でも、夏休みの合宿のときに例年通りいろいろ盛り上がった末、モデルをやってもいい、っていう1年生が現われて、その人の裸婦画がクリスさんたちを中心にめでたく例年通り創作され、展示作品のどれかの裏側に隠されているそうです。
ただし、その1年生が、部員以外の人には絶対見せたくない、って涙ながらに言い張ったので、残念ながら私には見せてもらえませんでした。
「ごめんなさいね、森下さん。この子は本当に恥ずかしがり屋さんで」
「ごめんなさいね、森下さん。この子は本当に恥ずかしがり屋さんで」
小川先輩のお隣に座っている内気そうな可愛い女の子がうつむいてモジモジしていました。
「いいえ。お気になさらないで、でも、ちょっぴり残念だけれど」
私は、お芝居っぽい感じで少しイジワルに笑って答えましたが、内心では、うつむいている彼女の恥ずかしさに同調してドキドキしていました。
自分の裸の絵を見られる、っていうことは、もちろんすっごく恥ずかしいことですが、自分からすすんで裸婦画のモデルになって、みんなに裸の姿を見てもらった、ということを、見ず知らずの私に知られたことにも、同じくらいの恥ずかしさを感じているのではないでしょうか。
自分の裸の絵を見られる、っていうことは、もちろんすっごく恥ずかしいことですが、自分からすすんで裸婦画のモデルになって、みんなに裸の姿を見てもらった、ということを、見ず知らずの私に知られたことにも、同じくらいの恥ずかしさを感じているのではないでしょうか。
自分はそういう性癖を持つ女だ、って公言しちゃったみたいで。
小川先輩たちは、その1年生の子のヌードについて、なんだか初々しくて甘酸っぱい裸だった、とか、熟しきっていないところがかえってエロティック、とか、彼女の前でワザとみたいにあれこれ論評していました。
小川先輩たちは、その1年生の子のヌードについて、なんだか初々しくて甘酸っぱい裸だった、とか、熟しきっていないところがかえってエロティック、とか、彼女の前でワザとみたいにあれこれ論評していました。
彼女は、ずっとうつむいたっきり。
すっごく恥ずかしいのだろうなあ。
私だったら、それだけで濡れてしまいそう。
彼女も、今うつむきながら濡れているのかな?
席を立たないでガマンしているところを見ると、恥ずかしさの中にやっぱり気持ち良さも感じているのだろうな。
すっごく恥ずかしいのだろうなあ。
私だったら、それだけで濡れてしまいそう。
彼女も、今うつむきながら濡れているのかな?
席を立たないでガマンしているところを見ると、恥ずかしさの中にやっぱり気持ち良さも感じているのだろうな。
ツインテールに結んた彼女の髪の分け目を見つめながら、なんだか彼女がいじらしくって、なぜだか逆にもっとイジワルしてみたいような気持ちにもなっていました。
でも、もちろんそんなことはせず、話題もあちこちに飛んで、楽しいおしゃべり時間が過ぎていきました。
でも、もちろんそんなことはせず、話題もあちこちに飛んで、楽しいおしゃべり時間が過ぎていきました。
今現在、美術部内の公認百合カップルは6組。
部員は総勢16名だそうで、残りの4人も美術部外にパートナーがいるそうです。
つまり、百合率100%!
帰り際、しーちゃんとクリスさんがドアまで見送ってくれました。
部員は総勢16名だそうで、残りの4人も美術部外にパートナーがいるそうです。
つまり、百合率100%!
帰り際、しーちゃんとクリスさんがドアまで見送ってくれました。
「はい、これ。なおちゃんにあげる。ワタシたちの処女作」
しーちゃんがそう言って、同人本みたいな一色刷りの薄い本を2冊、私にくれました。
「ワタシとクリスとでストーリーを考えて、絵も分担して描いたんだヨ。ワタシとクリスはネ、チームになってマンガを描いていくことにしたの。ほら、未来から来た青いネコ型ロボットのマンガ描いた人たちみたいに」
「一冊は二次もの。一冊は18禁。高校生だけど18禁」
「一冊は二次もの。一冊は18禁。高校生だけど18禁」
しーちゃんがケラケラ笑いながら本をペラペラめくりました。
ちらっと見えた中身は、なんだかすごくえっちそう。
「高校生だから、今はコピー本しか作れないし、即売会とかにも出れないけど、いずれ同人活動とかしていくつもりなんだ。二人で」
ちらっと見えた中身は、なんだかすごくえっちそう。
「高校生だから、今はコピー本しか作れないし、即売会とかにも出れないけど、いずれ同人活動とかしていくつもりなんだ。二人で」
しーちゃんとクリスさんが目を合わせて、ニッって笑い合いました。
「ペンネームはネ、姉妹白百合。姉妹って書いてスールって読むんだヨ」
「それで、スール白百合デビュー作の美術部員以外の栄えある読者第一号は、なおちゃんに決定しましたー」
「それで、スール白百合デビュー作の美術部員以外の栄えある読者第一号は、なおちゃんに決定しましたー」
「うわー。ありがとう。しーちゃん、クリスさん」
お礼を言って、いったんお教室に戻ろうと思ったのですが、どうしてもガマン出来ずにもう一度振り向き、聞きたくてしょうがなかったことを聞いてしまいました。
「ねえ、しーちゃん?美術部って、毎年必ず、ヌードモデルになってもいい、っていう部員さんが一人くらいは、いるの?」
お礼を言って、いったんお教室に戻ろうと思ったのですが、どうしてもガマン出来ずにもう一度振り向き、聞きたくてしょうがなかったことを聞いてしまいました。
「ねえ、しーちゃん?美術部って、毎年必ず、ヌードモデルになってもいい、っていう部員さんが一人くらいは、いるの?」
「えっ?」
しーちゃんとクリスさんは、一瞬、この人何を言っているのかわからない、っていう面持ちでお互いにお顔を見合わせていました。
少しして、クリスさんが私の顔をじっと見つめて、言葉を選ぶようにゆっくりとお話し始めました。
「そうねえ。深く考えたこと無かったけれど、先輩方のお話だと、毎年一人か二人くらいは、裸婦画のモデルをされた部員がいたみたいね」
「ほら、女子高だから女同士だし、自分のからだに自信があって、見てもらいたい、って思う人もいるだろうし」
「わたしみたいに、恥ずかしいことをするのが好き、っていう変わった趣味の人間もいるし」
少しして、クリスさんが私の顔をじっと見つめて、言葉を選ぶようにゆっくりとお話し始めました。
「そうねえ。深く考えたこと無かったけれど、先輩方のお話だと、毎年一人か二人くらいは、裸婦画のモデルをされた部員がいたみたいね」
「ほら、女子高だから女同士だし、自分のからだに自信があって、見てもらいたい、って思う人もいるだろうし」
「わたしみたいに、恥ずかしいことをするのが好き、っていう変わった趣味の人間もいるし」
クリスさんたら、あっけらかんとご自分の性癖を開示されました。
「それに美術部は、昔から百合属性の強い部だから、そういうのにおおらかになりやすいんじゃないかな」
クリスさんがしーちゃんを見て、クスリと笑いました。
「これは、わたしだけの個人的な意見なのだけれど・・・」
「これは、わたしだけの個人的な意見なのだけれど・・・」
クリスさんが今度は私をじっと見つめてきます。
「人前で裸になりたい、とか、異性よりも同性と仲良くしたい、とか、そういう、何て言うか、普通とは少し異なった嗜好を持っている人たちって、無意識のうちになんとなく、惹かれ合ってしまうものなのじゃないかしら」
「惹かれ合って、集まって、そういう人たちが居心地のいい場所が出来た、それが我が校の美術部なんじゃないかな、って」
「惹かれ合って、集まって、そういう人たちが居心地のいい場所が出来た、それが我が校の美術部なんじゃないかな、って」
クリスさんがしーちゃんを見つめてしーちゃんがうなずき、それから私に視線を移して、ニッコリ笑いました。
「そ、そうかもしれませんね…」
「そ、そうかもしれませんね…」
私は、クリスさんのお言葉に、大いに納得していました。
その反面、すっごく動揺もしていました。
クリスさんの視線が私を見透かしているのが、はっきりわかりました。
クリスさんは実際に言葉にはされませんでしたが、その視線が私に問いかけていました。
わかっていてよ、森下さん。
あなたもわたしたちのお仲間っていうことは。
読んだら感想を教えるね、ってしーちゃんに告げてクリスさんにお辞儀をして、なんだか逃げるみたいにその場を離れました。
お家に帰ってお風呂の後に、しーちゃんたちのマンガを読み始めました。
その反面、すっごく動揺もしていました。
クリスさんの視線が私を見透かしているのが、はっきりわかりました。
クリスさんは実際に言葉にはされませんでしたが、その視線が私に問いかけていました。
わかっていてよ、森下さん。
あなたもわたしたちのお仲間っていうことは。
読んだら感想を教えるね、ってしーちゃんに告げてクリスさんにお辞儀をして、なんだか逃げるみたいにその場を離れました。
お家に帰ってお風呂の後に、しーちゃんたちのマンガを読み始めました。
一冊目は人気アニメの二次創作。
ヒロインと敵対する組織のツンデレ女子が、いがみ合いながらもいつしか惹かれ合っていく、っていう百合展開のラブコメ。
絵は丁寧でキレイだし、ストーリーもセリフも気が利いていて、そのへんの同人誌よりぜんぜんいい感じでした。
ヒロインと敵対する組織のツンデレ女子が、いがみ合いながらもいつしか惹かれ合っていく、っていう百合展開のラブコメ。
絵は丁寧でキレイだし、ストーリーもセリフも気が利いていて、そのへんの同人誌よりぜんぜんいい感じでした。
しーちゃんたち、スゴイなー。
純粋に感心しました。
二冊目は18禁。
こちらはオリジナルストーリーで、すっごくえっちでした。
お話の大筋は、以前しーちゃんから聞かされていた、クリスさんに対するえっちなご命令。
純粋に感心しました。
二冊目は18禁。
こちらはオリジナルストーリーで、すっごくえっちでした。
お話の大筋は、以前しーちゃんから聞かされていた、クリスさんに対するえっちなご命令。
授業中にショーツを脱ぎなさい、とか、ノーパンで体育の授業を受けなさい、とかを主人公が実行していく、というものでした。
でも、しーちゃんたちと大きく違うのは、マンガでは、それがいわゆるイジメの一環として行なわれていること。
その上、クラスメイトや先生までもがみんなえっちでイジワル。
だから、授業中こっそりショーツを脱いでいると、隣の席の子にみつかって、ヘンタイってなじられた挙句、スカートを脱がされてショーツを膝までずり下げた格好で、黒板の前に出て問題を解かされ、罰として丸裸で廊下に晒し者にされてしまいます。
でも、しーちゃんたちと大きく違うのは、マンガでは、それがいわゆるイジメの一環として行なわれていること。
その上、クラスメイトや先生までもがみんなえっちでイジワル。
だから、授業中こっそりショーツを脱いでいると、隣の席の子にみつかって、ヘンタイってなじられた挙句、スカートを脱がされてショーツを膝までずり下げた格好で、黒板の前に出て問題を解かされ、罰として丸裸で廊下に晒し者にされてしまいます。
体育の時間にノーパンでマット運動をしていたら、ジャージのゴムが切れて足元まで一気に下がり、下半身丸裸で開脚前転をさせられてしまいます。
最後は、跳び箱の上に丸裸で仰向けに縛り付けられて、アソコにオモチャを挿れられたまま放置されていました。
そんなお話が、デッサンのしっかりした可愛らしくて色っぽいキャラクターとリアルな構図、緻密な筆致で背景まで丁寧に描かれていました。
最後は、跳び箱の上に丸裸で仰向けに縛り付けられて、アソコにオモチャを挿れられたまま放置されていました。
そんなお話が、デッサンのしっかりした可愛らしくて色っぽいキャラクターとリアルな構図、緻密な筆致で背景まで丁寧に描かれていました。
舞台はどう見ても、この学校そのものでした。
虐められるほうの女の子はクリスさんに、苛めるほうはしーちゃんにそこはかとなく似ている感じで、乳首が勃っていく様子やアソコの中までもが克明に描かれていました。
そして、絵と同じくらい良かったのが、虐める側の人たちのセリフでした。
虐められているほうの子の羞恥心や被虐心を徹底的に煽り立てる、侮蔑や憐憫、罵倒のセリフで埋め尽くされていました。
クリスさんて、こんなことをされたくて、こんなことを言われたいんだ…
しーちゃんも、こんなにいやらしいお話を考えられるようになったんだ…
しーちゃんたちは、このマンガを二人で描きながらも、欲情を抑えきれずに何回も抱き合ったんだろうなあ…
私は、そのえっち描写の迫力に圧倒されていました。
そして、しーちゃんとクリスさんの関係を、心の底からうらやましいと思いました。
何度か読み返すうちに結局ガマン出来ず、文化祭で疲れたからだなのにもかかわらず、マンガと指だけで激しく2回イってしまいました。
しーちゃんたちのマンガのコーフンがようやく落ち着いて、ベッドに仰向けになって目をつぶりました。
虐められるほうの女の子はクリスさんに、苛めるほうはしーちゃんにそこはかとなく似ている感じで、乳首が勃っていく様子やアソコの中までもが克明に描かれていました。
そして、絵と同じくらい良かったのが、虐める側の人たちのセリフでした。
虐められているほうの子の羞恥心や被虐心を徹底的に煽り立てる、侮蔑や憐憫、罵倒のセリフで埋め尽くされていました。
クリスさんて、こんなことをされたくて、こんなことを言われたいんだ…
しーちゃんも、こんなにいやらしいお話を考えられるようになったんだ…
しーちゃんたちは、このマンガを二人で描きながらも、欲情を抑えきれずに何回も抱き合ったんだろうなあ…
私は、そのえっち描写の迫力に圧倒されていました。
そして、しーちゃんとクリスさんの関係を、心の底からうらやましいと思いました。
何度か読み返すうちに結局ガマン出来ず、文化祭で疲れたからだなのにもかかわらず、マンガと指だけで激しく2回イってしまいました。
しーちゃんたちのマンガのコーフンがようやく落ち着いて、ベッドに仰向けになって目をつぶりました。
私だって…
明日目が覚めたらいよいよ、ゆうこ先生のお家で二人きりです。
いきなりは無理でしょうけれど、一歩だけでも踏み出したいな。
頭の中に、クリスさんが別れ際におっしゃったことが、グルグル渦巻いていました。
普通とは少し違った嗜好を持っている人たちって、無意識のうちになんとなく、惹かれ合ってしまうものなのじゃないかしら…
あの遠い夏の日、私に舞い降りた直感。
オオヌキさんと私は似ている…
それが明日、少しでも確かめられたら、いいな。
*
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いきなりは無理でしょうけれど、一歩だけでも踏み出したいな。
頭の中に、クリスさんが別れ際におっしゃったことが、グルグル渦巻いていました。
普通とは少し違った嗜好を持っている人たちって、無意識のうちになんとなく、惹かれ合ってしまうものなのじゃないかしら…
あの遠い夏の日、私に舞い降りた直感。
オオヌキさんと私は似ている…
それが明日、少しでも確かめられたら、いいな。
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