2021年9月12日

肌色休暇二日目~いけにえの賛美 09

 「あーーっ!いやぁーーーっ!」

 不意に左足首が引っ張られ、どんどん空中に上がっていきました。
 右足は木の根元に固定されていますから左脚はみるみる右脚から離れ、そのぶん股間がどんどん開いていきます。
 それに気づいたとき、思わず悲鳴を上げていました。

「なかなかいい声で啼くじゃないか。いいよ、もっと泣き喚いてわたくしを愉しませることだ」

 ニヤニヤ笑いなあるじさまの横で、すっかりリラックスされて横座りなジョセフィーヌさま。
 私の左脚はどんどん上げられ、今や中途半端なY字バランスと言うか、バレエでいうと不格好なア・ラ・スゴンドと言うか。
 寺田さまが脚立を移動され、私の両手を吊っている太い幹の先端の方に、左足首を吊った縄を縛り付けておられます。

 股のあいだを緩い風が吹き抜けていくのを感じます。
 その風の感触で私の膣口を塞ぐ陰唇が少し開いてしまっているのがわかります。
 左隣の木陰にいらっしゃるあるじさまとジョセフィーヌさまからは、その一番恥ずかしい部分が丸見えなことでしょう。

「いい格好になったじゃないか。そう言えばバレリーナはよくそんなポーズをしたりするな」
「縄で手足を吊られて、まるであやつり人形だな。そう言えばあやつり人形を題材にしたバレエの演目もあったが、あれは何と言ったか…」

 ニクタラシイご口調で私に近づいてこられたあるじさま。
 もちろんジョセフィーヌさまも尻尾をフリフリ、ぴったりとあるじさまに寄り添っておられます。
 そこへ寺田さまが緑色の細くて長いホースをどこからか引っ張ってこられました。

「これからオナ子に存分にいやらしく踊ってもらうわけだが、その前におまえの薄汚れたからだを清めてやろう」
「よだれやマン汁でベトベトなからだでは、せっかくのいけにえの舞も美しくないからな。寺田っ!」

 あるじさまの号令で私の真正面3メートルくらい手前の位置に立たれた寺田さまが、お持ちになっているホースの噴出口を私に向けてきました。
 その金属製でSF映画の光線銃みたいなフォルムのノズルから緩い水流が、フワーッと私めがけて飛び出してきます。

 最初はシャワーのような放射状の飛沫が私の首から下部分に満遍なく当てられ、汗やよだれを洗い流してくださいます。
 水流は冷たいのですが、暑いしからだは火照っているしで、気持ち良いのほうが勝っています。

 そのうち水流が直線的になってきて、肌に当たる水圧も強くなってきました。
 寺田さまが握られているホースお手元のノズルのレバーで調節出来るみたい。

 今や一直線の水流となり当たると少し痛いくらいの水圧となった水飛沫が、私のおへそ上から右おっぱいの下乳へと移動してきていました。
 下乳をプルプル揺らすほどの水圧、その甘美な刺激。
 木に麻縄で繋がれた手足をクネクネ動かし、淫らに顔を歪める私。

 肌を窪ますほどの一直線な水流は、ターゲットを私の右乳首に絞ったみたい。
 おそらく噛み付いている木製洗濯バサミを弾き飛ばそうとされているのでしょう。

「あーっ!」

 乳首の根本を襲う水圧に乳首が翻弄されプルプル揺れています。
 乳首から洗濯バサミの先端まで、愛撫するように数センチ幅で動く水流に私の性感がぐんぐん上がっています。
 洗濯バサミの上から強烈な振動のマッサージ器を当てられているみたい。

 洗濯バサミの噛み口部分がジリジリと乳首の皮膚を移動しているのがわかります。
 疼痛、鈍痛、激痛を細かくくりかえしながら、じわじわと噛み口が乳首の先端へと移動していくのがわかります。

「んーー、くぅーーっ!!」

 最後に飛び切りの激痛をくださり、木製洗濯バサミが勢い良く弾け飛びました。
 私の右足首が縛り付けられている大木の根元に転がり落ちた洗濯バサミ。
 すかさず左乳首へとターゲットを移行される寺田さま。

「んあーっ、いやーっ!!」

 数分かけてとうとう左乳首にも激痛をくださった木製洗濯バサミと寺田さまの水圧責め。
 左乳首の洗濯バサミが弾け飛んだと同時に水流もピタッと止まりました。
 激痛の余韻でハアハア息を荒くしている私。

「まあまあのダンスだったな。もう少し派手なほうがわたくしの好みだが」
「おまえのマンコと肛門はずいぶん派手に悦んでいたぞ、襞がヒクヒクピクピク、よだれをダラダラ流して。わたくしの位置から丸見えだった」

 私の正面に移動されてきたあるじさまが、からかうようにおっしゃいます。
 ジョセフィーヌさまはと言えば、寺田さまが持たれたホースからチョロチョロ漏れるお水を飲ませていただいてご満悦。

「それにもっと声を出していい。ここは山の中だ、誰に気兼ねする必要もない。やめて欲しいのか、もっとして欲しいのか、飼い主に対して感情を顕にするのも家畜の務めだ」
「まあ、服従が基本であることは変わらないのだがな。それはそれとして、とっとと清めの仕上げだ。寺田っ」

 寺田さまはいつの間にか、私から見て左側の木陰に移動されていました。
 ノズルを低く構えられ、その噴出口が向けられているのは…

「あーーーーっ!」

 片足を吊るされ大きく広げられた私の両脚、その中心部分に向けて始めから強烈な水圧の水流が突き刺さってきました。
 膣口を抉じ開けて流れ込む荒々しい水流。
 しばらくそこを嬲ってから弄ぶように少し上へと移動し、今度は腫れたクリトリスを弾いてきます。

「あんっ、あんっ、あーーーっ!」

 ぐんぐん昂ぶる私の欲情。
 水流は肉芽と膣口と肛門を満遍なく行き来し、私を高みへといざなってくださいます。

「あーっ、いいっ、ぃいーっ、もっと、もっとぉーっ!!」

 あるじさまのご忠告のせいではなく、自然におねだりが声として出てしまいます。
 吊られている縄とは関係無く、水流が当たりやすいようにと自ら左脚をより高く上げてその部分を誇示している私。

「そうっ!そこっ!そこをもっと、もっとーっ!!」

 一際はしたないおねだり声が合図だったかのように、水流がピタッと止まってしまいました。
 まさに寸前、あと数秒で全身に火花が弾けそうだったのに…
 クリトリスが痛いくらいズキズキ充血しているのが自分でわかりました。

「勘違いしてもらっては困るな。さっき座敷で教えただろう?この野外舞踏会はオナ子が気持ち良くなるためにやっているわけではないって」
「おまえが淫欲に翻弄され、焦らしに焦らされて悶え踊る様を見物して嘲嗤おうという趣向だと。わたくしを愉しませるためだけの余興ってことだっ」

 おそらく私はとても不満そうな顔をお見せしてしまっていたのでしょう、蔑み切った冷たい瞳のあるじさまが語気荒く吐き捨てるようにおっしゃいます。
 その視線から逃げるように自分の足元に目を逸らすと、濡れそぼった地面に着いた私のからだをただ一本で支えている右脚の白いハイソックスがべっとりと、ぬかるんだ泥で茶色く汚れていました。

 あるじさまにスススっと近づかれた寺田さまがピンク色の何かを手渡されます。
 右手で受け取られたあるじさまは、それをもう片方の手に嵌められ、つづいて右手にも。
 よく見ると寺田さまもすでに両手に嵌められていて、ガーデニングとかで使う厚手のゴム手袋みたい。

 寺田さまはその後スタスタと、お庭の端の植込みのほうへと向かわれ、ジョセフィーヌさまが嬉しそうに後を着いていかれます。
 あるじさまは私の正面にお立ちになられ、イジワルいニヤニヤ笑い。

「さて、ここからが本番だ。オナ子は、今まで経験したことの無いような快楽にのたうち悶え踊り狂うことになるだろう」
「ドマゾなおまえなら、ローソクプレイは大好きなんだろう?」

「あ、えっと、はい…」

 あるじさまからの唐突なご質問に、咄嗟のことで誤魔化すような気の利いた言葉も浮かばず、真っ正直にお答えします。
 と言っても、火を扱う遊びですから独りでは危なくて出来ませんし、これまでのパートナーの方々も、後片付けが超面倒なこともあり、これまで数回しか経験したことは無いのですが。

「それの数倍、数十倍の苦痛、すなわちマゾにとっては快感、快楽が味わえる、わたくしの庭ならではの責めだ。先週も生まれて初めて味わったマゾ女が泣いて悦んでいたな」

 そんな会話をしているうちに寺田さまが戻ってこられます。
 ゴム手袋を嵌められた右手に数本の雑草をお握りになって。
 そのひらひら揺れる葉っぱの形を見た瞬間、あっ、と気づきます。

「あっ!」

 思わず声にまで出てしまいました。

「おや?おまえ、この草が何だか知っているのか?」

 あるじさまが怪訝そうにお尋ねになります。

「あ、あの、いえ、知っているというわけではなくて…」

 その青ジソに似た形の葉っぱを目の前に見せられたことで、これから私がどんな目に遭うのかがわかってしまいました。
 それは確かに私が生まれて初めて味わう苦痛であり、それゆえの恐怖でした。

「ここに着く前に立ち寄った広場でお昼をいただいたときに、草むらに生えていたそれに足を刺されました。それでお姉さまから、その草がイラクサというお名前だとお聞きしました…」

 そのジンジンシクシクといつまでもしつこくつづく、痛みと言うか痒みと言うか痺れと言うか…
 足のふくらはぎでそれでしたから、もしも他のもっと敏感な…

「ほう。おまえはもうこの草のいやらしさは知っているのか。それで、この草で責められたことは?」

「ありませんっ。さっき初めて刺されただけですし、考えただけでゾッとします」

 心の底からの本心でした。

「そうかい、それなら今日わたくしが教えて上げようかね。この草をオナ子の一番敏感な場所にたっぷり味あわせて上げよう。思う存分身悶え踊るがいい」

「ひいぃっ!」

 あるじさまがイラクサの束をズイッと、私の剥き出しのお腹スレスレに突き出してこられます。
 思わず大げさにお腹を引っ込める私。

「この辺りに生えているイラクサは、わたくしが数年前にイタリアから取り寄せたセイヨウイラクサの種子を鉢植えで育ててから始まったものなのさ。庭に移植したら知らぬ間に山のあちこちで増えてしまった」
「こちらではさほどでもないが、ヨーロッパのBDSMシーンではネトル、イラクサの英語名だな、ネトルボンデージと呼ばれて責めの一ジャンルになっている。バスタブにこの草を敷き詰めて両手両足拘束の素っ裸で放り込む、なんていう責め方もあるぞ」

 相変わらず私の肌に触れるか触れないかのスレスレで草を揺らしつつ、あるじさまがからかうようにイジワルく私の顔を覗き込んできます。
 あるじさまのお顔と草束の葉先を交互に見ながら、心底怯えている私。

「まずはその苦痛を、その浅ましく尖り切っているマゾ乳首に与えてやろう。おまえは人一倍敏感そうだから、どうなることやら」

 嗜虐色に染まり切ったあるじさまのお顔。
 私の恐怖も最高潮。

「そ、それだけはお許しくださいっ!他のことなら何でもしますからっ!そ、そんなことをされたら、私、どうなってしまうか…」

 目尻に涙まで浮かんでいるのが自分でわかりました。
 ふくらはぎで味あわされた第一印象がサイアクでしたから、未知の刺激に本気で怖じ気づいています。

「ふうん、これまでで一番怯えた顔をしているな。そういうおまえの顔をわたくしは、一番見たかったのさ」
「それに、どうなってしまうかわからないから面白いのだろう?わたくしの見るところ、おまえのマゾ性はまだまだ伸び代がありそうなのだし」

 ニヤッと笑われたあるじさま。
 スッと伸ばされたあるじさまの右手。
 私の右乳房をスッと何かが撫ぜ過ぎていった感触。
 その直後…

「あーーーーーーーーっ!!」

 自分でも信じられないほどの絶叫が自分の口からほとばしり出ていました。

 右乳首を撫ぜられた感触が去ったと同時にチクン、ズキンと乳房に絡みついた痛み。
 その痛みは最初の衝撃をキープしつつ、いつまでもしつこく同じ場所に居座っています。
 
 チクチクなのかシクシクなのかズキズキなのか、自分でも表現できない不快感溢れる痛み。
 それがいつまでもそこに居座ってヒクヒク乳首を疼かせてきます。

「あーーーーーーーーっ!!」

 その疼きに気を取られているあいだに、左乳首にも同様の苦痛。
 もちろんあるじさまが左乳房も撫ぜられたからでしょう。

 両方のおっぱい、それも乳首を中心とした乳暈全体が喩えようのない刺激に蹂躙されていました。
 山芋ともワサビとも、スースーする塗り薬とも熱いローソクの蝋とも違う、形容出来ない刺激。

 今すぐ患部に他の物理的刺激が欲しい…
 撫で擦るだけでも揉みしだくだけでも、なんなら掻き毟られてもかまわない…
 そんな居ても立っても居られない、どうしようもなく耐え難い、狂おしいほどの痛痒痛さ。

「あっ、あんっ、あーっ、あん、あんっ、ふぅーんっ…」

 あやつり人形状態でクネクネ身を捩らせて、文字通り身悶え踊り狂う私。
 それほど強烈な両乳房への持続的な刺激。

「ほお、いい感じに踊っているじゃないか。オナ子、今、何をして欲しい?」

「は、はいっ、どうか、私のおっぱいを触ってください、揉みしだいて引っ掻いて、この痛痒さから逃れさせてくだいっ!」

 私の心の底からの叫びでした。
 例えあるじさまでなくても、そこにおられるのならどなたにでも、全集中で懇願していたと思います。

「ふふん、でもそれは出来ない相談だな。イラクサに刺された肌を掻きむしるのはご法度だ。患部が広がり、かぶれて爛れてしまうからな」

 お腹の底からご愉快そうな、それゆえに底意地の悪さがはっきり感じ取れる、あるじさまからのお言葉。

「だからオナ子は自分の両手を拘束されていることを感謝するがいい。もし自由だったら、あっという間に自分で掻き毟って、そのスベスベな白い肌が無残に赤く爛れていたことだろう」

 お芝居口調に磨きをかけられるあるじさま。
 ジョセフィーヌさまも立ち上がられ、お口から舌をペロンと出され、ハアハア呼吸を荒げつつ私を見つめています。

「さあ、仕上げだ。最後におまえのしどけなくおっ広げている股の中心でテラテラ光っているスケベ豆に、じっくりネトルを味あわせて最終楽章へ進むとしようか」

 そのお言葉が意味する残酷さは、もはや重々わかっていました。
 それこそが私が、もっとも恐れていた状況でした。

「あ、あるじさまっ、どうか、どうかそれだけはお許しくださいっ!そんなことをされてしまったら直子は、あ、いえ、マゾ子は…オナ子は、どうなってしまうかわかりません…」

 SMプレイというのは、ある意味未体験な刺激の連続ですから、今までに何度も怖じ気ついたことはありました。
 露出プレイから始まって縄での縛り、鞭打ち、洗濯バサミ、アナル責め、拘束責め、放置責め…

 それらのプレイなら大なり小なり、事前にSMの小説やビデオ、またはネットでの解説から、その内容を知っている、少なくともどんな感じになりそうかくらいを頭で理解出来ていると思えるプレイでした。
 でも、今現在行なわれているイラクサ責めは、まったく未知のプレイ、それも今行なわれている現在進行形で、その予想を超えた未知数な威力を充分味わっていました。
 これ以上、と要求されたときに感じる、それゆえの恐怖感。

「どんどん怯えの色が濃くなってきているな、それこそがマゾ調教の醍醐味だ。存分に怯えるがいい」

 再び私に近づいてこられたあるじさま。
 その眼鏡の奥の瞳は、嗜虐色一色に染まられています。

「そんなふうに哀れっぽく許しを乞われて、よしわかったと諦めるようなわたくしに見えるのかい?」
「そう、その通り。答えはノーだ」

「あーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」

 間髪を入れずにスルッと撫ぜられた股間。
 一番突き出ていたクリトリスが、いの一番に洗礼を受け、すぐに大陰唇や開いて覗いていた粘膜がつづきました。

「いやーーーーーーーっ!!!」

 撫ぜられた直後にビクビクンと一度イッた気がします。
 それでもしつこくマゾマンコ全体に痛痒さをもたらしてくるイラクサさま。
 相変わらず疼痛で疼かせてくる両乳首への痛痒さとも相俟って、喩えようのないエクスタシーが大きく小さく全身を何度も貫いていきます。

「おお、いいじゃないか。踊れ踊れ、全身を悶えくねらせて思う存分踊り狂うがいい」

 あるじさまのお言葉を待つまでもなく、私の全身は未知な意地の悪い痛痒さにのたうちまくっています。
 苦痛と快感が六分四分な、それまで味わったことの無い性感。
 ただし、徐々に五分五分へと移行していき、いずれは逆転してしまうような予感も感じています。

「さてオナ子、今、何を一番して欲しい?」

 イラクサの束を私の眼前で振りながら、イジワルく私の顔を覗き込んでこられるあるじさま。

「はいっ、オナ子のおっぱいとマゾマンコを弄って欲しいですっ。滅茶苦茶に掻き回して、この痛痒さから解放して欲しいんですぅ…」

 本当にこの得体の知れない痛痒さから解放されるなら、何でもするし出来ると思いました。
 その一方で更に、この刺激に新たな刺激が加わったなら、どうなってしまうのだろう、とも…

「よもやわたくしがおまえの要求通りにしてやるとは思っていないのだろう?おまえみたいなドマゾ女の浅ましい肌など、わたくしの手で触れたくもないしな」

 お芝居口調絶好調なあるじさまの怒気を含まれたお声。
 ご丁寧にもその後もう一度、右乳首、左乳首、クリトリスへとイラクサの葉で撫ぜてくださいます。

「あーーーーーーっ、だめーーーっ、いやーーーーーーぁっ!!!」

 更なる刺激が加算され、ビクンビクンと全身を跳ねらせてイッてしまう私。
 その様子をニヤニヤ笑いで眺められているあるじさまと寺田さま、ジョセフィーヌさまもハアハアとよだれを垂らされて私を見ています。

「でもまあ、オナ子が涙を流してまで悦んでいるのだから、わたくしも慈悲をやろう。寺田?水を浴びせてやりなさい、一番キツイやつをな」

 あるじさまのご指示で寺田さまが、再びホースを私に向けて構えられました。


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