自分が今どこに居て何をしているのかもわからないほどの痺れるような快感が、全身を駆け巡っていました。
両腿の付け根奥から絶え間なくほとばしる微電流で、からだが金縛りにあっているみたい。
遠ざかりそうになる意識を理性なのか本能なのか、何かが必死に引き留めようとしています。
そのとき、仰向けの私のからだを地面に押しつけるようにのしかかっていた重しが、フッと軽くなった気がしました。
いつの間にかギュッとつむっていた両目を恐る恐る開けたとき、聴覚と嗅覚と視覚が一気に戻りました。
寝そべっている私の視界に見えるのは…ワンちゃんの脚?あ、ジョセフィーヌさま…
おそらくジョセフィーヌさまが私のからだの上に乗られていたのでしょう。
今は、だらしなく寝そべった私のからだを大きく迂回され、投げ出している私の左手のほうへと芝生の上をゆっくり歩かれています。
右のほうは?と視線を動かしたとき、不意に私の首輪が軽く左のほうへと引っ張られました。
中村さまだな、と思い、たわむリードを先へと辿っていくと…ジョセフィーヌさま。
リードの持ち手をお口に咥えられ、起きてよ、とでもおっしゃりたげなお顔で私を見つめてきます。
私がからだを起こすのを促すように、二歩三歩の前進後退をくり返され、そのたびに遠慮がちに張り詰めるリード。
見上げる空は、ああ、もうすっかり夕方だな、と思えるくらいには翳っていました。
帰らなくちゃいけない時間なんだな、と朦朧とした頭で考え、ゆっくりと上半身を起こします。
あらためて眺めた自分のからだはひどいありさま。
汗なのかジョセフィーヌさまのよだれなのか、テラテラ満遍なく濡れた素肌のあちこちに点々と浮かぶワンちゃんの茶色い足跡。
膝を立ててだらしなく広げきった両腿、膣口に中途半端に挿さったままのバナナ。
「あふぅんっ!」
立たなくちゃ、と思い、股間のバナナを抜くために手を掛けたとき、柔らかい異物が膣壁を刺激して思わず声が洩れてしまいます。
快楽の余韻、の一言では片付けられないくらい、未だにからだのあちこちがヒクヒク引き攣って疼いています。
手に持ったバナナは人肌くらいに生温かくなっていて、外側の皮がふやけてずいぶん柔らかくなっていました。
そんなバナナを右手に持ち、両足に力を込めてよろよろと立ち上がりました。
私が立ち上がるまで辛抱強く待っていてくださったジョセフィーヌさまが、わたしのほうを振り返りつつゆっくり歩き始めます。
お口に咥えられたリードが張り詰め、私の首輪が引っ張られます。
幾分前屈みになってジョセフィーヌさまに先導される全裸の私。
ワンちゃんと人間の立場が完全に逆転していました。
「淫乱マゾ女を起こして連れてきてくれたんだ?本当にジョセは賢いねー」
東屋のベンチでひと足先に待たれていた中村さまが両手を広げてジョセフィーヌさまを迎え入れられ、ジョセフィーヌさまも尻尾をブンブン振られ応えられています。
お口からリードの持ち手が外れ、引き綱が私の両脚のあいだに戻ってきました。
「ずいぶん派手にアクメってたじゃない、どう?スッキリした?」
中村さまが紙コップに何か液体を注いでくださり、差し出しつつ尋ねてこられます。
「あ、はい…もう何がなんだか…危うく気を失ないそうでした…」
あらためてお尋ねされると逃げ出したいほど恥ずかしいのですが、小声で正直にお答えしました。
「だろうね。いやらしい声が広場中に響き渡っていたもの。凄い映像が撮れたからエミリーも満足なはず」
レンズを私に向けながら呆れたような笑顔をお見せになる中村さま。
「まあとりあえずそれ飲んで、あなたを悦ばせてくれたバナナをいただいて、いったん落ち着きなさい」
「食べられる性具は粗末にしない、っていうのがお姉さまとのお約束なんでしょ?」
からかうようにおっしゃって紙コップが手渡されます。
「あ、はい…」
渡された紙コップは冷たくも温かくもない常温で、メープルシロップを薄めたような薄茶色の液体が入っています。
「ブランデーの水道水割よ。直子はイキ過ぎると気絶することがあるってエミリーが言ってたから、気付け薬代わりに小瓶を持ってきてたの」
そう教えられると、軽くツンと鼻を刺しはするけれどほのかに甘いアルコールの香りがする気がします。
唇を付け紙コップを傾けると舌に甘い味わい、喉を滑り落ちる液体が心地良い。
渇きにあがらえずゴクゴク一杯飲み干してしまいました。
「あれだけ喘げば、そりゃあ喉は渇くよね。酔わせるのが目的じゃないからお代わりは水だけ」
中村さまが空になった紙コップに再び水道水を注いでくださり、テーブルの上に置いてくださいました。
私は右手のバナナを剥き始めます。
バナナの皮は満遍なく私の愛液に塗れ、剥いた途端に崩れそうなほどに中の実もグズグズ。
きっと私の恥ずかしいマン汁が実まで浸透して滲み込んでいるんだろうな、なんて思いながら、そのクリームみたいに柔らかくなったバナナを頬ばります。
生温かくて少し生臭く香るバナナでしたが、口中にはちゃんと甘味が広がりちゃんと美味しい。
お水と交互に、あっという間にたいらげました。
「はい、よく出来ました」
ビデオカメラのレンズを私に向けて、自分を犯していたバナナを美味しそうに食べるマゾ女、の一部始終を撮影された中村さまが、カメラをいったん下ろされ、リードの持ち手に左手を伸ばされます。
「さてと、じゃあ戻ろっか。直子、そのバッグ持って」
中村さまがリードの持ち手を右手に握られ、左手でテーブルの上のバッグを指さされます。
テーブルの上はキレイに片付けられ、すべての私物やゴミ類はバッグ内にしまわれた後みたい。
「あの、私が着てきたエプロンは…」
過度な期待は抱かずに一応尋ねてみます。
あんな布片一枚でも、前を覆ってくれるかくれないかは、気分的に大きな違いがあるんです。
「しまっちゃったわよ。泥で結構汚れていたし、誰かさんのおツユも派手に沁みていたしね。寺っちの私物だから帰ったらサクッと洗濯しなくちゃだわ」
さも当然のように答えられた中村さま。
それからニヤッと笑われ、こうつづけられました。
「直子も、この周辺ならハダカでいても大丈夫なことが身を持ってわかったでしょ?だから明日からは仲良く朝晩、全裸でジョセとお散歩よ」
首輪がクイッと引っ張られます。
「ジョセフィーヌ?ヒールッ!帰りはワタシの横について。森の清々しい空気を充分味わいながら、ゆっくり帰りましょう」
中村さまの足元に寄り添わられたジョセフィーヌさまのお鼻先に、中村さまがリードの持ち手をプラプラ指し示されます。
それをパクリと咥えられるジョセフィーヌさま。
中村さまの足取りに合わせるように歩き始められ、私の首輪が張り詰めた引き綱に引っ張られます。
帰りの山道は緩い上り坂。
翳った陽射しもほとんど差し込まず、来たときよりもずいぶん薄暗くなっていました。
規則正しく立ち並んだ背の高い木立が導く一本道を、三つの薄い影が進んでいきます。
一番左側にパーカーとジャージ姿の中村さまのお背中。
その右脚にピッタリ寄り添われて進まれるジョセフィーヌさま。
ジョセフィーヌさまのお口には輪っかになったリードの持ち手がしっかり咥えられています。
その引き綱の後方、おふたりから二、三歩下がった一番右側を、とぼとぼついていく全裸の私。
途中、中村さまが振り返られ、ジョセフィーヌさまの引き綱に先導される私の姿をしばらく撮影されました。
悠然としたお足取りでリードを引っ張られるジョセフィーヌさま、首輪を引っ張られ、付き従うように後を追う私。
どう見てもジョセフィーヌさまが飼い主で、私はペットの飼い犬でした。
素肌を撫ぜる風を少しひんやり感じだことで、今更ながら自分が全裸なことを思い知ります。
そうです、今私は見知らぬ山奥の夕暮れの木立道を、ワンちゃんにリードを引かれ、素っ裸で歩いているのです。
…今まで経験した中で、一番大胆な野外露出行為かもしれない…
幼い頃から人知れず心に秘めていた妄想を今現実に体験している、と思うと性懲りもなく性的にゾクゾク感じてしまいます。
時折中村さまが撮影のために振り向かれる以外、終始無言で歩きつづけます。
中村さまからからかうようなお声掛けも無いのは、私に全裸お散歩の恥ずかしさを満喫させてくださるためのお心遣いかもしれません。
綺麗な夕焼けの山道は全裸でも寒さを感じるほどの冷えではなく、却って適温で気持ち良いくらい。
それでもお外での全裸が心細いのは変わらず、その被虐がマゾ性をキュンキュン煽り立ててきます。
十分くらい歩いたかな、と思った頃、お屋敷へ通じる玄関前の道に出ました。
まださほど暗さを感じるほどではないのですが、お屋敷の正面玄関周辺は常夜灯ですでに明るく照らし出されています。
おそらく決まった時刻に灯る仕掛けなのでしょう。
その灯りの下に三人、たどり着きました。
「明るいところであらためて見ると、直子のからだ、ひどいありさまだね」
中村さまがビデオカメラのレンズ越しに私のからだを見つめてこられます。
「これはみんなに見せなくちゃ。呼んでくるからちょっとそこで待ってて。記念写真を撮っておこう」
嬉しそうにおっしゃって、中村さまがお屋敷内に駆け込まれました。
取り残された形のジョセフィーヌさまと私。
寄り添うお相手に立ち去られたジョセフィーヌさまが、リードの持ち手を咥えられたまま私のほうへと駆け寄ってこられました。
私も中腰になってジョセフィーヌさまをお迎え入れます。
素肌にフワフワ毛玉状なジョセフィーヌさまを抱き寄せると、なんとも言えず気持ちの良いことを、私はすでに知ってしまっていました。
ジョセフィーヌさまがお口からリードの持ち手をポトリと落とされ、顔の位置を合わせている私の顎やほっぺたをペロペロ舐め始められます。
もはや完全にしゃがみ込んでしまった私は、懐にジョセフィーヌさまの毛並みをやんわりと抱え込み、いやん、くすぐったい、なんて嬌声をあげつつイチャついていました。
このとき私は、地面に落ちたリードの引き綱を跨いでしまっていたのだと思います。
ひとしきりじゃれ合った後、ジョセフィーヌさまからおからだを離され、私の背後へトトトっと回られました。
私も立ち上がろうとしゃがみ込んでいた膝を伸ばそうとしたとき…
首輪から繋がった引き綱が、私の裸身前面のド真ん中を縦断するようにピッタリと貼り付き、股のあいだの裂けめに食い込んでくる感触がありました。
「あぁんっ!いやんっ!」
それはまさしく、これまで何度も味わったことのある股縄の感触。
それも二重にした麻縄よりも更に太い、ゴツゴツザラザラとした乱暴な感触。
「いやんっ、だめぇーっ!」
下腹部から恥丘へとピッタリ貼り付いた縄が、裂けめの先端でテラテラ芽吹いていた肉芽をギュウギュウ押し潰してきます。
私のお尻側で再びリードの持ち手を咥えられたのであろうジョセフィーヌさまの気配。
「あっ、あーんっ、そ、そんな、そんなに引っ張らないでぇーっ!」
私の嬌声を、この友達は嬉しがっている、と捉えられたのでしょう、ますます激しくグイグイと出鱈目に引っ張られる引き綱。
たわんでは張り詰め、私のマゾマンコに緩んでは食い込んでくる引き綱の陵辱。
今日何度目なのか、私はジョセフィーヌさまにもてあそばれていました。
「あっ、あっ、あーんっ、いやっ、だめっ、いたいっ、そこっ、だめっ、あーーっ!!」
裂けめから両脚が引き裂かれてしまうのではないか、と思うくらい強烈な縄の食い込み。
でもフッと緩んだ瞬間ホッとすると同時に、もっと欲しい、と思ってしまうのは私のマゾ性ゆえなのでしょう。
SM写真で見たことのある、三角木馬責め、っていうのはこんな感じなのかな、なんて思ってみたり。
股間への食い込みによる刺激は、そんな私でも我慢しきれないほどの激しさになっていました。
ジョセフィーヌさまがはしゃがれて、グイグイ引き綱を引っ張られるのです。
しゃがみ込んだ姿勢から立ち上がろうと中腰にまではなったものの、それ以上は絶対無理。
股間から引き綱を離すには、もう一度しゃがみ込むだけでは駄目でした。
首輪から繋がれているので、上半身を低くして腰を高く起こさない限りからだ前面、股のあいだに密着してしまうのです。
この状態で股間に引き綱を密着させない姿勢…それは私も四つん這いになることでした。
しゃがんだ姿勢から前屈みになり、石畳に両手を突いて腰だけ高く突き上げます。
ようやく股間から引き綱が離れ、首輪からジョセフィーヌさまのお口までピンと空中に一直線に張り詰める形に。
自ら四つん這いになった私にジョセフィーヌさまも何かを感じ取られたのでしょう。
すぐさま持ち手をお口から落とされ私に近づき、突き上げたお尻の下の太腿後ろをペロペロ舐め始められます。
「ああんっ、ジョセフィーヌさまぁ、いやんっ、くすぐったいーっ」
そんな嬌声をあげつつ、どうせならお尻を舐めて欲しい、とジョセフィーヌさまの舌が届く位置までお尻を下げていくスケベな私。
思惑通り、大きく広げたお尻の割れスジに沿ってペチャペチャ舐め上げてくださるジョセフィーヌさま。
「あんっ、いいっ、そこっ、いいっ、もっと下、もっと下もぉーっ!」
あられもない淫声をあげて身悶えていると、四つん這いの眼前にそびえるお屋敷の正面玄関扉がバタンと開きました。
現われたのはもちろん、お姉さまを筆頭に、中村さま、寺田さま、そして五十嵐さま。
「あーあー、またイチャついてるよ、この子たち、人んちの玄関先で」
「でもまあ、ペットってそーゆーもんだから、しょーがないんじゃない」
「君たちもうつきあっちゃいなよ。あ、でもそれだとエミリーが寂しいか」
「ううん、あたしネトラレのケがあるらしいから、かまわなくってよ」
ノリが軽くてかまびすしいご様子は、みなさま多少アルコールが入っていらっしゃるのかも…
みなさまが口々に軽口を叩かれる中、両手を地面に突いてみなさまを見上げる土下座同然な四つん這い姿の私は、その屈辱的な恥ずかしさで顔面が真っ赤っか。
ジョセフィーヌさまはと言えば、みなさまのお姿が見えた途端に私のお尻をプイと離れられ、一目散に寺田さまのお足元へ。
どうやらジョセフィーヌさまは、みなさまの中ではとくに寺田さまを慕われているようです。
「本当に全裸で散歩から帰ってきちゃったんだ!?大胆て言うかヘンタイって言うか…ほら、直子?立ちなさい」
一歩近づいてこられたお姉さまに促され、おずおずと立ち上がります。
お姉さまが顎をしゃくられたので、服従ポーズ。
「あららら、からだ中に犬の足跡たくさん付けちゃって。またまたジョセに手篭めにされちゃったんだねー。本当に、君たちもうつきあっちゃいなよ、だわ」
黒スウェットの上にメイドエプロン姿なお姉さまにからかわれます。
五十嵐さまがビデオカメラのレンズを向けています。
「これは確かに記念写真に撮っておくべき姿よね。直子もこっちに来て並びなさい」
お姉さまの号令で五十嵐さまが素早く三脚を立てられ、立派なカメラを私が居た位置に据え付けられます。
カメラのレンズに向かって一番右端にパーカー、ジャージ姿の中村さま、そのお隣に私に貸してくださったのとはまた別のメイドエプロンを召された寺田さま。
そのお隣に寺田さまに寄り添われるようにジョセフィーヌさまがちょこんとお座りになられ、その横に服従ポーズ全裸の私、私の左隣にメイドエプロン姿のお姉さまという配置です。
「エミリーさんはもっと直子ちゃんにくっついてください。その横にうちも入るので」
「リードの持ち手はジョセに咥えさせるのがいいんじゃないかな?寺っち、お願い」
五十嵐さまのご指示で構図が決まり、セルフタイマーをセットしてから五十嵐さまがお姉さまの横に並ばれます。
「レンズの横のランプがチカチカしだしたらすぐシャッターが下りるからね」
五十嵐さまのお声でみなさまがカメラレンズに視線を合わせます。
私もそこを見つめていると、ほどなくランプがチカチカし始めました。
「あぁんっ!」
そのタイミングでお姉さまが私の膣口に二本指を挿入されたんです。
私が顔を歪ませるのとフラッシュの光が同時でした。
「おっけー。うまく撮れていたら大きくプリントして額装して、ホールに飾ることにするわ」
そんなことをのんきにおっしゃるのは寺田さま。
他のみなさまもガヤガヤとお屋敷に戻られ、ジョセフィーヌさまもご自分の小屋のほうへサッサと駆け出されます。
残されたのは私と中村さま。
中村さまが首輪からリードを外してくださり、代わりに白いバスタオルだけ渡されます。
「直子はさっき行ったシャワールームでからだの汚れを落としてきなさい」
この位置からだと目隠し樹木の向こう側にあるスケスケバスルームの方向を指さされた中村さま。
「戻ってきたら夕食だから、自分のからだまさぐってムラムラとかしてないで、さっさと切り上げるのよ?」
見透かすみたいにおっしゃって、裸のお尻をパチンとぶたれました。
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