2023年9月18日

肌色休暇三日目~避暑地の言いなり人形 18

 愛しのお姉さまの、これは中指一本。
 根本までズッポリ挿入され、指先がクネクネ蠢いています。

「ほら、直子は右手は本に伸ばして、オマンコへのイタズラに耐えてる感じで」

 五十嵐さまのご指示に顔がいっそう悩ましく歪みます。
 お姉さまの指は丁寧に膣壁を撫ぜる螺旋運動。
 チュプチュプチュプチュプいやらしい音が鳴り響いています。

「ねえこれ、イカせちゃったほうがいいの?」

 お姉さまがのんびりと五十嵐さまにお尋ねになられます。
 私は必死に右手を上に伸ばしながら快感に耐えています。

「うーん、このシーンはそこそこいい感じに撮れたから、これでいいや」

 五十嵐さまの非情なお答えであっさり指は引き抜かれ、私は不完全燃焼。
 脚立の上で思わずしゃがみ込んでしまいます。

「そのままの姿で床に降りてきてなさい。裾もバストも直してはダメ」

 ご命令口調の五十嵐さまがスマホを構えられたままおっしゃいます。
 ひょっとすると動画も撮られているのかもしれません。
 私がご命令通りの姿で脚立を降り切ると、五十嵐さまが角田さまにお声掛け。

「ねえユカリン、余ってて売れそうもないSM雑誌とか4、5冊貸して欲しいんだけど。うんと古いやつとか」

 そのお言葉を聞かれ、角田さまが眉を少し曇らせます。

「あのね、大昔のSM本とかゲイカルチャーの雑誌とかって風俗資料としても貴重だから意外と良い値で売れたりするものなの。まあ、マニア限定だから探してる人も少ないけどさ」

 ぶつくさおっしゃいつつもその手の本のコーナーであろう大きな書架、この古書店で一番大きいかもしれません、に取りつかれ、物色くださっています。

「このへんなら、古いけどページ抜けとかあって一律百円のだから、汚されても構わないか」

 数冊の判型もバラバラな雑誌を五十嵐さまに手渡される角田さま。
 そのあいだ私はなぜだか服従ポーズになり、おふたりを眺めていました。
 もちろん裾はせり上がって下腹部丸出し、おっぱいも両方ともはだけたままの姿です。

「それじゃあ直子、そうだな、そのレジ前の広いところで座っちゃって。お尻を床に着けて大股開きのM字開脚で」

「えっ!?」

 思わず上げた私の戸惑いの声は、五十嵐さまの冷たい視線に睨まれて即却下。
 脚立を離れ、ご指定いただいた場所へと服従ポーズのまま、すごすごと移動します。

 来たときに角田さまが座っておられたレジカウンターの前は、そこだけ二メートル四方くらいポッカリと空間になっていて、その周囲にはまだ整理されていないらしい紐でくくられた古本の山。
 そこにしゃがみ込むと真正面が古書店の入口です。

 コンクリートのひんやりとした床に生尻を置き、ためらいがちにゆっくりと両脚を開いていきます。
 五十嵐さまは手にした雑誌類を適当に開いては、乱雑に私の周囲に置いています。
 いつしか私の周りは、縛られた裸の女性のグラビア写真だらけになっていました。

「そこでオナニーしなさい。オカズは周りのエロ写真。直子好みっぽいのを見繕ってあげたつもりだから」

 こんなところで、みなさまが視ておられるその前で、という羞恥はもちろんありましたが、その前の脚立での不完全燃焼が一斉に小躍りする愉悦の声のほうが上回りました。
 私の一番傍にあった写真に目を遣ると、古民家風な和室の太い柱に縛り付けられ、片脚だけ大きく広げて吊るされた全裸女性の絶望で諦めきったお顔。
 私の大好物シチュエーションな絵面ですぐにあらぬ妄想が広がり、右手は押し拡げた股間へまっしぐら。

「んっ!」

 親指と人差し指で肉芽をつまみ、中指と薬指を膣内に潜り込ませればもう止まりません。
 さっきみたいな不完全燃焼はもう御免とばかりに、快楽絶頂へ全集中です。

「客のいない古本屋の床にエロ本ばら撒いてひたすらオナニーに耽る少女、っていうのも、うちの具現化したかった妄想のひとつなんだ」

 そんなことをおっしゃりながらスマホのレンズを私に向けてくる五十嵐さま。
 もちろんその背後には角田さま、中村さま、そしてお姉さまの六つの瞳も、驚愕や呆れ、軽蔑の色を湛えて私を見つめています。

 電車の中でお姉さまから言わされたはしたないセリフが、幾分アレンジされて思い浮かびます。
 …ああん、直子がマゾマンコをいやらしく弄ってに淫らにイキ果てるところを、みなさま存分にご覧ください…
 このかたたちの視線は安全だということがわかりきっていますので、ずいぶん大胆になっています。

 左手は服からはみでた両おっぱいの乳首を重点的に虐め、右手の指はクチュクチュピチャピチャ淫靡な音を立てて暴れまわっています。
 両脚は180度に近いくらい大きく開き、幾分のけぞり気味に無毛の女性器をみなさまに差し出すような格好で行為をつづけます。

 …ん、んふぅ、くっ、んーーーーっ!!いいぃぃぃっ!!!…んふーーーっ!!いいっ、いいっ、いいいっ、くぅーーーーっ!!!…
 声を押し殺して立てつづけに二度三度、絶頂を迎えました。

「うん、いい絵がたくさん撮れた。直子のスケベ顔はサイコーだわ」

 ハァハァ息を荒くしている私を横目に見つつ、そんなことをおっしゃりながら散らばった雑誌類をかたづけられる五十嵐さま。
 私の股間周辺はお漏らしでもしたようにビチャビチャでしたが、幸いシオを吹くまではイカなかったみたい。

「一息ついたら次は日常のお仕事編ね。そのえっちな服は脱いで、いったん全裸になっちゃって」

 床にモップをかけながら、さらっと大胆なご命令を下さられる五十嵐さま。
 再び角田さまにお声掛け。

「でユカリン、エプロン貸して。直子に裸エプロンさせるから」

 そのお声を聞いた角田さまは仏頂面。
 私は快感の余韻を感じつつよろよろと立ちあがります。

「えーーっ!?これ昨日下ろしたばっかりの新品で、気に入ってるから汚されたくないんですけどーっ!」

 それでもフッと気が付かれたように、つづけられました。

「あ、でも捨てようとしてた古いやつ、まだゴミ出ししてないからゴミ袋の中にあるわ。すごいヨレヨレだけど」

 そうおっしゃってカウンターの下をガサゴソされ、やがてクタッとした濃い緑色の布片がゴミ袋から引っ張り出されました。
 広げてみると確かにエプロン、ただしあちこちがほつれて前掛け部分には引き攣れたような穴も空いて全体的に確かにヨレヨレ。
 色もシミや擦れで濃い緑と薄い緑のまだら模様です。

「先代のバイトの人が使ってたお古をそのまま何も思わず使ってたのだけどね。ちょっと前にお腹んとこがビリッと破れちゃったから、さすがに変えようと思ってじいちゃんにお金もらって買ってきたんだ」

「でも直子ならこっちのほうが似合うよ。うらぶれて倖薄そうな感じで、昭和レトロっぽくて」

 角田さまと五十嵐さまの楽しげな会話。
 布地に鼻を少し近づけると埃っぽい匂いに混ざって、五十嵐さまがつけておられる柑橘系ぽいパフュームの香りがうっすらします。

「ほら、直子も早くそのエロ衣装脱いで、汗ばんだからだを拭ってから素肌にこのエプロンを着けなさい」

 すっかりご命令慣れされた五十嵐さまに促され、まるで衣服の役目をしていないニットを裾からまくり上げて瞬く間に全裸。
 お姉さまにニットを手渡し、代わりにバスタオルを受け取ろうとしたところで、このお店に入るときに聞いたことのあるチリンチリンという音色が聞こえた気がしました。

 間髪を置かず少し建て付けの悪い引き戸をガラガラッと開ける音。
 どなたかお客様がいらしたんだ、と思った瞬間、私は大パニック。
 お姉さまもそちらに気を取られ私に手渡そうとされていたバスタオルを引っ込めてしまわれたので、私は正真正銘の全裸のまま慌てて胸と股間を庇いビーナスの誕生ポーズ。

「あ、じいちゃん、おかえりー」

 ドキドキ最高潮な私の緊張感を嘲笑うような角田さまののんびりとしたお声。
 えっ?じいちゃん?
 うつむいていた顔をおずおずと上げ、みなさまが振り向いているお店の入口を見ると…

 パナマ帽をかぶられた少し痩せ気味な長身の男性のお隣に、杖を突かれたふくよかな感じの女性。
 男性の口ひげは真っ白で、女性のひっつめにした御髪も見事な銀髪、かなりお年を召しておられるよう。
 おふたりとも呆気にとられたご表情で私を見つめておられました。

「お邪魔していまーす」

 ご挨拶を口にされた五十嵐さまもご存知ということは、このかたがこのお店のご主人様なのでしょう、つられるように中村さまとお姉さまもお辞儀をされています。

「ああ、ショーコちゃんも来てたのか、いらっしゃい。まあそれはそれとして、なんでわしの店にまっ裸の女の子がいるんだい?」

 呆気から立ち直られたご主人様らしきかたが、怪訝五割好奇五割みたいな複雑そうなご表情で、それでもお優しく角田さまに尋ねられます。

「この子はショーコの知り合いで見せる子ちゃんだから大丈夫。ショーコのリクエストでちょっとした撮影会してた最中なんだ」

 ご主人様らしきかたにわかったようなわからないようなご説明をされた角田さまが、今度は私たちのほうを見遣ります。

「みんなにも一応紹介しておくね。このじいちゃんがこの古書店の店主。ぼくの親戚、母方の祖父の弟で斎藤常吉じいちゃん。みんなからはツネさんて呼ばれてる」
 
 そのお言葉を引き取るように店主さまがパナマ帽を取られ、深くお辞儀されました。
 パナマ帽の下は見事な禿頭でした。

「こんな田舎の古本屋にみなさんよくいらっしゃいました。どうぞゆっくり見ていってください」

 そうおっしゃいつつお顔を上げた店主さまの目は、胸と股間をガードした私の素肌に釘付けです。
 ねっとりとした視線が私の素肌に絡みついてきます。

「それで、この子だけが裸なのには何か理由があるのかい?犬の首輪まで着けて。まさかよってたかってのイジメとかじゃあないだろうな?」

 店主さまが角田さまに尋ねられると、五十嵐さまが代わってお答えになられました。

「ううん、裸も首輪も全部この子が自発的にやってることで誓ってイジメなんかじゃありません。この子、人に恥ずかしい姿を視られるのが大好物な特殊性癖、従順なマゾヒストなんです。今だって恥ずかしそうにおっぱい隠してますけど、本当は視てもらいたくってしかたないんですよ、ね?」

 最後の、ね?は、私に向けてのものでした。
 だからといってすぐ腕を外すわけにもいきませんが。

「ほう、わしももう八十過ぎだからあっちのほうは、今はただ小便だけの道具かな、なんじゃが、助平なことは相変わらず大好きでな。こんな別嬪さんの裸を間近で拝めるのは眼福だわな」

 店主さまの視線が好奇と好色100パーセントに変わり、無遠慮に私を見つめてきます。

「ほら、直子も、ちゃんと斎藤さまにお見せしてご挨拶なさい」

 沈黙を保っていたお姉さまから不意にお声をかけられ、お姉さまのお綺麗な顎がクイッと上にシャクられました。
 服従ポーズの合図です。
 
 従うしかありません。
 おずおずと両手を後頭部に持っていくと、開放された部分に痛いくらいの視線が集まります。
 完全に見世物状態です。

「あらまあ、綺麗なおっぱい」

 それまで無言でニコニコされていた店主さまの傍らの杖の老婦人さまが初めてお言葉を発せられました。

「うむ、良い乳だ。大きさも形も申し分ない」

 店主さまもご感想を述べられ、ついでにという感じで老婦人さまをご紹介されます。

「この人はわしの雀友で瑞江さん。わしよりふたつ年上じゃ。若い頃からバーのママを長いことやってた行かず後家でな、麻雀のあいだもシモネタばっかり言ってる、わしに輪をかけた助平女じゃ」

「あら、初対面の人もいるのに、そんな本当のこと言っちゃいやですよう」

 仲睦まじく笑い合う店主さまと瑞江さま。
 そんなおふたりの目がますます不躾に私の裸身を撫ぜ回します。

「それに綺麗なパイパン。太股が濡れちゃってるのはわたしたちに視られているからかしら。感じやすいのねえ」

 瑞江さまがからかうみたいにお優しくおしゃいます。
 確かに休めの姿勢で軽く開いた両脚の付け根から、粘り気のある液体が内腿を伝って滑り落ちるのが自分でもわかっていました。
 それでも服従ポーズを崩すことは出来ません。

「ねえ、ちょっと触ってみてもいい?こんな綺麗なおっぱい見せつけられたら、その柔らかさも確かめたくなっちゃった」

 あくまでもお優し気な笑顔はキープしつつ、すっかり悪戯っ子のお顔になられた瑞江さまが、この座の中心と見定めたのであろうお姉さまに向けてお願いされました。

「もちろんです。ほら、直子からも触っていただけるようにちゃんとお願いなさい」

 満面の笑みなお姉さまから促されたら、逆らうことは出来ません。

「は、はい…ど、どうぞ直子のからだを、心ゆくまで、ご自由にお触りください…」

 自分で言った言葉に感じすぎてまた一筋、粘液が内腿を滑り落ちます。
 その様子を総勢六名の瞳にしっかり目撃されています。

「あら、お許しが出ちゃったわ。ほら、ツネちゃんもご相伴に預かりなさい」

 瑞江さまが嬉しそうにおっしゃり、つづけて左右のおっぱいにそれぞれ違う感触の刺激が襲いました。
 右のおっぱいには節くれだってシワシワな店主さまの右手。
 左のおっぱいには少しふくよかで、だけど少しシワっぽい瑞江さまの右手。

 それぞれがおっぱいを揉みしだいたり乳首を摘んでみたり、自由奔放に蹂躙してきます。
 私は後頭部に両手を押し当てて悦びの声を必死に押し殺したままされるがまま。

「おお、さすがに若い子の肌はなめらかで柔らかいのう。こんな瑞々しい女の素肌に触れるのはン十年ぶりじゃ」

 店主さまが感極まったようにおっしゃいます。
 私も成人男性に生おっぱいを触られるのは生まれて初めてのことでした。

 瑞江さまはもっと大胆でした。
 しばらく左おっぱいを虐めていた瑞江さまの右手はやがて持ち場を離れ、ずっと下って無毛の下腹部をスリスリさすってきました。
 その手が股下まで潜り込み、飛び出た肉芽が指の間に挟まれ、肉壷がやんわり抉じ開けられます。

「んーっ!」

 とうとう堪えきれず歓喜の淫声を洩らしてしまう私。
 それ以上のことをして欲しくて、自然に両足の幅が開いてしまいます。
 でも瑞江さまの手はそれ以上に進む事はなく、いつしか両方の手とも私のからだを離れていました。

「ツネさんも戻ってきたことだし、これでユカリンもお役御免ってことよね。さっさと残りの撮影済ませて、うちらも家路につくとしましょうか」

 タイミングを計っていたみたいな五十嵐さまの鶴の一声で、場の雰囲気が変わりました。

「それじゃあ、わしらはここでその撮影会とやらを見物させてもらうとしようか」

 店主さまと瑞江さまがレジカウンター脇のベンチに仲良く腰掛けられました。
 私にやっとバスタオルが手渡され、汗や粘液を軽く拭った後、撮影が再開されます。

 五十嵐さまのご指示で、レジカウンターでお店番をしているところ、お姉さまをお客様に見立てて接客をしているところ、お店のお外でホウキを持って掃き掃除をしているところを、それぞれ裸エプロンと全裸で2パターン、立てつづけに撮影されました。

 お店のお外に全裸で出るのは少し怖かったのですが、幸か不幸かお外にはまったく人影がなく、相変わらずギラギラ照りつけてくる晩夏の日差しに少し拍子抜け。
 五十嵐さまのテキパキとしたご指示で撮影は滞りなく終わり、古書店をお暇することになりました。

 帰り際、まだ私が読んだことのない名塚先生の百合薔薇学園作品の古書を三冊、お姉さまが買ってくださいました。
 お姉さまも古いSMの写真集か何かを何冊か買われたみたい。

 近くに来たらまた寄ってくださいな、という店主さまのお言葉を背に受けつつ、五十嵐さまのお車に乗り込みます。
 私は角田さまのお古のくすんだエプロンだけ身に着けています。
 生尻にはバスタオルを敷き、中村さまとお姉さまに挟まれての後部座席。

「意外に長居しちゃったね。この感じだと5時半前にお屋敷に着けるか微妙だな」

 ハンドルを握りながら五十嵐さまがお独り言っぽくおっしゃいます。
 助手席の角田さまは、物珍しそうに車窓を眺めています。

「5時半ってジョセのことだったら大丈夫よ。あの子、5時半頃になって家に誰もいなかったらひとりで勝手に散歩に出かけちゃうから。たぶん家の敷地内でうんちをしたくないんだろうね」

 中村さまが気怠げにお答えになられ、小さな欠伸をひとつ。

「それにしても今日は濃ゆい一日だったわ。日光に当たりすぎて眠たくなっちゃった。少し仮眠するから着いたら起こしてね」

 そうおっしゃるなり両目を瞑られる中村さま。
 左隣を見るとお姉さまも両目を瞑られ安眠モード。
 せっかく私が恥ずかしい裸エプロンなのにイタズラしてこられないおふたかた。

「あー、寝ちゃうのはずるいよ。ユカは起きて話し相手になってよね。うちだってこう見えてちょっとは疲れてるんだから。居眠り運転で死にたくないでしょ」

「あー、はいはい」

「直子も眠かったら仮眠していいよ。まだまだ夜は長いから体力温存しといたほうがいい」

 五十嵐さまの一見お優しい、でも不穏な含みのあるようなお言葉に、いえ、私は大丈夫です、と答えたものの、両隣のお二人がスヤスヤ寝息を立てているのを聞いて眠気が伝染したのでしょう。
 
 行くときに通った、道の両脇から踏切の遮断機みたいな黄色い棒が行く手を塞いでいるところで、五十嵐さまがカードをかざしていたことまではぼんやり覚えているのですが、やがて睡魔に呑み込まれたようでした。