何よりも一番最初に目が行くのは、首に巻かれた赤い首輪。
えんじ色に近いダークな赤色のベルトにメタリックな銀色の金具。
着ているフェミニンなワンピースとのコーディネートとしては、明らかに異質な装飾具。
その違和感が否が応にも視線を引き寄せてしまいます。
視線を少し下ろすと、濃紺ワンピースの胸元にハーフカップのブラジャーに押し上げられた胸の谷間がクッキリ。
ウエストを絞ったおかげで上半身のシルエットがふんわり逆三角形となり、バストのふくらみがより強調されています。
ウエストから若干の末広がりとなった裾は、膝上25センチくらい。
股下でいうと5、6センチ幅くらいの布地が太腿周りを覆っている状態。
更に最下部を留めるはずのボタンが取り去られてしまい、留まっている一番下のボタンは、ちょうど私の恥丘の位置。
今はまっすぐ立っているので大丈夫ですが、歩き始めたら両腿が裾を蹴り、ショーツのクロッチ部分が常時チラチラ見え隠れしてしまうことでしょう。
そんなきわどい着衣の上に、生意気メイクを施された加虐心をそそる顔が乗り、こんなこと自分で言うのは本当にはしたないのですが、見るからにエロくて扇情的、いろいろとえっちな妄想がふくらんでしまう姿だと思いました。
「自分の姿に見惚れちゃってるの?」
鏡から目を離せない私の背後で、お姉さまがからかいます。
「街に出たら、かなり注目を集めそうな格好よね?えっちなオーラがムンムンしてる」
愉しそうな声音でお姉さまがおっしゃいました。
マンション地下の駐車場は誰もいなく、しんと静まり返っていました。
思った通り、一歩歩くごとにショーツに直に空気があたる感触があり、両腿のあいだがスースーします。
助手席に乗り込もうと、腰を曲げた途端にワンピースの裾が全体にせり上がりました。
腰掛けると前立てが派手に割れ、銀色ショーツのクロッチ部分が剥き出しとなりました。
座るために脚を大きく開いたとき、ラビアが開いて漏れ出してしまったようで、クロッチ中央の私のワレスジと同じ位置に、一筋の濡れシミが黒くクッキリ浮き出て、その先端部分が僅かに見えていました。
全身がカッと熱くなり、あわててビニールトートバッグを膝の上に乗せ、その部分を隠しました。
お姉さまは、それについては何もおっしゃらず、滑るように車が発進しました。
お外は相変わらずの曇り空。
でも雲の切れ間ところどころに青空も覗いていました。
時刻は午後の2時15分。
「この感じなら、雨降らないかもしれないわね」
人も車もまばらな街並みを、快調に車は進んで行きます。
「昼間の街中で露出遊びするなんて、アユミのとき以来かな。すごく愉しみ」
信号待ちで停まったとき、お姉さまが独り言みたいにおっしゃいました。
「アユミとしたのは横浜だったから、東京では初めてよ」
今度はしっかり私に向いて、語りかけてきました。
「アユミさんとは、どんなことをされたのですか?」
ワクワクとドキドキのリズムが急激に跳ね上がり、思わず聞いてしまいます。
「そんなこと、今教えちゃったら面白くないじゃない。安心なさい。これから直子に身をもってひとつひとつ体験させてあげるから」
イタズラっぽく微笑むお姉さま。
安心どころか、不安のドキドキがよりいっそう高まる私。
「思った通り、道路も空いているわね。普段はなかなか停められないコインパーキングもガラガラだし」
再び走り出して前を向いたままのお姉さまが、気怠そうにおっしゃいました。
「まあ、連休最終日でこんなお天気じゃ、仕方ないか。でもせっかくそんなエロい格好してきたのに、あんまりギャラリーが少ないと、直子もつまらないでしょう?」
冷やかすようにおっしゃいながらハンドルを右に切るお姉さま。
道幅の広い幹線道路から、小さめなビルが建ち並ぶ路地へと入っていきました。
すぐにビルの谷間の空き地のようなコインパーキングに侵入して駐車。
走り始めてからまだ10分も経っていませんでした。
「さあ、ここからいよいよお散歩開始ね」
エンジンを切って静まり返った車内に、お姉さまの嬉しそうなお声が響きました。
車に乗っているあいだ、別にこれといってえっちなイタズラをされなかったことが、かえって不気味です。
「あの、えっと、ここって、どの辺なのですか?」
お姉さまのご様子を探りたくて、とりあえず車から降りるのを引き伸ばそうとする私。
「うーん、 麹町というか半蔵門というか、まあその辺」
そうおっしゃられても、東京の地理に疎い私には何が何やら。
「ここにひとまず車を停めて、これから地下鉄に乗って永田町まで行くの」
「えっ?私、この格好で電車に乗るのですか?」
尋ねながら体温がグングン上がっていくのがわかりました。
「そうよ。それで永田町界隈をうろうろ散策しつつ、またここまで歩いて戻ってくる。距離的にはひと駅ぶん。永田町って知っているでしょ?国会議事堂とか首相官邸とかがある」
「・・・はい、それは一応」
「この辺り一帯はビジネス街プラス官庁街だから、平日昼間と夜との人口差が20倍なんて言われているのよ。つまり企業や官庁が休みの休日は、普段の二十分の一しか街に人がいなくなっちゃうわけ」
「ほどよく閑散としていて、直子の街角露出デビューにはうってつけじゃない?」
お姉さまがシートベルトを外し、私のほうを向きました。
「手始めにそのパンチラワンピで電車に乗って、直子に慣れてもらおうかと思うのよ、他人から視られることを」
後部座席に置いたご自分のバッグをガサゴソさせつつ、お姉さまがおっしゃいました。
「その首輪だけでも、かなり人の目を惹きつけちゃうでしょうね。その上、谷間見せつけーの、ミニスカ裾割れパンチラだもの。視線独り占め間違いなし」
お姉さまが冷やかすようにおっしゃいました。
「アユミたちと遊んだときの経験から言うと、直子は、視たければいくらでも見せてあげる、くらいの気持ちで堂々としていればいいわ」
「必要以上に照れたり恥ずかしがったりしていると、逆に目立って、勘違いしたオトコどもがちょっかい出しやすいスキが出来ちゃうから」
「あと、一緒にいる友人たち、今日の場合はあたしだけれど、と親密な雰囲気を醸し出していると、不思議とギャラリーがみんな遠巻きになるのよね」
「まあ、そのへんはあたしに任せて、直子は、誰かの視線を感じたら、その視線に臆さないで、自分の性癖に正直に、もっと視て、って思っていればいいの。事実、直子は露出狂のヘンタイで、視られたくて仕方ないマゾ女なのだから」
お姉さまが私の顔をじっと覗き込んできました。
「ずっと妄想で思い描いていた恥辱の悦びを現実で味わうのよ?それも、これまでにない大勢の人の前で。愉しみでしょ?」
お姉さまからのご説明のひとつひとつが、私の淫らな官能を強烈に揺さぶりました。
私がこれから街に出てしようとしていることを、生々しく頭に思い描くことが出来ました。
思い描くだけならば自由ですが、実際に街に出てやってしまったら、それは明らかに異常、アブノーマル。
私、これからどうなってしまうのだろう・・・
内腿のあいだが痺れるように、ムズムズウネウネ疼きました。
「・・・はい」
お姉さまに対するそのうなずきは、自分が露出マゾとして新たな一歩を踏み出す覚悟を込めたものでした。
「念のため再確認しておくわよ?散歩のあいだ、直子はあたしの言葉に絶対服従、でも、だって、は全面禁止。何を命令されても粛々と従うこと」
「あ、はい・・・」
「なんだか気のない返事だけれど、これはね、街中での露出遊びでは凄く重要なことなのよ?下手したらふたりともハンザイ者になってしまうのだから」
真剣なまなざしで、怖いお顔になられたお姉さま。
「たとえばあたしがあるタイミングで、ここでおっぱい出しなさい、って命令したとするでしょ?だけど直子がグズグズしていると、どんどん周りの状況が変わってしまうわけ」
「あたしは、周りの状況を見計らって、ベストのタイミングで命令したのに、グズグズモジモジされると、その振る舞いが悪目立ちして、人が集まってきちゃったりすることになる」
「それで通報されたりしたら、あたしも直子も望んでいない状況になりかねないの。直子があたしを信頼して、すべてを委ねてくれないと」
「脱いで見せても大丈夫そうな相手、場所、なのか、みたいな状況判断は、あたしが真剣にするからさ、それを信頼して、すべて、あたしの言う通りに動くドレイに成りきりなさい」
おでこがくっつくほどお顔を寄せ、私の瞳を見つめてくるお姉さま。
「わかりました。お姉さまのご命令にすべて従います」
私の露出願望を満たそうと、とことん真面目につき合ってくださるお姉さまの真摯なご忠告を、とても頼もしく感じました。
「おーけー。それじゃあ最初の命令。直子の剥き出しマゾマンコにローターを突っ込みなさい」
冷たくおっしゃったお姉さまが、ハンディカメラを私の股間に向けてきました。
「パンティのクロッチちょっとずらして、脇から挿れなさい」
「・・・はい」
絶対服従の私は、ビニールトートからピンク色のローターを取り出し、一度しゃぶりました。
それからワンピースの裾をまくり、銀色ショーツのクロッチを右内腿のほうへずらします。
膣口を指先で抉じ開けると、中からねっとりとした熱いおツユが滲み出てきて、指先を濡らしました。
「はぅぅ」
楕円の物体を指でワレメへと圧し込むと思わず小さくため息が洩れ、先っちょの紐だけを覗かせて楕円全体がズブリと膣内に隠れました。
溢れ出たおツユがショーツとシートを汚しました。
「あらあら、瞬く間にパンティにシミが滲んじゃったわね」
同時にローターが最強で震え始めました。
「ぅぁあぅうぅ」
「黒いシミがどんどん広がっていく。本当にいやらしい子」
蔑むようなからかい声とともにローターがピタッと止まりました。
「裾を戻しなさい」
裾を戻すと、左右に割れた前立てのあいだから、微かにショーツの先端が黒く覗いていました。
「直子がサカっている証拠の、そのパンティ先っちょの黒いシミって、ワンピの隙間から見えたら絶対、マン毛だと思われるでしょうね」
わざとらしいお下品口調で私を嘲るお姉さま。
「ローターが突然震えても、出来る限り普通のフリをすること。感じても感じていないフリ。そのほうがあたしが萌えるから」
「せっかく生意気顔メイクしてあげたのだから、今日はツンデレ風でいきましょう。もちろんデレるのはあたしにだけ。街中ではツンツン直子ね」
お姉さまの愉しげな瞳は、完全にエスの人のそれになっていて、加虐の炎が舌なめずりするみたいにチロチロと揺れていました。
車を降りる前にお姉さまは、ビニールトートバッグにお化粧ポーチとお裁縫セットも突っ込みました。
ご自分は右手にハンディカメラだけ、私は左肩にビニールトートを、もちろんバスタオルの側をお外に向けて提げ、コインパーキングのコンクリートに降り立ちました。
7、8台駐車出来そうなコインパーキングに停まっている車は2台、私たちが3台目。
敷地内にも、入ってきた路地周辺にも人影はまるでありません。
周囲には5、6階建てくらいの小さめなビルが立ち並んでいました。
遠くで車の走る音が小さく聞こえるのは、たぶんさっき走ってきた幹線道路からのものでしょう。
「出かける前に、まずはここで記念撮影しておきましょう。直子の記念すべき初、都心露出散歩のスタートなのだし」
お姉さまが辺りをキョロキョロ見回してから、カメラを構えておっしゃいました。
「そこに立って」
指さされたのは、コインパーキングのチェーン店名を記した大きな看板の前でした。
その看板は、路地から曲がって駐車場へと入る入口ゲートの、ちょうど真正面奥に立っていました。
トートバッグを左肩に提げたまま、その看板の前に立ちました。
お姉さまが私から2メートルくらい離れた正面に来て、カメラを構えました。
「笑わなくていいからね。カメラを睨みつける感じで。今日はツンツン直子だから」
写真を撮っているのかビデオなのか、ずっとカメラ脇のモニターを凝視したまま、お姉さまがおっしゃいました。
お言いつけ通り、真面目な顔でレンズを睨みました。
「うーん、ただ突っ立ってるだけじゃ面白くないわね。スカートまくってパンツ、おっと、パンティ見せなさい」
「えっ!?」
一瞬うろたえて躊躇してしまった私に、すかさずカメラを下ろしたお姉さまからツッコミが入りました。
「ねえ?さっきの話をもう忘れちゃったの?あたしが何か言ったら、直子はどうしなければいけないのだっけ?」
「あ、はい。ごめんなさい。お姉さまのお言葉には絶対服従です」
あわててワンピースの裾に両手をかけました。
「そう。命令、即、実行。タイムラグは一切認めないから」
お姉さまが、カメラを構え直し、モニターを覗き込みました。
私もあらためて、完全に覚悟を決めました。
マゾの服従ポーズをするときのように、両足を、やすめ、の形に開きました。
両手でワンピースの裾を握り、その両手を少しずつ上げていきます。
うつむいてみても持ち上げた裾が邪魔をして、自分ではどのくらいショーツが見えているかはわかりません。
「うつむかないの。まっすぐこっちを見て。もっと上までまくりなさい。おへそが見えるくらいまで」
お姉さまのご命令をいちいち忠実に実行します。
お腹に直に空気が当たる感触がするので、小さな銀色ショーツは丸出しのはずです。
「黒ずんだシミがさっきより広がっているわよ?パンティのフロント全体に。こんなことでもう感じちゃったの?」
「いえ、あの、はい・・・ごめんなさい」
「それに、何?そのいやらしい、泣きそうなマゾ顔。もうちょっとまともな顔出来ないの?」
「あ、はい、ごめんなさい・・・」
そのお言葉に開き気味だった唇を一直線に結び直し、一生懸命カメラのレンズを睨みました。
そのとき、視界の右端に動くものを捉えました。
私の正面は、コインパーキング脇の路地。
その路地をひとりの男性が向かって右のほうから歩いてくる姿が、敷地と路地を隔てる格子の鉄策越しに見えたのでした。
ドキン!
実際に肩がビクンと震えるくらい、心臓が飛び跳ねました、
姿をみつけたときからもはや目が離せなくなり、視線がその姿を追ってしまいます。
その男性は、けっこう若い感じで、グレーのスエット上下というラフないでたちなので、地元のかたでしょうか。
携帯電話を片耳にあてて何やらお話しながら、リラックスされた感じで路地を歩いてきます。
鉄柵が途切れて駐車場入口となり、再び鉄柵が始まるまでの幅3メートルくらいの空間では、その人と私を隔てる目隠しとなりそうなものは、お姉さまの背中しかありません。
その空間に差し掛かったとき、その人がふっとパーキングのほうに目を遣れば、ほんの5、6メートル先に、たやすく私の姿を認めることでしょう。
自らワンピースの裾をまくり上げ、えっちなおツユで汚れた銀色ショーツを、カメラに向かって丸出しにしている私の姿を。
もちろん、それ以前の鉄柵の格子越しでも、こちらに目を向ければ私が何をしているのかは、充分に認識できるはずです。
私の目の動きで、背後の路地に誰か現われたのは充分ご承知のはずなのに、お姉さまから、裾を戻してよい、というお許しは出ませんでした。
ずっとカメラのモニターを覗きこんだまま。
その唇が薄く微笑んでいらっしゃるように見えました。
男性は、もう入口のすぐそばまで進んでいました。
お電話しながら、そのお顔がフラフラ動くたびに、私の心臓がドッキンドッキン飛び跳ねます。
どうか気づかないで、そのまま通り過ぎてください・・・こっちを視ないで・・・
同じ言葉を心の中でお祈りのようにくりかえしました。
裾を握る両手が、小刻みに震えていました。
その男性が現われてから視界左端に消えるまで、実際には十数秒ほどだったでしょう。
でも私には、永遠のように長い時間に感じられました。
「スカート、戻していいわよ」
お姉さまのお声を聞いた途端、からだ中の力が一気に抜け、その場にへたり込みそうでした。
「誰かその道を通ったみたいね?」
お姉さまが背後を振り返り、路地を指さしました。
「は、はい・・・」
「直子ったら目がオドオドしちゃって、すごいキョドりかただったわよ。オトコ?オンナ?」
「男性です・・・」
「で、直子のことを見たの?」
「いえ・・・気がつかなかったみたいです。携帯電話に夢中だったみたいで、そのまま通り過ぎていきました」
「そう。それは残念だったわね」
「いえ・・・それは別に・・・あの、でも・・・はい・・・」
その人が私に気づかないまま駐車場入口を通り過ぎ、鉄柵の陰に隠れそうになったとき、私は急に、気づいてもらえないことが、残念に思えてきました。
お外でこんな破廉恥な姿を晒している私を、視て、驚いて、呆れて、蔑んで欲しいと、心の底から望んでいました。
さっきまでとは正反対に、遠ざかっていくその人の背中を目で追いながら心の中で、私を視て、このいやらしい姿に気がついて、って、見えなくなるまでお願いしました。
そして、そんなことをお願いしてしまっている自分のどうしようもないマゾ性に、甘美な陶酔を感じていたのも事実でした。
その人が男性だったのに、不思議と怖さを感じなかった理由が、お姉さまが傍にいてくださるから、なのも間違いありません。
「あたしが、残念だったわね、って言ったのは、そのオトコに対してよ。ちょこっと顔をこっちに向けさえすれば、間近で凄いヘンタイ女の姿を拝めたのにね、って」
お姉さまが呆れたようにおっしゃいました。
「そっか。直子も視てもらえなくて残念だったんだ。キョドりながらも妙に艶かしい淫らなドマゾ顔だったのは、そういうワケなのね?」
「・・・は、はい・・・」
自分でもコントロール出来ないほど、辱めを受けたい、という欲求が全身を駆け巡っていました。
「今日の直子は、完全に露出狂モードが覚醒しちゃったみたいね。愉しみだわ。良い絵がたくさん撮れそう」
お姉さまの左手が私の右手をギュッと握りました。
「さあ、出発しましょう」
恋人同士のように肩を寄せ合う今日のふたりは、ご主人様と、その言いなり露出ドレイ。
股間のローターが緩く振動し始めて、私は一瞬ビクン。
それでも、お言いつけ通り極力、何でも無いフリを取り繕って、昼下がりの街中へと一歩踏み出しました。
*
*オートクチュールのはずなのに 16へ
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