2024年5月25日

肌色休暇四日目~類に呼ばれた友 05

「そういうことなら、あたしたちもお弁当持ってきているからさ、みんなでランチタイムにしない?食事って大勢で食べたほうが美味しいし」

 明るく振る舞われるお姉さまのツルの一声で見知らぬ同士のお食事会があっさり決まり、庇の下のベンチ横にお姉さまご持参のシートを敷いて車座になって座り込み、ピクニックランチが始まりました。

「飲み物もたっぷりあるから、遠慮しないでどんどん飲んでね」

 お姉さまのお声にご反応されたのはポニーテイルの彼女。

「助かります。コンビニで飲み物も買ったんだけど歌うと喉乾くからじゃんじゃん飲んじゃって。菓子パンに飲み物無しはキツイなーって思ってたんです」

「あそこの水道、飲めるのかなー、なんて言ってたよね」

 すぐそばに、たぶん手洗いや校庭への水撒き用として腿くらいの高さに立っている、いかにも古そうな錆だらけの水道の蛇口を指さされて笑うのはメガネの彼女。
 笑顔になられると一層あどけなさが強調されます。

 幸いプラコップもたくさん入れておいてくださったので、まずはおのおのの好きな飲み物を入れてカンパーイ。
 私たちのお弁当は基本的に一昨日夜、名塚先生にお出ししたサンドイッチ類と具材は同じでしたが、クーラーボックスに入れていたぶんしっとりひんやりしていて、暑い陽射しの屋外で食べるといっそう美味しく感じられます。
 菓子パンふたつづつの女の子たちもご自分のを召し上がれた後、勧められるままにお手を出され、美味しい美味しいとパクつかれていました。

 そんなリラックスしたランチタイムの最中にお姉さまが巧みな話術で聞き出された情報。

 メガネの彼女が幼少期にこの近くに住んでおられ、うんと小さいときには、すでに廃校だったこの校庭でその頃のお友達と一緒に遊んでおられたそう。
 その当時は自由に出入りが出来て、別に管理されているようなご様子も無かったとのこと。
 ポニーテイルの彼女とメガネの彼女は小学校からのご学友で、メガネの彼女がここのご近所から別の町にお引越しされたのは小学校ご入学の前。
 中学では同じ学校に通ったものの三年間別々のクラスだったので徐々に疎遠になってしまったこと。

 高校ご入学で同じ部活に入られたことで再会され、急速に仲良しが復活されたこと。
 メガネの彼女がここのことをふと思い出され、ポニーテールの彼女を誘ったらすぐに乗ってこられて春以来、学校が休みの日に月2、3回はここに忍びこんでいるとのこと。
 ここに来るようになって自分たち以外の人に出会ったのは、お姉さまたちが初めてだということ、などでした。

 主にお話されているのはお姉さまとポニーテイルの彼女。
 私とメガネの彼女は相槌を打ったり、同意を求められてお返事したり程度ですが雰囲気は和気藹々としています。
 ただ、ときどき彼女たちおふたりの視線が私の首輪をチラ見してこられます。

 お姉さまとふたりだけにしては多すぎるなと思えたサンドイッチやフルーツもキレイに食べ尽くされました。
 恐るべし高校部活女子のご食欲。
 2リットル以上もあった飲み物も底が見えて、みなさまがまったりまどろむ頃。

「ごちそうさまでした。サンドイッチもメロンもすごく美味しかったです。ひょっとしてどこか有名なお店で買ってきたんですか?」

 お礼を言ってくださったのはポニーテイルの彼女。
 うんうんとメガネの彼女も頷かれています。

「ううん。あたしたちが泊まっている別荘の管理人さんの手作り。でもそんなに喜んでもらえたらあたしたちも嬉しいなあ。バッチリ伝えておくね」

 お姉さまが満面の笑みでおっしゃってから、ちょっとイタズラっぽいお顔に変わられます。

「ご馳走した代わり、って言ったらズルいけど、あなたたちの歌、もう一度聞きたいな。すっごく綺麗だったから今度は間近で」

 屈託ないお姉さまのリクエストに、えーっ!とハモられ、みるみる赤くなって照れ笑いを浮かべられるおふたり。

「あなたたち演劇部なんでしょ?だったらいずれお客さんの前で歌うことになるじゃない。場馴れしなきゃ。あたしたちが一番最初のお客さんになってあげる」

 励ますようにおやさしくおっしゃるお姉さまのお言葉に、おふたりで急遽コソコソなにやらご相談。
 まとまったみたいで、おふたりともその場に立ち上がられ、ポニーテイルの彼女がお一言。

「だったら、お礼の意味も込めて一番だけ、やります」

「おーけー」

 お姉さまが即答されパチパチパチと大きな拍手。
 もちろん私も一緒にパチパチパチ。

「んーーーー…」

 最初にソプラノのハミングで音程を取るようです。
 私の予想に反して高いほうのソプラノはメガネの彼女でした。
 そこにポニーテイルの彼女の、んーーー、という低めのハミングが綺麗にハモりました。

「ざーあいん、くなーばいん、るーすらいんしゅてぃん…」

 ハミングが途切れると唐突にお歌が始まります。
 主旋律はメガネの彼女、そのたぶん三度下をポニーテイルの彼女が綺麗にハモっていきます。
 近くで聞くとおふたりのお声それぞれに艶があり、ぴったりと寄り添って進んでいく感じ。
 知らずにまた遠くの青空に目線を走らせているうちにワンコーラスがあっさり終わってしまいました。

 パチパチパチ…
 お姉さまと私で渾身の大拍手。

「素晴らしー、バラスーシ。ねえねえあなたたちって絶対音感とか持っているの?」

 お姉さまがご興奮気味にお尋ねになります。

「あ、ふたりともそんなの無いと思いますけど…」

 照れたようにお顔を紅潮させられてお応えになるポニーティルの彼女。
 しばしの満ち足りた沈黙の後、メガネの彼女がポツンとおっしゃいました。

「お姉さんたちはモデルさんとかタレントさんだったりするんですか?」

「なんでそう思ったの?」

 お姉さまが否定も肯定もされず、逆にフレンドリーに聞き返されます。

「だっておふたりともお綺麗だし、こっちの人は首輪なんかしちゃって普通ぽくないし、そのバッグの中にビデオカメラが見えたから、後から撮影隊の人なんかも来て何かこう、そういうビデオの撮影でもするのかなー、なんて」

 メガネの彼女がときどき宙に目を泳がせられながら、考え考えお言葉を紡いでいます。

「綺麗って言われて嬉しいんだけれど、残念ながらあたしたちはタレントとかじゃもちろんなくて、近くの別荘に遊びに来ているただの観光客」
「でもここでこの子をモデルにしてビデオを撮ろうかなと思っているのは当たり。あたしが撮るんだけどね、ただのプライベートな趣味として」

 お姉さまがバッグからビデオカメラを取り出されながおっしゃいます。
 カメラのベルトを右手に嵌められてレンズを彼女たちに向けながら、唐突に大きなお声をお出しになりました。

「あー、失敗したーっ!さっきあなたたちが歌ってくれたのも撮っておけばよかった。いい旅の思い出になったのに…」

 照れ笑いを浮かべられる彼女たちを撮影しつつ、悔しそうなご表情を作られるお姉さま。

「ねえ、申し訳無いんだけど、もう一回だけ歌ってくれない?」

 本当に申し訳無さそうにビデオカメラを嵌めたままの右手と左手を合わせられ拝むような仕草。
 おふたり、しばしお顔を見合わされ戸惑ったようにされていましたが、すぐに、

「いいですよ。誰かに見られていたほうが緊張感があって練習になるし、わたしたち、人前に出てこその演劇部員ですから」

 ポニーテイルの彼女が笑いながらあっさりおーけーしてくださいました。

 もう少し明るいところで撮ろうと庇から出て青空の下、お姉さまのレンズがおふたりを真正面から狙われています。
 庇から出ると太陽燦々、校庭特有のお砂混じりな土の上に二対二で向き合います。
 さっきみたいにハミングからお歌へと入られ、美しすぎるハーモニーが青空へと消えていきます。
 さっきよりも一層お声に艶が増しているみたい、と思っているうちに一番が終わり、私たちは盛大な拍手。

「ありがとう。この夏の素敵な思い出がひとつ増えたわ」

 お姉さまはカメラを構えられたまま右腕の手首付近に左手を打ちつけて拍手されていました。
 あれだと拍手の音が大きく録音されてしまうし、手ブレもひどそう。

「あなたたちって、ハモりもピッタリ寄り添っているみたいで、歌っているときも頻繁に視線交わしててすっごく仲良さそうなんだけど、ひょっとして普段から百合なご関係なのかしら?ガールズラヴ的な意味の」

 お姉さまがカメラを下ろされ、イタズラっぽいお顔になられておふたりに尋ねられます。
 おふたりとも一瞬、虚を衝かれたようなお顔になられ、すぐにおふたりとも頬が赤く染まりました。

「ち、ちがいます!」
「そんな感じです」

 おふたりの声がほぼ同時に重なりました。
 大きなお声で、ちがいます!と言い放ったのはポニーテイルの彼女。
 普通のお声で、そんな感じです、とおっしゃったのはメガネの彼女。
 ポニーテイルの彼女のほうだけ、まだお顔が上気されています。

「あれー、意見が割れちゃったねー。でもまあ深く追求はしないであげましょう」

 お姉さまがご愉快そうにおふたりを眺められ、こうつづけられました。

「あたしたちはね、レズビアンなの。あたしとこの子はね、心もからだも深ーく愛し愛され合っているの」

 なんて嬉しいお言葉。
 でも彼女たちおふたりのお顔は、呆気に取られたような驚愕のご表情。

「あ、でも誤解の無いように言っておくと、この子はこう見えてちゃんと成人しているからね。今日のこの格好はすごく幼く見えるけれど、ここの、学校っていうシチュエーションに合わせて着せたコスプレだから。ちゃんと大人の女性同士として愛し合っているの」

 相変わらずの笑顔で明るくおっしゃるお姉さま。

「へー、そうなんですか…」

 ポニーテイルの彼女がお独り言のようにポツリと返されます。
 おふたりの私たちを見るまなざしが驚愕から好奇心の側へと徐々に移り変わられているような気がします。

 このとき私は、お姉さまがこのおふたりを巻き込まれて私を辱めるおつもりだな、と察しました。
 見知らぬ年下の女性たちの前で、という状況に、私の被虐心がムラムラ疼き始めています。

「それに加えてあたしたちはSMの関係でもあるの。あ、SMって知ってる?」

 お姉さまがお尋ねになると、メガネの彼女さまがおずおずとお応えくださいます。

「虐めたり虐められたりするえっちな関係のことですよね?…縄で縛ったり鞭でぶったりして…」

 何となく恥ずかしそうに言いづらそうにお応えくださるメガネの彼女さま。
 ポニーテイルの彼女さまのほうは、ポカンとお口をお開けになって、未だ信じられないというご表情。

「そう、正解。じゃあ、あたしとこの子、どっちがM、エムのほうがマゾっていう虐められる側なんだけど、どっちがMだと思う?」

 フレンドリーなお姉さまのお尋ねに、おふたりとも無言で私のほうを指さされました。

「だって首輪なんて着けちゃってるし」

 なんとなく上から目線を感じさせるメガネの彼女さまのつぶやき。

「正解。でもね、SMの関係には愛が必要なのよ。ただのいやがらせみたいに相手の嫌がることして虐めるのはただのイジメ。SMっていうのは相手のして欲しいことを愛情込めて察してあげて、お互いに気持ち良くなることが重要なのね」
「Mの人っていうのは、痛いのだったり恥ずかしいめに遭わせられるのが好きだったりするんだけど、それをよく理解してあげて、Mの人が自分でもコントロール出来ないどうしようもない願望を一番気持ち良く感じるような状況に追い込む感じで采配するのが、Sの人のほうの醍醐味であり快感でもあるのよ」
「そんな感じだからあたしたちは…」

 お姉さまの立板に水のご説明がふと途切れ、ビデオカメラを右手から外されたお姉さまがポニーテイルの彼女さまに近づかれて、そのカメラを手渡されます。

「あなた、センス有りそうだからこのカメラでこれからあたしたちがすることを撮影してくれない?使い方わからなくても録画ボタンはもう押してあるから、あなたの思った通りにレンズ向けるだけでいいから」

「あ、大丈夫です。わたし、よく舞台稽古も撮っているし、このカメラってママの、あ、いえ、母親が使っているのと同じメーカーみたいだから」

 突然、撮影役にご任命されたポニーテイルさまが照れ笑いされながらも、レンズをこちらに向けて液晶モニターを覗き込まれます。
 レンズが正しくこちらに向いていることをご確認され、お姉さまがやおら私を抱き寄せてくださいました。

「だからあたしたちは、こんなことも…」

 おっしゃってから私の顎に右手を添えられ、私の唇をご自分の唇で塞がれたお姉さま。
 お姉さまの長い舌が私の口腔に侵入してこられ、私の舌が捻じ伏せられます。
 同時にお姉さまの両腕に私の背中が締め付けられて、息も出来ないほど抱きすくめられます。

 数秒間の熱いくちづけが離れて、私の口からはよだれがダラダラ。
 セーラー服の白い布地を汚してしまいました。
 構わずにつづけられるお姉さま。

「それから、こんなことも出来るのよ」

 抱擁の状態から一転して、私から一歩退いたお姉さまの右手が一閃。
 パチンパチンと小気味良い音を響かせて私の左頬、右頬への往復ビンタ!
 一昨日に名塚先生からいただいた強烈ビンタほどではありませんでしたが、かなりの本気ビンタでした。

「キスもビンタも、この子がして欲しいと思っているからしてあげるの。そうよね、直子?」

 あっさり私の名前をバラしてしまわれるお姉さま。
 久々に名前を呼ばれて、なぜだかビクンと震えてしまう私。

「は、はい…」

 お姉さまに必要とされていることが嬉しくてニヤけてしまいそうな顔を無理矢理引き締めて、殊勝そうにうつむいて応える私。
 好奇心で目を爛々と輝かせているメガネの彼女さま。
 固唾を呑んで、思い詰めたようなご表情でビデオカメラの液晶モニタを覗かれているポニーテイルさま。

「あら、ちょっと引かれちゃったみたい。そんな深刻なことじゃないのよ。あたしたちはこれで愉しんでいるのだから」
「この子は甘いキスも、ほっぺたやお尻を思い切りぶたれるのも、どちらも大好きなのよ。もちろんやっているあたしもね」
「だからこの子には飴と鞭は通用しないの。飴も鞭も、辛いお仕置きだって全部がご褒美になっちゃうから」

 あくまでフレンドリーなお姉さまが、主にポニーテイルさまに向けて語りかけていらっしゃいます。

「そうだ、びっくりさせちゃったお詫びとして、あなたたちにこの子の裸、見せてあげようか?」

 今度はメガネの彼女さまに向けてニヤニヤ笑顔でご提案されるお姉さま。

「えーっ、そんなこと言って、次はわたしたちの裸も、なんて言われても嫌ですからねー」

 メガネの彼女さまがご冗談のように返されます。
 メガネの彼女さまはどんどんノッてこられたようなご様子。

「ううん、そんなこと絶対に言わないわ。なぜならこの子、あ、ちゃんと紹介していなかったわね。森下直子っていうんだけど、直子は誰かに自分の恥ずかしい姿を視られるのが大好きだから。今だって恥ずかしい格好になりたくてなりたくてウズウズしているはずよ」

「へー、露出願望もあるヘンタイさんなんだー」

 お姉さまがメガネの彼女さまのお顔を笑顔で見つめられ、うんうんと嬉しそうに頷かれています。
 お姉さまとメガネの彼女さま、すっかり意気投合されちゃったみたい。
 本名の姓までバラされて私の恥ずかしさも一段ヒートアップ。

「そうよね、直子?」

 お姉さまから同意を求められて思わず、は、はい、とお応えしてしまう私。

「だったらちゃんと自分でおふたりにお願いしなければ駄目じゃない。私の恥ずかしい姿をどうぞじっくり視てください、って」

 左頬に本気ビンタを頂きながら叱責される私。

「は、はい…よ、よろしければどうぞ、私の淫乱でだらしないからだを思う存分隅々までご覧になって、ヘンタイとさ、蔑んで笑ってください。お、お願いします…」

 いやらしくへりくだった言葉を自分で口に出しながら、マゾマンコの奥がキュンキュン疼いています。
 私、見知らぬ年下の高校一年生女子の方々の慰み者になってしまうんだ…

「淫乱てわかるよね、いやらしくてどスケベなこと。まったくこの直子は、命令しているあたしのほうが恥ずかしくなるくらいのど変態なんだから」

 苦笑いなお姉さまと、好奇のまなざしに嗜虐的な色が混ざりつつあるメガネの彼女さま。
 ポニーテイルさまはただただ食い入るように液晶モニタを覗かれています。

「それじゃあまず手始めに、自分でスカートを捲り上げて、ど淫乱な直子の下半身がどんな状態になっているのかを視ていただきなさい」

 私にご命令くださると同時におふたりにもご説明を加えられるお姉さま。

「この子のアソコってスゴイのよ。まあ視てもらえばわかると思うけど」

 お姉さまに促され、自分のプリーツスカートの裾を両手で掴み、ソロリソロリと持ち上げていく恥ずかしさ。
 やがて両手が自分のおへその上まで持ち上がると、どこから取り出されたのか木製洗濯バサミをおふたつ差し出されるお姉さま。

 これでスカートの裾をウエスト部分に留めて、捲り上げっ放しな状態にしなさい、という意味でしょう。
 ご命令通り洗濯バサミを取り付けた後、自然と私の両手が自分の後頭部にいってしまいます。

「うわっ、凄いちっちゃいパンツ…それに毛がない」

 すぐに素直なご感想をお口に出されたのはメガネの彼女さま。
 ポニーテイルさまも食い入るように液晶モニタを覗き込まれてから、お顔だけ上げられて実物と見比べていらっしゃいます。

 恥丘丸出しでかろうじて割れ始めからが隠されている私のマゾマンコ。
 もし後ろを向けばお尻の穴さえ丸出しです。
 必要最低限のお仕事しかしてくださらない水色のブーメランショーツさま。

「そうね。本当に破廉恥な下着だこと。その他に気がついた点はない?」

 お姉さまが本当に嬉しそうにメガネの彼女さまにお尋ねになられます。

「内腿の付け根のところだけパンツが大きく濡れて湿ってるみたい。ほら、布地の色がそこだけ濃くなってる」

 ズバリ的確なご指摘を突き付けてこられるメガネの彼女さま。
 好奇心丸出しなおふたりから浴びせられる熱視線に、私のだらしないマゾマンコはしとどに濡れそぼってしまっています。

「なんで濡れているのかはわかるわよね?こんなに恥ずかし過ぎることをやらされているのに、この子はそれが気持ち良くて愛液を膣奥から滴らせているの。本当にとんでもなく変態な見せる子ちゃんなのよね」

 五十嵐さまが角田さまに私を紹介されたときに付けられたニックネーム。
 お姉さまからのお言葉責めでますます広がる私の恥ずかしいシミ。
 お姉さまに呆れられ蔑まされ、性懲りも無く更にどんどん感じてしまう、私の円環の悪循環…


2024年5月18日

肌色休暇四日目~類に呼ばれた友 04

 ここでお姉さまからハイソックスを穿くことを命じられました。
 ほとんど裸のからだを屈めてソックスを穿きます。

 ふくらはぎの三分の二くらいまで隠れる白いハイソックスを右、左と穿いていきます。
 下着というか水着というかインナーが布極小の超えっちな感じですから、白ソックスを穿くと妙にそこだけ学生度というか健全度が増して、ますます超えっちな感じになりました。

「セーラー服着るんなら靴下も三つ折りにしたほうが、より雰囲気が出るんじゃないかな?」

 お珍しく角田さまがご意見を述べられ、みなさま、それもそうだ、と即採用。
 五十嵐さまの手で足首のところまで三つ折りに折られ、女学生度がますます増して、えっちさに一層の磨きがかかります。

 卑猥なインナー姿から一転して、その上に着るのは清楚なセーラー服。
 かぶって着るものもあるようですが、そのセーラー服は前面の真ん中にファスナーが隠れていて、前開きで着る着脱が楽な仕様。

 私は中学、高校とブレザーだったので、制服としてのセーラー服を着たことはありません。
 記憶に残っているのは高校のとき、やよい先生、今はバーのママさまで当時はバレエ教室で私の担当講師だった百合草やよいママさま、としたえっちなロールプレイング遊びでコスプレしての学園調教ごっこでしたから、セーラー服イコールえっちなイメージのほうが大きい感じ。
 今回もこれからそうなりそうですけれど。

「あたし中学セーラーだったからさ。今でもまだ覚えているもんだね、三角タイ」

 膝上10センチくらいのプリーツスカートを穿いてから、スカーフはお姉さまが綺麗に結んでくださいました。
 お姉さまのセーラー服姿、ぜひ拝見したいです。

 すっかり身なりが整うとみなさま一斉に、あらかわいい、一気に幼くなったね、まあ二、三年前までは高校生だったんだし、等々ご感想の嵐。
 お姉さまが私の姿を満面の笑みで眺めながらおっしゃいます。

「ここまで可愛いと髪もいじって、もっと可憐にしてあげたくなるわね」

 椅子に座らされ、お姉さまの手が私の髪に触れてきます。

「うーん、三つ編みおさげにするにはちょっと長さが足りないかな。でもまあ上のほうから編み込んでカチューシャみたいにしたらもっと子供っぽくなってより可愛いかも」

 お姉さまが側頭部の髪の毛を弄り始め、ゴムやヘアピンを駆使されて、ものの数分で前髪ハラリの編み込みカチューシャ風が出来上がったようでした。

「確かに可愛いけどさ、一気にジェイシーまで若返ってかなりロリめでヤバくない?あんな水着を下に着せてるんだから、どうせセーラーもすぐにはだけさせちゃうんだろうし」

「見た目が幼くなった分ハンザイくささが増したよね。今だって首輪だけ違和感バリバリで、この子の不幸な結末しか見えない感じ」

 五十嵐さま中村さまの順で、半分からかうみたいに率直なご感想。
 寺田さまが笑いながら私の目前にクラシカルな装飾の施された手鏡をかざしてくださいました。

 鏡に映るのは、編み込んだ髪の毛で前頭葉の後ろめをカチューシャのように飾った軽い前髪な童顔の女子。
 首から下は可憐なセーラー服姿なのですが、首に巻かれたくすんだ赤い首輪がすべてをぶち壊していました。
 首輪をしていることでユーカイとかラチカンキン、ミセイネンインコウとかの単語がパッと頭に浮かび、ハンザイの匂いがプンプンします。

「いいのよ。どうせ誰に見られるわけでもないし、これから行くところにもぴったりな雰囲気じゃない。ご期待通りにハンザイくさい映像をたっぷり撮ってくるわ」

 お姉さまが余裕の笑顔でご意見をまとめられます。

「ここまでしたら足元も茶色のローファーで、ってなるけれど、さすがにそんなのは無いわよねぇ」

 お姉さまが笑顔のままおっしゃると、すかさずお応えになる寺田さま。

「あ、でも焦げ茶色のサンダルならあるよ、クロックス。あれなら見た目もローファーぽくない?出かけるときまでに出しといてあげる」

 いつの間にかお席を外されて厨房に通じるドアの向こうに入られていた中村さまが、大きな箱を提げて戻られます。

「はい、これがランチのお弁当。サンドイッチとフルーツだからクーラーボックスに入れといた」
「目的地も私有地内で自販機とかコンビニは無いから紅茶と緑茶の大きめなペットボトルも入れといた。少し重たいかもしれないけど」

 お姉さまのお足元に大きめなクーラーボックスが置かれます。

「それじゃあ寺ちゃん、車借りるね。イギリス車、運転するの初めてだから楽しみ」

 お姉さまがおっしゃると寺田さまが苦笑い。

「いやいや、ミニはとっくに買収されてて今はドイツ製だから」

「あ、そうなの?イギリス車だから右ハンドルじゃないの?」

「いやいや、輸出仕様車。そんなこと言ったらエミリーのドイツ車だって右ハンドルじゃない」

 おふたりで私にはワケの分からない会話をされて大笑い。

 お姉さまはボートネックでルーズフィットなスカイブルーのチュニックに黒のスリムジーンズ姿で、何やら詰め込んだ小さめなトートバッグを肩から提げられ右手にクーラーボックスを持たれ、私はスマホとローター一式だけを入れたポシェットをセーラー姿に斜めがけにして正面玄関へ。
 みなさまがぞろぞろと玄関まで見送ってくださいます。

「直ちゃんのはそれね」

 寺田さまのお言葉で足元を見ると焦げ茶色のサンダルがご用意されていました。

「確かにローファーに見えないこともないわね」

 おっしゃりながらお姉さまも裸足に真っ白なスニーカーを履かれました。

「ゆっくりふたりで愉しんでくるといいよ」
「あっちで撮った動画も楽しみにしてるから」
「さっきメールがあって、こっちに着くのは三時くらいになりそうだって」

 みなさま口々のお見送りのお言葉を背中に受けつつ快晴なお外に出ます。
 正門ではなく建物の裏手にある駐車場のほうへ。
 あらためて考えると駐車場に入るのはここに来て初めてでした。

 お車10台は優に駐められそうな長方形に舗装された一画。
 でも白線とかは引かれておらず、それでも整然とお車が前向きに並んでいます。
 お姉さまのお車、昨日乗ってきた五十嵐さまのお車、昨日の朝ジョセフィーヌさまのお散歩のときに出くわした寺田さまが運転されて名塚先生が同乗されていたお車。
 少し離れたところには、白くて可愛らしい感じのお車とスポーティな感じの大きなオートバイも駐められています。

 お姉さまは、昨日寺田さまと名塚先生が乗られていたオレンジ色で可愛い感じのお車に近づかれ、リモコンをピッ。
 お車のヘッドライトが瞬いてから後部右のドアを開けられ、お荷物を積み込みました。

「ほら、直子は助手席に乗って」

 お姉さまに促され助手席へ。
 私がシートベルトしているあいだ、お姉さまが眼前の計器類とにらめっこされていましたが、やがてどこかのボタンを押すとピッと電子音がしてブルルンとエンジンがかかりました。
 同時に何やら賑やかな音楽が耳障りではないくらいの音量で車内に流れ始めます。

「ボン・ジョビね。名塚先生、彼らの大ファンなんだって、あのお年で。この車には彼らのアルバムが全部入ってて、ドライブ中はボン・ジョビしか流れない、って寺っちが笑っていたわ」

 ボン・ジョビさまがどんな人?バンド?かまったく知らない私にとってはお役に立たない情報をお姉さまが教えてくださり、お車が滑るように走り始めます。
 半分開けた車窓から晩夏の陽射しと山間の爽やかな風。
 どうやら昨日ショッピングモールへ向かった道順と同じルートを辿るようです。

 お車内ではえっちなイタズラとかはまったくされず、今朝話題になった、先週ここを訪れたピアノのお上手なM女さま、私のピアノの先生でもあった大貫ゆうこさまに関するご質問責めでした。

 私が中学校の頃、実家のお庭で母たちと水着パーティをしたときにベージュの紐ビキニを着られて恥ずかしそうにしていたかた、高三の頃、そのかたのご自宅にレッスンで伺ったら恥丘まで見えるウルトラローライズジーンズでお出迎えしてくださったかた、とご説明すると、あ、その話なら聞いたことあった気がする、とお姉さまがおっしゃってくださいました。

 高三以降、ゆうこ先生、この呼名が一番しっくりくるので、こう呼ばせていただきます、のご印象が私の中で希薄になってしまったのには理由がありました。

 ゆうこ先生の音楽関係のお仕事がお忙しくなってしまい、東京へお引越しされて少し経った頃、確か梅雨が明けるかどうかの頃だったと思います。
 休日のリビングでまったりしていた私に夕飯のお買い物から帰ってきた母が、少し興奮気味に声をかけてきました。

「ねえねえ直ちゃん、この写真の女の人、大貫先生じゃない?」

 見せられたのは写真週刊誌の見開きページ。
 そこには、当時人気のあった男性アイドルグループのおひとりと、目のところに黒く目隠し線の入った妙齢の女性がスーパーかコンビニかで仲睦まじくお買い物する隠し撮り写真と、どこかのマンション入口へ肩寄せ合って入っていく横顔の写真がありました。

 その記事には、スクープ!人気アイドル、忍び逢うお泊り愛、なんていう見出しで、そのマンションは写真の女性作曲家が住んでいるところであり、その女性はアイドルグループの次の新曲の作編曲を手掛けることになっている、なんてことが書いてありました。

 なんでも母はお昼頃、見るともなしに点けていたテレビのワイドショーでこの記事が紹介されて興味を持ち、お買い物のときにわざわざ書店さんに寄って写真週刊誌を買ってきたそうです。

 母はなんだか自分のことのようにウキウキして、ゲーノー界はすごいわよね、なんて言ってはしゃぎ気味でしたが、私は大ショックでした。
 私も、ゆうこ先生がそのアイドルに曲を書くらしいということは学校の芸能通のお友達から聞いていたし、写真に映る女性が着られている七分袖のチュニックは私にも見覚えのあるものでした。
 写真の女性はゆうこ先生に間違いありませんでした。

 母には気落ちを悟られないように気を遣いつつ夜、自分の部屋でひとりになってから落ち込みました。
 裏切られた気持ちでした。
 東京に行った途端に、そんな芸能人とチャラチャラされて、という妬みのような反感もあったと思います。

 でも考えてみればゆうこ先生は一度は男性とも結婚されているし、レズビアン一筋というよりはバイセクシャルなのでしょう。
 ご自分でも女性に対するときはM、男性に対してはSとおっしゃっていたし。

 それでもこの仕打ちは私にとっては裏切り行為であり、とてもがっかりしました。
 ゆうこ先生とした、めくるめく夢のようなSMごっこが全部汚されたような気持ちでした。
 そんな感じで、私にとってのゆうこ先生とのあれこれは完全に過ぎた思い出と化し、私の中でゆうこ先生の存在感がどんどん希薄となっていったのです。

 たまに名塚先生の作品を読み返したときにお顔とお名前を思い出す程度。
 その頃は、その作品をどなたが書かれたかなんてことはまったく気にしていなかったのですが。

 だから今日、ゆうこ先生と立花レイカさまとのご関係がつづいていて、レイカさまのマゾペットのようなこともまだされていると知れて、すっごく嬉しくなりました。
 音楽の世界でご活躍されているようなのに、ちゃんと昔からのえっちな性癖も持続されているのが私の知っていたゆうこ先生らしくて。
 
 名塚先生の作品を教えてくださったゆうこ先生の近況を、名塚先生の別荘で聞くという偶然に、不思議なご縁を感じると共に世間て案外狭いなとも感じます。
 百合草ママさまのお店にも行かれているようなので、いつか再会出来るといいな、と思っています。
 
 そんなようなことをお姉さまにご説明していたら、お車が見覚えのあるところに出ました。

 昨日ショッピングモールへ向かう途中にあった、延々つづいていた森林が突然途切れ、草ばかり生い茂る平地。
 しばらく進むと、昨日私が、お寺か神社かな、と思った木造二階建ての大きめな建物が見えます。
 その道向かいの草ぼうぼうな空き地にお車が駐められてエンジンを切ると、ボン・ジョビさまの威勢の良い音楽もプツンと切れました。

「あの建物のところへ行くのですか?」

 お姉さまにお尋ねします。

「そう。ずいぶん前に廃校になった小学校跡なんだって」

 お姉さまがバッグの中を覗き込みながらお応えくださいます。

「なんだか廃校後に土地の権利関係とかがややこしかったらしくて、長年色々揉めた後なぜだかうやむやになって、ここらへん一帯を買い取ったったときに、学校も一緒にタダで付いてきたらしいの」

 お姉さまが笑いながらご説明してくださいます。

「校舎とか建物内の管理は新たに契約した別の人がやっているらしくて、整備してドラマや映画のロケにときどき貸し出しているらしい。アダルトビデオの撮影とかにもね」
「名塚先生はなんたって土地の所有者のおひとりだから、その関係者の敷地への出入りはもちろん自由、っていう話だったわね」

 お荷物の整理が終わったらしくトートバッグを手に取られたお姉さまがお車のドアを開けられます。

「直子のポシェットもあたしのバッグに入れといてあげるから、直子は手ぶらで着いてきなさい」
「今ちょうど12時だから、ピクニックみたく校庭でランチしてから、ふたりでゆっくり愉しみましょう。小学校跡ならブランコとか低い鉄棒とかもあるでしょうし」

 意味深なことをおっしゃいつつ、クーラーボックスを持たれて草むらをのんびり歩かれるお姉さまと手ぶらの私。
 太陽はほぼ真上に来ていますが爽やかなそよ風も吹いているので、蒸し暑さはほとんど感じない、まさにピクニック日和。

 お車で走ってきた道路を越えて、草だらけの道なき道を建物の正門らしきほうへと近づいているとき、そよ風に乗って女性のコーラスらしき可憐な歌声が小さく聞こえてきました。

「…りーすらい、りーすらい、りーすらいぅをー、りーすらい、あぉふでるはーいでん…」

 このお歌は、確かシューベルトさまの野ばら…
 でもメロディが三拍子だからウェルナーさまのほうかな…

 正門が近づくにつれてハッキリ聞こえ来る心地よいメロディ。
 伴奏なしのアカペラで、私の知っている日本語の歌詞ではなく、どうやら原語、確かドイツ語のようです。
 声量はそんなにないけれど、透き通るようにきれいなソプラノ二声のハーモニー。
 歌っているのはどうやらおふたりの女性のようです。

「…りーすらい、りーすらい、りーすらいぅをー、りーすらい、あぉふでるはーいでん」

 馴染のあるメロディの余韻が青空に溶けて、しばらく無音がつづきました。
 そのあいだも正門方向へ歩を進めていると、んーー、という綺麗なハミングが聞こえてきて、すぐに同じお歌の歌い出しのハーモニー。
 どうやらもう一度聞かせていただけるみたい。

 お姉さまがバッグからビデオカメラを取り出され、ゆっくり歩きながら撮影を始められます。
 レンズを向けているのは正門の方向。
 このメロディが流れている景色を記録として残したいと思われたのでしょう。

 綺麗…
 晴れ渡った青空に吸い込まれていくような歌声が心地よく、思わずお空を見上げてしまいます。
 いつまでも聞いていたい感じ。
 お姉さまはと見ると、カメラは正門に向けたままお顔を心持ちお空に上げられて、歌声に耳を澄まされながら目を瞑っていらっしゃいました。

「なんか先客が居るみたいね」

 私のほうを向かれたお姉さまが嬉しそうにおっしゃいます。

「女の子ふたりみたいだし、これは面白いことになるかも」

 イタズラっぽく笑われるお姉さま。
 校門と思われる閉ざされた正門までやって来るあいだ中、ずっとそのお綺麗な歌声が聞こえています。
 お姉さまはお歌の区切りのよいところでカメラを下ろされ、再びバッグにしまわれました。

 正門には錆だらけだけれどご立派な鉄製で横開きの大きな門があり、ぴったり閉ざされています。
 関係者以外立入禁止、と太字で書かれた大きめのプレートが門の中央にドーン。

 そのまわりを敷地を囲んで低めで目の粗い金網が巡らされているのですが穴だらけで、優に人ひとりが通れるくらいの穴がいくつか空いていました。
 門のものものしさの割に人の出入りに対しては寛大みたい。
 その正門の前に、学生さんが好んで乗られそうなカラフルに洒落た自転車が二台停められていました。

 お姉さまは頑丈そうな正門脇にある人ひとりが通れるくらいの通用門ぽい鉄製のドアを律儀に鍵で開けられ、小学校跡の敷地内に入られます。

「ほら、一応ここの鍵も預かってきたからさ」

 照れたように笑われるお姉さま。
 つづいて私もそのドアをくぐります。

 敷地内、たぶん校庭だったと思われる部分は、どなたかがたまにお手入れをされているらしく雑草もまばら、ちゃんと地面が見える校庭然としています。
 校庭の片隅には幾つか高さの違う鉄棒や、三基のブランコ、ひとつは片方の鎖が切れていましたが、や、ぶら下がって遊ぶ雲梯みたいな器具も見えました。
 
 自分の目線を十メートルくらい先の校舎の入口であろう庇に覆われた一画に戻すと同時に、三番まで歌われたメロディの最後の一節が青い空に吸い込まれていきました。

「あ、ここって入っちゃいけなかったですよね、ごめんなさい、すぐに帰ります」

 庇のほうから知らない女性のよく通るお声がしました。
 あらためてそちらを見遣ると庇の下に置かれたベンチから慌てて立ち上がられ、こちらへ向かって大きくお辞儀をされるふたつの人影がわかりました。
 その人影たちがタッタッタとこちらに駆け出して来られます。

「管理の人ですよね?ここ、昔よく来てて遊んでて、ふと思い出して急に来たくなって、ごめんなさい。あ、金網に穴開けたのは誓ってわたしたちじゃありません。すぐに出ていきますんで…」

 学校指定らしい、半袖で下は膝までの短パンなえんじ色のお揃いジャージを身に着けた学生さんぽい女の子おふたり。
 おひとりは、私と同じくらいの背格好で活発そうなくっきりしたお顔立ちのひっつめ髪なポニーテイル。
 もうおひとりは、ポニーテイルの子より少し背が低く、耳出しのマッシュ気味なショートヘアに淡いグレーなボストン風セルフレームのメガネがよくお似合いな、お勉強出来そうなタイプ。
 
 おふたりともお顔のタイプは違いますが小顔でお目々パッチリ、まだあどけなさも残る美人さんたち。
 私たちに焦って喋っておられるのはポニーテイルさんのほう。

「いやいや、そんなに焦らなくていいから。あたしたちは管理人でもなんでもなくて、一応ここの持ち主の許可を得てここにピクニックしにきただけだから」

 あくまでフレンドリーに見知らぬおふたりをなだめられるお姉さま。

「それよりもあなたたちの歌声、すっごくキレイだったわよ。こう、青空に透き通って透明に溶け込んでいく感じで。あなたたちって合唱部か何か?」

 おふたりに安心感を抱かせつつ、なおかつ話題を拡げていく話術。
 お姉さまってば、こういうの本当にお上手で羨ましくなります。

 あっさり打ち解けられたおふたりからお姉さまが聞き出した情報によると、おふたりは近くの高校に通う一年生で演劇部所属、次の文化祭でご披露する劇で、おふたりがアカペラで歌われるシーンがあるとのことで練習されていたとのこと。
 
 今日は土曜日で学校はお休みだけれど、午後二時から部活の通し稽古があるので、早くからここに来て練習されていたそう。
 お昼も途中のコンビニでおのおの菓子パンを買われてここで済まされる予定で、その後自転車で学校へ向かわれるつもりだった、ということを安堵したお顔でスラスラとご説明くださいました。


2024年5月11日

肌色休暇四日目~類に呼ばれた友 03

「ほら、直子の尻尾。洩れちゃったおツユや飛沫で毛並みがだいぶ汚れちゃったから、水洗いしておくといい。この天気なら日向に干せばすぐ乾くでしょ」

 自分の世界に入り込んで絶望していた私の前に、さも汚いもののように尻尾の先っちょを指先でつまんでぶら下げられた五十嵐さまがいらっしゃいました。
 私の鼻先に尻尾の濡れそぼって少し臭うプラグ部分がブラブラ揺れています。
 いつの間にかジョセフィーヌさまも私に寄り添うように私の背中側にお座りになられ、私の背中や脇腹を舐めてくださっています。

「ジョセのうんちも埋めといたから。ジョセがうちの服引っ張って、した場所を教えてくれたんだ。本当に賢い犬だよね」

 私も同感ですが、それについては何も応えられず五十嵐さまには心の中で感謝して、濡れたプラグ部分をかまわず手に握り、五十嵐さまから尻尾プラグを受け取ります。
 なんとか堪えていた私の目尻から涙が一粒二粒、溢れました。

「これからジョセと遊んであげるんでしょ?いつまでもくよくよしていないで切り替えなさい」
「けっこう飛沫が跳ねてたから直子のお尻も洗ったほうがいいし、一度東屋の水道のところに行こう」

 五十嵐さまに右腕を引っ張られ、のっそりと立ち上がります。
 芝生の上をおふたりと一頭に遅れがちになりながら、トボトボ歩いていきます。

「凄かった。この子が悲痛な声で絶叫したときには鳥肌立った」

 お珍しく角田さまが口火を切られて五十嵐さまに話しかけられています。

「うん。うちもある意味感動したよ。すべてをさらけ出してこそのマゾだし、直子もイイ線いってるよね」
「イッちゃってるマゾヒストって人権も放棄しちゃうらしいからね、自分で奴隷誓約書とか書いちゃって」

「あんな恥ずかし過ぎること出来るのはAVの女優だけだと思ってたから、現実に眼の前で生身の見知った女子が凄いことしてて、驚いた」

「マゾヒストってたぶんそれぞれに香ばしい被虐願望を持ってるんだろうけど、たいていは頭の中で人知れず妄想するだけで、実行まで出来る人ってそうはいないよね」

 褒められているのだか、からかわれているだけなのかわからないおふたりの会話を聞きながら、水道のお水でお尻を洗います。
 冷たいお水が気持ちいい。
 尻尾プラグも丁寧に水洗いして、東屋の軒先に洗濯バサミでぶら下げました。

「凄いもの見た動揺と緊張が解けたせいか、お腹空いちゃった」

 角田さまがお独り言のようにポツリとおっしゃいました。

「ああ、もう九時近いんだ。うちらは戻って朝食にしよっか」

 五十嵐さまがご自分のスマホで時刻を確認され、角田さまにお応えされます。
 それからタオルで身体を拭っている私のほうを振り向かれます。

「そういうことで、うちらは先にお屋敷戻って朝食いただくわ。直子はまだここでジョセとゆっくり遊んでっていいから」

 さっきまで角田さまがお持ちになられ、ずっと撮影されていたお姉さまのハンディビデオカメラを差し出しながら、五十嵐さまがおっしゃいました。

「あ、はい…」

 あっさりとした引き際に幾分戸惑いながらも、お姉さまのカメラを受け取ります。
 カメラを渡していただけたなら、ひょっとして今まで録画された映像も全部消せるかもと淡い期待を胸に秘めて。

「念の為に言っておくけど、さっきまで撮影したSDカードは抜いてここに持っているから。今入っているカードは64ギガの新品」

 五十嵐さまが左手のひら上にケースに入ったSDカードをヒラヒラお見せになりながら、とてもイジワルそうにおっしゃいました。
 私の思惑は一瞬で潰えました。

「それで直子のお姉さまはこうおっしゃったの。もしも直子より先に屋敷に戻るのだったらこう命令してくれる?ジョセと遊んだ一部始終をフィックスでいいから動画で記録して、あたしに提出しなさい。今日で最後だからね。三脚はバッグの中に入れておくから、って」

 五十嵐さまがあまり似ていないお姉さまの物真似も交えて、心底愉しそうにおっしゃいました。
 お姉さまがそこまでご指示されているということは、おふたりも最初から私がお浣腸されていることまで知っていたのかも知れません。
 もはやそんなことはどうでもいいことですが。

「それじゃあまた、後でね」

 五十嵐さまが笑いながらおっしゃり、角田さまも手を小さく振ってくださって、おふたりが手をつないで仲睦まじく広場を去って行かれます。
 ジョセフィーヌさまもおふたりのお背中をユラユラ揺れる尻尾で束の間見送っていらっしゃいましたが、見えなくなると同時に私に飛びついてきます。

 バッグの中を漁ると確かにビデオカメラ用の三脚が入っています。
 いつもフリスビーを行なう一画にバッグごと持って移動、ジョセフィーヌさまは私の足元にじゃれつきながら着いてこられます。
 
 幾分遠目から、立っていても寝そべっても画面の中心に私が映るように三脚のカメラを設置して録画開始。
 私の覚悟は決まっています。

「ジョセフィーヌさま」

 あらたまってジョセフィーヌさまのお名前をハッキリとした滑舌でお呼びします。
 お名前を正しく呼ばれて、その場にきちんとお座りをされ、尻尾をパタパタさせながら私を見上げるジョセフィーヌさま。
 私もその場にしゃがみ込み、ジョセフィーヌさまと同じ目線の高さになります。

「今日は私の都合で遊ぶのが遅れてしまい、申し訳ございませんでした」

 今度は芝生に両膝を着いて土下座の姿勢となり、ジョセフィーヌさまに深々と頭を下げます。
 ジョセフィーヌさまがどうされているのかは頭を下げているのでわかりませんが、裸の背中をペロペロ舐められている感触がします。

 長い土下座の後、頭を上げてゆっくりとしゃがみの体勢に戻り、目線を合わせます。
 被虐的な気持ちが心の中に溢れ返っています。
 ジョセフィーヌさまが目の前でまたお座りの姿勢になられました。

「お詫びのしるしとして今日は、じっくり私と遊んでください。いいえ、直子のからだを心ゆくまでもてあそんでください。何でもご要望通りに従い、決して逆らったりはしませんので…」

 マゾ度全開でジョセフィーヌさまに懇願します。

 とにかく滅茶苦茶にされたい気分でした。

 ゆっくりと立ち上がり、傍らのバッグからご愛用のフリスビーを取り出します。
 ジョセフィーヌさまは尻尾をブンブン振られ、ワクワクが抑えきれないご様子。

「ジョセフィーヌさま、フェッチです」

 青いフリスビーを青空に溶け込むように投げ上げます。
 嬉々として追いかけ始められるジョセフィーヌさま。

 そのご様子を目で追いながら、おやつペーストを手に取る私。
 今日のペーストはいつものより容量が一回り大きいみたい。
 味はジョセフィーヌさまが大好きなチーズ風味です。

 右手にこんもりと盛ったペーストを最初からマゾマンコにべったりなすり付けます。
 熱を持ったマゾマンコからプーンとチーズの匂いが漂うほどに。
 ジョセフィーヌさまに存分に愉しんでいただくために。

 フリスビーを咥えられて戻られたジョセフィーヌさまからフリスビーを受け取り、代わりにマゾマンコを差し出します。
 すぐにジョセフィーヌさまの長い舌が私の無毛な恥丘の肌に伸びて、撫ぜられ、ねぶられ、潜り込まれます。
 長い舌でラビアが掻き分けられ、肉芽が転がされ、膣穴が犯されます。

「あっ、あっ、あぁーんっ、もっと、もっとぉーっ…」

 マゾの服従ポーズな上半身をのけ反らせてグイッと突き出したマゾマンコを蹂躙していただく私。
 さっきまでのお浣腸我慢という残酷な公開処刑で、私のどうしようもないマゾ性は限界近くまで燃え滾っていました。
 ジョセフィーヌさまの触手責めのように絶妙な舌の愛撫に呆気なく、一度目のオーガズムに包まれました。

 二投目のときは、おっぱいや首筋、脇腹にもペーストを塗りつけます。
 もちろんマゾマンコにもたっぷりと。

 フリスビーを受け取り、差し出されたマゾマンコに飛び付いてこられるジョセフィーヌさま。
 押し倒されるように芝生に仰向けに寝そべり、ジョセフィーヌさまを迎え入れる私。
 
 おっぱいを下乳から揺すられ、尖った乳首を転がされ、首筋や脇腹を執拗に愛撫され。
 仰向けな私のからだに覆いかぶさるようにのしかかられ、私の発情したあちこちの性感帯が丹念に舐め上げられます。
 
 そして最後には、仰向けのまま両膝を立てて拡げた私の股間にお鼻先を突っ込んでくださるジョセフィーヌさま。
 自分の乳房を激しく揉みしだきながら、ジョセフィーヌさまの舌技にあんあん喘いで二度目の絶頂を迎えます。

 ハアハア息を荒くして投げた三投目の後は、さっき醜態を晒したお尻を重点的に責めていただくつもりです。
 お尻の割れ筋に沿ってベッタリとペーストを塗りたくり、もちろんおっぱいやマゾマンコにも。

 お戻りになられたジョセフィーヌさまに対して顔面支点で両膝を大きく割り、四つん這いならぬ三つん這いとなって高く掲げたお尻を差し出します。
 ペーストは割れ筋部分に多く溜まっていますから、そこを舐めていれば当然、その下の二つの穴部分も。
 
 前肢を私の尻肉に掛けられたジョセフィーヌさまが、大きく開いてさらけ出された私の膣穴とアヌスを下から丹念に舐めてくださいます。
 舐められるたびに尻穴と膣穴がヒクヒク蠢いてしまいます。

「ああん、いいっ、そこっ、そこをもっと、もっといたぶってくださいぃ…」

 左頬を芝生に埋めた私は両腕を背中で組んで、拘束された哀れな性的生贄に成りきって、両腿を更に拡げてジョセフィーヌさまの蹂躙を受け入れます。
 ふしだらな直子をもっと汚してください、穢してください、貶してください、辱めてください…
 被虐度マックスで三度目のマゾイキを味わってからは、理性という名のタガが完全に外れていました。

 もうフリスビーそっちのけで、ひたすらペーストを寝そべったからだ中に塗りたくり、ジョセフィーヌさまの蹂躙を誘導します。
 おっぱいやマゾマンコにはたっぷり、顔にも首筋にもおへそにも太腿にも足先にも。
 ジョセフィーヌさまもハアハア息を荒げヨダレを垂らされて、私のからだにかまわず四肢をお乗せになり、あちこちのペーストを舐め取ってくださいます。

 ジョセフィーヌさまに組み伏せられたような形の私は、その重さや痛さに被虐を感じつつ、自分の指でも激しく自分を蹂躙しています。
 乳首を捻り上げ、クリトリスを擦り上げ、膣穴を指三本で奥深く責め上げ。
 
 あんあん喘いでハアハア悶えて、イク、イキます、イッちゃいます、イってもよろしいでしょうかと何度も叫びました。
 寄せては返すオーガズムの気持ち良さは、より大きく、より深いところまで私を連れて行ってくださり、遂にまばゆい奈落の底へと吸い込まれます。

 首輪を引っ張られる感触で、瞑っていた目を開きました。
 どうやら少しのあいだ意識が飛んじゃってたみたい。
 リードを引っ張っていらっしゃったのは、持ち手を咥えられたジョセフィーヌさまでした。

 心地良くぐったりしたからだに力を込めて、なんとか立ち上がります。
 今何時なんだろう?お姉さまから、10時には戻りなさい、とご指示されていたけれど…
 裸の私に時間を知る術はありません。

 ふと思いつき、録画を止めてビデオカメラの日付表示を確認します。
 9時40分過ぎ。
 今から戻ればお姉さまとのお約束は守れそうです。

 急いで戻る準備に取り掛かります。
 汚れたからだをザッと洗おうかと思いましたが、ジョセフィーヌさまの土色の肉球痕が散りばめられた自分のからだを見てやめました。
 そのほうが私らしいと思ったから。

 東屋の軒先に吊るしておいた尻尾はフワフワに乾いていて、私は躊躇なく自らの手でそれを自分の肛門に捻じ挿れました。
 ついでに使っていた洗濯ばさみも右乳首に。
 そのほうが私らしいと思ったから。

 三脚をたたんでバッグにしまい、空となったペーストチューブもゴミ袋に入れてバッグにしまい、少し斜めにズレていたネコミミカチューシャを正しく直してから、ジョセフィーヌさまが咥えられたリードに引かれて広場を後にします。
 
 右手には動画モードで自画撮りしつつのお姉さまのビデオカメラ、左肩にお散歩セットのバッグを提げ、次にジョセフィーヌさまに逢えるのはいつなのだろうと、少しセンチメンタルな気持ちになりながら。

「あらあら、からだ中にジョセの足跡付けちゃって、洗濯バサミまでぶら下げて、メス犬直ちゃんはずいぶんお愉しみだったみたいね」

 寺田さまが呆れたような笑みで私をからかいます。

「チーズの匂いプンプンさせて、またペースト全部使いきっちゃったんでしょう?」

 中村さまは完全に呆れ顔です。
 お屋敷に着いて、玄関口で出迎えてくださったのはお姉さまと寺田さま中村さまのお三かた。
 五十嵐さまと角田さまは朝食後、二度寝する、とおっしゃってお部屋に籠もられたそう。

「直子の野糞動画も見たわよ。叫んじゃって泣いちゃって、大騒ぎだったわね」

 お姉さまがニヤニヤ笑いでおっしゃいます。
 野糞っていうストレートに品の無いお言葉に、ああ、あれは客観的に見たらつまりそういう行為なんだと、あらためて赤面してしまいます。
 お姉さまのご感想を中村さまと寺田さまが引き継がれます。

「あんな恥ずかし過ぎることやらされているのに、顔は悲痛そうでも、なんだか嬉しそうにも見えるんだよね。この子って根っからのドエムなんだって思った」

「またイガちゃんの虐めかたが絶妙なのよね。直ちゃんの逃げ場をどんどん失くしていって、最後には泣かしちゃうっていう」

 一瞬、あのときの絶望感がよみがえりますが、お姉さまがたのご感想が思いの外いつも通りに明るいので、ずいぶんホッとしたものでした。
 変わらずに接していただけることが、まだ傷心気味の私には何より嬉しいことだったのです。
 
 ネコミミを外して、ビデオカメラとバッグとネコミミをお渡しし、尻尾とリードはもう一度よく洗っておきなさいとご指示を受けて、洗濯バサミは付けたまま、いつもの屋外バスルームに向かいました。

 全裸に首輪、濡れた髪をタオルで巻いてバスルームから戻ると、大広間の楕円テーブルの上にはメロンやパイナップルの乗ったフルーツサラダのお皿だけが置いてありました。
 お姉さまと寺田さま、中村さまが思い思いの席でスマホやタブレットを弄られていて、五十嵐さまと角田さまはまだお部屋なのかな。
 知らない洋楽の女声バラード曲が低く流れています。

「直子はお腹空いていると思うけれど、この後お出かけしてお昼にお弁当いただくつもりだから、今は軽くで我慢してね」

 お姉さまが私の頭のタオルを外され、私の髪をおやさしく拭ってくださいながらおっしゃいました。

「えっ?お出かけって、もう帰るのではないのですか?」

 私の髪を弄られているお姉さまを思わず振り返ってしまいます。
 食べているあいだにドライヤーかけてあげる、とお姉さまにフルーツサラダの前まで誘導され着席します。
 
「運転手が来るのは午後だもの。寺っちに敷地内に面白い場所があるって聞いたからさ」

 要領を得ないお姉さまのお応え。

「最後の日くらいスール水入らずで過ごさせてあげようと思ってね。それにピッタリの衣装も用意してあげたから…」

 寺田さまがご説明くださいますが、その後すぐにドライヤーのスイッチが入れられたのでうるさくて何も聞こえなくなりました。
 フルーツサラダはメロンもパインもマンゴーも甘くて瑞々しくてとても美味しかったです。

 フルーツも食べ終え、髪もすっかり乾いてお皿が片付けられると、入れ代わりに中村さまがビニール袋に入った衣装のようなものをお持ちくださいました。
 お姉さまが袋を次々に開けられ、中身をテーブルに並べていかれます。
 
 まず下着の上は、乳首しか隠れないくらいの薄い水色のティアドロップマイクロビキニ、下も幅2センチがほぼ一直線と言っていいくらいの同色のウルトラローライズショーツ。
 このふたつは下着ではなく水着なのかもしれません。

 衣装はごくオーソドックスな半袖セーラー服。
 白地に紺色のセーラーカラーやラインが入り、スカーフは鮮やかな赤。
 スカートは紺色のプリーツスカートで、超ミニというわけでもなく、穿いたら腿の半分くらいまでは隠れそう。
 それに白いハイソックス。

「このセーラーってコスプレ用のペラペラ生地のじゃなくて、ちゃんとした制服ぽいじゃん」

 お姉さまがどなたに尋ねるでもなくお独り言っぽくおっしゃると、中村さまがお応えになります。

「それは何年か前、名塚先生のファンて言うか崇拝者だった当時現役のジェーケーが置いてったのよ。学校卒業して淫行条例とかに触れなくなったら、それ着て名塚先生に調教してもらうんだとか言って。あれから姿現わさないけど」

「ふーん。そんな子もいるんだ。インナーとセーラーの落差がエロくていい感じね。直子、さっさと着てみなさい」

 お姉さまのご命令でまず下着から。
 本当に両方の乳首だけをギリギリ隠してくれる超紐ビキニと、穿いてもお尻の破れスジはおろか肛門さえ覆ってくださらない直線ブーメランな超ローライズショーツ。
 
 生地は薄手で肌触り良く、でも乳首の形にしっかり響いてはいますが、ストラップもしっかり縫製されている感じ。
 生地素材からするとやっぱり水着として作られているみたいです。
 実際にこんな水着を着て人前で泳ぐような人がいらっしゃるかは知りませんが。
 
 ただ、私は会社でこの手の衣装をさんざん着せられ慣れしていたので、とくにそれ以上の感想は浮かびませんでした。
 普通に恥ずかしいのは恥ずかしいですけれど。
 外野の方々は大騒ぎです。

「うわー、これって真っ裸より恥ずかしくない?視線を否応なくソコに誘導してる感じ」

「横乳、下乳も丸見えだし、土手もお尻のスジもさらけ出しちゃって、これ、陰毛生えてたら大げさにはみ出して恥ずかし過ぎて卒倒しちゃうんじゃない」

「これって水着でしょ?こんなんでプールやビーチに出たら公然猥褻待ったなしだし、プライベートビーチでも持ってなきゃ着れなそう。誰が作ってて誰が買うんだろ」

「セクシーって言うよりも卑猥って言葉のほうが絶対しっくりくるよね。まさに変態露出狂御用達って感じ」

 いつの間にか五十嵐さまと角田さまも大広間に下りて来られていて、みなさまワイワイ愉しそう。
 お姉さまだけが何もおっしゃらずにニコニコ私を見つめてくださっています。