、外灯だけの薄暗さに戻りました。
人通りもほとんどなくなって、しんとした静けさ。
お姉さまのヒールの音だけがコツコツと響きます。
「直子と一緒に居ると退屈しないわね。次から次へと面白いことがおこるから」
「そのたんびに直子の表情がコロコロ変わって、ほんと見ていて飽きないわ」
からかうようにおっしゃるお姉さまの手をギュッと握り、左腕に寄り添うようにからだを寄せて、暗い道をしばらく幸せに歩きました。
灯りが全部消えて真っ暗になっている立体駐車場のような外観の広い自動車教習所のはずれを右に曲がると、池袋のランドマークとも言える一画に出ます。
有名な高層ビルを中心に、高層ホテル、ショッピングモール、イベント会館などが一体となった広大なエリア。
私も毎日と言っていいくらい、行き来する見慣れた場所です。
思わず緊張が増しますが、夜更けなので灯りも少なく人通りもあまり無くてホッ。
「この信号を渡ればもうすぐよ。このエリアの向こう側だから」
信号待ちをしながらお姉さまが指さす方向だけ、やけに明るく闇に浮かんでいました。
エリアのはずれの、昼間は観光バスとか荷物のトラックとかが出入りしている、向こう側まで吹き抜けになっている広い場所でした。
「あそこだけ、ずいぶん明るいですね?こんな夜更けなのに」
「ああ、あれは高速バスを待っている人たちがいるのよ。昼間にも観光バスとかが停まっているでしょ。夜はその一画が深夜高速バスのターミナルになるの」
「ここから関西とか信州上越とかに車中泊で行って、朝から現地で遊ぼうっていう人たちね」
「学生さんは今春休みだから、テニスやらお花見やらするのでしょうね。うらやましいこと」
信号を渡って近づくと、夜更けにしては派手めな嬌声がキャッキャウフフと聞こえてきました。
若めな男女が2、30人くらいいるみたい。
「建物の横の道をバカ正直にまっすぐ行くより、ここを斜めに突っ切っちゃうと、近道なんだけどなあ」
お姉さまがイタズラっぽく、私の顔を覗き込んできます。
「えっ!?こんな、こんなに明るいところを、ですか?人もたくさん居るし・・・」
自分のえっちな胸元をあらためて確認してドキドキしながら、出来れば許して欲しい、というニュアンスを込めてお答えしました。
「大丈夫よ。さっきやりたがっていたコンビニ露出よりは、ぜんぜんリスクは小さいから」
お姉さまったらもう!私、やりたがってなんていません!
「コンビニだと店員さんやお客さんが地元民の確率が高いけれど、ここに今来ている人たちは、ただバスに乗るためにいろんな所から集まってきただけだし、バスが来れば乗ってどこかへ行っちゃう、一過性の人たちだもの」
「たとえ視られたって、直子がどこの誰かなんてわかるはずないし、目的地で遊んで帰って来る頃には忘れているわ」
よくわけのわからない理屈で、説得にかかるお姉さま。
「ね?大丈夫よ。だってあたしがついているのだから、ね?」
「そ、そうですね・・・」
結局、その殺し文句でその気になっちゃう私。
勇気を出してその明るい空間に一歩足を踏み入れました。
ワイワイガヤガヤのボリュームが一段上がります。
バスを待つ人が集まっているのは、私たちが立つ出入り口周辺の壁際の一画、空間全体の四分の一くらいだけで、その奥の広い空間には誰もいないみたいです。
ただし、そちらのほうも満遍なく灯りが点いていて明るいですが。
「さあ、行くわよ。なるべく堂々と歩きなさいね」
お姉さまが私の右耳にささやきます。
「それと、遊びに行く前の若い子たちってテンション上がっているから、ヘンなのにみつかったらお下品に冷やかされるかもしれないわ。その覚悟だけはしておきなさい」
とても愉しそうなお姉さまのお声。
「さ、行きましょう」
私の右手を握り直し、お姉さまがみなさまのたむろする壁側、私がその左側を少し遅れて、という形でゆっくり歩き始めました。
壁際でてんでばらばらにワイワイしている一団の5、6メートルくらい前を斜めに横切ることになります。
煌々と照っている明るい灯りの下、裸ブレザーにミニスカノーパンという破廉恥な格好の私が堂々としていられるわけがありません。
「あっ、あの男の子、直子のほう視てる」
「隣の子の肩つっついて、こっちを指さしているわよ」
「おい、あれって露出狂じゃねーの、なんて言ってるのかしら」
「あ、あっちの子もじーっと視てるわ」
小声でいちいちイジワルく実況中継してくださるお姉さまのお言葉を、嘘かほんとか確かめることなど出来るはずも無く、ひたすらうつむいて自分の足元を見ながら歩く私。
お姉さまの優雅な歩き方に比べて、肩を落とした私は、叱られたばかりの子供のようだったでしょう。
私たちが近づいていくとガヤガヤのトーンが急に下がったように感じたので、みなさまに注目されてしまったのは確かなようです。
ジャケット一枚だけに覆われた心臓はドッキドキ、足を動かすごとに空気が直に撫ぜてくるアソコの奥がキュンキュン。
一団の前を通り過ぎるまで、すごく長い時間がかかったような気がしました。
なんとか無事に通り過ぎて、行く手が無人の空間になったとき、ターミナル内に低いエンジンの音が響きました。
「バスがやって来たようね」
甲高い女性声で行き先や乗車の仕方を告げるアナウンスが大きく聞こえ、ガヤガヤザワザワが再びボリュームアップ。
私もホッと一息です。
もう彼らからは、私の背中しか見えません。
「けっこう視られていたわよ、男にも女にも。みんなしきりにこっち見てヒソヒソしていたもの」
もうすぐターミナルの外、というところでお姉さまが立ち止まり、バスのほうを振り返りました。
バスの低音なアイドリング音が空間内を満たし、さざめきを飲み込んでいました。
「あら?まだバスに乗り込まずに、バスの前で未練たらしくこっちを見ている男の子がいるわ」
「ずいぶんなスケベさんね。ご褒美としてちょっとサービスしてあげましょう」
おっしゃるなり、お姉さまの手が私のスカートのお尻側を、大きくペロンとめくり上げました。
「あ、だめぇ!」
めくられたのは後ろなのに、咄嗟に前を押さえる私。
「大丈夫よ。一瞬だったし10メートル以上も向こうだもの。パンツ穿いているかいないかさえ、わかりっこないわ」
「でもあのスケベさんには、この一連の行為が、直子の恥ずかしい姿を見せたいがためのもの、ということはわかってもらえたはずよ。どう?嬉しい?」
心底愉しそうなお姉さまのお声も上の空。
私は、こんな見慣れた普段使いの公共の場所で、意図的に生お尻を露出して、そしてそれを目撃した赤の他人が確実にひとりはいた、という公然猥褻な事実に、ズキンズキン感じまくっていました。
足腰がもうフラフラです。
エリアの反対側の通りに出ました。
「ここまで来れば、もうすぐそこよ」
「で、でも、こっち側は人通りが多いですね。灯りも多いし」
通りの向こう側へ渡ろうと、車が途切れるのを待っている私たちに、行き交う人がチラチラ視線を飛ばしてくるのを感じていました。
「そうね。こっち側には24時間営業の大きなスーパーもあるし、地下鉄の駅も近いから」
おっしゃりながらもキョロキョロ左右に目を配り、車の流れが途絶えた隙を突いて、通りに飛び出すお姉さま。
手を引かれた私もおたおたと、車道を突っ切って反対側へ。
支えの無いバストがジャケットの下でプルプル揺れて、スカートの裾もヒラヒラ揺れました。
すぐに通りを逸れて路地に入るお姉さま。
「ここよ」
マンションの入口らしきゲートが、まぶしいくらいの電飾で煌々と照らし出されていました。
「ずいぶん立派なマンションですねー」
ゲートも入口も乳白色の大理石でツヤツヤ光り、カードキーで入ったエントランスには、品の良い柔らかそうなソファーがでーんと置いてありました。
大きな姿見に自分の姿が映ってドキンッ!
「そうね。建物自体はけっこう古いみたいだけれど、お手入れも行き届いているし、調度品の趣味もいいし、住み心地はいいわよ」
エントランスの奥にエレベーターホール。
空間全体が明るく照らし出されていますが、幸い誰の姿も無く私たちだけだったので、少しリラックス。
エレベーターが降りてくるのを待ちます。
うわー、ここは床も大理石なのかな?
墨汁に白い糸をパラパラ散らしたような模様の黒光りする床が、ピカピカに磨かれて輝いています。
12階にいたエレベーターが6階を通過しました。
そのとき何気なく自分の足元を見て、愕然としてしまいました。
「いやんっ!」
思わずつないでいた手を振りほどき、両手でスカートの前を押さえて、前屈みの中腰になっていました。
「どうしたの?」
お姉さまが驚いたお顔で聞いてきます。
私は真っ赤になって首を振るだけ。
内腿を勢い良く、おツユが垂れていくのがわかりました。
このマンションのお掃除の係りの人、お仕事がんばりすぎです。
ピカピカに磨き上げられた床は鏡となり、短いスカートの下で剥き出しな私のワレメが、ソコを真下から覗き込んだらそう見えるであろう構図で、黒光りの床にクッキリと映し出されていたのでした。
*
*ランデブー 6:42 08へ
*
2014年8月9日
ランデブー 6:42 06
「スカートは自分で、充分気をつけて脱ぎなさいね。床に落としちゃったり、汚い水が跳ねないように。上はあたしが・・・」
背後から抱きつくように伸びたお姉さまの両手で、あっという間に私のジャケットのボタンがふたつともはずされ、そのままブラウスごと後ろに肩脱ぎにされて両腕からも抜かれ、あれよという間に上半身裸。
「ぃゃぁんっ!」
「こらこら。そんなエロい声出したらダメでしょ?公園の様子、見なかった?」
「こんな夜更けに真っ暗な中でベンチに寝転がっているような、ヘンなのが何人もいたのよ」
「そんないやらしい声を聞きつけたら、絶対寄ってきちゃうわよ?女子トイレだろうが入ってきちゃうかも。それでもいいの?」
私は無言で激しく首を左右に振りました。
「へー。ニップルパッド、まだちゃんとしっかりくっついているわね。あの国製にしてはいい仕事だわ」
露になった私の上半身をまじまじと見ながら、お姉さまが独り言みたいにつぶやきました。
「ほら、早くスカートも取って。オシッコしたいのでしょう?」
「あ、はい」
スカートのウエスト部分を片手でしっかり掴み、もう片方の手でホックをはずしてジッパーを下げ、それから布地をパンプスの底やヒールに引っかけたりしないように、慎重に両脚を抜きました。
「こっちのもちゃんとまだ貼り付いているわね。布地はもう、ほとんどグッショグショなのに」
私の股間を指さして、苦笑いのお姉さま。
自分で見下ろすと、前貼り部分の逆三角形の三分の二以上が濡れて、ベージュ色が色濃く変色していました。
「まさか、すでにちょっと、お漏らしもしちゃっていたりして」
からかうようなお姉さまのお声に再び私は、激しく首を左右に振りました。
裸な上半身の乳房も、つられてプルプル震えます。
「ほら、こっちに来て背中を向けて」
お姉さまに呼ばれて一歩近づき、足元に気をつけながらからだをそっと半回転しました。
お姉さまは、私が持っていたスカートを取り上げてジャケットとブラウスと共に左腕に抱えてから、少し屈んで右手を伸ばし、私のお尻近くの背中に貼り付いているストラップレスパンティの糊しろ部分をペリッと剥がしました。
そのままお姉さまが布を少し強く下へ引っ張ると、私の土手に貼り付いていた部分も意外に簡単に剥がれ、ベージュの布片が股のあいだから私の背後に消えていきました。
明るい蛍光灯の下で、丸出しになった私のアソコ。
「さ、これならいいでしょう。服は持っていてあげるから、早くしゃがんでしちゃいなさい」
「はい・・・」
ニーソックスとニップルパッドだけのほぼ全裸になった私は、恐る恐る汚れた便器を跨ぎ、恐る恐る腰を落としていきます。
「公園にいる人たちも、まさかこんなところで可愛い女の子が、わざわざ真っ裸になって用を足しているなんて、思ってもいないでしょうね」
私のお尻側に立って、しゃがんだ背中を見下ろしているのであろうお姉さまのからかうようなお声が、頭上から降ってきます。
「こんなに不潔で汚れまくりの個室にうずくまっている直子の背中の白い肌が、とってもシュールでエロティックよ」
「している顔が見えないのは残念だけれどね」
茶化しているのか本気なのか、お姉さまがお芝居っぽくささやくハスキーなお声が、すっごくいやらしく聞こえました。
しゃがんでしばらくは、なかなか出ませんでした。
場所、今の自分の姿、お姉さまがご覧になっていること、性的に興奮していること、そういうのがプレッシャーとなって、緊張のあまりオシッコもびっくりしちゃったのでしょう。
早く出して、ここから立ち去りたい。
目をつぶって意識をオシッコだけに集中させていると、やがて、引き篭もっていたオシッコがチョロッとお外に飛び出しました。
それからが長かった。
よく今までがまん出来たな、と思うくらい、出つづけました。
お姉さまもお声をかけてこないので、しんと静まり返った個室の中に、ジョロジョロという私の排尿音だけが鳴り響きました。
自分がたてている音が、そしてそれを聞かれているということが、すっごく恥ずかしい。
「ずいぶんがまんしていたのね」
やっと水音が止まると、お久しぶりなお姉さまのお声が降ってきました。
「拭いてあげるから、そのまま中腰になって」
えっ!?お姉さまが拭いてくださるの!?
ドキンと跳ねる心臓の合図で、防御レベルを最大限に上げます。
お姉さまと出会ったランジェリーショップの試着室でも、似たようなことをされたのを思い出していました。
絶対にヘンな声を出さないように、口を真一文字に結びながら、恐る恐るしゃがんでいたお尻を浮かせ始めました。
「ぁぅっんっ!」
中腰くらいまでになったとき、お尻のほうからひんやりとしたものが両腿のあいだに侵入してきて、内股にピタッとあてがわれました。
ウエットティッシュでしょう。
私のアソコを背後から手のひらでやんわり掴むようにティッシュで覆ってから、そのまま二度三度、中の粘膜に押し付けるように前後に擦られました。
「んんんっ!」
私は両手のひらで自分の口を塞ぎ、必死に悦びを堪えました。
ウエットティッシュを何回か変えて入念に。
お尻側から差し込まれたウエットティッシュは、前のほうで飛び出している肉の芽をも、おかまいなしに擦ってきます。
ウエットティッシュを操るお姉さまの右手中指が、そこの担当のようです。
「ぅぅぅ・・」
必死に快感に抵抗しながら、いつまでもつづけて欲しい、という思いと、でもきっとまた寸止めで終わるのだろうな、という残念な安心感がありました。
「このくらいでいいでしょう。さあ、服を着て、とっととここから出ましょう」
お姉さまの手が私の股間から離れ、急速に昂ぶりが遠去かり、モヤモヤの中で私も渋々立ち上がりました。
お姉さまは、私のお洋服類をトートバッグの持ち手のあいだに挟んで左肩に提げ、空いた両手で使用済みらしいウエットティッシュをたたんでいました。
「はい。これで手も拭いて」
新しいウエットティッシュを手渡してくださいました。
レバーを踏んでも、予想通りお水は流れませんでした。
「手を拭いたら、これ。スカートね。前貼りはもういわよね。グショグショだったし、あとちょっと歩けばもう着いちゃうから」
否を言わせない決定事項伝達的な口調と共に、スカートが私の目の前に突き出されました。
確かにあの変色したストラップレスパンティを、またあらためて貼り直すのも、間が抜けた感じです。
素直にうなずいた私は、手を拭き終えたウエットティッシュと交換にスカートを受け取り、再び慎重にパンプスの両脚をくぐらせて、裸の腰にまといました。
「それからこれ、上着ね。ブラウスももういいでしょう。着てても着てなくても同じみたいだから」
えーっ!?
「そ、それはちょっと、違うような・・・」
ジャケットを受け取りながら不服な顔をお姉さまに向ける私を、お姉さまの笑顔が迎え撃ちます。
「ここに来るまでだって、もう完全にはだけていたわよ、直子の胸元。ブラウスが見えていたの、襟元だけだったもの」
「あたしはそんな姿を見て、いいな、色っぽいな、って思っていたの。直子にとても似合っていたから」
「そ、そうおっしゃられると嬉しいですけれど・・・」
「大丈夫よ。もうあと2、3分歩けばうちだし、こんな時間だから人通りも少ないし、暗いからよく見えないでしょう」
「何よりも、あたしと一緒にいるのだから、直子はもっともっと冒険しちゃっていいのよ。何かあったらあたしが守ってあげるから」
思いがけないお姉さまのおやさしいお言葉に、一瞬意味が掴めず、ワンテンポ遅れてすっごく嬉しくなりました。
「お姉さま・・・」
「ね?だから早くジャケット着て」
見れば、お姉さまのトートバッグの持ち手のあいだには、もう何も挟まっていませんでした。
おそらく脱がせた後、ブラウスだけさっさとバッグの中にしまっちゃったのでしょう。
ここを出るときは、上着だけしか着せないことを、とっくに決めていたようです。
「わかりました」
お姉さまがおっしゃった、守ってあげる、というお言葉に背中を押されて、私は大胆に冒険してみることにしました。
素肌に直に、ジャケットを羽織ります。
Vラインが大きく開いたブレザータイプのベージュのジャケット。
裸コートならぬ、裸ブレザー。
裸コートなら、一見普通の格好と変わりありませんが、裸ブレザーは一目見てバレバレです。
普通に考えて胸元の肌の露出量が多過ぎるし、ノーブラなことも一目瞭然。
ニップルパッドを着けていることが不幸中の幸いとは言えるでしょう。
わかりました、とお答えしてしまった手前、今更わがままは言えず、両腕を通し、ボタンを留めようとしたとき、お姉さまからお声がかかりました。
「ちょっと待って。せっかくだから、こっちももっと色っぽくしちゃいましょう」
お姉さまの両手が私のウエストに伸び、スカートのウエスト部分の布地を折り返し始めました。
「お店に来たとき、直子、こうしていたものね」
お姉さまの手で私の膝上丈の紺色ボックスプリーツスカートは、膝上20センチ以上にまで短くなっていました。
「いい感じよ。ニーソックスの黒とスカートの紺に挟まれた白い太腿とのコントラストが、とても色っぽいわ。もう少し上げちゃいましょう」
一歩下がって私の全身をまじまじと見つめる、お姉さまの笑顔。
また一折短くなりました。
普段でもこんなに短いスカートでは外出しません。
穿くとしたらアンダースコートや見せパンを着けた上での、テニスのときとかコスプレのときくらい。
その上、スカートの下は完全にノーパンなのですから、不安感がぞぞぞぞっと背筋を駆け上がりました。
強い風が吹いたら、つまずいて転んだら、誰かに悪戯でめくられたら・・・
心細いったらありません。
今となっては、あのペラペラで頼りないストラップレスパンティでさえも頼もしく感じます。
「大丈夫よ。普通に歩いていれば見えやしないわ。屈むとお尻が少しヤバイかもだけれど」
またしても私の心を読むエスパーお姉さま。
「もし万が一、めくれちゃったとしても、直子はヘアが無いから、ただ真っ白でなんだかわからないわよ。夜だし」
能天気なお姉さまのお言葉に、少しだけ勇気づけられて覚悟を決めました。
お姉さまが居ればこその大冒険です。
「あのぅ、ジャケットのボタン、もう留めてもいいでしょうか?」
「うん。いいわよ。留めて、さっさとここを出ましょう」
ボタンをふたつ留め終えてお姉さまを見ると、ちょこっと思案顔。
「これ、どうしようかしら?」
右手に使用済みウエットティッシュの束。
「サニタリーボックス、あるにはあるけれど、汚すぎて触りたくないし、便器に捨てても詰まっちゃうだろうし。あ、そう言えば水も流れなかったわね」
「持って帰るべきなのでしょうね。直子のえっちなおシルとオシッコにまみれてベットベトなこの使用済みティッシュ」
「あ、それなら私が何かに包んで自分のバッグに・・・」
「ううん。やっぱりここに置いていくことにする。こんなに汚いトイレをほったらかしにして使わせた管理者への罰として、抗議としてね」
お姉さまが右手の束をサニタリーボックスの蓋の上にそっと置きました。
「でも罰じゃなくてご褒美になっちゃうかもね。外に居る人たちの誰か、あたしたちが出た後、きっとここを覗きに来ると思うから」
「ちょっと嗅いだらすぐわかっちゃうはずよ?これはオシッコだけの臭いじゃないって」
お姉さまったら、すっごく愉しそう。
「直子どうする?あなたのえっちな愛液の臭い、嗅がれちゃうのよ?得体の知れないヘンタイな人に・・・」
怪談でも語っているかのような、お姉さまのお芝居がかった口調。
瞬時に、誰か気味の悪い人がこの個室にしゃがみ込んで、真っ暗な中で私の使用済みウエットティッシュをクンクン嗅いでいる図が頭に浮かびました。
そう言えばオシッコだって、流していないんだった。
オシッコも見られちゃう。
「もう!お姉さまったらぁ」
その想像になぜだかキュンキュン感じちゃいながらも、わざとおどけて抗議する私。
「うふふ。まあ捨てたゴミを誰がどうしようが、あたしたちの知ったことじゃないけれどね。さあ行きましょう」
バタン!
お姉さまが個室のドアを開けました。
おトイレの建物から出る間際に、洗面台上の割れて汚れて曇った鏡の中に、お姉さまに右手を引かれた自分の姿が映りました。
ジャケットのVラインから大胆に覗く素肌。
横向きだとカーブした襟の隙間から、横乳が丸見え。
正面が映ると、左右のおっぱいの谷間のふくらみと丸みが完全に見えていました。
いやんっ!
自分で自分の胸元を見るのより、鏡に映った姿のほうが想像以上に大胆かつ露骨な感じです。
正面姿が映った直後、反射的に鏡から目を逸らしていました。
目を逸らしたって、今の自分の格好がマシになるわけでは無いのに。
鏡から目を逸らすと視線がお外に向きました。
明るいおトイレから暗い公園内がぼんやり見えました。
「キャッ!」
私が小さく悲鳴を上げると同時に、パチンとおトイレの電気が消され真っ暗な中、グイッと右手を引かれました。
「こっちよ!」
お姉さまのお声、と思った途端、私は更に強い力で暗闇のほうへ強引に引っ張り込まれました。
前屈みのへっぴり腰になって、薄闇のほうへ大きくお尻を突き出した格好。
急に激しくからだを動かしたために、短いスカートが大きく翻りました。
いやんっ!スカートの中が見えちゃう・・・
*
*ランデブー 6:42 07へ
*
背後から抱きつくように伸びたお姉さまの両手で、あっという間に私のジャケットのボタンがふたつともはずされ、そのままブラウスごと後ろに肩脱ぎにされて両腕からも抜かれ、あれよという間に上半身裸。
「ぃゃぁんっ!」
「こらこら。そんなエロい声出したらダメでしょ?公園の様子、見なかった?」
「こんな夜更けに真っ暗な中でベンチに寝転がっているような、ヘンなのが何人もいたのよ」
「そんないやらしい声を聞きつけたら、絶対寄ってきちゃうわよ?女子トイレだろうが入ってきちゃうかも。それでもいいの?」
私は無言で激しく首を左右に振りました。
「へー。ニップルパッド、まだちゃんとしっかりくっついているわね。あの国製にしてはいい仕事だわ」
露になった私の上半身をまじまじと見ながら、お姉さまが独り言みたいにつぶやきました。
「ほら、早くスカートも取って。オシッコしたいのでしょう?」
「あ、はい」
スカートのウエスト部分を片手でしっかり掴み、もう片方の手でホックをはずしてジッパーを下げ、それから布地をパンプスの底やヒールに引っかけたりしないように、慎重に両脚を抜きました。
「こっちのもちゃんとまだ貼り付いているわね。布地はもう、ほとんどグッショグショなのに」
私の股間を指さして、苦笑いのお姉さま。
自分で見下ろすと、前貼り部分の逆三角形の三分の二以上が濡れて、ベージュ色が色濃く変色していました。
「まさか、すでにちょっと、お漏らしもしちゃっていたりして」
からかうようなお姉さまのお声に再び私は、激しく首を左右に振りました。
裸な上半身の乳房も、つられてプルプル震えます。
「ほら、こっちに来て背中を向けて」
お姉さまに呼ばれて一歩近づき、足元に気をつけながらからだをそっと半回転しました。
お姉さまは、私が持っていたスカートを取り上げてジャケットとブラウスと共に左腕に抱えてから、少し屈んで右手を伸ばし、私のお尻近くの背中に貼り付いているストラップレスパンティの糊しろ部分をペリッと剥がしました。
そのままお姉さまが布を少し強く下へ引っ張ると、私の土手に貼り付いていた部分も意外に簡単に剥がれ、ベージュの布片が股のあいだから私の背後に消えていきました。
明るい蛍光灯の下で、丸出しになった私のアソコ。
「さ、これならいいでしょう。服は持っていてあげるから、早くしゃがんでしちゃいなさい」
「はい・・・」
ニーソックスとニップルパッドだけのほぼ全裸になった私は、恐る恐る汚れた便器を跨ぎ、恐る恐る腰を落としていきます。
「公園にいる人たちも、まさかこんなところで可愛い女の子が、わざわざ真っ裸になって用を足しているなんて、思ってもいないでしょうね」
私のお尻側に立って、しゃがんだ背中を見下ろしているのであろうお姉さまのからかうようなお声が、頭上から降ってきます。
「こんなに不潔で汚れまくりの個室にうずくまっている直子の背中の白い肌が、とってもシュールでエロティックよ」
「している顔が見えないのは残念だけれどね」
茶化しているのか本気なのか、お姉さまがお芝居っぽくささやくハスキーなお声が、すっごくいやらしく聞こえました。
しゃがんでしばらくは、なかなか出ませんでした。
場所、今の自分の姿、お姉さまがご覧になっていること、性的に興奮していること、そういうのがプレッシャーとなって、緊張のあまりオシッコもびっくりしちゃったのでしょう。
早く出して、ここから立ち去りたい。
目をつぶって意識をオシッコだけに集中させていると、やがて、引き篭もっていたオシッコがチョロッとお外に飛び出しました。
それからが長かった。
よく今までがまん出来たな、と思うくらい、出つづけました。
お姉さまもお声をかけてこないので、しんと静まり返った個室の中に、ジョロジョロという私の排尿音だけが鳴り響きました。
自分がたてている音が、そしてそれを聞かれているということが、すっごく恥ずかしい。
「ずいぶんがまんしていたのね」
やっと水音が止まると、お久しぶりなお姉さまのお声が降ってきました。
「拭いてあげるから、そのまま中腰になって」
えっ!?お姉さまが拭いてくださるの!?
ドキンと跳ねる心臓の合図で、防御レベルを最大限に上げます。
お姉さまと出会ったランジェリーショップの試着室でも、似たようなことをされたのを思い出していました。
絶対にヘンな声を出さないように、口を真一文字に結びながら、恐る恐るしゃがんでいたお尻を浮かせ始めました。
「ぁぅっんっ!」
中腰くらいまでになったとき、お尻のほうからひんやりとしたものが両腿のあいだに侵入してきて、内股にピタッとあてがわれました。
ウエットティッシュでしょう。
私のアソコを背後から手のひらでやんわり掴むようにティッシュで覆ってから、そのまま二度三度、中の粘膜に押し付けるように前後に擦られました。
「んんんっ!」
私は両手のひらで自分の口を塞ぎ、必死に悦びを堪えました。
ウエットティッシュを何回か変えて入念に。
お尻側から差し込まれたウエットティッシュは、前のほうで飛び出している肉の芽をも、おかまいなしに擦ってきます。
ウエットティッシュを操るお姉さまの右手中指が、そこの担当のようです。
「ぅぅぅ・・」
必死に快感に抵抗しながら、いつまでもつづけて欲しい、という思いと、でもきっとまた寸止めで終わるのだろうな、という残念な安心感がありました。
「このくらいでいいでしょう。さあ、服を着て、とっととここから出ましょう」
お姉さまの手が私の股間から離れ、急速に昂ぶりが遠去かり、モヤモヤの中で私も渋々立ち上がりました。
お姉さまは、私のお洋服類をトートバッグの持ち手のあいだに挟んで左肩に提げ、空いた両手で使用済みらしいウエットティッシュをたたんでいました。
「はい。これで手も拭いて」
新しいウエットティッシュを手渡してくださいました。
レバーを踏んでも、予想通りお水は流れませんでした。
「手を拭いたら、これ。スカートね。前貼りはもういわよね。グショグショだったし、あとちょっと歩けばもう着いちゃうから」
否を言わせない決定事項伝達的な口調と共に、スカートが私の目の前に突き出されました。
確かにあの変色したストラップレスパンティを、またあらためて貼り直すのも、間が抜けた感じです。
素直にうなずいた私は、手を拭き終えたウエットティッシュと交換にスカートを受け取り、再び慎重にパンプスの両脚をくぐらせて、裸の腰にまといました。
「それからこれ、上着ね。ブラウスももういいでしょう。着てても着てなくても同じみたいだから」
えーっ!?
「そ、それはちょっと、違うような・・・」
ジャケットを受け取りながら不服な顔をお姉さまに向ける私を、お姉さまの笑顔が迎え撃ちます。
「ここに来るまでだって、もう完全にはだけていたわよ、直子の胸元。ブラウスが見えていたの、襟元だけだったもの」
「あたしはそんな姿を見て、いいな、色っぽいな、って思っていたの。直子にとても似合っていたから」
「そ、そうおっしゃられると嬉しいですけれど・・・」
「大丈夫よ。もうあと2、3分歩けばうちだし、こんな時間だから人通りも少ないし、暗いからよく見えないでしょう」
「何よりも、あたしと一緒にいるのだから、直子はもっともっと冒険しちゃっていいのよ。何かあったらあたしが守ってあげるから」
思いがけないお姉さまのおやさしいお言葉に、一瞬意味が掴めず、ワンテンポ遅れてすっごく嬉しくなりました。
「お姉さま・・・」
「ね?だから早くジャケット着て」
見れば、お姉さまのトートバッグの持ち手のあいだには、もう何も挟まっていませんでした。
おそらく脱がせた後、ブラウスだけさっさとバッグの中にしまっちゃったのでしょう。
ここを出るときは、上着だけしか着せないことを、とっくに決めていたようです。
「わかりました」
お姉さまがおっしゃった、守ってあげる、というお言葉に背中を押されて、私は大胆に冒険してみることにしました。
素肌に直に、ジャケットを羽織ります。
Vラインが大きく開いたブレザータイプのベージュのジャケット。
裸コートならぬ、裸ブレザー。
裸コートなら、一見普通の格好と変わりありませんが、裸ブレザーは一目見てバレバレです。
普通に考えて胸元の肌の露出量が多過ぎるし、ノーブラなことも一目瞭然。
ニップルパッドを着けていることが不幸中の幸いとは言えるでしょう。
わかりました、とお答えしてしまった手前、今更わがままは言えず、両腕を通し、ボタンを留めようとしたとき、お姉さまからお声がかかりました。
「ちょっと待って。せっかくだから、こっちももっと色っぽくしちゃいましょう」
お姉さまの両手が私のウエストに伸び、スカートのウエスト部分の布地を折り返し始めました。
「お店に来たとき、直子、こうしていたものね」
お姉さまの手で私の膝上丈の紺色ボックスプリーツスカートは、膝上20センチ以上にまで短くなっていました。
「いい感じよ。ニーソックスの黒とスカートの紺に挟まれた白い太腿とのコントラストが、とても色っぽいわ。もう少し上げちゃいましょう」
一歩下がって私の全身をまじまじと見つめる、お姉さまの笑顔。
また一折短くなりました。
普段でもこんなに短いスカートでは外出しません。
穿くとしたらアンダースコートや見せパンを着けた上での、テニスのときとかコスプレのときくらい。
その上、スカートの下は完全にノーパンなのですから、不安感がぞぞぞぞっと背筋を駆け上がりました。
強い風が吹いたら、つまずいて転んだら、誰かに悪戯でめくられたら・・・
心細いったらありません。
今となっては、あのペラペラで頼りないストラップレスパンティでさえも頼もしく感じます。
「大丈夫よ。普通に歩いていれば見えやしないわ。屈むとお尻が少しヤバイかもだけれど」
またしても私の心を読むエスパーお姉さま。
「もし万が一、めくれちゃったとしても、直子はヘアが無いから、ただ真っ白でなんだかわからないわよ。夜だし」
能天気なお姉さまのお言葉に、少しだけ勇気づけられて覚悟を決めました。
お姉さまが居ればこその大冒険です。
「あのぅ、ジャケットのボタン、もう留めてもいいでしょうか?」
「うん。いいわよ。留めて、さっさとここを出ましょう」
ボタンをふたつ留め終えてお姉さまを見ると、ちょこっと思案顔。
「これ、どうしようかしら?」
右手に使用済みウエットティッシュの束。
「サニタリーボックス、あるにはあるけれど、汚すぎて触りたくないし、便器に捨てても詰まっちゃうだろうし。あ、そう言えば水も流れなかったわね」
「持って帰るべきなのでしょうね。直子のえっちなおシルとオシッコにまみれてベットベトなこの使用済みティッシュ」
「あ、それなら私が何かに包んで自分のバッグに・・・」
「ううん。やっぱりここに置いていくことにする。こんなに汚いトイレをほったらかしにして使わせた管理者への罰として、抗議としてね」
お姉さまが右手の束をサニタリーボックスの蓋の上にそっと置きました。
「でも罰じゃなくてご褒美になっちゃうかもね。外に居る人たちの誰か、あたしたちが出た後、きっとここを覗きに来ると思うから」
「ちょっと嗅いだらすぐわかっちゃうはずよ?これはオシッコだけの臭いじゃないって」
お姉さまったら、すっごく愉しそう。
「直子どうする?あなたのえっちな愛液の臭い、嗅がれちゃうのよ?得体の知れないヘンタイな人に・・・」
怪談でも語っているかのような、お姉さまのお芝居がかった口調。
瞬時に、誰か気味の悪い人がこの個室にしゃがみ込んで、真っ暗な中で私の使用済みウエットティッシュをクンクン嗅いでいる図が頭に浮かびました。
そう言えばオシッコだって、流していないんだった。
オシッコも見られちゃう。
「もう!お姉さまったらぁ」
その想像になぜだかキュンキュン感じちゃいながらも、わざとおどけて抗議する私。
「うふふ。まあ捨てたゴミを誰がどうしようが、あたしたちの知ったことじゃないけれどね。さあ行きましょう」
バタン!
お姉さまが個室のドアを開けました。
おトイレの建物から出る間際に、洗面台上の割れて汚れて曇った鏡の中に、お姉さまに右手を引かれた自分の姿が映りました。
ジャケットのVラインから大胆に覗く素肌。
横向きだとカーブした襟の隙間から、横乳が丸見え。
正面が映ると、左右のおっぱいの谷間のふくらみと丸みが完全に見えていました。
いやんっ!
自分で自分の胸元を見るのより、鏡に映った姿のほうが想像以上に大胆かつ露骨な感じです。
正面姿が映った直後、反射的に鏡から目を逸らしていました。
目を逸らしたって、今の自分の格好がマシになるわけでは無いのに。
鏡から目を逸らすと視線がお外に向きました。
明るいおトイレから暗い公園内がぼんやり見えました。
「キャッ!」
私が小さく悲鳴を上げると同時に、パチンとおトイレの電気が消され真っ暗な中、グイッと右手を引かれました。
「こっちよ!」
お姉さまのお声、と思った途端、私は更に強い力で暗闇のほうへ強引に引っ張り込まれました。
前屈みのへっぴり腰になって、薄闇のほうへ大きくお尻を突き出した格好。
急に激しくからだを動かしたために、短いスカートが大きく翻りました。
いやんっ!スカートの中が見えちゃう・・・
*
*ランデブー 6:42 07へ
*
2014年8月3日
ランデブー 6:42 05
お姉さまおっしゃるところの、前貼り、一枚だけでほぼ裸な腰にスカートをまとい、ボタン全開で頼りないことこの上ないブラウスの前を掻き合わせてから、ジャケットに袖を通しました。
私が着てきたベージュのジャケットは、ブレザータイプで前ボタンは二つ。
Vラインの下、一番上のボタンが私のおへそのちょっと上くらい。
そのボタンを留めても、首下からブラウスのボタンで数えて5つ分、V字の胸元が大きく覗いてしまいます。
ブラウスの前立てに施されたフリルがストッパーとなって、ブラウスの前合わせがジャケット襟の裏側まで潜り込んでしまうことは無さそうですが、左右に分かれたフリルのあいだには、私の胸元の素肌がバストの谷間からアンダーまで、全部大胆に見えていました。
ちょっと前屈みになったらジャケットが浮いて、Vライン越しにおっぱい全体が覗けそう。
「いいわね。とってもコケティッシュ。さあ、そろそろ出ましょうか」
「で、でも、お姉さま・・・」
左手でブラウスの襟元をギュッと押さえながら、お姉さまのお顔をすがるように見ました。
「こ、これでお外を歩くのですよね?ちょっと大胆すぎるような・・・」
じっと座っているのならともかく、歩いたり、からだを動かしたら、ジャケットの下でブラウスの前がどんどんはだけてしまいそうな気がします。
なにしろブラウスは一番下まで、まったくボタンが留まっていないのですから。
それに、ジャケットの裾からブラウスの裾が5センチくらいはみ出しているのもだらしないし。
「大丈夫。そういうルーズなコーデの女子高生やギャル、この街にはたくさん歩いているから。もう夜で暗いし、多分誰も気にも留めないわ」
「それに、万が一前がはだけちゃっても、さっきニプレスしたじゃない?乳首は見られずに済むわよ」
それから、私の顔を細めた瞳でじっと見つめ、イジワルっぽいお声でつづけました。
「直子だって、内心ワクワクしているのでしょう?心配そうな顔をしていても、目がサカッちゃっているもの」
「直子には、お似合いなのよ。そういう格好が」
フッと笑って、襟元を掴んでいた私の左手を取り、下へと降ろさせます。
「ほらまた。襟が、曲がっていてよ」
私の首元に両手が迫り、掻き合わせていた襟元をゆっくり左右に押し広げました。
フリルの縁取りで大きくV字に露になる、私の胸元。
「それ、直したらダメよ。さあ、行きましょう」
ご自分のトートバッグを左肩に提げ、右手で私の左手を握ってくるお姉さま。
手をつないだまま個室を出て、お会計のレジへ。
廊下に出ると、左右の個室からの賑やかな酔声が、いっそう大きく耳に飛び込んできます。
私は手を引かれつつ、自分の胸元に視線を落とし、ドキドキキュンキュン感じていました。
お会計をしてくれたのは、さっき伝票を持ってきてくれた女の子、間宮さんでした。
「ありがとうございましたぁ。またのご来店を心からお待ちしておりまぁす」
可愛いらしいお顔をペコリと下げながらも、その視線は私の大きく開いた胸元に釘付けでした。
「ふう。やっぱり夜になると少し肌寒いわね」
お外に出たお姉さまと私。
時刻は10時ちょっと前。
ネオン瞬く週末の繁華街には、まだまだたくさんの人たちが行き交っています。
「でも、ワインが少し回っているから、このくらいの温度が気持ちいいわ」
私の右手を握って歩き始めるお姉さま。
私はうつむいて自分の胸元を見つめながら、お姉さまに引っ張られています。
かなり大胆に開いちゃってる・・・
ブラジャーをしていたら、センターモチーフがあるべきところまで素肌が覗いちゃっているので、ノーブラということもバレバレです。
私の右手はお姉さまの左手に握られ、左手には自分のハンドバッグ。
だから歩きながら直すことは出来ません。
からだがどんどん火照ってしまって、気温を正しく感じることも出来ません。
「もっと堂々と歩いたほうがいいわよ?モジモジしていると悪目立ちするから」
そんなことをおっしゃられても・・・
妙齢の女性がふたり、手をつないで歩いているだけでも目立つと思うのに、その上、お姉さまは超美人だから普通に目を惹くし、私はこんな格好だし。
絶え間なく行き交う老若男女な人たちから、次々と視線が浴びせられるのを全身で感じていました。
「ところで直子は、このへんに住んでいるのよね?ここから歩くと何分くらい?」
大きな交差点の信号待ちで立ち止まったとき、お姉さまが私を振り返って尋ねてきました。
「そうですね・・・地下鉄の駅まで行けば、ソコから5分かからないくらいですから、このへんからだと20分くらいでしょうか・・・」
私の隣に立ったご中年の男性が、私の胸元にチラチラ視線を投げてくるのを感じながら、ボソボソとお答えしました。
「そう。あ、でも、同じマンションにシーナさんも住んでらっしゃるのだったわね?」
信号が変わり、男性の視線から逃げるようにお姉さまを追いました。
「はい。最近はぜんぜんお会い出来ないのですけれど」
「今日はいらっしゃるのかしら?そのマンションに」
「さあ・・・先月メールしたときは、インドネシアにいらっしゃるって返ってきましたが・・・私も去年の暮れにちょこっとお会いしたきりなんです」
「ふーん。いるかいないかは、わからないのね。でも、もしいらっしゃったら、さっきの話だと、直子のところには出入り自由なのでしょう?」
「そうですね。お部屋の鍵を渡してありますから・・・」
「せっかくの直子との夜に、万が一乱入されたら台無しよね。やっぱり、あたしんとこ行こっか」
「えっ!?お姉さまもこの辺に住んでらっしゃるのですか?」
自分が今しているはしたない服装のことも一瞬忘れるほど、本気でびっくりしてしまいました。
「あたしの住まいというワケではないのだけれど、スタッフたちのために一部屋あるのよ、オフィスの近くに」
「仕事が立て込むと徹夜もままあるからね。オフィスに泊まれないこともないけれど、シャワーとかが無いから。トイレも室外だし」
「うわー。すごいですね。スタッフ思いの社長さんなんですね、お姉さま」
「ほら、みんなで寝泊りとかすると楽しいじゃない。学生時代みたいで」
「一昨日ちょうど、全社挙げてずっとかかりきりだった大きめなプロジェクトが終わってね、パーッと打ち上げてからみんなで泊まったのよ」
「まあ、全社挙げて、なんて言っても、スタッフはあたしも入れて6人だけだけどね」
「だから今日はみんな早めに自宅に帰ったわ。今夜あそこを利用する人はいないはず」
「でも、社長と呼ばれる身にとっては、それからが仕事なの。最終確認だの契約だの。あたしは、明日の朝早くに羽田に行って北海道」
「だから都合がいいって言えばいいのよね。空港行きバス乗り場もすぐそこだし」
お姉さまは、メインの通りからは少しズレた、私もあまり通ったことの無い路地を、有名な高層ビル方面へと歩いていました。
確かこのへんはお役所街。
お勤めされているかたたちは、とっくに帰宅されたろうとは思うのですが、それでもけっこう人が行き交います。
私の胸元は、歩いているうちにブラウスのフリルがどんどんジャケットの襟裏に潜り込んでしまい、ほぼジャケットのV字通りに露になっていました。
ジャケットの下に着ているブラウスのボタンがひとつも留まっていないのですから、フリルがあったとしてもからだを動かしつづけていればやっぱり、そうなってしまいます。
ジャケットの裾からはみ出ているブラウスの裾も、左右の腰骨の辺りにまで泣き別れ。
直したいけれども、両手は塞がっていって直せません。
だけど、こんな格好をしている自分を自分で、愉しみ始めていることも事実でした。
誰かとすれ違うたびに、恥ずかしさに疼いてしまって仕方ありません。
「あたしはね、実家は鎌倉なの。それで会社起ち上げるときは、横浜あたりにしようと思っていたの」
私の手を引いて、のんびりと歩くお姉さま。
「鎌倉と横浜って、近いのですか?」
その辺の地理はまったく疎い私。
「そうね。電車だけなら30分かからないくらい。場所にもよるけれど、歩き入れても充分通勤圏内よ」
「だけど、いろいろ成り行きで結局、池袋に決まってね。だから飯田橋にマンションを買ったの」
「どこに住もうかいろいろ迷ったけれど、探していたのがちょうど春で、ほら、あそこってお濠端の桜がとても綺麗じゃない?だから決めちゃった」
「飯田橋だったら、都内のターミナル駅ならどこにも近いし」
「でもいざ仕事始めてみたらすごく忙しくて、ほとんど家に帰れないのよ。終電逃してオフィスに泊まったり、ビジホで仮眠したり」
「だからオフィスのそばに、寮的なものも置くことにしたの」
「最初の頃は毎日って言っていいくらい、みんなでそこに泊まっていたわ。やっと最近、かなり落ち着いたけれどね」
「でも、あたしは、明日みたいに地方に行くことも多いから、今でも飯田橋に帰るのは、忙しくないときの週末くらいね」
「それで今は、そのお姉さまの会社のほうへ向かっているわけですよね?」
「そう。でもあたし、ごちゃごちゃした人混み苦手だから、少し遠回りしているけれどね。歩道橋も嫌いだし」
車のヘッドライトがまぶしく行き交う幅の広い通りを渡ると、人通りがずいぶん減りました。
ときたますれ違う人はみんな駅のほうへ向かう中、私たちだけが反対方向へと歩いています。
「あのぅ、お姉さま?そこに着くのって、まだまだ時間がかかりますか?」
数分前から徐々に催していたある感覚が急に勢いづいてきたので、がまん出来ずにお姉さまに尋ねました。
「うーん。あと5、6分だと思うけれど、どうしたの?」
「あの、私、ちょっと、急におトイレに行きたくなって・・・」
かなり向こうでしたが、コンビニのネオンが見えたので、そこに寄ってくれませんか、ってお願いするつもりでした。
「あら、困ったわね。オシッコ?」
お姉さまがとても嬉しそうなお顔で、振り返りました。
「直子は視られたがりのマゾっ子なんだから、どこかそのへんの物陰でちゃちゃっとしちゃえば?って言いたいところだけれど、そんなことしたら、この辺のご近所さんに迷惑だものねぇ」
私のはだけた胸を見ながら薄い笑みを浮かべています。
「はい。だからあそこのコンビ・・・」
私が提案を言い終わらないうちに、お姉さまのお声がかぶさってきました。
「歩きながら漏らしちゃってもいいのよ。そういうのも好きなんでしょ?マゾっ子ちゃんは」
「あ、でも、お漏らしするなら、もっと人通りがたくさんある道に行けばよかったかな」
もうっ!お姉さまのイジワル・・・
私がつないでいる手に力を込めてギュッと握ると、お姉さまが振り向いてニッて笑いかけてくださいました。
「大丈夫よ。安心して。このあたりにはね、なぜだか公園が多いのよ。確かその先を曲がったところにもあったはずよ」
お姉さまはマイペースで、私の手を引っ張って進んでいきます。
「ほら、あった。これだけ広い公園だったらトイレもあるでしょう。あ、あれかな?」
たどりついた入口のちょうど対面奥に、コンクリート製っぽい長方形の小さな建物がありました。
手をつないだまま、公園の敷地内に入ります。
かなり広いのに、灯りは縁石沿いにポツンポツンとしか点いていないので、公園内の暗闇が濃くてなんだか不気味な感じです。
ふたり、早足で公園のほぼ真ん中を突っ切ります。
遊具などは置いていない広場のような公園でした。
あまり背の高くない木々でほぼ正方形に囲まれた暗闇。
灯りの傍の木にもたれて、煙草を吸っているスーツ姿の男性が居ます。
ベンチが点在していて、その上で寝ている人も何人か居るみたい。
公園内に何人の人がいるのかはわかりませんが、おしゃべりしている人はひとりもいません。
聞こえるのは、遠くを走る車の音と屋外灯のジーッという音だけ。
「お昼時は、お弁当持ったOLとかで賑わっているのに、さすがに夜は別世界ね」
お姉さまがヒソヒソ声でおっしゃいました。
私たちが突っ切った公園中央はとくに暗かったので、彼らに私の服装までは分からなかったと思うけれど・・・
白地にぼんやりと赤い女子マークが浮かんでいる建物に飛び込みました。
外灯の近くなので少し明るい薄暗闇。
ぼんやり見える内部はかなり古い感じ。
そしてもちろん、綺麗とは言えず、臭いもかなり。
入ってすぐに洗面台と三分の一くらいが割れて失くなっている鏡。
その奥の個室はふたつ?
「電気はどこかしら?」
お姉さまが目を凝らしてみつけたらしく、パチンという音とともに、ふたり、つないでいた手を互いにギュッと握り合うほど、びっくりするくらい明るくなりました。
同時に、その絶望的なまでの、綺麗じゃなさ、も目に飛び込んできました。
黄ばんだ壁、剥がれ落ちたタイル、濡れた床、お下品な落書き・・・
「さ、ちゃっちゃとやっちゃって、さっさと行きましょう」
怒っているみたいなお声と共に、お姉さまが私を奥の個室に押し込みました。
「えっ?お姉さまもご一緒ですか?」
「もちろんよ。あんな真っ暗で得体の知れない人たちが居る中で、直子のオシッコが終わるのを独りポツンと待つなんて、絶対ごめんだわ」
ということは、私のオシッコ姿、お姉さまに視られちゃう。
「ここでじっくり視ていてあげる。あ、ひょっとして直子、大きいほうだった?」
「えっ?いえいえ、違いますけど・・・」
「ふぅー。出会って2回目で、いきなりそんな姿まで見ちゃうのは、いくら直子がマゾっ子でも、うら若き女子としてどうなのかなって、一瞬、考えちゃったわ」
お姉さま、その最初のため息は、安堵?それとも落胆?
オシッコ姿をお姉さまに視られちゃうのも、うれしはずしなのですが、別の理由で私は、臨戦態勢に入るのを躊躇していました。
煌々と輝く蛍光灯に照らし出された個室内の全貌。
満遍なく汚れた便器は、和式でした。
そしてなぜだか満遍なく水浸しな、黒く汚れた床。
こんなところでしゃがんだら・・・
「ここでしゃがんだら、間違い無く服の裾が汚れてしまうわね。スカートだって危ないわ」
私の心を読んだかのようなお姉さまのお言葉。
「紙が無いのは想定内ね。大丈夫、あたしはウエットティッシュをいつも持ち歩いているから」
「だけど、ここまで汚いとは思っていなかったわ」
お姉さまのお顔が、ここに足を踏み入れたときとは打って変わって、なんだか愉しそう。
「仕方ないわね。服を汚したくないなら、全部脱いでからするしかないみたいね」
*
*ランデブー 6:42 06へ
*
私が着てきたベージュのジャケットは、ブレザータイプで前ボタンは二つ。
Vラインの下、一番上のボタンが私のおへそのちょっと上くらい。
そのボタンを留めても、首下からブラウスのボタンで数えて5つ分、V字の胸元が大きく覗いてしまいます。
ブラウスの前立てに施されたフリルがストッパーとなって、ブラウスの前合わせがジャケット襟の裏側まで潜り込んでしまうことは無さそうですが、左右に分かれたフリルのあいだには、私の胸元の素肌がバストの谷間からアンダーまで、全部大胆に見えていました。
ちょっと前屈みになったらジャケットが浮いて、Vライン越しにおっぱい全体が覗けそう。
「いいわね。とってもコケティッシュ。さあ、そろそろ出ましょうか」
「で、でも、お姉さま・・・」
左手でブラウスの襟元をギュッと押さえながら、お姉さまのお顔をすがるように見ました。
「こ、これでお外を歩くのですよね?ちょっと大胆すぎるような・・・」
じっと座っているのならともかく、歩いたり、からだを動かしたら、ジャケットの下でブラウスの前がどんどんはだけてしまいそうな気がします。
なにしろブラウスは一番下まで、まったくボタンが留まっていないのですから。
それに、ジャケットの裾からブラウスの裾が5センチくらいはみ出しているのもだらしないし。
「大丈夫。そういうルーズなコーデの女子高生やギャル、この街にはたくさん歩いているから。もう夜で暗いし、多分誰も気にも留めないわ」
「それに、万が一前がはだけちゃっても、さっきニプレスしたじゃない?乳首は見られずに済むわよ」
それから、私の顔を細めた瞳でじっと見つめ、イジワルっぽいお声でつづけました。
「直子だって、内心ワクワクしているのでしょう?心配そうな顔をしていても、目がサカッちゃっているもの」
「直子には、お似合いなのよ。そういう格好が」
フッと笑って、襟元を掴んでいた私の左手を取り、下へと降ろさせます。
「ほらまた。襟が、曲がっていてよ」
私の首元に両手が迫り、掻き合わせていた襟元をゆっくり左右に押し広げました。
フリルの縁取りで大きくV字に露になる、私の胸元。
「それ、直したらダメよ。さあ、行きましょう」
ご自分のトートバッグを左肩に提げ、右手で私の左手を握ってくるお姉さま。
手をつないだまま個室を出て、お会計のレジへ。
廊下に出ると、左右の個室からの賑やかな酔声が、いっそう大きく耳に飛び込んできます。
私は手を引かれつつ、自分の胸元に視線を落とし、ドキドキキュンキュン感じていました。
お会計をしてくれたのは、さっき伝票を持ってきてくれた女の子、間宮さんでした。
「ありがとうございましたぁ。またのご来店を心からお待ちしておりまぁす」
可愛いらしいお顔をペコリと下げながらも、その視線は私の大きく開いた胸元に釘付けでした。
「ふう。やっぱり夜になると少し肌寒いわね」
お外に出たお姉さまと私。
時刻は10時ちょっと前。
ネオン瞬く週末の繁華街には、まだまだたくさんの人たちが行き交っています。
「でも、ワインが少し回っているから、このくらいの温度が気持ちいいわ」
私の右手を握って歩き始めるお姉さま。
私はうつむいて自分の胸元を見つめながら、お姉さまに引っ張られています。
かなり大胆に開いちゃってる・・・
ブラジャーをしていたら、センターモチーフがあるべきところまで素肌が覗いちゃっているので、ノーブラということもバレバレです。
私の右手はお姉さまの左手に握られ、左手には自分のハンドバッグ。
だから歩きながら直すことは出来ません。
からだがどんどん火照ってしまって、気温を正しく感じることも出来ません。
「もっと堂々と歩いたほうがいいわよ?モジモジしていると悪目立ちするから」
そんなことをおっしゃられても・・・
妙齢の女性がふたり、手をつないで歩いているだけでも目立つと思うのに、その上、お姉さまは超美人だから普通に目を惹くし、私はこんな格好だし。
絶え間なく行き交う老若男女な人たちから、次々と視線が浴びせられるのを全身で感じていました。
「ところで直子は、このへんに住んでいるのよね?ここから歩くと何分くらい?」
大きな交差点の信号待ちで立ち止まったとき、お姉さまが私を振り返って尋ねてきました。
「そうですね・・・地下鉄の駅まで行けば、ソコから5分かからないくらいですから、このへんからだと20分くらいでしょうか・・・」
私の隣に立ったご中年の男性が、私の胸元にチラチラ視線を投げてくるのを感じながら、ボソボソとお答えしました。
「そう。あ、でも、同じマンションにシーナさんも住んでらっしゃるのだったわね?」
信号が変わり、男性の視線から逃げるようにお姉さまを追いました。
「はい。最近はぜんぜんお会い出来ないのですけれど」
「今日はいらっしゃるのかしら?そのマンションに」
「さあ・・・先月メールしたときは、インドネシアにいらっしゃるって返ってきましたが・・・私も去年の暮れにちょこっとお会いしたきりなんです」
「ふーん。いるかいないかは、わからないのね。でも、もしいらっしゃったら、さっきの話だと、直子のところには出入り自由なのでしょう?」
「そうですね。お部屋の鍵を渡してありますから・・・」
「せっかくの直子との夜に、万が一乱入されたら台無しよね。やっぱり、あたしんとこ行こっか」
「えっ!?お姉さまもこの辺に住んでらっしゃるのですか?」
自分が今しているはしたない服装のことも一瞬忘れるほど、本気でびっくりしてしまいました。
「あたしの住まいというワケではないのだけれど、スタッフたちのために一部屋あるのよ、オフィスの近くに」
「仕事が立て込むと徹夜もままあるからね。オフィスに泊まれないこともないけれど、シャワーとかが無いから。トイレも室外だし」
「うわー。すごいですね。スタッフ思いの社長さんなんですね、お姉さま」
「ほら、みんなで寝泊りとかすると楽しいじゃない。学生時代みたいで」
「一昨日ちょうど、全社挙げてずっとかかりきりだった大きめなプロジェクトが終わってね、パーッと打ち上げてからみんなで泊まったのよ」
「まあ、全社挙げて、なんて言っても、スタッフはあたしも入れて6人だけだけどね」
「だから今日はみんな早めに自宅に帰ったわ。今夜あそこを利用する人はいないはず」
「でも、社長と呼ばれる身にとっては、それからが仕事なの。最終確認だの契約だの。あたしは、明日の朝早くに羽田に行って北海道」
「だから都合がいいって言えばいいのよね。空港行きバス乗り場もすぐそこだし」
お姉さまは、メインの通りからは少しズレた、私もあまり通ったことの無い路地を、有名な高層ビル方面へと歩いていました。
確かこのへんはお役所街。
お勤めされているかたたちは、とっくに帰宅されたろうとは思うのですが、それでもけっこう人が行き交います。
私の胸元は、歩いているうちにブラウスのフリルがどんどんジャケットの襟裏に潜り込んでしまい、ほぼジャケットのV字通りに露になっていました。
ジャケットの下に着ているブラウスのボタンがひとつも留まっていないのですから、フリルがあったとしてもからだを動かしつづけていればやっぱり、そうなってしまいます。
ジャケットの裾からはみ出ているブラウスの裾も、左右の腰骨の辺りにまで泣き別れ。
直したいけれども、両手は塞がっていって直せません。
だけど、こんな格好をしている自分を自分で、愉しみ始めていることも事実でした。
誰かとすれ違うたびに、恥ずかしさに疼いてしまって仕方ありません。
「あたしはね、実家は鎌倉なの。それで会社起ち上げるときは、横浜あたりにしようと思っていたの」
私の手を引いて、のんびりと歩くお姉さま。
「鎌倉と横浜って、近いのですか?」
その辺の地理はまったく疎い私。
「そうね。電車だけなら30分かからないくらい。場所にもよるけれど、歩き入れても充分通勤圏内よ」
「だけど、いろいろ成り行きで結局、池袋に決まってね。だから飯田橋にマンションを買ったの」
「どこに住もうかいろいろ迷ったけれど、探していたのがちょうど春で、ほら、あそこってお濠端の桜がとても綺麗じゃない?だから決めちゃった」
「飯田橋だったら、都内のターミナル駅ならどこにも近いし」
「でもいざ仕事始めてみたらすごく忙しくて、ほとんど家に帰れないのよ。終電逃してオフィスに泊まったり、ビジホで仮眠したり」
「だからオフィスのそばに、寮的なものも置くことにしたの」
「最初の頃は毎日って言っていいくらい、みんなでそこに泊まっていたわ。やっと最近、かなり落ち着いたけれどね」
「でも、あたしは、明日みたいに地方に行くことも多いから、今でも飯田橋に帰るのは、忙しくないときの週末くらいね」
「それで今は、そのお姉さまの会社のほうへ向かっているわけですよね?」
「そう。でもあたし、ごちゃごちゃした人混み苦手だから、少し遠回りしているけれどね。歩道橋も嫌いだし」
車のヘッドライトがまぶしく行き交う幅の広い通りを渡ると、人通りがずいぶん減りました。
ときたますれ違う人はみんな駅のほうへ向かう中、私たちだけが反対方向へと歩いています。
「あのぅ、お姉さま?そこに着くのって、まだまだ時間がかかりますか?」
数分前から徐々に催していたある感覚が急に勢いづいてきたので、がまん出来ずにお姉さまに尋ねました。
「うーん。あと5、6分だと思うけれど、どうしたの?」
「あの、私、ちょっと、急におトイレに行きたくなって・・・」
かなり向こうでしたが、コンビニのネオンが見えたので、そこに寄ってくれませんか、ってお願いするつもりでした。
「あら、困ったわね。オシッコ?」
お姉さまがとても嬉しそうなお顔で、振り返りました。
「直子は視られたがりのマゾっ子なんだから、どこかそのへんの物陰でちゃちゃっとしちゃえば?って言いたいところだけれど、そんなことしたら、この辺のご近所さんに迷惑だものねぇ」
私のはだけた胸を見ながら薄い笑みを浮かべています。
「はい。だからあそこのコンビ・・・」
私が提案を言い終わらないうちに、お姉さまのお声がかぶさってきました。
「歩きながら漏らしちゃってもいいのよ。そういうのも好きなんでしょ?マゾっ子ちゃんは」
「あ、でも、お漏らしするなら、もっと人通りがたくさんある道に行けばよかったかな」
もうっ!お姉さまのイジワル・・・
私がつないでいる手に力を込めてギュッと握ると、お姉さまが振り向いてニッて笑いかけてくださいました。
「大丈夫よ。安心して。このあたりにはね、なぜだか公園が多いのよ。確かその先を曲がったところにもあったはずよ」
お姉さまはマイペースで、私の手を引っ張って進んでいきます。
「ほら、あった。これだけ広い公園だったらトイレもあるでしょう。あ、あれかな?」
たどりついた入口のちょうど対面奥に、コンクリート製っぽい長方形の小さな建物がありました。
手をつないだまま、公園の敷地内に入ります。
かなり広いのに、灯りは縁石沿いにポツンポツンとしか点いていないので、公園内の暗闇が濃くてなんだか不気味な感じです。
ふたり、早足で公園のほぼ真ん中を突っ切ります。
遊具などは置いていない広場のような公園でした。
あまり背の高くない木々でほぼ正方形に囲まれた暗闇。
灯りの傍の木にもたれて、煙草を吸っているスーツ姿の男性が居ます。
ベンチが点在していて、その上で寝ている人も何人か居るみたい。
公園内に何人の人がいるのかはわかりませんが、おしゃべりしている人はひとりもいません。
聞こえるのは、遠くを走る車の音と屋外灯のジーッという音だけ。
「お昼時は、お弁当持ったOLとかで賑わっているのに、さすがに夜は別世界ね」
お姉さまがヒソヒソ声でおっしゃいました。
私たちが突っ切った公園中央はとくに暗かったので、彼らに私の服装までは分からなかったと思うけれど・・・
白地にぼんやりと赤い女子マークが浮かんでいる建物に飛び込みました。
外灯の近くなので少し明るい薄暗闇。
ぼんやり見える内部はかなり古い感じ。
そしてもちろん、綺麗とは言えず、臭いもかなり。
入ってすぐに洗面台と三分の一くらいが割れて失くなっている鏡。
その奥の個室はふたつ?
「電気はどこかしら?」
お姉さまが目を凝らしてみつけたらしく、パチンという音とともに、ふたり、つないでいた手を互いにギュッと握り合うほど、びっくりするくらい明るくなりました。
同時に、その絶望的なまでの、綺麗じゃなさ、も目に飛び込んできました。
黄ばんだ壁、剥がれ落ちたタイル、濡れた床、お下品な落書き・・・
「さ、ちゃっちゃとやっちゃって、さっさと行きましょう」
怒っているみたいなお声と共に、お姉さまが私を奥の個室に押し込みました。
「えっ?お姉さまもご一緒ですか?」
「もちろんよ。あんな真っ暗で得体の知れない人たちが居る中で、直子のオシッコが終わるのを独りポツンと待つなんて、絶対ごめんだわ」
ということは、私のオシッコ姿、お姉さまに視られちゃう。
「ここでじっくり視ていてあげる。あ、ひょっとして直子、大きいほうだった?」
「えっ?いえいえ、違いますけど・・・」
「ふぅー。出会って2回目で、いきなりそんな姿まで見ちゃうのは、いくら直子がマゾっ子でも、うら若き女子としてどうなのかなって、一瞬、考えちゃったわ」
お姉さま、その最初のため息は、安堵?それとも落胆?
オシッコ姿をお姉さまに視られちゃうのも、うれしはずしなのですが、別の理由で私は、臨戦態勢に入るのを躊躇していました。
煌々と輝く蛍光灯に照らし出された個室内の全貌。
満遍なく汚れた便器は、和式でした。
そしてなぜだか満遍なく水浸しな、黒く汚れた床。
こんなところでしゃがんだら・・・
「ここでしゃがんだら、間違い無く服の裾が汚れてしまうわね。スカートだって危ないわ」
私の心を読んだかのようなお姉さまのお言葉。
「紙が無いのは想定内ね。大丈夫、あたしはウエットティッシュをいつも持ち歩いているから」
「だけど、ここまで汚いとは思っていなかったわ」
お姉さまのお顔が、ここに足を踏み入れたときとは打って変わって、なんだか愉しそう。
「仕方ないわね。服を汚したくないなら、全部脱いでからするしかないみたいね」
*
*ランデブー 6:42 06へ
*
2014年7月27日
ランデブー 6:42 04
「直子のココがヌルヌルだから、お箸が難なく滑り込んじゃったわね」
膝立ちだったお姉さまが更にからだを屈めて、私のアソコを下から覗き込むように見ています。
「この中にいいものが隠れているのよね?今でもちょこっと顔を出しているけれど」
「直子のは大きいのに包む皮が浅いから、気持ちがいいとすぐに、こんにちは、しちゃうのよね。かまって欲しくて」
おっしゃりながら、2本の箸先がゆっくりと左右に分かれ始めます。
「ぁぁんっ!ぉ姉さまぁ・・・」
柔らかな皮膚がひきつる感覚、粘膜が無理矢理抉じ開けられる感覚がからだを駆け巡り、痺れるような恥ずかしさと被虐感が全身に広がります。
「このあいだのスタジオライブショーのとき、直子、ココを自分で思いっきり押し広げていたでしょう?洗濯バサミまで使って」
「あのときあたし、本当に驚いたの。人前でそこまでする女の子って本当にいるんだ、って。こういう子を本当の自虐マゾっていうんだな、って」
「もう釘付けだったわ。間近で見たい、今すぐスタジオのドア開けて、かぶりついて見ていたい、って、いてもたってもいられなかったのよ」
「自分の立場を考えて、なんとかガマンしたけれどね。うふふ、でも今日からココは、あたしだけのもの」
「あたしが直子のからだを独り占めして、自由にもてあそんでいいのよね?楽しみだわ。ゾクゾクしちゃう」
独り言みたいなお姉さまのSっぽいお言葉に、私の隷属願望が狂喜乱舞しています。
お姉さまの箸先は、私の亀裂のほぼ真ん中に潜り込み、お箸を開く力で幅4~5センチくらいの菱形っぽい窪みを作り出していました。
その箸先が粘膜を擦りながら徐々に上のほう、すなわち私のお腹側のほうへと動き始めています。
割り箸のザラザラとした木の感触が粘膜に新鮮。
「わたしのお目当ては・・・やっぱり今日もテラテラ元気一杯に飛び出しているわね」
「あのときもスゴイと思ったけれど、やっぱりスゴイわ」
「まるで大きな真珠みたい。露に濡れてツヤツヤ輝いてとっても綺麗。だけどシャボン玉みたいに敏感なのよね、直子のピンクパールは」
「ぁ、そ、そこは・・・お姉さまぁ・・・だめ・・・ここでは・・・だめです・・・」
箸先は、ゆっくりその部分へ近づいています。
「ぉ姉さま、本当にソコは、今、今は、ぁ、ゆるして、ゆるしてくださぃ・・・ぃやっ、やめて・・・」
途切れ途切れのコソコソ声でお姉さまにお許しを請いました。
こんなところで、こんな状況で、こんな格好でソコを弄られたら、声を押し殺せる自信がまったくありませんでした。
窪みからは嬉し涙がトロトロ滴り落ちて、腿を濡らしています。
「んっ!」
片方の箸先がとうとう、ソコの側面に軽く触れました。
「んんっ!」
つづいてもう片方の箸先も。
「んんんーっ」
腫れ上がった肉の突起が、お箸の先で軽くつままれ引っ張られます。
「がまんしなさい。そして、そのがまんしている顔をあたしに見せて。ほら、直子、下を向いて。あたしの顔を見なさい」
ほぼ真下から聞こえてくるお姉さまのお声に、後頭部で組んだ両手に力を込め、歯を食いしばってうつむきます。
見上げるお姉さまの妖艶な笑顔と目が合いましたが、そのときお箸がソレをもっと強く挟んできて、たまらずに目をギューッと閉じました。
唇は真一文字、目もギューッ、からだは硬直、膝はガクガク。
一瞬でも力を抜いたら、私の喉元からはしたない淫声がほとばしってしまうことでしょう。
お姉さまの箸先は、ときに強く、ときに弱くその部分を挟み、円を描くように引っ張ったり離したり。
・・・だめ・・・これ以上はもう・・・やめて・・・ぉ願い・・・ィキそう・・・だめ・・・ほんとうに・・・
もういい、もうどうなってもいい、がまん出来ない、快感に身を委ねよう・・・
頭の中が真っ白になりかけて、捨て鉢になる寸前。
唐突に蹂躙が終わりました。
充血した芽への刺激が消え、ジーンと興奮が遠のいていきます。
私の両膝がヘナヘナと崩れました。
「よく声をがまんしたわね。偉いわ、直子」
しゃがみ込んだ私と同じ頭の位置にお姉さまのお顔。
「あら?イけなかったから拗ねているの?わかりやすい子。試着を終えたときも、そんな顔をしていたわね」
昇華出来なかった快感の渦が行き場を失くしてモヤモヤとした欲求不満に姿を変え、その憤りの矛先は、さっきまで刺激を与えてくれていた人、すなわちお姉さまに向けられて・・・
おそらく私は、すっごく恨みがましい顔で、お姉さまを睨んでいたと思います。
「それよりもそろそろお店を出る仕度をしなくちゃ。9時半までには出るって言っちゃったし」
しれっとしたお姉さまのお言葉に、ますますジト目になる私。
「そんな顔しなくても大丈夫よ。夜はまだ長いのだし、あたしだって久しぶりだから見たいもの、直子のマジイキ顔」
「だけど、直子が本気出したときのヨガリ声の凄さも、あたしは知っているから。こんな場所であんな声出されたら、たまったものじゃないわ」
お姉さまの愉快そうなお顔が、すっごくニクタラシイ。
「だから寸止め。ね?」
お姉さまったら、美味しそうに割り箸の先端をキャンディみたいにしゃぶっています。
もう!お姉さまのイジワル!
だけど、お姉さまとのデートはまだまだ終わらないってわかって、お姉さまが私のイク顔を見たいっておっしゃってくれて、ずいぶんご機嫌が直りました。
「とりあえず服を着ましょう。ブラウスはここにあるけれど、スカートは?」
「あ、えっと、あそこです」
スカートはさっきお姉さまに脱がされて、まだ掘りごたつ式テーブル下の床に横たわったままでした。
「そうだったわね。すっかり忘れていたわ」
マゾの服従ポーズを解いてテーブルに向かおうとした私を、お姉さまが手で制しました。
「せっかくあんなところに落ちているのだし、直子はマゾなんだし、ここはやっぱり四つん這いで手を使わずに回収する、っていう牝犬プレイじゃない?ベタだけれどさ」
お姉さまってば、どんどん調子が出てきているみたい。
ご自分では、エスっぽいとは思わない、なんておっしゃっていたけれど、どうしてどうして、なかなかのイジワルなご主人さまっぷりです。
「はい。わかりました、お姉さま」
おずおずと両手をついて四つん這いになった私のお尻を、お姉さまの右手がペチンと軽くはたきました。
「ほら、取っておいで。直子のスカート」
居酒屋の個室のお座敷を、ニーソックスだけのほぼ全裸の四つん這い、両肘と両膝を交互に動かし、裸のお尻だけ高く突き上げて這うようによたよた進みます。
スカートが落ちている掘りごたつ風テーブルの床下は、お座敷から5~60センチの段差。
お座敷とテーブルの間が40センチくらい空いているので、その隙間から潜り込めば床下に降りられます。
手を使ってはいけない、ということなので、スカートは、本当のワンちゃんみたくお口で咥えるしかありません。
「犬だったら当然、こういう軒下みたいなところには、頭から潜り込むわよね?」
お姉さまの愉しそうなお声が背中から降ってきました。
四つん這いのまま、まず頭をテーブルの下に入れ、それから右手、左手と床下につきました。
「ああんっ!」
剥き出しで垂れ下がったおっぱいがお座敷の縁でべったり潰され、動くたびに尖った乳首が木の床を擦ります。
この状態をお姉さまから見たら、お座敷とテーブルの間にぽっかり、私の裸のお尻だけ覗いていることでしょう。
「あらあら、いい格好だこと。柏餅の中身も、お尻の穴まで全開、丸見えよ」
案の定、愉快そうなお声と共に、尻たぶをまたペチンと叩かれました。
「あ、いい忘れていたけれどあたし、直子のお尻も大好きよ。白くて柔らかくてまん丸で」
お姉さまの手が私のお尻をさわさわ撫で回してきます。
ああん、気持ちいい・・・
いつまででもそうされていたかったのですが、お姉さまの、早く取ってらっしゃい、の一言で、股間を大きく割って両膝とも床下に降ろし、スカートを咥えてお座敷に這い戻りました。
「よしよし。いい子ね。服を着せてあげるから、またそこに立ってくれる?」
さっきの衝立の前で再びマゾの服従ポーズ。
「今日は、本当はね、これを直子に試させるのが、あたしの中ではメインだったのよ」
お姉さまがガサコソとご自分のバッグの中から何かを取り出しながらおっしゃいました。
「直子のノリがいいから、ずっと出しそびれてしまったけれど」
「このあいだ直子が言っていた、服を着たままでも脱げる下着、っていうのが印象的だったから、頭の中にずっとひっかかっていたの」
「あたしにはそういう発想は無かったから、面白いな、って思って。あたしの仕事にも大いに関係することだし」
「それで、まあこれは下着っていうのとは少し違うのだけれど」
お姉さまの手のひらの上に、直径5~6センチくらいのピンクがかった肌色の平べったくて少しだけ厚みのある、まあるいものが乗っていました。
まあるいものの円周は、梅の花形に可愛く波打っています。
「あっ、それってニプレスですね?」
「それは日本特有の呼び方ね。ヌーブラとか。欧米ではパスティーズとか、ニップルカバー、ニップルパッドって呼ぶみたい」
お姉さまが手のひらを軽く握ってまた開くと、そのまあるいものが手品みたいに2枚になりました。
「一般的には、ノーブラのときに乳首を目立たせたくない人が着けるのだけれど、直子は着けたことある?」
「いえ、ないです」
「直子の乳首は大きいから、大きめで接着力の強いのを持ってきたわ」
「肌が湿っているとつきが悪いから、汗を拭ってあげるわね」
バッグから取り出したタオル地のハンカチで、お姉さまが私のおっぱいを拭いてくださいました。
タオル越しにやさしく揉むような手つき。
「ぁんっ」
乳首がタオル地のザラザラに包まれて、ピクっと反応してしまいます。
そのパッドから透明な薄紙のようなのを剥がしたお姉さまが、私の右おっぱいの先端にペタリとそれを貼り付けました。
「あら。直子の尖った乳首でもちゃんとくっついたわね」
つづけて左おっぱいにも。
「ほら、さわってごらん」
後頭部で組んでいだ手をほどき、おそるおそるパッドの表面に触れてみます。
「プニプニしてますね?」
「シリコンだからお肌っぽいでしょ?乳首つぶされて痛かったりはしない?」
「それはないです。内側もやわらかいし。だけどやっぱりなんだか、周辺がむず痒いような・・・」
「素肌に何かがくっついているワケだしね、接着剤はお肌に害の無い成分らしいけれど」
パッドが肌とよく似た色なので、ぱっと見るとあるべきところに乳首が無くて、おっぱいがのっぺらぼうでヘンテコな感じです。
「それで、ボトムはこれ」
次にお姉さまがバッグから取り出したのは、ペラペラの布きれでした。
広げると全長30センチに満たないくらいの奇妙な形をした一枚の布。
底辺の幅が5~6センチくらい、高さ15センチくらいの細長い二等辺逆三角形のV字の頂点から、数センチだけ細い帯状となり、その先に三角形の幅と同じくらいのハート型が逆向きに付いています。
「ストラップレスパンティなんて呼ばれている代物なの。薄い生地のドレスのときとかに下着のラインが出ないから、欧米のセレブたちが愛用している、っていう宣伝文句。本当か嘘かは知らないけれど」
「両端の接着部分を肌に直に貼るシール式。まあ俗に言う、前貼り、ね」
「直子はソコにヘアが無いから貼りやすいのはよいのだけれど、ちょっとその周辺の湿りは拭っておかないと、つきが悪そうね」
お姉さまが小さく笑いながら、テーブルの上にあったおしぼりのビニールを破き、私の股間にあてがいました。
「ぁぁんっ」
「あらあら、腿までヌルヌルだわ」
おしぼりを私の割れ目にしばらくぎゅうっと押し付けてから、たたみ直して左右の内腿、太腿まで拭いてくださいました。
新しいおしぼりも使って念入りに。
冷たいおしぼりが火照った肌に気持ちいい。
「おしぼりが2本ともくまなくヌルヌルベトベトになっちゃったわ。これ片付ける人、かわいそうよね?」
「時間がたつと臭ってきちゃうでしょうね。分かる人には分かる臭いが」
ご自分のタオル地ハンカチで、私の土手とお尻の上のほうを乾拭きしてくださりながら、そんなイジワルをおっしゃるお姉さま。
私の奥は、今さっき綺麗に拭いていただいたのに、いろいろ弄られた刺激で懲りもせずヒクヒクヌルリ。
「まず、ここにこうして・・・」
三角形の底辺に幅2センチくらいの糊代があり、その部分を私の無毛な土手の割れ始めすぐ上くらいに貼り付けました。
逆三角形が私の局部を覆い、そのまま余っている布をふんどしみたく股のあいだに通して、お尻側で持ち上げます。
逆三角の頂点付近がお尻の穴を隠し、Tバックくらいの細い帯からつながったハート型の部分が、お尻の割れ始めあたりの背中まできたようです。
ハート型部分の糊代の台紙も剥がして背中にペタリと貼り付けると、私の股間は、必要最小限の布地で隠されました。
これも布地が肌の色に近いので、ぱっと見のっぺらぼう。
「なんだか一昔前のマネキン人形のボディみたいね」
立ち上がって一歩下がり、私の全身をまじまじと見つめつつ、お姉さまがおっしゃいました。
「セクシー、っていうのとは少し違う感じね。隠そうとして、かえって不自然さが目立っちゃって少し不気味かな。機能的過ぎるのね。色っぽさが感じられないわ」
「いっそ下のヘアをちゃんとケアしていないほうが、微妙にはみ出したヘアで、ぐんと卑猥っぽくなるかもね」
「これは、お姉さまの会社の製品なのですか?」
「ううん。両方とも輸入物。開発の資料として取り寄せたの。うちが扱うとしたら、もっと何かしらオシャレな感じにイロつけるわよ」
お姉さまが真面目なお顔で即答しました。
「ちょっとそこでしゃがんでみてくれる?」
「あ、はい」
お言葉通りにその場でしゃがんでみます。
当然、両腿が左右に割れ、アソコのスジも開きます。
「剥がれない?背中側」
「はい。大丈夫みたいです」
「ふーん。けっこう接着力強いんだ。布の伸縮性もいいみたいね。立っていいわよ」
「はい」
立ち上がった私の股間に目を遣ったお姉さまが、苦笑いみたいなものを浮かべました。
「やれやれ。直子のソコって、まるで枯れない泉ね。伝説のせいなる泉。セイントじゃなくてりっしんべんのほう」
お姉さまのお言葉で自分の股間に目を遣ると・・・
アソコが当たっている部分が、はしたないおツユに濡れて薄い生地に浸み出し、色濃く変色していました。
肌の色に近いベージュ色が、そこだけクッキリ濃い茶色になってしまっています。
「そのシミはずいぶん目立っちゃって、かなり恥ずかしいわね。一気に淫靡な感じになったわ」
「辱められ願望の直子にはそれでいいのでしょうけれど、布質はよーく考えなければいけないみたいね」
お姉さまの呆れたような薄笑みに、私の奥が更にヒクヒクヌルリ。
「ワッハハーッハーッ!いやー、今日はもうサイコーでしたねーっ!」
突然、数人の男性たちの出来上がっちゃったらしい酔い声の洪水が、遠慮の一切無い大きな笑い声とバタバタという乱暴な足音とともに、格子戸を隔てた通路をフェイドインしてフェイドアウトしていきました。
途端に、自分が今居る場所、していること、を今更ながらに思い出します。
忘れていた不安が一気に押し寄せ、いてもたってもいられないのに、アソコの奥が盛大にビクビクン。
「ま、それはそれとして、そろそろお店を出ましょう。約束の時間、少し過ぎちゃったから」
「急いで身支度して。はい、これ。ブラウスとスカートね」
「あ、はいっ!」
やっとお洋服を着ることを許された安堵感に大きな声でお返事し、お姉さまから渡されたブラウスの袖に大急ぎで腕を通します。
「ただし、ブラウスのボタンは全部はずしたままよ。スカートにもウエストインしないで裾は出しっぱね」
「えっ!?」
「ほら、早くスカート穿いて」
お言いつけに戸惑いながら、ブラウスの前を開きっ放しのまま、スカートを着けました。
まさかこんな全開な格好で、週末で賑わう夜の繁華街へ出ろと!?
「うんうん。ブラウスから覗く肌がなかなかセクシーでいい感じ。はい上着。そのジャケットのボタンだけ、留めていいわよ」
*
*ランデブー 6:42 05へ
*
膝立ちだったお姉さまが更にからだを屈めて、私のアソコを下から覗き込むように見ています。
「この中にいいものが隠れているのよね?今でもちょこっと顔を出しているけれど」
「直子のは大きいのに包む皮が浅いから、気持ちがいいとすぐに、こんにちは、しちゃうのよね。かまって欲しくて」
おっしゃりながら、2本の箸先がゆっくりと左右に分かれ始めます。
「ぁぁんっ!ぉ姉さまぁ・・・」
柔らかな皮膚がひきつる感覚、粘膜が無理矢理抉じ開けられる感覚がからだを駆け巡り、痺れるような恥ずかしさと被虐感が全身に広がります。
「このあいだのスタジオライブショーのとき、直子、ココを自分で思いっきり押し広げていたでしょう?洗濯バサミまで使って」
「あのときあたし、本当に驚いたの。人前でそこまでする女の子って本当にいるんだ、って。こういう子を本当の自虐マゾっていうんだな、って」
「もう釘付けだったわ。間近で見たい、今すぐスタジオのドア開けて、かぶりついて見ていたい、って、いてもたってもいられなかったのよ」
「自分の立場を考えて、なんとかガマンしたけれどね。うふふ、でも今日からココは、あたしだけのもの」
「あたしが直子のからだを独り占めして、自由にもてあそんでいいのよね?楽しみだわ。ゾクゾクしちゃう」
独り言みたいなお姉さまのSっぽいお言葉に、私の隷属願望が狂喜乱舞しています。
お姉さまの箸先は、私の亀裂のほぼ真ん中に潜り込み、お箸を開く力で幅4~5センチくらいの菱形っぽい窪みを作り出していました。
その箸先が粘膜を擦りながら徐々に上のほう、すなわち私のお腹側のほうへと動き始めています。
割り箸のザラザラとした木の感触が粘膜に新鮮。
「わたしのお目当ては・・・やっぱり今日もテラテラ元気一杯に飛び出しているわね」
「あのときもスゴイと思ったけれど、やっぱりスゴイわ」
「まるで大きな真珠みたい。露に濡れてツヤツヤ輝いてとっても綺麗。だけどシャボン玉みたいに敏感なのよね、直子のピンクパールは」
「ぁ、そ、そこは・・・お姉さまぁ・・・だめ・・・ここでは・・・だめです・・・」
箸先は、ゆっくりその部分へ近づいています。
「ぉ姉さま、本当にソコは、今、今は、ぁ、ゆるして、ゆるしてくださぃ・・・ぃやっ、やめて・・・」
途切れ途切れのコソコソ声でお姉さまにお許しを請いました。
こんなところで、こんな状況で、こんな格好でソコを弄られたら、声を押し殺せる自信がまったくありませんでした。
窪みからは嬉し涙がトロトロ滴り落ちて、腿を濡らしています。
「んっ!」
片方の箸先がとうとう、ソコの側面に軽く触れました。
「んんっ!」
つづいてもう片方の箸先も。
「んんんーっ」
腫れ上がった肉の突起が、お箸の先で軽くつままれ引っ張られます。
「がまんしなさい。そして、そのがまんしている顔をあたしに見せて。ほら、直子、下を向いて。あたしの顔を見なさい」
ほぼ真下から聞こえてくるお姉さまのお声に、後頭部で組んだ両手に力を込め、歯を食いしばってうつむきます。
見上げるお姉さまの妖艶な笑顔と目が合いましたが、そのときお箸がソレをもっと強く挟んできて、たまらずに目をギューッと閉じました。
唇は真一文字、目もギューッ、からだは硬直、膝はガクガク。
一瞬でも力を抜いたら、私の喉元からはしたない淫声がほとばしってしまうことでしょう。
お姉さまの箸先は、ときに強く、ときに弱くその部分を挟み、円を描くように引っ張ったり離したり。
・・・だめ・・・これ以上はもう・・・やめて・・・ぉ願い・・・ィキそう・・・だめ・・・ほんとうに・・・
もういい、もうどうなってもいい、がまん出来ない、快感に身を委ねよう・・・
頭の中が真っ白になりかけて、捨て鉢になる寸前。
唐突に蹂躙が終わりました。
充血した芽への刺激が消え、ジーンと興奮が遠のいていきます。
私の両膝がヘナヘナと崩れました。
「よく声をがまんしたわね。偉いわ、直子」
しゃがみ込んだ私と同じ頭の位置にお姉さまのお顔。
「あら?イけなかったから拗ねているの?わかりやすい子。試着を終えたときも、そんな顔をしていたわね」
昇華出来なかった快感の渦が行き場を失くしてモヤモヤとした欲求不満に姿を変え、その憤りの矛先は、さっきまで刺激を与えてくれていた人、すなわちお姉さまに向けられて・・・
おそらく私は、すっごく恨みがましい顔で、お姉さまを睨んでいたと思います。
「それよりもそろそろお店を出る仕度をしなくちゃ。9時半までには出るって言っちゃったし」
しれっとしたお姉さまのお言葉に、ますますジト目になる私。
「そんな顔しなくても大丈夫よ。夜はまだ長いのだし、あたしだって久しぶりだから見たいもの、直子のマジイキ顔」
「だけど、直子が本気出したときのヨガリ声の凄さも、あたしは知っているから。こんな場所であんな声出されたら、たまったものじゃないわ」
お姉さまの愉快そうなお顔が、すっごくニクタラシイ。
「だから寸止め。ね?」
お姉さまったら、美味しそうに割り箸の先端をキャンディみたいにしゃぶっています。
もう!お姉さまのイジワル!
だけど、お姉さまとのデートはまだまだ終わらないってわかって、お姉さまが私のイク顔を見たいっておっしゃってくれて、ずいぶんご機嫌が直りました。
「とりあえず服を着ましょう。ブラウスはここにあるけれど、スカートは?」
「あ、えっと、あそこです」
スカートはさっきお姉さまに脱がされて、まだ掘りごたつ式テーブル下の床に横たわったままでした。
「そうだったわね。すっかり忘れていたわ」
マゾの服従ポーズを解いてテーブルに向かおうとした私を、お姉さまが手で制しました。
「せっかくあんなところに落ちているのだし、直子はマゾなんだし、ここはやっぱり四つん這いで手を使わずに回収する、っていう牝犬プレイじゃない?ベタだけれどさ」
お姉さまってば、どんどん調子が出てきているみたい。
ご自分では、エスっぽいとは思わない、なんておっしゃっていたけれど、どうしてどうして、なかなかのイジワルなご主人さまっぷりです。
「はい。わかりました、お姉さま」
おずおずと両手をついて四つん這いになった私のお尻を、お姉さまの右手がペチンと軽くはたきました。
「ほら、取っておいで。直子のスカート」
居酒屋の個室のお座敷を、ニーソックスだけのほぼ全裸の四つん這い、両肘と両膝を交互に動かし、裸のお尻だけ高く突き上げて這うようによたよた進みます。
スカートが落ちている掘りごたつ風テーブルの床下は、お座敷から5~60センチの段差。
お座敷とテーブルの間が40センチくらい空いているので、その隙間から潜り込めば床下に降りられます。
手を使ってはいけない、ということなので、スカートは、本当のワンちゃんみたくお口で咥えるしかありません。
「犬だったら当然、こういう軒下みたいなところには、頭から潜り込むわよね?」
お姉さまの愉しそうなお声が背中から降ってきました。
四つん這いのまま、まず頭をテーブルの下に入れ、それから右手、左手と床下につきました。
「ああんっ!」
剥き出しで垂れ下がったおっぱいがお座敷の縁でべったり潰され、動くたびに尖った乳首が木の床を擦ります。
この状態をお姉さまから見たら、お座敷とテーブルの間にぽっかり、私の裸のお尻だけ覗いていることでしょう。
「あらあら、いい格好だこと。柏餅の中身も、お尻の穴まで全開、丸見えよ」
案の定、愉快そうなお声と共に、尻たぶをまたペチンと叩かれました。
「あ、いい忘れていたけれどあたし、直子のお尻も大好きよ。白くて柔らかくてまん丸で」
お姉さまの手が私のお尻をさわさわ撫で回してきます。
ああん、気持ちいい・・・
いつまででもそうされていたかったのですが、お姉さまの、早く取ってらっしゃい、の一言で、股間を大きく割って両膝とも床下に降ろし、スカートを咥えてお座敷に這い戻りました。
「よしよし。いい子ね。服を着せてあげるから、またそこに立ってくれる?」
さっきの衝立の前で再びマゾの服従ポーズ。
「今日は、本当はね、これを直子に試させるのが、あたしの中ではメインだったのよ」
お姉さまがガサコソとご自分のバッグの中から何かを取り出しながらおっしゃいました。
「直子のノリがいいから、ずっと出しそびれてしまったけれど」
「このあいだ直子が言っていた、服を着たままでも脱げる下着、っていうのが印象的だったから、頭の中にずっとひっかかっていたの」
「あたしにはそういう発想は無かったから、面白いな、って思って。あたしの仕事にも大いに関係することだし」
「それで、まあこれは下着っていうのとは少し違うのだけれど」
お姉さまの手のひらの上に、直径5~6センチくらいのピンクがかった肌色の平べったくて少しだけ厚みのある、まあるいものが乗っていました。
まあるいものの円周は、梅の花形に可愛く波打っています。
「あっ、それってニプレスですね?」
「それは日本特有の呼び方ね。ヌーブラとか。欧米ではパスティーズとか、ニップルカバー、ニップルパッドって呼ぶみたい」
お姉さまが手のひらを軽く握ってまた開くと、そのまあるいものが手品みたいに2枚になりました。
「一般的には、ノーブラのときに乳首を目立たせたくない人が着けるのだけれど、直子は着けたことある?」
「いえ、ないです」
「直子の乳首は大きいから、大きめで接着力の強いのを持ってきたわ」
「肌が湿っているとつきが悪いから、汗を拭ってあげるわね」
バッグから取り出したタオル地のハンカチで、お姉さまが私のおっぱいを拭いてくださいました。
タオル越しにやさしく揉むような手つき。
「ぁんっ」
乳首がタオル地のザラザラに包まれて、ピクっと反応してしまいます。
そのパッドから透明な薄紙のようなのを剥がしたお姉さまが、私の右おっぱいの先端にペタリとそれを貼り付けました。
「あら。直子の尖った乳首でもちゃんとくっついたわね」
つづけて左おっぱいにも。
「ほら、さわってごらん」
後頭部で組んでいだ手をほどき、おそるおそるパッドの表面に触れてみます。
「プニプニしてますね?」
「シリコンだからお肌っぽいでしょ?乳首つぶされて痛かったりはしない?」
「それはないです。内側もやわらかいし。だけどやっぱりなんだか、周辺がむず痒いような・・・」
「素肌に何かがくっついているワケだしね、接着剤はお肌に害の無い成分らしいけれど」
パッドが肌とよく似た色なので、ぱっと見るとあるべきところに乳首が無くて、おっぱいがのっぺらぼうでヘンテコな感じです。
「それで、ボトムはこれ」
次にお姉さまがバッグから取り出したのは、ペラペラの布きれでした。
広げると全長30センチに満たないくらいの奇妙な形をした一枚の布。
底辺の幅が5~6センチくらい、高さ15センチくらいの細長い二等辺逆三角形のV字の頂点から、数センチだけ細い帯状となり、その先に三角形の幅と同じくらいのハート型が逆向きに付いています。
「ストラップレスパンティなんて呼ばれている代物なの。薄い生地のドレスのときとかに下着のラインが出ないから、欧米のセレブたちが愛用している、っていう宣伝文句。本当か嘘かは知らないけれど」
「両端の接着部分を肌に直に貼るシール式。まあ俗に言う、前貼り、ね」
「直子はソコにヘアが無いから貼りやすいのはよいのだけれど、ちょっとその周辺の湿りは拭っておかないと、つきが悪そうね」
お姉さまが小さく笑いながら、テーブルの上にあったおしぼりのビニールを破き、私の股間にあてがいました。
「ぁぁんっ」
「あらあら、腿までヌルヌルだわ」
おしぼりを私の割れ目にしばらくぎゅうっと押し付けてから、たたみ直して左右の内腿、太腿まで拭いてくださいました。
新しいおしぼりも使って念入りに。
冷たいおしぼりが火照った肌に気持ちいい。
「おしぼりが2本ともくまなくヌルヌルベトベトになっちゃったわ。これ片付ける人、かわいそうよね?」
「時間がたつと臭ってきちゃうでしょうね。分かる人には分かる臭いが」
ご自分のタオル地ハンカチで、私の土手とお尻の上のほうを乾拭きしてくださりながら、そんなイジワルをおっしゃるお姉さま。
私の奥は、今さっき綺麗に拭いていただいたのに、いろいろ弄られた刺激で懲りもせずヒクヒクヌルリ。
「まず、ここにこうして・・・」
三角形の底辺に幅2センチくらいの糊代があり、その部分を私の無毛な土手の割れ始めすぐ上くらいに貼り付けました。
逆三角形が私の局部を覆い、そのまま余っている布をふんどしみたく股のあいだに通して、お尻側で持ち上げます。
逆三角の頂点付近がお尻の穴を隠し、Tバックくらいの細い帯からつながったハート型の部分が、お尻の割れ始めあたりの背中まできたようです。
ハート型部分の糊代の台紙も剥がして背中にペタリと貼り付けると、私の股間は、必要最小限の布地で隠されました。
これも布地が肌の色に近いので、ぱっと見のっぺらぼう。
「なんだか一昔前のマネキン人形のボディみたいね」
立ち上がって一歩下がり、私の全身をまじまじと見つめつつ、お姉さまがおっしゃいました。
「セクシー、っていうのとは少し違う感じね。隠そうとして、かえって不自然さが目立っちゃって少し不気味かな。機能的過ぎるのね。色っぽさが感じられないわ」
「いっそ下のヘアをちゃんとケアしていないほうが、微妙にはみ出したヘアで、ぐんと卑猥っぽくなるかもね」
「これは、お姉さまの会社の製品なのですか?」
「ううん。両方とも輸入物。開発の資料として取り寄せたの。うちが扱うとしたら、もっと何かしらオシャレな感じにイロつけるわよ」
お姉さまが真面目なお顔で即答しました。
「ちょっとそこでしゃがんでみてくれる?」
「あ、はい」
お言葉通りにその場でしゃがんでみます。
当然、両腿が左右に割れ、アソコのスジも開きます。
「剥がれない?背中側」
「はい。大丈夫みたいです」
「ふーん。けっこう接着力強いんだ。布の伸縮性もいいみたいね。立っていいわよ」
「はい」
立ち上がった私の股間に目を遣ったお姉さまが、苦笑いみたいなものを浮かべました。
「やれやれ。直子のソコって、まるで枯れない泉ね。伝説のせいなる泉。セイントじゃなくてりっしんべんのほう」
お姉さまのお言葉で自分の股間に目を遣ると・・・
アソコが当たっている部分が、はしたないおツユに濡れて薄い生地に浸み出し、色濃く変色していました。
肌の色に近いベージュ色が、そこだけクッキリ濃い茶色になってしまっています。
「そのシミはずいぶん目立っちゃって、かなり恥ずかしいわね。一気に淫靡な感じになったわ」
「辱められ願望の直子にはそれでいいのでしょうけれど、布質はよーく考えなければいけないみたいね」
お姉さまの呆れたような薄笑みに、私の奥が更にヒクヒクヌルリ。
「ワッハハーッハーッ!いやー、今日はもうサイコーでしたねーっ!」
突然、数人の男性たちの出来上がっちゃったらしい酔い声の洪水が、遠慮の一切無い大きな笑い声とバタバタという乱暴な足音とともに、格子戸を隔てた通路をフェイドインしてフェイドアウトしていきました。
途端に、自分が今居る場所、していること、を今更ながらに思い出します。
忘れていた不安が一気に押し寄せ、いてもたってもいられないのに、アソコの奥が盛大にビクビクン。
「ま、それはそれとして、そろそろお店を出ましょう。約束の時間、少し過ぎちゃったから」
「急いで身支度して。はい、これ。ブラウスとスカートね」
「あ、はいっ!」
やっとお洋服を着ることを許された安堵感に大きな声でお返事し、お姉さまから渡されたブラウスの袖に大急ぎで腕を通します。
「ただし、ブラウスのボタンは全部はずしたままよ。スカートにもウエストインしないで裾は出しっぱね」
「えっ!?」
「ほら、早くスカート穿いて」
お言いつけに戸惑いながら、ブラウスの前を開きっ放しのまま、スカートを着けました。
まさかこんな全開な格好で、週末で賑わう夜の繁華街へ出ろと!?
「うんうん。ブラウスから覗く肌がなかなかセクシーでいい感じ。はい上着。そのジャケットのボタンだけ、留めていいわよ」
*
*ランデブー 6:42 05へ
*
2014年7月19日
ランデブー 6:42 03
「お姉さまっ?!」
「ほら、早く!店員さんが来る前にはずし終えていなかったら、スール解消するわよ?」
「そ、そんな・・・」
「大丈夫。あたしがうまくやるから、直子はうつむいて、そのアイスクリームを食べているフリでもしていればいいわ」
「わ、わかりました・・・」
お姉さまにイジワルなお顔で促され、震える指でボタンを全部はずしました。
ゆったりめのブラウスなので、前がモロに左右に割れてしまうことはありませんが、開いた胸元とチラチラ覗く素肌がすっごく不安。
ドキドキして乳首が痛いくらい。
コンコン!
ドキンッ!
「お呼びでしょうかっ?」
格子戸がガラガラッと開くと、作務衣のような制服を着た若い男性の店員さんが満面の笑みを浮かべて立っていました。
その瞬間、私はブラウスのお腹のあたりを左手で押さえながら思いっきり背中を丸めてうつむき、目の前のアイスクリームのスプーンを口に運びました。
私の左隣、店員さんに近い側で背中を向けていた形のお姉さまが、ゆっくりと店員さんを振り返ります。
隣でうつむいている私の視線には、Vラインがたわんだブラウスの襟ぐりから自分の胸の谷間が丸見え。
だけど、これだけ前傾していれば、お座敷の縁に膝立ちの店員さんからは、私の後頭部とブラウスの背中しか見えていないはず・・・
「えーっと、グラスワインの白、同じ銘柄をもう一杯と、直子のは何だっけ?あ、梅酒のソーダ割をおかわり」
「それからお食事のお皿は全部さげてください。ご馳走さま」
おっしゃりながら、テーブルの上の空になったお皿を次々と、店員さんの膝元に置いてあげているようです。
「一緒に冷たいお水もふたつ、いただけますか。それとチェックを。9時半前には出ますので」
「かしこまりました。少々お待ちください」
「ずいぶん大げさに丸まっていたわねえ。店員さんが不思議そうに見ていたわよ?」
「だって・・・」
格子戸が閉じられた音と同時に顔を上げた私の真正面に、愉快そうなお姉さまのお顔がありました。
「ちゃんとボタンはずした?」
「はい・・・」
「本当?自分でブラウス開いてみせて」
「えっと、あの、は、はい・・・」
お姉さまの瞳にまっすぐに見つめられた私は、従うほかはありません。
ブラウスの前立てを両手でつまみ、おずおずと左右に開き始めます。
素肌が徐々に外気に晒されていきます。
「もっと開いて」
「そんなんじゃだめ。もっとよ、もっと」
私の両手は、縄跳びをするときみたいな形で左右に分かれ、ふたつのふくらみが完全に露になりました。
「やっぱりツンツンね。硬そうに尖ってる」
愉しそうなお姉さま。
衝立越しに聞こえてくる他のお客様たちの喧騒が、一段と大きくなったような気がしました。
「あたしがいいと言うまで閉じたらダメよ」
おっしゃりながらお姉さまの上半身が私のほうへ傾いてきました。
パンティをはずされたときと同じように、私の下半身に膝枕みたいな格好のお姉さまが、私の左腰のあたりをゴソゴソいじっています。
ジジーーッ。
「あっ!?」
「おっけー。少しお尻を浮かせてくれる?」
お姉さまの言いなりモードな私は、招く結果がわかっていても、逆らうことは出来ません。
お姉さまの手が私のスカートのホックをはずし、ジッパーを一番下まで下げていました。
私がためらいながらも少しお尻を浮かせたタイミングを逃さずスカートが下へと引っ張られ、腿からニーソックスの脛、足先へとスルスルッと滑り落ちていきました。
「ああんっ、お姉さまぁ・・・」
「そのブラウス、意外と丈が長いから大丈夫。ギリギリ隠れるわよ」
上体を起こしたお姉さまが私の横にピッタリ寄り添うように座り直し、満足そうに微笑みます。
「それに直子は余計なヘアがまるで無いから、ソコが悪目立ちしないし」
ブラウスを開いているので今は丸見えな私の肌色な土手に、ジーッと視線が注がれます。
「これで残るはブラウスだけね。こんなところで裸にされるのって、どんな気分?・・・」
コンコン!
ドッキーン!!
お姉さまのイジワルなご質問が終わらないうちに、またしてもノックの音が。
私は反射的に開いていたブラウスを掻き合わせ、両手で前立てをギュッと押さえたまま盛大にうつむきました。
「お待たせしましたぁ。お飲み物をお持ちしましたぁ」
ふうわりしたお声の主は女性です。
うつむいたまま横目で窺がうと、作務衣姿にひっつめ髪の可愛らしい女の子店員さんでした。
「ありがとう」
お姉さまがグラスを受け取ってテーブルに置いています。
「あとこれ、おしぼりです。お帰りの前にお使いください。それと、これがお会計の伝票です。お帰りの際に出口脇のレジでお支払いください」
「はい。ありがとう」
お姉さまと店員さんの会話を聞きながら、再び視線を下に落としました。
やだっ!隠れてないっ・・・
自分の視線の先に、掻き合わせたブラウスの白い裾。
そのほんの少し先に、ピッタリ閉じた私の両腿の付け根の肌色が覗いていました。
少しプックリふくらんだ丘の先端にはちょっぴりスジまで。
まさか店員さんから、見えていないよね???
あっ!て言うか、後ろは?
ひょっとして私の生お尻、お座布団の上ではみ出しちゃっているかも!?
店員さんから丸見えかも!?
ブラウスの背中側って、普通、前よりちょっと丈が長いよね?だから隠れているよね?大丈夫よね!?
ちょっとしたパニック状態。
パニックがコーフンを呼び、コーフンがムラムラを呼び起こします。
「へー、あなた間宮さんっていうんだ?こういうお仕事大変でしょう?」
「あれ?なんで名前を・・・って、ああ、この名札でしたね。いえ。楽しいです。うちのお店は良いお客様ばかりですから」
「けっこうカップルとかが多いみたいね」
お姉さまったら、のんきに店員さんとおしゃべりされています。
ああん、早くその店員さんにお引取り願ってくださいませぇ、バレないうちにぃ・・・
「それではどうぞごゆっくり」
世間話がやっと終わって、店員さんが立ち去ろうとするのを、
「お待ちなさい」
お姉さまが呼び止めました。
「直子、あなたの前のそのアイスクリームのお皿も下げてもらいましょう。こっちにちょうだい」
お姉さまが店員さんのほうを向いたままおっしゃいました。
「あ、はい・・・」
お姉さまが取ってくれない以上、私から差し出すしかありません。
覚悟を決めて前屈みの上体を少し正しました。
左手でブラウスの胸元、ちょうどおっぱいの上辺りをギュッと押さえたまま、目の前のアイスクリームのお皿を右手で持って上体だけひねり、お姉さまのほうへ差し出しました。
左肩越しに店員さんと目が合いました。
お皿を受け取ったお姉さまは、それを店員さんの膝元に置きました。
「これもお願いね」
「はい。あのう、そちらのお客さま、大丈夫ですか?お顔が真っ赤ですよ?」
「ああ。この子はね、お酒が弱いのよ。飲むのは好きなクセにね。だからちょっと休んでいるの。ご心配ありがとう」
「そうでしたか。どうぞごゆっくり」
それからお姉さまが私のほうへ向き直りました。
至近距離で見つめあうふたり。
「襟が、曲がっていてよ」
お姉さまの両手が私の襟元に伸び、ブラウスの襟を左右に押し広げるように引っ張られました。
私は本能的に、胸元を抑えている左手にギューッと力を込めます。
「身だしなみは、いつもきちんとね。間宮様が見ていらっしゃるわよ」
きょとんとした表情でその様子を見ていた店員さんは、ペコリとひとつお辞儀をすると首を少し右に傾けたまま、静かに格子戸を閉じました。
「どうやらあの子は、スールの小説は知らなかったようね。残念」
店員さんが去ってから、お姉さまがそんなに残念そうでも無い感じでおっしゃいました。
「天然ぽい子だったけれど、あの子の位置からなら、直子のブラウスのボタンが全部はずれているのもわかったはずだし、何かヘンだって感づいたかしら?」
「帰るとき首をかしげていたから、今頃厨房で誰かに話しているかもね」
ワイングラスに唇をつけて少し傾けた後、お姉さまはそんなことをおっしゃりながら、なぜだか新しい割り箸を一膳、パチンと割りました。
もうお料理もおつまみも何も無いのに。
「さあこれで、あと20分くらいは誰もここには来ないわね。ゆっくり楽しみましょう」
お姉さまの両手が再び私のブラウスに伸びてきました。
「ほら早くそれも脱いで。あたしの可愛い妹の、生まれたままの姿を見せて」
お姉さまの手でブラウスが両肌脱ぎとなり、あれよという間に両袖からはずされました。
私の素肌を隠しているのは黒いニーソックスだけの、ほぼスッポンポン。
お姉さまがまた、私の横にピッタリ密着するようにからだを寄せてきました。
「うふふ。あたし、直子のこのおっぱい、大好きよ。アンダーがぽってり重そうで、ふしだらな感じ」
「直子のお顔からすると、もう少しこう、青い果実的なもの想像しちゃうけれど、実際は熟々、たわわ、って感じよね」
「それにこの乳首。すごい存在感。それに乳輪も派手めで。直子って、ぱっと見清楚そうなのに、脱いだらアンバランスなところがいいわ」
お姉さまが右手に持った割り箸で、私の左乳首をつまんできました。
「ああんっ!」
「ほら!声は出さないのっ!」
おっしゃりながらもお箸でキュッキュッとつまんできます。
「すごく硬い。コリコリ。軟骨みたい」
「んんっ・・・」
「えっちな声って意外と通るものなのよ?酔った男性とかとくにそういうのにはビンカンだから、直子がヘンな声出していると、なんだなんだ、って、個室の前に人だかりが出来ちゃうわよ?」
今度は割り箸を下乳にあてがい、持ち上げたり下ろしたりして、たゆんたゆん揺らされます。
「あうっぅーっ・・・」
「それともそれがお望みなのかしら?おっぱい揺らされているところ、みんなに見てもらいたいの?」
「い、いえ、ちがいますぅ・・・」
快感をこらえながら、小声で必死の弁明。
「そう。いい顔よ。あたし、直子がそうやって、気持ちいいのを一生懸命ガマンしている顔が大好き」
お姉さまのお箸の先が胸の真ん中をツツツッと滑っておへその中へ。
「んぐぅっ・・・」
「座ったままだと直子の一番ステキな部分が暗くてよく見えないわね。立ちましょう」
「で、でも、大丈夫でしょうか?」
「大丈夫よ。衝立は充分な高さがあるし、さっきも言ったけれどもう誰も来ないから」
「は、はい・・・」
立ち上がるために恐る恐る右腿から上げると、内腿が擦れてヌルッと滑りました。
もうこんなになっちゃってる・・・
今更意味の無いことと知りつつも、右腕で胸をかばい左手で股間を隠して、その場に立ちました。
「あらあら、お店の座布団、汚しちゃったわね」
お姉さまが小さく笑いながら、私のお尻が敷いていたお座布団を、クルッとひっくり返しました。
「そこじゃなくて、そっちの衝立の前に立って。それから、直子の両手は、そこじゃないと思うけどな」
お姉さまがお隣のお部屋とを仕切る衝立の前を指差しながら、ご自分も立ち上がりました。
私はお言いつけ通りに場所を移動し、両手を組んで後頭部に回して、両足を、休め、くらいまで広げました。
今まで何人かのかたから命ぜられ、お姉さまと出逢ったときも当然のように要求された、私に一番お似合いの姿勢。
腋の下から乳房、そして下半身までも一箇所として自分で覆い隠すことの出来ない、自分のからだのあらゆる部位の鑑賞と処遇を全面的にお相手に委ねる完全降伏状態、マゾの服従ポーズ。
お姉さまの瞳が私の全身を舐め始めました。
立ち上がると、周りから聞こえてくるお話し声や店員さんの応答、酔客独特の奇声や騒ぎ声が更にボリュームアップした気がしました。
私ったら、こんなころで、こんな格好に・・・
そしてそれを、お姉さまだけにじっくり視られている・・・
背徳感みたいなアブノーマルさが興奮に油を注ぎ、いっそうムラムラを煽り立ててきます。
そんなことを考えている私を知ってか知らずか、お姉さまがニッと笑って私の背後に目を遣りました。
「さっきトイレ行ったときチラッと見たら、お隣の個室は合コンみたいだったわ。直子と同じ年頃くらいの男女が5、6人、楽しそうにキャッキャウフフしていたわ」
私が背にしている個室のことでしょう。
「そこだけじゃなくて、トイレの行き帰りに、サラリーマンの上司悪口大会とか学生さんのバカ騒ぎとか、絶え間なく聞こえていたわ」
「そんな中で全裸になっている、あ、正確には全裸じゃないわね。でもそのソックスは脱がなくていいわよ。裸にソックスだけっていうのも妙にいやらしいものね」
お姉さまのお箸がまた、私の乳首をつまんできます。
「ぁぅっ、はぁはぁ・・・」
私は必死に悦びを押し殺し、その分息遣いがどんどん荒くなってしまいます。
「今、このお店の中でそんな格好しているのって、間違い無く直子だけでしょうね。他のお客さんはみんな楽しく飲んでいるというのに」
「どう?このあいだの試着室と比べて、どっちが興奮する?」
お箸が乳首をキュッ。
「ぁんっ。どっちも同じくらい、は、恥ずかしいです・・・」
「でもさ、少なくとも試着室なら、試着っていう、服を脱ぐための大義名分があるから、裸になっているのがもしもみつかっても、幾らか言い訳出来るわよね?」
「だけど、居酒屋で裸は、おかしいわ。だって脱ぐ理由がないもの」
「あ、いいこと思いついたわ。直子はあたしと飲みながら野球拳をして、負けちゃったの。負け続けて全裸。お酒の席でそういう遊び、することあるものね」
「言い訳出来るなら見られても大丈夫よね。呼び出しベル押して、店員さん呼んでみようか?」
お箸がおっぱいの皮膚をツンツン突いてきます。
「ぁ、許してくださいぃ・・・そんなイジワル言わないで・・・」
小さな声で途絶え途絶えに、お姉さまのご提案に異議を申し立てます。
「いいじゃない?さっきの可愛い店員さん、間宮さんだっけ?に、直子の裸、見てもらえるかもしれないのに。直子、そういうの好きなクセに」
お姉さまのお箸が私のバストからだんだん下に降りてきました。
それに伴って、お姉さまが私の足元で膝立ちになりました。
お姉さまのすぐ目の前に私のアソコ。
「でもまあ今日は、あたしがじっくり直子を見せてもらわなくちゃね。スールになった記念の日なのだから」
おっしゃいつつ、お箸で私の土手をつつきます。
「ううっ・・・」
背中を這い上がってくる快感が口から出てしまうのを、必死にこらえます。
「そう。一生懸命がまんなさい。あたしはその顔が見たくて直子とおつきあいするのだから」
お姉さまが私の顔を下から見上げて妖しく微笑みました。
お姉さまのお箸が円を描くように、私の下腹部を撫ぜ回します。
「あたし、直子のココも大好きよ。色白でプックリしててプヨプヨの柏餅」
お箸が徐々に両腿の付け根に近づいてきます。
「中身のアンコは、何味かしら?あらあら、おシルが滲み出てきちゃっているわね」
「あうっ!」
愉しそうなお姉さまのお声と共に、プスリ、という感じで、2本のお箸の箸先が私のワレメにごく浅く、突き刺さりました。
*
*ランデブー 6:42 04へ
*
「ほら、早く!店員さんが来る前にはずし終えていなかったら、スール解消するわよ?」
「そ、そんな・・・」
「大丈夫。あたしがうまくやるから、直子はうつむいて、そのアイスクリームを食べているフリでもしていればいいわ」
「わ、わかりました・・・」
お姉さまにイジワルなお顔で促され、震える指でボタンを全部はずしました。
ゆったりめのブラウスなので、前がモロに左右に割れてしまうことはありませんが、開いた胸元とチラチラ覗く素肌がすっごく不安。
ドキドキして乳首が痛いくらい。
コンコン!
ドキンッ!
「お呼びでしょうかっ?」
格子戸がガラガラッと開くと、作務衣のような制服を着た若い男性の店員さんが満面の笑みを浮かべて立っていました。
その瞬間、私はブラウスのお腹のあたりを左手で押さえながら思いっきり背中を丸めてうつむき、目の前のアイスクリームのスプーンを口に運びました。
私の左隣、店員さんに近い側で背中を向けていた形のお姉さまが、ゆっくりと店員さんを振り返ります。
隣でうつむいている私の視線には、Vラインがたわんだブラウスの襟ぐりから自分の胸の谷間が丸見え。
だけど、これだけ前傾していれば、お座敷の縁に膝立ちの店員さんからは、私の後頭部とブラウスの背中しか見えていないはず・・・
「えーっと、グラスワインの白、同じ銘柄をもう一杯と、直子のは何だっけ?あ、梅酒のソーダ割をおかわり」
「それからお食事のお皿は全部さげてください。ご馳走さま」
おっしゃりながら、テーブルの上の空になったお皿を次々と、店員さんの膝元に置いてあげているようです。
「一緒に冷たいお水もふたつ、いただけますか。それとチェックを。9時半前には出ますので」
「かしこまりました。少々お待ちください」
「ずいぶん大げさに丸まっていたわねえ。店員さんが不思議そうに見ていたわよ?」
「だって・・・」
格子戸が閉じられた音と同時に顔を上げた私の真正面に、愉快そうなお姉さまのお顔がありました。
「ちゃんとボタンはずした?」
「はい・・・」
「本当?自分でブラウス開いてみせて」
「えっと、あの、は、はい・・・」
お姉さまの瞳にまっすぐに見つめられた私は、従うほかはありません。
ブラウスの前立てを両手でつまみ、おずおずと左右に開き始めます。
素肌が徐々に外気に晒されていきます。
「もっと開いて」
「そんなんじゃだめ。もっとよ、もっと」
私の両手は、縄跳びをするときみたいな形で左右に分かれ、ふたつのふくらみが完全に露になりました。
「やっぱりツンツンね。硬そうに尖ってる」
愉しそうなお姉さま。
衝立越しに聞こえてくる他のお客様たちの喧騒が、一段と大きくなったような気がしました。
「あたしがいいと言うまで閉じたらダメよ」
おっしゃりながらお姉さまの上半身が私のほうへ傾いてきました。
パンティをはずされたときと同じように、私の下半身に膝枕みたいな格好のお姉さまが、私の左腰のあたりをゴソゴソいじっています。
ジジーーッ。
「あっ!?」
「おっけー。少しお尻を浮かせてくれる?」
お姉さまの言いなりモードな私は、招く結果がわかっていても、逆らうことは出来ません。
お姉さまの手が私のスカートのホックをはずし、ジッパーを一番下まで下げていました。
私がためらいながらも少しお尻を浮かせたタイミングを逃さずスカートが下へと引っ張られ、腿からニーソックスの脛、足先へとスルスルッと滑り落ちていきました。
「ああんっ、お姉さまぁ・・・」
「そのブラウス、意外と丈が長いから大丈夫。ギリギリ隠れるわよ」
上体を起こしたお姉さまが私の横にピッタリ寄り添うように座り直し、満足そうに微笑みます。
「それに直子は余計なヘアがまるで無いから、ソコが悪目立ちしないし」
ブラウスを開いているので今は丸見えな私の肌色な土手に、ジーッと視線が注がれます。
「これで残るはブラウスだけね。こんなところで裸にされるのって、どんな気分?・・・」
コンコン!
ドッキーン!!
お姉さまのイジワルなご質問が終わらないうちに、またしてもノックの音が。
私は反射的に開いていたブラウスを掻き合わせ、両手で前立てをギュッと押さえたまま盛大にうつむきました。
「お待たせしましたぁ。お飲み物をお持ちしましたぁ」
ふうわりしたお声の主は女性です。
うつむいたまま横目で窺がうと、作務衣姿にひっつめ髪の可愛らしい女の子店員さんでした。
「ありがとう」
お姉さまがグラスを受け取ってテーブルに置いています。
「あとこれ、おしぼりです。お帰りの前にお使いください。それと、これがお会計の伝票です。お帰りの際に出口脇のレジでお支払いください」
「はい。ありがとう」
お姉さまと店員さんの会話を聞きながら、再び視線を下に落としました。
やだっ!隠れてないっ・・・
自分の視線の先に、掻き合わせたブラウスの白い裾。
そのほんの少し先に、ピッタリ閉じた私の両腿の付け根の肌色が覗いていました。
少しプックリふくらんだ丘の先端にはちょっぴりスジまで。
まさか店員さんから、見えていないよね???
あっ!て言うか、後ろは?
ひょっとして私の生お尻、お座布団の上ではみ出しちゃっているかも!?
店員さんから丸見えかも!?
ブラウスの背中側って、普通、前よりちょっと丈が長いよね?だから隠れているよね?大丈夫よね!?
ちょっとしたパニック状態。
パニックがコーフンを呼び、コーフンがムラムラを呼び起こします。
「へー、あなた間宮さんっていうんだ?こういうお仕事大変でしょう?」
「あれ?なんで名前を・・・って、ああ、この名札でしたね。いえ。楽しいです。うちのお店は良いお客様ばかりですから」
「けっこうカップルとかが多いみたいね」
お姉さまったら、のんきに店員さんとおしゃべりされています。
ああん、早くその店員さんにお引取り願ってくださいませぇ、バレないうちにぃ・・・
「それではどうぞごゆっくり」
世間話がやっと終わって、店員さんが立ち去ろうとするのを、
「お待ちなさい」
お姉さまが呼び止めました。
「直子、あなたの前のそのアイスクリームのお皿も下げてもらいましょう。こっちにちょうだい」
お姉さまが店員さんのほうを向いたままおっしゃいました。
「あ、はい・・・」
お姉さまが取ってくれない以上、私から差し出すしかありません。
覚悟を決めて前屈みの上体を少し正しました。
左手でブラウスの胸元、ちょうどおっぱいの上辺りをギュッと押さえたまま、目の前のアイスクリームのお皿を右手で持って上体だけひねり、お姉さまのほうへ差し出しました。
左肩越しに店員さんと目が合いました。
お皿を受け取ったお姉さまは、それを店員さんの膝元に置きました。
「これもお願いね」
「はい。あのう、そちらのお客さま、大丈夫ですか?お顔が真っ赤ですよ?」
「ああ。この子はね、お酒が弱いのよ。飲むのは好きなクセにね。だからちょっと休んでいるの。ご心配ありがとう」
「そうでしたか。どうぞごゆっくり」
それからお姉さまが私のほうへ向き直りました。
至近距離で見つめあうふたり。
「襟が、曲がっていてよ」
お姉さまの両手が私の襟元に伸び、ブラウスの襟を左右に押し広げるように引っ張られました。
私は本能的に、胸元を抑えている左手にギューッと力を込めます。
「身だしなみは、いつもきちんとね。間宮様が見ていらっしゃるわよ」
きょとんとした表情でその様子を見ていた店員さんは、ペコリとひとつお辞儀をすると首を少し右に傾けたまま、静かに格子戸を閉じました。
「どうやらあの子は、スールの小説は知らなかったようね。残念」
店員さんが去ってから、お姉さまがそんなに残念そうでも無い感じでおっしゃいました。
「天然ぽい子だったけれど、あの子の位置からなら、直子のブラウスのボタンが全部はずれているのもわかったはずだし、何かヘンだって感づいたかしら?」
「帰るとき首をかしげていたから、今頃厨房で誰かに話しているかもね」
ワイングラスに唇をつけて少し傾けた後、お姉さまはそんなことをおっしゃりながら、なぜだか新しい割り箸を一膳、パチンと割りました。
もうお料理もおつまみも何も無いのに。
「さあこれで、あと20分くらいは誰もここには来ないわね。ゆっくり楽しみましょう」
お姉さまの両手が再び私のブラウスに伸びてきました。
「ほら早くそれも脱いで。あたしの可愛い妹の、生まれたままの姿を見せて」
お姉さまの手でブラウスが両肌脱ぎとなり、あれよという間に両袖からはずされました。
私の素肌を隠しているのは黒いニーソックスだけの、ほぼスッポンポン。
お姉さまがまた、私の横にピッタリ密着するようにからだを寄せてきました。
「うふふ。あたし、直子のこのおっぱい、大好きよ。アンダーがぽってり重そうで、ふしだらな感じ」
「直子のお顔からすると、もう少しこう、青い果実的なもの想像しちゃうけれど、実際は熟々、たわわ、って感じよね」
「それにこの乳首。すごい存在感。それに乳輪も派手めで。直子って、ぱっと見清楚そうなのに、脱いだらアンバランスなところがいいわ」
お姉さまが右手に持った割り箸で、私の左乳首をつまんできました。
「ああんっ!」
「ほら!声は出さないのっ!」
おっしゃりながらもお箸でキュッキュッとつまんできます。
「すごく硬い。コリコリ。軟骨みたい」
「んんっ・・・」
「えっちな声って意外と通るものなのよ?酔った男性とかとくにそういうのにはビンカンだから、直子がヘンな声出していると、なんだなんだ、って、個室の前に人だかりが出来ちゃうわよ?」
今度は割り箸を下乳にあてがい、持ち上げたり下ろしたりして、たゆんたゆん揺らされます。
「あうっぅーっ・・・」
「それともそれがお望みなのかしら?おっぱい揺らされているところ、みんなに見てもらいたいの?」
「い、いえ、ちがいますぅ・・・」
快感をこらえながら、小声で必死の弁明。
「そう。いい顔よ。あたし、直子がそうやって、気持ちいいのを一生懸命ガマンしている顔が大好き」
お姉さまのお箸の先が胸の真ん中をツツツッと滑っておへその中へ。
「んぐぅっ・・・」
「座ったままだと直子の一番ステキな部分が暗くてよく見えないわね。立ちましょう」
「で、でも、大丈夫でしょうか?」
「大丈夫よ。衝立は充分な高さがあるし、さっきも言ったけれどもう誰も来ないから」
「は、はい・・・」
立ち上がるために恐る恐る右腿から上げると、内腿が擦れてヌルッと滑りました。
もうこんなになっちゃってる・・・
今更意味の無いことと知りつつも、右腕で胸をかばい左手で股間を隠して、その場に立ちました。
「あらあら、お店の座布団、汚しちゃったわね」
お姉さまが小さく笑いながら、私のお尻が敷いていたお座布団を、クルッとひっくり返しました。
「そこじゃなくて、そっちの衝立の前に立って。それから、直子の両手は、そこじゃないと思うけどな」
お姉さまがお隣のお部屋とを仕切る衝立の前を指差しながら、ご自分も立ち上がりました。
私はお言いつけ通りに場所を移動し、両手を組んで後頭部に回して、両足を、休め、くらいまで広げました。
今まで何人かのかたから命ぜられ、お姉さまと出逢ったときも当然のように要求された、私に一番お似合いの姿勢。
腋の下から乳房、そして下半身までも一箇所として自分で覆い隠すことの出来ない、自分のからだのあらゆる部位の鑑賞と処遇を全面的にお相手に委ねる完全降伏状態、マゾの服従ポーズ。
お姉さまの瞳が私の全身を舐め始めました。
立ち上がると、周りから聞こえてくるお話し声や店員さんの応答、酔客独特の奇声や騒ぎ声が更にボリュームアップした気がしました。
私ったら、こんなころで、こんな格好に・・・
そしてそれを、お姉さまだけにじっくり視られている・・・
背徳感みたいなアブノーマルさが興奮に油を注ぎ、いっそうムラムラを煽り立ててきます。
そんなことを考えている私を知ってか知らずか、お姉さまがニッと笑って私の背後に目を遣りました。
「さっきトイレ行ったときチラッと見たら、お隣の個室は合コンみたいだったわ。直子と同じ年頃くらいの男女が5、6人、楽しそうにキャッキャウフフしていたわ」
私が背にしている個室のことでしょう。
「そこだけじゃなくて、トイレの行き帰りに、サラリーマンの上司悪口大会とか学生さんのバカ騒ぎとか、絶え間なく聞こえていたわ」
「そんな中で全裸になっている、あ、正確には全裸じゃないわね。でもそのソックスは脱がなくていいわよ。裸にソックスだけっていうのも妙にいやらしいものね」
お姉さまのお箸がまた、私の乳首をつまんできます。
「ぁぅっ、はぁはぁ・・・」
私は必死に悦びを押し殺し、その分息遣いがどんどん荒くなってしまいます。
「今、このお店の中でそんな格好しているのって、間違い無く直子だけでしょうね。他のお客さんはみんな楽しく飲んでいるというのに」
「どう?このあいだの試着室と比べて、どっちが興奮する?」
お箸が乳首をキュッ。
「ぁんっ。どっちも同じくらい、は、恥ずかしいです・・・」
「でもさ、少なくとも試着室なら、試着っていう、服を脱ぐための大義名分があるから、裸になっているのがもしもみつかっても、幾らか言い訳出来るわよね?」
「だけど、居酒屋で裸は、おかしいわ。だって脱ぐ理由がないもの」
「あ、いいこと思いついたわ。直子はあたしと飲みながら野球拳をして、負けちゃったの。負け続けて全裸。お酒の席でそういう遊び、することあるものね」
「言い訳出来るなら見られても大丈夫よね。呼び出しベル押して、店員さん呼んでみようか?」
お箸がおっぱいの皮膚をツンツン突いてきます。
「ぁ、許してくださいぃ・・・そんなイジワル言わないで・・・」
小さな声で途絶え途絶えに、お姉さまのご提案に異議を申し立てます。
「いいじゃない?さっきの可愛い店員さん、間宮さんだっけ?に、直子の裸、見てもらえるかもしれないのに。直子、そういうの好きなクセに」
お姉さまのお箸が私のバストからだんだん下に降りてきました。
それに伴って、お姉さまが私の足元で膝立ちになりました。
お姉さまのすぐ目の前に私のアソコ。
「でもまあ今日は、あたしがじっくり直子を見せてもらわなくちゃね。スールになった記念の日なのだから」
おっしゃいつつ、お箸で私の土手をつつきます。
「ううっ・・・」
背中を這い上がってくる快感が口から出てしまうのを、必死にこらえます。
「そう。一生懸命がまんなさい。あたしはその顔が見たくて直子とおつきあいするのだから」
お姉さまが私の顔を下から見上げて妖しく微笑みました。
お姉さまのお箸が円を描くように、私の下腹部を撫ぜ回します。
「あたし、直子のココも大好きよ。色白でプックリしててプヨプヨの柏餅」
お箸が徐々に両腿の付け根に近づいてきます。
「中身のアンコは、何味かしら?あらあら、おシルが滲み出てきちゃっているわね」
「あうっ!」
愉しそうなお姉さまのお声と共に、プスリ、という感じで、2本のお箸の箸先が私のワレメにごく浅く、突き刺さりました。
*
*ランデブー 6:42 04へ
*
2014年7月12日
ランデブー 6:42 02
「あっ、いえ、あの、えっと、はい・・・」
不意を突かれてあわてた私は、持っていた梅酒ソーダのグラスをあやうく落としそうになってしまいました。
目の前で絵美さまが薄く微笑んでいます。
ついに本題です。
落ち着いてお話しなくちゃ。
梅酒ソーダを一口ゴクンと飲んで、姿勢を正しました。
私は今日、絵美さまに私の恥ずかしい嗜好と性癖を、すべて包み隠さずお話しすることに決めていました。
すべてを知っていただいた上で、絵美さまが私のパートナー、いいえ、ご主人様になっていただけるよう、お願いするつもりでした。
「いつも、というわけではないのですけれど・・・」
すっごくドキドキしながら、私は話し始めました。
子供の頃、SMの写真集を盗み見たことから始まって、トラウマのこと、やよい先生とのこと、しーちゃんのこと、シーナさまとのこと・・・
絵美さまがとても聞き上手で、基本的には黙って聞いていてくださり、私の話が散らかりそうになったときだけ的確に誘導して、更に新たな話題を引き出してくださいました。
「へー。そのときはどんな感じだった?」
「通っている学校の門の前で全裸って、すごいわねー」
「その人、次から次へとよくそんな恥ずかしいこと、思いつくものね?」
「そんなに感じちゃったんだ?えっちな子ねー」
興味津々のお顔で、じーっと私を見つめつつ真剣にお耳を傾けてくださる絵美さまに性的な興奮さえ感じながら私は、東京に来てからのはしたない独りアソビのことまで、ほとんど洗いざらい白状していました。
「ふーん。なるほどね。あなたはそういう女の子なんだ?」
私の告白がひと段落すると、絵美さまがまっすぐに私の顔を見ながらおっしゃいました。
涼しげなふたつの瞳が少し笑っています。
「・・・はい」
私は小さくコクンとうなずきました。
言わなくちゃ。
ここでちゃんと言わなくちゃ。
覚悟を決めて、絵美さまのふたつの瞳に視線を合わせました。
「それで・・・」
「うん?」
「それで、こんな私なのですけれど、ぜひこれからもずっと、私とおつきあいしていただけませんか?」
絵美さまのお顔が一瞬、えっ?という表情になりました。
それからゆっくりと、淡い微笑が広がっていきます。
「おつきあい?」
「はい。私、恋しちゃったみたいなんです。お姉さ、あ、いえ、絵美さまのことが大好きになっちゃったんです」
戸惑いのような表情を浮かべた絵美さまが、ふっと目を伏せました。
その後の沈黙は、私にはすっごく長く感じられました。
どんなお答えが返ってくるのか・・・
絵美さまに嫌われてしまっただろうか・・・
やっぱりすでにおつきあいされているかたがいらっしゃるのだろうか・・・
「あたしはかまわないけれど、本当にいいの?」
実際には5秒くらいの沈黙の後、絵美さまが、拍子抜けするようなお答えをくださいました。
あまりに予想外すぎて、今度は私が戸惑う番。
「えっ?」
「だってあなた、あたしのこと何も知らないでしょ?」
「あ、それはそうですけれど・・・あ、誰かもう、おつきあいしているかたが・・・?」
「ううん。あたしもあなたと同じで、オトコには興味ないたちだし、かといって、同性の決まった相手もいない」
「それならぜひ、おつきあいしてください。私、なんでもやりますから」
すがるように絵美さまを見ました。
「実を言うと、あたしもあなたのこと、このあいだのアレでとても気に入ったから、おつきあいするのはいいのだけれど・・・」
気に入った、というお言葉に天にも昇る気分。
「だけどあたしはね、けっこうめんどくさいオンナよ?」
絵美さまが自嘲気味につづけました。
「誰かとつきあってもあまり長続きしないのよ。わがままだし、気分屋で飽きっぽいし、嫉妬深いし、仕事忙しいし・・・」
ここは押すしかない、と思った私は、思い切り恥ずかしい科白で攻め込みました。
「だいじょうぶです・・・どんな仕打ちをされても耐えられます。私、マゾですから」
あはは、って笑った絵美さまが美味しそうに、グラスに少し残っていたワインを飲み干しました。
「なるほどね。それならあたしたち、つきあってみようか?」
絵美さまがニッコリ笑って、注ぎ直したワイングラスを私のほうに差し出してきました。
「ほんとですか!」
チーンッ!
勢いよく差し出した私の梅酒ソーダのグラスとワイングラスが触れ合い、綺麗な高音が響きました。
「それにしても、あなたが百合草女史と知り合いだったなんて、世の中ってほんとに意外と狭いのね」
「あ、やよい先生、いえ、百合草先生を、ご存知でしたか?」
「ご存知も何も、お店によく遊びに行っているし、水野さんがあたしの高校の先輩なのよ」
「ああ、ミイコさまですね」
水野美衣子さま、やよい先生のパートナーで、ご一緒に新宿でレズビアンバーをやっていらっしゃる女性です。
「そう。お店でシーナさんにもお会いしたことあるし」
「そうだったんですか?」
「まあ、こういう嗜好を持つと、同じ嗜好の人たちが、自然に顔見知りになってしまうのかもね」
絵美さまが感慨深そうにおっしゃいました。
「それで今のあなたの話だと、百合草女史やシーナさんが、今までさんざんあなたのからだをおもちゃにしてきたのでしょ?」
「これからあなたとつきあう身としては、彼女たちになんだかジェラシーを感じちゃうわ」
からかうような口調でしたが、なんだか申し訳ない気持ちになってしまいます。
「ご、ごめんなさい・・・」
「冗談よ。これからあなたは、あたしだけのものだものね?たくさん愉しいことをしましょう」
「はいっ!」
「と言ってもあたし、自分ではそんなにエスっぽいとも思っていないのよね」
「いえいえ。私を虐めるの、すっごくお上手でしたよ。ずいぶん慣れている感じで」
「高校のときに、あなたみたいな子がひとりいたのよ。人前で裸にされて悦んじゃうような子が」
「もちろんいわゆるイジメじゃないわよ?仲良しグループの中の悪ふざけの延長みたいな、他愛も無いじゃれあい。その子もやられて嬉しそうだったし」
「へー」
「服飾部だったのよ。洋服作って着せあったり、学校祭ではファッションショーしたり」
「そのお話、すっごく聞きたいです」
「詳しいことは今度ゆっくり聞かせてあげるわ。そのときに、その子を辱めることに快感を覚えるようになっちゃったみたいなのね」
「あたしはね、顔フェチなの。イキ顔フェチ」
「可愛い女の子がせつなげに顔を歪めているのを見るのが大好物なの」
「綺麗な子が苦痛に苛まれている顔とか、気持ち良すぎて涙目になっていたり」
「可愛ければ可愛いほどいいのはあたりまえよね。そういうのを見ているのが好きなの」
「だから虐めたり責めたりするのは、別にあたしの手でじゃなくてもぜんぜんよくて、誰かがしているのを傍で見ているだけでもよかったのだけれど・・・」
絵美さまがそこでいったんお口をつぐみ、私を真正面からじーっと見つめてきました。
「あなたの場合は違ったの。あたしが自分の手で、その可愛い顔をどんどんどんどん歪ませてみたい、って心の底から思ったのよ」
私の心臓は、嬉しさで飛び出しそうなほど。
今すぐ絵美さまに抱きつきたい、と思いました。
「だから・・・」
腰を浮かせかけた私を制するように、絵美さまのお言葉がつづきました。
「SMで言う、ご主人様と奴隷、みたいな関係はピンと来ないのよね。なんだか字面が生々しくて。それよりも、なんて言うか・・・」
絵美さまが視線を落とし、ご自分の思考の中に沈まれました。
「そうだ!」
お顔を上げた絵美さまの妖艶な微笑み。
「あなた、マンガとかアニメが好きだって言ったわよね?」
「はい」
「だったら、スール、って知ってる?」
「あ、はい。全部読んでます。絵美さまもお好きなのですか?」
「うん。あのシリーズは面白いわよね。甘酸っぱくて」
その頃人気のあった、由緒正しいお嬢様学校が舞台の少女小説でアニメにもなった作品内の設定。
スール、とはフランス語で、姉妹。
学園生活を清く正しく美しく過ごすために、上級生が下級生と、姉妹、になって、姉が妹を導く関係。
「あたしたち、スールになりましょう」
「はい、喜んで」
「そうなるとあたしはあなたを、直子、って呼ぶことになるわね」
「はい。私は絵美さまを、お姉さま、とお呼びします」
私はルンルン気分でお答えしました。
「実は私、絵美さまのお名前がまだ分からないときからずっと、心の中で、お姉さま、ってお呼びしていたんです」
チーン!
もう一度グラスを軽く合わせ、私とお姉さまはめでたくスールとなりました。
でも、私とお姉さまとのスール関係は、清く正しく、とはいかないでしょうけれど。
「さて・・・と」
お料理もあらかたいただいて、お話もひと段落。
お姉さまが少し目を細め、イタズラっぽい目つきで私を見つめてきました。
イジワルそうな笑みが唇の端を歪めています。
「直子はもうお料理はいい?食べたいものある?」
「いえ、だいじょうぶです。お腹一杯。ごちそうさまでした」
「そう。だったら少し食休みしましょうか」
絵美さまが呼び出しベルを押して、駆けつけた店員さんにアイスティとデザートのアイスクリームを二人分頼みました。
「そろそろ8時半ね。お店もけっこう混んできているみたいね」
確かに四方の仕切りの向こう側は、来たときよりもずいぶんガヤガヤしています。
「週末ですからね」
「あたしちょっと、おトイレに行ってくるわね」
お姉さまが席を立ってしばらくしてからデザートとグラスが運ばれてきて、そのすぐ後にお姉さまが戻られました。
お姉さまは、出入り口側のご自分の席に座ってから、私を呼びました。
「直子の顔、もっとよく見せて。あたしの隣にいらっしゃい」
ご自分の右隣を指差しました。
「あたしたちがめでたくスールになった、記念の儀式をしましょう」
「はい」
私は自分のグラスを持ち、お姉さまの右隣に腰を下ろしました。
お姉さまの右手が私の顎を軽くつまみ、ふたり、至近距離で向き合いました。
アルコールが少し回ったのか、お姉さまの目元がほんのりピンクに染まっていて艶かしい。
キスしてくれるのかな?
ドキドキしたまま目をつぶりました。
「本当に、虐めたくなるお顔だこと。ねえ、直子、裸を見せて」
左耳に吹きかかる吐息にゾクっとしつつも、おっしゃられたお言葉の意味にビクンとからだが跳ねました。
「えっ!?今ここで、ですか?」
「もちろん今ここでよ。大丈夫。もう注文したお料理は全部出ているし、そこの呼び出しベルを押さない限りお店の人は来ないから」
「で、でも・・・」
「それに直子は、あたしにそういうことをまたされたくて、あたしに会いに来たのでしょう?恥ずかしい思いがしたいのでしょう?」
お姉さまがニッと笑って、私のスカートを捲り上げました。
「あっ、いやんっ!」
「こら。大きな声は出さないの。まわりは酔っ払いのオトコばっかりよ?ヘンな声出したら襲われちゃうわよ?」
お姉さまったら、その振る舞いはどこから見ても立派に、SMで言うところのご主人様です。
「あら、このパンツを穿いているということは、ブラもピンクのアレね?」
「はい・・・」
「それなら、あの日直子が言っていたこと、今すぐここで実行出来るじゃない?ほら、服を着たまま下着を取るって」
「そ、そうですね」
「だったらあたしがボトムは取ってあげるから、直子は自分でブラをはずしなさい。いつでもどこでもすぐ脱げる、っていう露出マゾなコンセプトのフロントホックストラップレスブラを」
愉快そうなお姉さまのお声が左耳をくすぐり、座っている私の下半身に膝枕するように上体を傾けてきました。
スカートの裾から潜り込んだ手があれよあれよと言う間に、腰で結んだパンティの紐をスルスルっと左右とも、解いてしまいました。
「少し腰を浮かせて」
お言いつけ通りにすると、私のスカートの裾から手品のように、一片のピンク色の布地がお姉さまの右手につままれて現われました。
「ねえ直子?このパンツ、ここのところ、グッショリ濡れているわよ?」
パンティのクロッチ部分が私の鼻先に突き出されました。
「きょうはまだ、濡れるようなことしていないのに、なんでこうなっているの?ねえ?」
「あん、それは・・・」
「ひょっとして、あたしと話すだけで感じちゃってたの?そんなにあたしが好き?」
「は、はい・・・」
「それならちゃんと言いつけも守らなきゃ。早くプラも取りなさい」
ブラウスの上からフロントホックをはずすと、乳房がプルンと跳ねてブラが肌の上を滑り落ちました。
これをどうやって取り出そうか?
長袖だから袖からとはいかないし、ボタンをちょっとはずして首周りから・・・
考えていたら、お姉さまの手が私のブラウスに伸び、ブラウスの裾がスカートのウエストからたくし上げられ、ついでにブラジャーもブラウスの裾から引っ張り出されました。
「これで直子はノーパンノーブラね。今の気分はどう?」
「恥ずかしいです・・・」
「嘘おっしゃい。気持ちいいクセに。お顔が蕩けちゃっているわよ?」
からだ全体が上気して、粘膜がヌルヌルピクピクと蠢き始めていました。
「次はブラウスのボタンを全部はずしてみようか」
「えっ!本気ですか?」
「本気、って聞くのは失礼よね。あたしはさっき、直子の裸を見せて、って言ったじゃない?」
「裸って言うのは服を着ていない状態のことよ。あたしは直子の、たぶんもうツンツンに尖っている、あの日みたいな乳首を今すぐ見たいのよ」
もう!イジワルなお姉さま・・・
「わ、わかりました」
私がブラウスのボタンを上からはずし始めると同時に、お姉さまがテーブルの上の呼び出しベルを勢いよく押しました。
*
*ランデブー 6:42 03へ
*
不意を突かれてあわてた私は、持っていた梅酒ソーダのグラスをあやうく落としそうになってしまいました。
目の前で絵美さまが薄く微笑んでいます。
ついに本題です。
落ち着いてお話しなくちゃ。
梅酒ソーダを一口ゴクンと飲んで、姿勢を正しました。
私は今日、絵美さまに私の恥ずかしい嗜好と性癖を、すべて包み隠さずお話しすることに決めていました。
すべてを知っていただいた上で、絵美さまが私のパートナー、いいえ、ご主人様になっていただけるよう、お願いするつもりでした。
「いつも、というわけではないのですけれど・・・」
すっごくドキドキしながら、私は話し始めました。
子供の頃、SMの写真集を盗み見たことから始まって、トラウマのこと、やよい先生とのこと、しーちゃんのこと、シーナさまとのこと・・・
絵美さまがとても聞き上手で、基本的には黙って聞いていてくださり、私の話が散らかりそうになったときだけ的確に誘導して、更に新たな話題を引き出してくださいました。
「へー。そのときはどんな感じだった?」
「通っている学校の門の前で全裸って、すごいわねー」
「その人、次から次へとよくそんな恥ずかしいこと、思いつくものね?」
「そんなに感じちゃったんだ?えっちな子ねー」
興味津々のお顔で、じーっと私を見つめつつ真剣にお耳を傾けてくださる絵美さまに性的な興奮さえ感じながら私は、東京に来てからのはしたない独りアソビのことまで、ほとんど洗いざらい白状していました。
「ふーん。なるほどね。あなたはそういう女の子なんだ?」
私の告白がひと段落すると、絵美さまがまっすぐに私の顔を見ながらおっしゃいました。
涼しげなふたつの瞳が少し笑っています。
「・・・はい」
私は小さくコクンとうなずきました。
言わなくちゃ。
ここでちゃんと言わなくちゃ。
覚悟を決めて、絵美さまのふたつの瞳に視線を合わせました。
「それで・・・」
「うん?」
「それで、こんな私なのですけれど、ぜひこれからもずっと、私とおつきあいしていただけませんか?」
絵美さまのお顔が一瞬、えっ?という表情になりました。
それからゆっくりと、淡い微笑が広がっていきます。
「おつきあい?」
「はい。私、恋しちゃったみたいなんです。お姉さ、あ、いえ、絵美さまのことが大好きになっちゃったんです」
戸惑いのような表情を浮かべた絵美さまが、ふっと目を伏せました。
その後の沈黙は、私にはすっごく長く感じられました。
どんなお答えが返ってくるのか・・・
絵美さまに嫌われてしまっただろうか・・・
やっぱりすでにおつきあいされているかたがいらっしゃるのだろうか・・・
「あたしはかまわないけれど、本当にいいの?」
実際には5秒くらいの沈黙の後、絵美さまが、拍子抜けするようなお答えをくださいました。
あまりに予想外すぎて、今度は私が戸惑う番。
「えっ?」
「だってあなた、あたしのこと何も知らないでしょ?」
「あ、それはそうですけれど・・・あ、誰かもう、おつきあいしているかたが・・・?」
「ううん。あたしもあなたと同じで、オトコには興味ないたちだし、かといって、同性の決まった相手もいない」
「それならぜひ、おつきあいしてください。私、なんでもやりますから」
すがるように絵美さまを見ました。
「実を言うと、あたしもあなたのこと、このあいだのアレでとても気に入ったから、おつきあいするのはいいのだけれど・・・」
気に入った、というお言葉に天にも昇る気分。
「だけどあたしはね、けっこうめんどくさいオンナよ?」
絵美さまが自嘲気味につづけました。
「誰かとつきあってもあまり長続きしないのよ。わがままだし、気分屋で飽きっぽいし、嫉妬深いし、仕事忙しいし・・・」
ここは押すしかない、と思った私は、思い切り恥ずかしい科白で攻め込みました。
「だいじょうぶです・・・どんな仕打ちをされても耐えられます。私、マゾですから」
あはは、って笑った絵美さまが美味しそうに、グラスに少し残っていたワインを飲み干しました。
「なるほどね。それならあたしたち、つきあってみようか?」
絵美さまがニッコリ笑って、注ぎ直したワイングラスを私のほうに差し出してきました。
「ほんとですか!」
チーンッ!
勢いよく差し出した私の梅酒ソーダのグラスとワイングラスが触れ合い、綺麗な高音が響きました。
「それにしても、あなたが百合草女史と知り合いだったなんて、世の中ってほんとに意外と狭いのね」
「あ、やよい先生、いえ、百合草先生を、ご存知でしたか?」
「ご存知も何も、お店によく遊びに行っているし、水野さんがあたしの高校の先輩なのよ」
「ああ、ミイコさまですね」
水野美衣子さま、やよい先生のパートナーで、ご一緒に新宿でレズビアンバーをやっていらっしゃる女性です。
「そう。お店でシーナさんにもお会いしたことあるし」
「そうだったんですか?」
「まあ、こういう嗜好を持つと、同じ嗜好の人たちが、自然に顔見知りになってしまうのかもね」
絵美さまが感慨深そうにおっしゃいました。
「それで今のあなたの話だと、百合草女史やシーナさんが、今までさんざんあなたのからだをおもちゃにしてきたのでしょ?」
「これからあなたとつきあう身としては、彼女たちになんだかジェラシーを感じちゃうわ」
からかうような口調でしたが、なんだか申し訳ない気持ちになってしまいます。
「ご、ごめんなさい・・・」
「冗談よ。これからあなたは、あたしだけのものだものね?たくさん愉しいことをしましょう」
「はいっ!」
「と言ってもあたし、自分ではそんなにエスっぽいとも思っていないのよね」
「いえいえ。私を虐めるの、すっごくお上手でしたよ。ずいぶん慣れている感じで」
「高校のときに、あなたみたいな子がひとりいたのよ。人前で裸にされて悦んじゃうような子が」
「もちろんいわゆるイジメじゃないわよ?仲良しグループの中の悪ふざけの延長みたいな、他愛も無いじゃれあい。その子もやられて嬉しそうだったし」
「へー」
「服飾部だったのよ。洋服作って着せあったり、学校祭ではファッションショーしたり」
「そのお話、すっごく聞きたいです」
「詳しいことは今度ゆっくり聞かせてあげるわ。そのときに、その子を辱めることに快感を覚えるようになっちゃったみたいなのね」
「あたしはね、顔フェチなの。イキ顔フェチ」
「可愛い女の子がせつなげに顔を歪めているのを見るのが大好物なの」
「綺麗な子が苦痛に苛まれている顔とか、気持ち良すぎて涙目になっていたり」
「可愛ければ可愛いほどいいのはあたりまえよね。そういうのを見ているのが好きなの」
「だから虐めたり責めたりするのは、別にあたしの手でじゃなくてもぜんぜんよくて、誰かがしているのを傍で見ているだけでもよかったのだけれど・・・」
絵美さまがそこでいったんお口をつぐみ、私を真正面からじーっと見つめてきました。
「あなたの場合は違ったの。あたしが自分の手で、その可愛い顔をどんどんどんどん歪ませてみたい、って心の底から思ったのよ」
私の心臓は、嬉しさで飛び出しそうなほど。
今すぐ絵美さまに抱きつきたい、と思いました。
「だから・・・」
腰を浮かせかけた私を制するように、絵美さまのお言葉がつづきました。
「SMで言う、ご主人様と奴隷、みたいな関係はピンと来ないのよね。なんだか字面が生々しくて。それよりも、なんて言うか・・・」
絵美さまが視線を落とし、ご自分の思考の中に沈まれました。
「そうだ!」
お顔を上げた絵美さまの妖艶な微笑み。
「あなた、マンガとかアニメが好きだって言ったわよね?」
「はい」
「だったら、スール、って知ってる?」
「あ、はい。全部読んでます。絵美さまもお好きなのですか?」
「うん。あのシリーズは面白いわよね。甘酸っぱくて」
その頃人気のあった、由緒正しいお嬢様学校が舞台の少女小説でアニメにもなった作品内の設定。
スール、とはフランス語で、姉妹。
学園生活を清く正しく美しく過ごすために、上級生が下級生と、姉妹、になって、姉が妹を導く関係。
「あたしたち、スールになりましょう」
「はい、喜んで」
「そうなるとあたしはあなたを、直子、って呼ぶことになるわね」
「はい。私は絵美さまを、お姉さま、とお呼びします」
私はルンルン気分でお答えしました。
「実は私、絵美さまのお名前がまだ分からないときからずっと、心の中で、お姉さま、ってお呼びしていたんです」
チーン!
もう一度グラスを軽く合わせ、私とお姉さまはめでたくスールとなりました。
でも、私とお姉さまとのスール関係は、清く正しく、とはいかないでしょうけれど。
「さて・・・と」
お料理もあらかたいただいて、お話もひと段落。
お姉さまが少し目を細め、イタズラっぽい目つきで私を見つめてきました。
イジワルそうな笑みが唇の端を歪めています。
「直子はもうお料理はいい?食べたいものある?」
「いえ、だいじょうぶです。お腹一杯。ごちそうさまでした」
「そう。だったら少し食休みしましょうか」
絵美さまが呼び出しベルを押して、駆けつけた店員さんにアイスティとデザートのアイスクリームを二人分頼みました。
「そろそろ8時半ね。お店もけっこう混んできているみたいね」
確かに四方の仕切りの向こう側は、来たときよりもずいぶんガヤガヤしています。
「週末ですからね」
「あたしちょっと、おトイレに行ってくるわね」
お姉さまが席を立ってしばらくしてからデザートとグラスが運ばれてきて、そのすぐ後にお姉さまが戻られました。
お姉さまは、出入り口側のご自分の席に座ってから、私を呼びました。
「直子の顔、もっとよく見せて。あたしの隣にいらっしゃい」
ご自分の右隣を指差しました。
「あたしたちがめでたくスールになった、記念の儀式をしましょう」
「はい」
私は自分のグラスを持ち、お姉さまの右隣に腰を下ろしました。
お姉さまの右手が私の顎を軽くつまみ、ふたり、至近距離で向き合いました。
アルコールが少し回ったのか、お姉さまの目元がほんのりピンクに染まっていて艶かしい。
キスしてくれるのかな?
ドキドキしたまま目をつぶりました。
「本当に、虐めたくなるお顔だこと。ねえ、直子、裸を見せて」
左耳に吹きかかる吐息にゾクっとしつつも、おっしゃられたお言葉の意味にビクンとからだが跳ねました。
「えっ!?今ここで、ですか?」
「もちろん今ここでよ。大丈夫。もう注文したお料理は全部出ているし、そこの呼び出しベルを押さない限りお店の人は来ないから」
「で、でも・・・」
「それに直子は、あたしにそういうことをまたされたくて、あたしに会いに来たのでしょう?恥ずかしい思いがしたいのでしょう?」
お姉さまがニッと笑って、私のスカートを捲り上げました。
「あっ、いやんっ!」
「こら。大きな声は出さないの。まわりは酔っ払いのオトコばっかりよ?ヘンな声出したら襲われちゃうわよ?」
お姉さまったら、その振る舞いはどこから見ても立派に、SMで言うところのご主人様です。
「あら、このパンツを穿いているということは、ブラもピンクのアレね?」
「はい・・・」
「それなら、あの日直子が言っていたこと、今すぐここで実行出来るじゃない?ほら、服を着たまま下着を取るって」
「そ、そうですね」
「だったらあたしがボトムは取ってあげるから、直子は自分でブラをはずしなさい。いつでもどこでもすぐ脱げる、っていう露出マゾなコンセプトのフロントホックストラップレスブラを」
愉快そうなお姉さまのお声が左耳をくすぐり、座っている私の下半身に膝枕するように上体を傾けてきました。
スカートの裾から潜り込んだ手があれよあれよと言う間に、腰で結んだパンティの紐をスルスルっと左右とも、解いてしまいました。
「少し腰を浮かせて」
お言いつけ通りにすると、私のスカートの裾から手品のように、一片のピンク色の布地がお姉さまの右手につままれて現われました。
「ねえ直子?このパンツ、ここのところ、グッショリ濡れているわよ?」
パンティのクロッチ部分が私の鼻先に突き出されました。
「きょうはまだ、濡れるようなことしていないのに、なんでこうなっているの?ねえ?」
「あん、それは・・・」
「ひょっとして、あたしと話すだけで感じちゃってたの?そんなにあたしが好き?」
「は、はい・・・」
「それならちゃんと言いつけも守らなきゃ。早くプラも取りなさい」
ブラウスの上からフロントホックをはずすと、乳房がプルンと跳ねてブラが肌の上を滑り落ちました。
これをどうやって取り出そうか?
長袖だから袖からとはいかないし、ボタンをちょっとはずして首周りから・・・
考えていたら、お姉さまの手が私のブラウスに伸び、ブラウスの裾がスカートのウエストからたくし上げられ、ついでにブラジャーもブラウスの裾から引っ張り出されました。
「これで直子はノーパンノーブラね。今の気分はどう?」
「恥ずかしいです・・・」
「嘘おっしゃい。気持ちいいクセに。お顔が蕩けちゃっているわよ?」
からだ全体が上気して、粘膜がヌルヌルピクピクと蠢き始めていました。
「次はブラウスのボタンを全部はずしてみようか」
「えっ!本気ですか?」
「本気、って聞くのは失礼よね。あたしはさっき、直子の裸を見せて、って言ったじゃない?」
「裸って言うのは服を着ていない状態のことよ。あたしは直子の、たぶんもうツンツンに尖っている、あの日みたいな乳首を今すぐ見たいのよ」
もう!イジワルなお姉さま・・・
「わ、わかりました」
私がブラウスのボタンを上からはずし始めると同時に、お姉さまがテーブルの上の呼び出しベルを勢いよく押しました。
*
*ランデブー 6:42 03へ
*
2014年7月6日
ランデブー 6:42 01
「あなたはあんなこと、しょっちゅうやっているの?」
とある居酒屋さんの衝立で仕切られた小さな個室。
私の対面に座っている絵美さまの唇が、そう問いかけてきました。
あのランジェリーショップでの出来事から約ひと月後、桜の蕾もほころび始めた、3月がもう終わりそうな頃。
私は、絵美さまと再会することが出来ました。
もちろん、横浜から戻ったその日の夜、自宅から絵美さまにお電話しました。
目を閉じればまぶたの裏にはっきりと浮かぶ、絵美さまの端正なお顔を思い出してドキドキしながら。
ツーコールも鳴らないうちにつながりました。
「待っていたわ、電話」
絵美さまは、私が名乗る前に、少し掠れ気味のハスキーなお声でそうおっしゃり、電話に出てくださいました。
「先日は、本当に失礼いたしました・・・」
から始めて、緊張しつつ慎重に言葉を選びながら、もう一度お逢いしたい、という意味のことをなんとか伝えました。
絵美さまは、つっかえつっかえな私の言葉にも気さくな感じで答えてくださり、ぜひ会おうということになりました。
でも、絵美さまのお仕事のご都合や、私が卒業を控えた時期であったこともあり、ふたりのスケジュールが合う日は、ずいぶん先のことになってしまったのでした。
絵美さまが待ち合わせに指定された場所は、意外なことに池袋でした。
私は、当然またあの横浜のショップに伺うことになるのだろうと勝手に思い込んでいたので、思わず、えっ!?って聞き返してしまいました。
「あなたのおうちからは遠い?」
「いいえ。ぜんぜん逆です。私今、東池袋に住んでいるんです」
「あら、それならなおさら好都合じゃない?」
「あなたに会えるの、楽しみに待つことにするわ」
電話を終えるとき、絵美さまは艶っぽいお声で、そうおっしゃってくださいました。
ステキな絵美お姉さまにもう一度逢える・・・
それからの毎日は、遠足の日を心待ちにしている子供みたいに、ルンルンワクワクな気分で過ごしました。
絵美さまはもうすでに、私がどういう性癖を持つ人間なのかご存知です。
だからお逢いしたらきっと、あのときみたいなえっちなアソビで、私を辱めてくれるはず・・・
ルンルンとムラムラがごちゃ混ぜになったルラルラ気分。
お約束の日を指折り数えながら私は、文字通り毎日、思い出しオナニーをくりかえす日々でした。
ランジェリーショップでの出来事から日が経つにつれ、あの日のあれこれを客観的に考えることが出来るようになっていました。
そして考えれば考えるほど、あの日、私がしでかした数々のはしたない行為は、どんなに言葉を繕ってみてもくつがえらない、あまりに異常でヘンタイな露出マゾそのものの痴態だったという事実と、それを行なったのが紛れもなく自分だった、という現実を確認することとなり、そのいてもたってもいられない恥ずかしさが、私を更にどんどん欲情させました。
前の年の夏休み以降、やよい先生とシーナさまが、お仕事、プライベート共に一段とお忙しくなり、ほとんどお会い出来ない日々がつづいていました。
そのあいだはずっとひとりアソビばかりだったので、誰かとリアルに会話しながら辱めを受けたのは、すごく久しぶりでした。
そのせいもあってあの日の私は、自分でも信じられないくらい大胆になり、後先も考えられないほど発情していました。
日曜日のお買い物客が大勢行き来しているファッションビルの、薄い壁で仕切られただけの試着室。
そんな危うい場所で全裸になり、ほぼ初対面の絵美さまに視られ、虐められながら、声を押し殺して何度か絶頂を迎えた私。
関係者しか入れないビルのスタジオに忍び込み、たくさんのいやらしいお道具を使って、性癖丸出しオナニーショーをご披露した私。
現実にやってしまった、あまりにも破廉恥な行為の数々に今更ながら凄まじい羞恥を感じ、その恥ずかしさが、子供の頃から私のからだを蝕んでいる、自己制御不能な被虐心を強烈に疼かせました。
「あなたは正真正銘の露出マゾ。ヘンタイ性欲者なのよ、直子」
自分で自分を蔑む心の声に支配された私の両手。
からだをまさぐる10本の指は、いつまでも止まることがありませんでした。
快感の余韻の中て少し気持ちが落ち着くと、今度は、絵美さまと再会出来る喜びが、みるみる心を満たしていきます。
当日は何を着ていこうかな?
あのお話もこのお話も聞いてもらおう。
また手をつないでくれるかな?
またキスしてくれるかな・・・
自分にとって大きなイベントのはずな大学の卒業式当日も上の空、絵美さまのことばかりを考えていました。
中でも大いに頭を悩ませたのが、当日どんな服装をしていくか、でした。
本当に真剣に、すっごく迷いました。
出会いのときは、駅ビルのおトイレでえっちめな下着に穿き替え、ファッションビルのおトイレでは、わざわざミニスカートをクロッチギリギリまで無理やり短かくしてからショップを訪れました。
そんな服装が功を奏して、絵美さまもすんなり私の性癖に気づいてくれたような面があったような気もします。
絵美さまは、そういう私を期待されているかもしれない。
まだ街中では春物コートを着た女性も目立つ頃でしたから、いっそ裸コートで行っちゃおうか・・・
確か絵美さま、あの日の別れ際、次回もあたしがびっくりするような格好でいらっしゃい、っておっしゃていたし・・・
そんな大胆なことを考えてはドキドキ昂ぶるのですが、一方では、私の中に生まれたひとつの決意が、そのような浮わついた気持ちにブレーキをかけていました。
当日、私は絵美さまに、ぜひ自分とおつきあいして欲しい、とお願いするつもりでした。
私だけのパートナーになってください、と。
私にとっては一大決心でした。
思えば今まで私が好きになったり、実際に性的なお相手をしてくれた人たちは、そのときすでに私とは別の決まったお相手がいたり、私がぐずぐずしているうちに別のお相手をみつけてしまったりで、誰ともちゃんとした、と言うか、ステディなパートナー関係にはなれずじまいに、今まできていました。
そういうのは終わりにしたい。
もう一歩踏み込んだ、私と誰か、ふたりきりの親密な関係が欲しい、と切実に願っていました。
そして何よりも私は、あの日の出来事を通して、絵美さまのこと以外考えられなくなっていました。
私が絵美さまに、こんなにも恋焦がれてしまう最大の理由。
ひと月近く、ずーっと絵美さまのことだけを考えて導き出された結論。
それは、私のあられもない行為の一部始終を、まるでご自分の頭の中のビデオカメラで記録しているかのように、冷ややかに、かつ真剣に目撃されていた絵美さまの瞳でした。
絵美さまが私をじっと見つめる、その視線・・・
それは、やよい先生やシーナさまとのアソビでも感じられたものではあるのですが、絵美さまのそれは、もっともっと強力に私を惹きつけました。
その視線に晒されているだけで、心の奥底からジンジン感じてしまう、絵美さまの瞳の光がちょっと変化しただけで性的興奮が異様に昂ぶってしまう、私にとって特別な視線でした。
視姦、という言葉は、知識としては知っていましたが、あの日初めて身をもって体験した気がします。
とにかく視ていて欲しい。
一瞬でも視線が私からそれると、それだけで言いようも無い寂しさに襲われてしまう。
そんな魔力を、絵美さまの視線は持っていました。
哀れむような、呆れているような冷たい瞳の中に、チロチロとゆらめいていた絵美さまの官能。
私が恥ずかしがれば恥ずかしがるほど大きくなっていく、絵美さまの愉悦の炎。
私は、その炎をより燃え立たせたくて、絵美さまに悦んでいただきたくて、どんどん自らを恥辱の果てに追い込みたくなるのです。
もう一度、あの視線で私のからだをつらぬいて欲しい。
からだの隅々までを、あの視線で舐められたい、責められたい、嬲られたい・・・
もちろん視線だけではなく、絵美さまのお声や振る舞いも、何もかもが私のマゾ心の琴線を激しく震わせてくださいました。
絵美さまは私にとって、心から本当に理想的と思えるパートナー。
いいえ、マゾな私がパートナーなんて、そんな生意気なことを言ってはいけません。
主従関係、ご主人様と奴隷、飼い主とペット・・・
絵美さまが悦ぶことであれば、なんでも、どんなに恥ずかしいことでも出来る。
絵美さまが私を視ていてくださるなら、他には何もいらない。
そのくらい私は、絵美さまに心を奪われていました。
絵美さまにだけは嫌われたくない、と思いました。
魅力的な絵美さまですから、すでに誰かとおつきあいしている可能性も大きいとは思いましたが、その場合は、その次のポジションでもいいから、私とも遊んで欲しい、と頼み込むつもりでした。
そしていつか、私だけの絵美さまになれば・・・
やよい先生にもシーナさまにも感じたことの無かった、私にしては珍しく、独占欲、までもが芽生えているみたい。
そんなことをごちゃごちゃ考えているあいだも、私の粘膜は絵美さまの視線を思い出して疼き始めます。
自分の指で疼きを鎮め、少し冷静になった頭でまた考えます。
結局、臆病さゆえなのでしょう、嫌われたくない、という想いばかりがどんどん募っていきました。
絵美さまは、社会人で教養もおありだろうし、普段はちゃんと常識をわきまえているかたのはず。
今回お逢いするのはショップではなくて、人通り多い街中だし、あんまりだらしのない格好で行くと失望されちゃうかもしれない。
それに、私がおつきあいをお願いする大事な日なのだし・・・
そう考えるようになって、やっぱり普通に無難な格好で行くことに決めました。
お約束の日は、金曜日でした。
絵美さまは、お仕事を早めに終わらせて駆けつけてくださるということで、夕方6時40分の待ち合わせでした。
当日は、4月間近にしては少し肌寒い曇り空。
お出かけ前にウォークインクロゼットで、手持ちのお洋服をあれこれ引っ張り出し、長い時間悩みました。
少し厚めな純白コットンのフリルブラウスにベージュのジャケットを羽織り、膝上丈の濃いブルーのボックスプリーツスカートに黒ニーソックス。
悩んだワリには、普通の真面目な学生さん風になっちゃいました。。
下着だけは、あの日絵美さまが選んでくださったピカピカピンクのストラップレスブラと紐パンにしました。
すっかり薄暗くなった繁華街を抜け、灯りが煌々と灯るデパートのショーウインドウ前。
待ち合わせ時間に少しだけ遅れて現われた絵美さまは、濃いグレーのパンツスーツ姿でした。
仕立ての良いやわらかそうな生地に包まれたウエストからヒップのラインがすっごく綺麗。
大きめに開けたシャツブラウスの襟元から覗く白い肌がセクシー。
お仕事が出来そうなオトナの女性っていう感じ。
ごあいさつも忘れてしばし見蕩れてしまうほどカッコイイお姿でした。
「こ、こんにちは。きょ、今日はわざわざおこしいただいて・・・」
すっかりアガってしまい、ごにょごにょご挨拶する私に、ニッと笑いかけてくださる絵美さま。
ズキューン!
絵美さまは気さくに、元気にしてた?みたいなお言葉をかけてくれながら、ズンズンと大股で歩き始めました。
さすがにいきなり手をつないではくれないようなので、半歩くらい後ろを追いかけます。
案内してくださったのは、雑居ビルの上のほうにあるオシャレな居酒屋さんでした。
予約してあったらしく、すぐに通された場所は四方を和風な格子戸のような衝立で仕切った完全個室でした。
真ん中に正方形のテーブルがあって、足元が掘りごたつみたく凹んでいて床にお座布団を敷いて座るタイプ。
絵美さまは、私に奥を勧め、ご自分は入り口格子戸に背を向け、私と差し向かいにお座りになりました。
ほどなく店員さんが来て、絵美さまが慣れた感じでお料理をいくつか注文され、私は梅酒のソーダ割を注文しました。
絵美さまは白ワイン。
しばらくは、お食事をいただきながら、絵美さまのお仕事についてのお話になりました。
絵美さまは、その服装のせいか、ショップでお逢いしたときとはまた少し違った印象で、なんて言うか、知的できりりとした感じで、まさしくクールビューティという言葉がぴったり。
私は、お話をお聞きしながらも、絵美さまの綺麗なお姿にうっとり見蕩れていました。
絵美さまは、横浜のランジェリーショップの店長さんが本職というわけではなく、普段は、アパレル系のデザイン事務所を経営されているのだそうです。
「新作が出たときとか、お客様のニーズを調べたいときなんかに、懇意にしているお店に頼んでマヌカンの真似事させてもらったりしているの。いわゆる市場調査」
「そんなにしょっちゅうではないけれど、新宿とか渋谷、銀座、いろいろなところでね」
「あの横浜のお店は、うちも多少出資しているから、アンテナショップみたいなものかな」
絵美さまが、生ハムを器用にフォークで丸めながら説明してくださいました。
「それはつまり、会社の社長さん、ということですか?」
「そうね。らしくないのだけれど、行きがかりでそうなっちゃったのよ」
絵美さまが照れくさそうに笑いました。
そのお顔がとてもコケティッシュで、キュンとしてしまいます。
「少人数だけれど、けっこう手広くやっているの、アパレル全般ね」
美味しいお料理をいただきつつ、梅酒ソーダをちびちび飲みながら絵美さまのお話に耳を傾けていると、ふいにデジャヴを感じました。
こんな感じの場面、ずっと前に体験したことがある・・・
すぐに思い出しました。
中学生のとき、私のトラウマとなった事件のことでやよい先生にご相談したとき、連れて行かれた居酒屋さん。
あのときの感じにそっくり。
私が少しのあいだ、遡った時間に思いを馳せていたとき、不意にお言葉を投げかけられました。
「ところであなたはあんなこと、しょっちゅうやっているの?」
*
*ランデブー 6:42 02へ
*
とある居酒屋さんの衝立で仕切られた小さな個室。
私の対面に座っている絵美さまの唇が、そう問いかけてきました。
あのランジェリーショップでの出来事から約ひと月後、桜の蕾もほころび始めた、3月がもう終わりそうな頃。
私は、絵美さまと再会することが出来ました。
もちろん、横浜から戻ったその日の夜、自宅から絵美さまにお電話しました。
目を閉じればまぶたの裏にはっきりと浮かぶ、絵美さまの端正なお顔を思い出してドキドキしながら。
ツーコールも鳴らないうちにつながりました。
「待っていたわ、電話」
絵美さまは、私が名乗る前に、少し掠れ気味のハスキーなお声でそうおっしゃり、電話に出てくださいました。
「先日は、本当に失礼いたしました・・・」
から始めて、緊張しつつ慎重に言葉を選びながら、もう一度お逢いしたい、という意味のことをなんとか伝えました。
絵美さまは、つっかえつっかえな私の言葉にも気さくな感じで答えてくださり、ぜひ会おうということになりました。
でも、絵美さまのお仕事のご都合や、私が卒業を控えた時期であったこともあり、ふたりのスケジュールが合う日は、ずいぶん先のことになってしまったのでした。
絵美さまが待ち合わせに指定された場所は、意外なことに池袋でした。
私は、当然またあの横浜のショップに伺うことになるのだろうと勝手に思い込んでいたので、思わず、えっ!?って聞き返してしまいました。
「あなたのおうちからは遠い?」
「いいえ。ぜんぜん逆です。私今、東池袋に住んでいるんです」
「あら、それならなおさら好都合じゃない?」
「あなたに会えるの、楽しみに待つことにするわ」
電話を終えるとき、絵美さまは艶っぽいお声で、そうおっしゃってくださいました。
ステキな絵美お姉さまにもう一度逢える・・・
それからの毎日は、遠足の日を心待ちにしている子供みたいに、ルンルンワクワクな気分で過ごしました。
絵美さまはもうすでに、私がどういう性癖を持つ人間なのかご存知です。
だからお逢いしたらきっと、あのときみたいなえっちなアソビで、私を辱めてくれるはず・・・
ルンルンとムラムラがごちゃ混ぜになったルラルラ気分。
お約束の日を指折り数えながら私は、文字通り毎日、思い出しオナニーをくりかえす日々でした。
ランジェリーショップでの出来事から日が経つにつれ、あの日のあれこれを客観的に考えることが出来るようになっていました。
そして考えれば考えるほど、あの日、私がしでかした数々のはしたない行為は、どんなに言葉を繕ってみてもくつがえらない、あまりに異常でヘンタイな露出マゾそのものの痴態だったという事実と、それを行なったのが紛れもなく自分だった、という現実を確認することとなり、そのいてもたってもいられない恥ずかしさが、私を更にどんどん欲情させました。
前の年の夏休み以降、やよい先生とシーナさまが、お仕事、プライベート共に一段とお忙しくなり、ほとんどお会い出来ない日々がつづいていました。
そのあいだはずっとひとりアソビばかりだったので、誰かとリアルに会話しながら辱めを受けたのは、すごく久しぶりでした。
そのせいもあってあの日の私は、自分でも信じられないくらい大胆になり、後先も考えられないほど発情していました。
日曜日のお買い物客が大勢行き来しているファッションビルの、薄い壁で仕切られただけの試着室。
そんな危うい場所で全裸になり、ほぼ初対面の絵美さまに視られ、虐められながら、声を押し殺して何度か絶頂を迎えた私。
関係者しか入れないビルのスタジオに忍び込み、たくさんのいやらしいお道具を使って、性癖丸出しオナニーショーをご披露した私。
現実にやってしまった、あまりにも破廉恥な行為の数々に今更ながら凄まじい羞恥を感じ、その恥ずかしさが、子供の頃から私のからだを蝕んでいる、自己制御不能な被虐心を強烈に疼かせました。
「あなたは正真正銘の露出マゾ。ヘンタイ性欲者なのよ、直子」
自分で自分を蔑む心の声に支配された私の両手。
からだをまさぐる10本の指は、いつまでも止まることがありませんでした。
快感の余韻の中て少し気持ちが落ち着くと、今度は、絵美さまと再会出来る喜びが、みるみる心を満たしていきます。
当日は何を着ていこうかな?
あのお話もこのお話も聞いてもらおう。
また手をつないでくれるかな?
またキスしてくれるかな・・・
自分にとって大きなイベントのはずな大学の卒業式当日も上の空、絵美さまのことばかりを考えていました。
中でも大いに頭を悩ませたのが、当日どんな服装をしていくか、でした。
本当に真剣に、すっごく迷いました。
出会いのときは、駅ビルのおトイレでえっちめな下着に穿き替え、ファッションビルのおトイレでは、わざわざミニスカートをクロッチギリギリまで無理やり短かくしてからショップを訪れました。
そんな服装が功を奏して、絵美さまもすんなり私の性癖に気づいてくれたような面があったような気もします。
絵美さまは、そういう私を期待されているかもしれない。
まだ街中では春物コートを着た女性も目立つ頃でしたから、いっそ裸コートで行っちゃおうか・・・
確か絵美さま、あの日の別れ際、次回もあたしがびっくりするような格好でいらっしゃい、っておっしゃていたし・・・
そんな大胆なことを考えてはドキドキ昂ぶるのですが、一方では、私の中に生まれたひとつの決意が、そのような浮わついた気持ちにブレーキをかけていました。
当日、私は絵美さまに、ぜひ自分とおつきあいして欲しい、とお願いするつもりでした。
私だけのパートナーになってください、と。
私にとっては一大決心でした。
思えば今まで私が好きになったり、実際に性的なお相手をしてくれた人たちは、そのときすでに私とは別の決まったお相手がいたり、私がぐずぐずしているうちに別のお相手をみつけてしまったりで、誰ともちゃんとした、と言うか、ステディなパートナー関係にはなれずじまいに、今まできていました。
そういうのは終わりにしたい。
もう一歩踏み込んだ、私と誰か、ふたりきりの親密な関係が欲しい、と切実に願っていました。
そして何よりも私は、あの日の出来事を通して、絵美さまのこと以外考えられなくなっていました。
私が絵美さまに、こんなにも恋焦がれてしまう最大の理由。
ひと月近く、ずーっと絵美さまのことだけを考えて導き出された結論。
それは、私のあられもない行為の一部始終を、まるでご自分の頭の中のビデオカメラで記録しているかのように、冷ややかに、かつ真剣に目撃されていた絵美さまの瞳でした。
絵美さまが私をじっと見つめる、その視線・・・
それは、やよい先生やシーナさまとのアソビでも感じられたものではあるのですが、絵美さまのそれは、もっともっと強力に私を惹きつけました。
その視線に晒されているだけで、心の奥底からジンジン感じてしまう、絵美さまの瞳の光がちょっと変化しただけで性的興奮が異様に昂ぶってしまう、私にとって特別な視線でした。
視姦、という言葉は、知識としては知っていましたが、あの日初めて身をもって体験した気がします。
とにかく視ていて欲しい。
一瞬でも視線が私からそれると、それだけで言いようも無い寂しさに襲われてしまう。
そんな魔力を、絵美さまの視線は持っていました。
哀れむような、呆れているような冷たい瞳の中に、チロチロとゆらめいていた絵美さまの官能。
私が恥ずかしがれば恥ずかしがるほど大きくなっていく、絵美さまの愉悦の炎。
私は、その炎をより燃え立たせたくて、絵美さまに悦んでいただきたくて、どんどん自らを恥辱の果てに追い込みたくなるのです。
もう一度、あの視線で私のからだをつらぬいて欲しい。
からだの隅々までを、あの視線で舐められたい、責められたい、嬲られたい・・・
もちろん視線だけではなく、絵美さまのお声や振る舞いも、何もかもが私のマゾ心の琴線を激しく震わせてくださいました。
絵美さまは私にとって、心から本当に理想的と思えるパートナー。
いいえ、マゾな私がパートナーなんて、そんな生意気なことを言ってはいけません。
主従関係、ご主人様と奴隷、飼い主とペット・・・
絵美さまが悦ぶことであれば、なんでも、どんなに恥ずかしいことでも出来る。
絵美さまが私を視ていてくださるなら、他には何もいらない。
そのくらい私は、絵美さまに心を奪われていました。
絵美さまにだけは嫌われたくない、と思いました。
魅力的な絵美さまですから、すでに誰かとおつきあいしている可能性も大きいとは思いましたが、その場合は、その次のポジションでもいいから、私とも遊んで欲しい、と頼み込むつもりでした。
そしていつか、私だけの絵美さまになれば・・・
やよい先生にもシーナさまにも感じたことの無かった、私にしては珍しく、独占欲、までもが芽生えているみたい。
そんなことをごちゃごちゃ考えているあいだも、私の粘膜は絵美さまの視線を思い出して疼き始めます。
自分の指で疼きを鎮め、少し冷静になった頭でまた考えます。
結局、臆病さゆえなのでしょう、嫌われたくない、という想いばかりがどんどん募っていきました。
絵美さまは、社会人で教養もおありだろうし、普段はちゃんと常識をわきまえているかたのはず。
今回お逢いするのはショップではなくて、人通り多い街中だし、あんまりだらしのない格好で行くと失望されちゃうかもしれない。
それに、私がおつきあいをお願いする大事な日なのだし・・・
そう考えるようになって、やっぱり普通に無難な格好で行くことに決めました。
お約束の日は、金曜日でした。
絵美さまは、お仕事を早めに終わらせて駆けつけてくださるということで、夕方6時40分の待ち合わせでした。
当日は、4月間近にしては少し肌寒い曇り空。
お出かけ前にウォークインクロゼットで、手持ちのお洋服をあれこれ引っ張り出し、長い時間悩みました。
少し厚めな純白コットンのフリルブラウスにベージュのジャケットを羽織り、膝上丈の濃いブルーのボックスプリーツスカートに黒ニーソックス。
悩んだワリには、普通の真面目な学生さん風になっちゃいました。。
下着だけは、あの日絵美さまが選んでくださったピカピカピンクのストラップレスブラと紐パンにしました。
すっかり薄暗くなった繁華街を抜け、灯りが煌々と灯るデパートのショーウインドウ前。
待ち合わせ時間に少しだけ遅れて現われた絵美さまは、濃いグレーのパンツスーツ姿でした。
仕立ての良いやわらかそうな生地に包まれたウエストからヒップのラインがすっごく綺麗。
大きめに開けたシャツブラウスの襟元から覗く白い肌がセクシー。
お仕事が出来そうなオトナの女性っていう感じ。
ごあいさつも忘れてしばし見蕩れてしまうほどカッコイイお姿でした。
「こ、こんにちは。きょ、今日はわざわざおこしいただいて・・・」
すっかりアガってしまい、ごにょごにょご挨拶する私に、ニッと笑いかけてくださる絵美さま。
ズキューン!
絵美さまは気さくに、元気にしてた?みたいなお言葉をかけてくれながら、ズンズンと大股で歩き始めました。
さすがにいきなり手をつないではくれないようなので、半歩くらい後ろを追いかけます。
案内してくださったのは、雑居ビルの上のほうにあるオシャレな居酒屋さんでした。
予約してあったらしく、すぐに通された場所は四方を和風な格子戸のような衝立で仕切った完全個室でした。
真ん中に正方形のテーブルがあって、足元が掘りごたつみたく凹んでいて床にお座布団を敷いて座るタイプ。
絵美さまは、私に奥を勧め、ご自分は入り口格子戸に背を向け、私と差し向かいにお座りになりました。
ほどなく店員さんが来て、絵美さまが慣れた感じでお料理をいくつか注文され、私は梅酒のソーダ割を注文しました。
絵美さまは白ワイン。
しばらくは、お食事をいただきながら、絵美さまのお仕事についてのお話になりました。
絵美さまは、その服装のせいか、ショップでお逢いしたときとはまた少し違った印象で、なんて言うか、知的できりりとした感じで、まさしくクールビューティという言葉がぴったり。
私は、お話をお聞きしながらも、絵美さまの綺麗なお姿にうっとり見蕩れていました。
絵美さまは、横浜のランジェリーショップの店長さんが本職というわけではなく、普段は、アパレル系のデザイン事務所を経営されているのだそうです。
「新作が出たときとか、お客様のニーズを調べたいときなんかに、懇意にしているお店に頼んでマヌカンの真似事させてもらったりしているの。いわゆる市場調査」
「そんなにしょっちゅうではないけれど、新宿とか渋谷、銀座、いろいろなところでね」
「あの横浜のお店は、うちも多少出資しているから、アンテナショップみたいなものかな」
絵美さまが、生ハムを器用にフォークで丸めながら説明してくださいました。
「それはつまり、会社の社長さん、ということですか?」
「そうね。らしくないのだけれど、行きがかりでそうなっちゃったのよ」
絵美さまが照れくさそうに笑いました。
そのお顔がとてもコケティッシュで、キュンとしてしまいます。
「少人数だけれど、けっこう手広くやっているの、アパレル全般ね」
美味しいお料理をいただきつつ、梅酒ソーダをちびちび飲みながら絵美さまのお話に耳を傾けていると、ふいにデジャヴを感じました。
こんな感じの場面、ずっと前に体験したことがある・・・
すぐに思い出しました。
中学生のとき、私のトラウマとなった事件のことでやよい先生にご相談したとき、連れて行かれた居酒屋さん。
あのときの感じにそっくり。
私が少しのあいだ、遡った時間に思いを馳せていたとき、不意にお言葉を投げかけられました。
「ところであなたはあんなこと、しょっちゅうやっているの?」
*
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