8時過ぎまで朝寝坊して目覚めた木曜日の朝。
晴れたり曇ったりで少し肌寒い、絶好のコート日和でした。
顔を洗って、ミルクティーとマフィンで軽い朝食。
お通じもいつも通り、自然にすみました。
その後、バスタブにお湯をはって、ゆっくりと入浴してから身づくろいとお化粧。
鏡に向かいながら、頭の中で今日のスケジュールを復習しました。
お昼ちょっと過ぎに全裸にコートでお家を出て、まず高層ビルふもとのファッションビルに向かいます。
そこでの目的は、ふたつありました。
ひとつは、すっかり気に入って愛用しているオリーブグリーンのコートをもう一着、同じものを手に入れることでした。
そう考えたのは、ずっと昔、やよい先生からお聞きした、ミーコさまの裸コートのことを思い出したからでした。
ミーコさまは、やよい先生とのデートのとき、ご自分の裸のからだをロープで緊縛して、その上にコートだけ着てくることがよくあったそうです。
そして、そのコートの、いつもやよい先生と腕を組むほうの右側ポケットには穴が空いていて、やよい先生がコートのポケットに手を入れれば、いつでもミーコさまのアソコに、直に触れることが出来るようになっていました。
それはステキなアイデアだと思いました。
確かに裸コートでポケットに手を突っ込むと、ちょうど股間に手が届きます。
私にはまだ、そういうえっちなデートをしてくれるパートナーはいないけれど、独り遊びのときでも、人知れずいろいろ、愉しむことが出来きそう。
穴を空けずにポケットの裏地越しに弄ることも出来ますが、それだと裏地がどんどん汚れてしまうし。
コート自体をとっても気に入っていたので、ポケットに穴を空けて普段使いが出来なくなってしまうのもイヤだったので、もう一着手に入れて、一着を裸コート専用服にしたいと思ったのです。
もうひとつの目的は、ファッションビルのブティック街でお買物して、お洋服一式を揃えること。
下着類とコートの下に着るお洋服。
それらをおトイレかどこかで着込み、次の目的地に向かうつもりでした。
全裸にコートで出かけて、現地調達で普通の服装に戻る、言わば、逆ストリップ、です。
どんなお洋服を買うか、ワンピースにするか、ブラウスとスカートにするか、はたまたパンツか、は、その場の気分とご予算に照らし合わせて決めることにしました。
ひょっとしたらオールインワンのややこしいやつを買ってしまうかもしれません。
買って、そのたびにいちいちどこかで身に着けるか、それともずっと裸コートのままお買物するかも、行ってから決めるつもりでした。
いずれにしても、それだけのお買物をするには、ブティックの店員さんとたくさん会話をしなければならないはず。
試着とか勧められちゃったら、どう言って断ろう・・・
想像しただけでキュンキュン疼いてきちゃいます。
そのファッションビルには、レストランフロアやフードコートも入っているので、お昼時には近くのオフィス街の人たちで、そのビル全体が大いに賑わうことは知っていました。
裸コートで、そんなにたくさんの人たちの前に出るのは初めてでドキドキしますが、ランチタイムなら、逆に関係のないブティック街のフロアは空いているのではないかな、と思い、その時間帯に決行することに決めました。
そうしてコートの下が全裸から普通の服装になったら、今度は一昨日訪れた商店街のお薬屋さんに行ってみるつもりでした。
もちろんそう、白衣のおばさまにお浣腸をしていただくために。
お客さまが来なくておヒマそうな、このあいだと同じくらいの時間帯に到着するのが理想です。
おばさまには、こう告げるつもりでした。
お浣腸は、なんとかひとりで出来ました。
おかげさまで良くなったような気がします。
今日もちゃんと普通のお通じでした。
それで、これからもそうならないように、あのときおばさまがおっしゃっていた、腸のうがい、っていう、ぬるま湯でのお浣腸というのも、しておいたほうがいいかな、って思って、今日は伺いました。
この言い訳なら不自然なところはないはずです。
おばさまは、それでもやっぱりびっくりはされるでしょうけれど、きっとしてくれるはず。
とうとう私はおばさまに、裸のお尻と、無毛のアソコをお見せすることになるのです。
そしてあの、冷たくて太いガラスのお浣腸器の先っちょが私のお尻の穴に挿入され、一生懸命がまんしている姿まで見られてしまうのです。
おばさまがお浣腸してくださるお部屋は、どんな雰囲気なんだろう?
そのとき私は、どうなってしまうだろう?
期待と不安に、乳首が弾けそうです。
めぐらせていた妄想に没入し過ぎて、結局そのままちょこっと慰めてしまい、もう一度軽くシャワーを浴びて身づくろいしていたら、時刻はすでに11時を回っていました。
いよいよ決行の時間が近づいてきました。
ワクワクドキドキで気がヘンになりそう。
なぜだかお腹がクゥーっと鳴りました。
いやらしい気分なときは、あまりお腹が空かない性質な私でしたが、独り暮らしになると、それで放っておいたら丸一日何も食べてないときとかもあって、いくらなんでもそれでは健康に良くないと思い、普段からなるべく朝昼晩、少量ずつでもちゃんと何か食べるように心がけていました。
そっか、これからしばらくは何も食べられないから、何か少しお腹に入れておいたほうがいいかな?
かと言って、数時間後にされる行為のことを考えると、あまり大げさなものは食べたくないし。
バナナでも1本、食べていこうか・・・
そのとき頭の中になぜだか、ヨーグルト、という単語が浮かびました。
ああ!ヨーグルトはいいかもしれない。
お腹に優しいし、乳酸菌は腸の味方だし。
これから数時間後、自分のヘンタイな欲求のために、腸に対してかなり苦しい思いをさせてしまう、という負い目があったせいかもしれません。
ヨーグルトがすっごく食べたくなりました。
キッチンへ行って、冷蔵庫を開けてみました。
生憎ヨーグルトの買い置きはありませんでした。
バナナもありません。
無いとなると、なおさら食べたくなってしまうもの。
まだちょっと時間はあるし、近所のコンビニに買いに行こう。
そう決めました。
そのときの私の格好は、例の乳首穴空きTシャツで下半身は裸。
股間にはタンポンを挿れていました。
火曜日の裸コートお散歩で、あまりにおツユを滴らせてしまった反省から、今日はこれで防御しようと、二度目の身づくろいのときに挿れたものでした。
ファッションビルで下着を買って身に着けたら、抜くつもりでした。
コンビニまでは歩いて一分くらい。
そのためだけに普通の格好に着替えるのもめんどくさいし、この上にコート着ちゃえばいいか。
よく行くお店で店員さんとも顔馴染みだけれど、ほんの数分のことだし、コートさえちゃんと着ていれば、さわられでもしない限り、中身が裸だなんて絶対わからないことは体験済みです。
一昨日の裸コートですっかり自信をつけ大胆になっている私は、すぐにサンルームへ行き、コートを手に取りました。
穴空きTシャツの上にオリーブグリーンのコートを羽織り、ボタンを上までびっちり留めて、小さいトートバッグにお財布だけ入れました。
玄関に出ていたバレエシューズぽいフラットなパンプスを裸足に引っかけ、いそいそとコンビニに急ぎました。
「あら?直子じゃない?」
コンビニまであと数メートルというところで、前から歩いてきた人がすれ違いざまに声をかけてきました。
ドッキーン!
うつむきがちに歩いていた私の全身が、ビックンと大げさに跳ねるほど驚いてしまった理由はふたつ。
ひとつは、人知れずのいやらしい行為実行中に不意に声をかけられての、単純なびっくり。
もうひとつは、かけられたお声が、私がよーく知っている人のものだったことでした。
「ごきげんよう。こんな時間に会うなんて珍しいわね?今日は学校、お休みなんだ?」
秋らしいシックなダークキャメルのワンピーススーツに身を包んだ小柄で可愛らしい女性が、ニコニコ笑って私に駆け寄ってきました。
「ご、ごきげんよう、シーナさま・・・」
裸コートをしているときに偶然シーナさまに会っちゃったら、どんなことになっちゃうだろう?っていう妄想をしたことは、ここ数日のあいだにも何度かありました。
シーナさまなら絶対、そういうアソビにも慣れていらっしゃるだろうから、私はきっと、言葉巧みに翻弄されて、とんでもない辱めを受けることになっちゃうのだろうな。
ひょっとしたら街中で、コートを剥ぎ取られて全裸で放り出されてしまうかも・・・
それは私にとって、とてつもなくワクワクする甘美な期待であるとともに、現実的には、もし本当にそんな事態になったら、って、ビクビク震えちゃうほどの不安と恐怖を伴う、諸刃の剣な妄想でもありました。
それが今、現実となってしまいました。
このコートの中身を、シーナさまに知ってもらいたいような、絶対知られたくないような・・・
「シーナさまも、こんな時間に、珍しいですね?」
私はとりあえず、シーナさまの出方を伺うことにしました。
シーナさまに何か他のご用事があって、二言三言言葉を交わすだけでお別れするのであれば、コートの中身は知られないままでいたい、と思いました。
お忙しいシーナさまですから、ありえることです。
ずるいようですが、私には、せっかく自分で考えたこの後のお愉しみを、ジャマされたくない、という気持ちもありました。
「それがさ、ずいぶん前にアポ取ってた約束をドタキャンされちゃってさあ」
シーナさまがうんざりしたお顔で私に訴えかけてきます。
「優雅にランチしながら打ち合わせしようと思っていたのに、ランチもろともパーになっちゃって、ポッカリ時間空いちゃったのよ」
「わたしとしてはかなり楽しみにしていた打ち合わせだったのよ?もう、ツイてないわ」
「なんだか無性にイライラもしているから、マンション戻って久々にひとりでスッキリして、ついでにお昼寝でもしちゃおうかなー、ってさ」
シーナさまが、うふふ、っていう感じで色っぽく笑いました。
私は、その妖艶な笑顔にドキン。
シーナさまがおヒマだということに、もっとドキン。
「直子は何?コンビニ?あっ、ひょっとしてお昼ご飯の買出し?」
「あっ、えっと、そうです・・・ちょっとコンビニまで」
「そっか。それならちょうどいいわ。これからふたりでどっかにランチ、行こうよ?」
「あっ、えっと、そ、そうですね・・・」
私はまだ態度を決めかねてモジモジ。
「それ、きれいな色のコートねー。そっか、もうすっかりそういう季節だもんね」
「シーナさまのスーツのほうがステキです。すっごく似合っています。カッコイイです」
本当によくお似合いで、見蕩れちゃいます。
「そう?わたしもこれ、気に入ってるんだ。生地だけ選んでオートクチュールよ。パリ製じゃないけどね」
「わたしほら、サイズ難しいからさ、作ってもらっちゃったほうがいろいろ捗るのよ」
今度は、えへへ、って笑いました。
私も曖昧に、うふふ。
私の煮え切らない態度に何かがピンときたのでしょう、シーナさまの瞳が妖しく輝いた気がしました。
「そうだ!あのお店のランチはどう?直子、行ったことないでしょう?」
シーナさまが誘ってくれたそのお店は、この界隈では一番高級と言われている有名なフレンチレストランでした。
「え?そんな!あんなお高そうなお店・・・」
「いいって、いいって、わたしがおごっちゃうから。ツキが無いときは、パーッと散財すると悪いツキも落とせるらしいしさ」
「そうと決まれば、タクシー止めましょう」
私がおろおろしているうちに、お話が決まってしまいました。
シーナさまがその場で、かっこよく右手を高く上げました。
ほどなく一台のタクシーが止まり、シーナさまが私を後部座席の奥に押し込めてお店の名前を告げ、タクシーが走り出しました。
「一週間ぶりくらいかしら?あの後どう?」
シーナさまとお会いするのは、正確に言えば12日ぶりでした。
先々週の土曜日の午後、私はシーナさまとあるところにお出かけをして、その数日後、私の激しかったムラムラ期がいったん治まったのでした。
それから一週間足らずで、またまたこんなことをしている私・・・
「どう、って言われましても・・・えっと、あの、まだキレイです・・・」
「そう。それはよかったわ」
シーナさまが私をじーっと見つめてきます。
私は、今の自分の服装のことが気が気ではありません。
シーナさまは、すでに何かに勘付いているご様子。
早めに自分から白状したほうがいいのか、それともしばらくは成り行きに任せるか・・・
タクシーは長い信号待ちで止まっていました。
運転手さんは初老のおじさまで、ラジオの音楽に合わせて小さくハミングをしていました。
隣に座ったシーナさまは、右向きに少しだけお顔を捻ってまだ、私の横顔を見つめています。
私は、視線を感じながらも、うつむいています。
タクシーが動き出すのを待っていたかのように、シーナさまがシートの上をお尻ごと滑らせて、私にぴったり身を寄せてきました。
それから私の左耳に唇を寄せ、ヒソヒソ声でささやきました。
「ところで直子、わかっているのよね?」
「えっ?」
うつむいていた顔を上げ、何をですか?とつづけながらシーナさまのほうを見ようとすると、再び左耳に唇が押し付けられました。
「これから行くフレンチのお店のことよ」
シーナさまは、そこでいったん私の耳から唇を離しました。
私は顔を左に曲げ、シーナさまと至近距離で見つめ合いました。
シーナさまが少し落としたお声で、私を正面から見つめながら、こうつづけました。
「ああいう気取ったお店ってさ、お店に入った途端に、お客様、コートをお預かりします、ってボーイが駆け寄ってくるわよ?」
「そんな大げさなコートを着たままでお食事をするなんて、そんなマナーは、ありえないもの」
「そうでしょう?ね?」
唇は閉じたままお口の両端だけをクイッと上げて、エレガントに、そしてすっごく楽しげに、シーナさまが微笑みました。
自分の全身がコートの下で、瞬く間に火照ってくるのがわかりました。
*
*コートを脱いで昼食を 12へ
*
私も直子様と同じような事をしています。裸コートはまだ実行したことはありませんがワンピース一枚だけ来てお買い物に行ったり、学校で素っ裸になって校舎内を歩き回ったり・・・ドキドキして楽しんでます。本文を読んでて毎回自分に重ねてお読みしてます。
返信削除いつもドキドキして更新されるのを楽しみにしています。
匿名さま
返信削除コメントありがとうございます。
学校を裸で歩き回るのは大胆ですね。
充分お気をつけて、万が一誰かにみつかっちゃって、ややこしいことにならないように、愉しんでくださいね。
またお時間のあるときに、覗きにいらしてくださいませ。
直子