「あ!大事なことを忘れていたわ。これ!」
お姉さまのお店のロゴが入ったビニール袋が差し出されました。
「?」
「あなたにあげるって約束した、残りの下着」
「そんな悪いです。お金も5千円しか払っていないし」
「いいの。これは、あたしたちが出逢った記念のシルシよ。悪いと思ったら、今度来るとき、何か差し入れでも持って来て。ワインがいいかな?白ワイン」
お言葉が途切れたとき、エレベーターが到着しました。
誰も乗っていません。
エレベーターの扉が閉まると同時に、私はお姉さまの胸に顔をうずめました。
「それから、今渡した記念のシルシ、お家につくまで絶対開けちゃだめよ。もし途中で開けたら、あたしがおばあちゃんになっちゃうからね?」
抱きついているお姉さまの胸に、ギューッと私の顔を押しつけました。
不意に、エレベーターが降下し始めました。
お姉さまがやっと、4階のボタンを押したのでしょう。
エレベーターの中で私はずっと、お姉さまの胸に顔をうずめていました。
私は泣いていました。
お姉さまの胸の、どくんどくん、という音を聞いていて、なぜだかポロポロ涙がこぼれてきてしまったのです。
4階に到着してエレベーターを降りると、お姉さまが私をやさしく抱き寄せて、私の頬をつたう涙を一つ一つ、唇で消してくれました。
それから急に激しく私の唇を奪い、行きのエレベーターのときのように私の舌を激しく吸ってきました。
私もそれに夢中で応えました。
カチャン!
扉の鍵をはずすような音がしたので、私たちはあわててからだを離しました。
扉を開けて入ってきた若い女性は、どこかの店員さんのようでした。
その人は、内鍵を閉めると私たちをチラッと横目で見て、この階で止まったままのエレベーターにそそくさと乗り込んでいきました。
お姉さまが両手で、私の両手を取りました。
「それじゃあ、今日はここでさよならね。あたしは、もう一度上まで行って、鍵とか返してこなきゃいけないから・・・」
「その扉を開ければ、4階の売り場フロアね。私のお店は八時までで、サトミもいると思うから、よかったら寄ってやって・・・ま、どっちでもいいけれど・・・」
「あと、帰る前にまたトイレに寄って、髪とお化粧、直していきなさい。またひどい顔になってる・・・サングラスいる?」
「・・・うん」
お姉さまが私の顔にかけてくださいました。
それから、さっき店員さんがかけた鍵を、カチっとはずしました。
「あなたが出て行ったら、あたしがこっち側からまた鍵かけるから」
「・・・また絶対逢いに来ますから!」
半泣きベソ声で言ってから、お姉さまの右手を私の左のおっぱいの上に誘導し、お姉さまの唇に軽く自分の唇を重ねた後、お姉さまの耳元にそっと自分の唇を寄せました。
「揉んで・・・」
私がささやくと、お姉さまは3回、右手を軽くニギニギしてくれました。
「ありがとぅ・・・」
私は、もう一度お姉さまのお顔をじっと見つめてから、目をそらして鉄の扉を外へ向かって押しました。
おトイレにもサトミさんの所にも寄らず、ファッションビルを出て、横浜の街に出ました。
もう、あたりはすっかり薄暗くなっていました。
数歩も歩かないうちに猛烈な疲労感が、からだ全体に襲ってきました。
緊張が一気に解けてしまったようでした。
それはそうでしょう。
今日一日、いいえ正確には半日くらいで、何度イったことでしょう。
この疲労感では、これから1時間弱電車に乗って自宅に帰りつける自信がありません。
きっと電車の中で、だらしなく眠りこけてしまうに違いありません。
タオルで一応拭いたけれど、からだ中がなんかベトベトしているのも、すっごく気になってきました。
ちょうど目についたシティホテルに飛び込みました。
シンプルなシングルルームに入ると、電気も点けずにバッタリとベッドに倒れこみました。
しばらく、そうしていましたが、これではいけない、と思い、起き上がります。
本当に今日は、着たり脱いだり大忙しね?ヘンタイ直子さんは・・・
なんて思いながら、また服を脱ぎました。
お姉さまに穿かせていただいたパンティだけは、紐が解けないように慎重に脱ぎました。
全裸になって、シャワールームに入ります。
ジャワーを全開にして、しばらく頭から浴びていました。
気持ちいい。
今日、私のからだから分泌された汗や、愛液や、よだれや、涙や、その他いろいろな液体が洗い流されていきます。
ちょこっと元気が戻ってきたので、丁寧に髪を洗い、からだもゆっくり洗いました。
備え付けのバスタオルでからだを拭いながら冷蔵庫を開け、アメリカ製の缶ビールを一本取り出しました。
裸のままベッドに座り、プシュっと栓を開けてビールを喉に流し込みます。
ごくごくごくごく・・・
あー美味しい!
午後中ずっと何も食べていないのに、不思議にお腹は空いていませんでした。
髪にドライヤーをかけているうちに、酔いがまわってきたのか、また急激な眠気が襲ってきました。
最後の力を振り絞ってドライヤーをかけ終え、髪をまとめてナイトキャップをかぶります。
全裸のまま、冷たいシーツにもぐりこみました。
「おやすみなさい。お姉さま・・・」
夢も見ず、グッスリ眠り込んでいたようです。
目覚めたのは、朝の七時過ぎでした。
一瞬、自分がどこにいるのかわからなくて、あたふたしました。
昨日ベッドに入ったのは、確か夜の七時過ぎでしたから約12時間、一度も起きずに眠っていたことになります。
全裸のまま歯を磨き、顔を洗い、長いオシッコをしました。
昨日、あんなに尖りっぱなしだった乳首も今朝は極めて平常心のよう。
クリちゃんも鞘に包まれて、ひっそりしています。
不意に、昨日お姉さまが去り際に渡してくれた、記念のシルシ、のことを思い出しました。
「まだ、家に着いていないけれど、日付も変わっているから、いいよね?」
独り言を言いながらベッドの上で、お店のロゴが入ったビニール袋の口を留めているテープを丁寧に剥がしました。
袋の中には、昨日穿かせていただいたピカピカ以外の、お姉さまが見立ててくれたパンティ2着と一緒に、最初にお姉さまが持ってきてくれた、あなたには絶対似合う、お姉さまお墨付き過激なパンティ3着まで入っていました。
おまけに、昨日試着したストラップレスブラと同じデザインで水色のブラまで。
「・・・お姉さま・・・」
口に出した途端、なぜだかポタポタと涙がこぼれて、私の裸のおっぱいを濡らしました。
タオルを取ってこよう、とベッドから立ち上がろうとしたら、下着の束に引っかかっていたらしい小さな紙片が、シーツの上にこぼれ落ちていたことに気がつきました。
何だろう?
拾ってみました
お姉さまの名刺でした。
カラフルでポップなデザインの名刺には、お店の名前と、
店長 渡辺 絵美
の文字がありました。
「絵美お姉さま・・・」
裏返すと、手書きの文字で携帯電話の番号。
「今日は楽しかった。今度はプライベートで遊びましょ」
という小さな文字が、綺麗な女性らしい筆跡で書かれていました。
その上に、紙面いっぱいに口紅キスマークまで!
「絵美お姉さま!」
もう一度、声に出して言ってみます。
私は、泣きながら笑っていました。
ようやくお腹も空いてきました。
早めにここを出て、いったんお家に帰りましょう。
途中で食材を買って、お料理しながら、夜が来るのを待ちましょう。
夜になって、絵美お姉さまのお店が終わる頃に、自宅から電話をしてみましょう。
電話をして、プライベートデートの日にちを決めましょう。
そのデートのときは、絵美お姉さまが似合うはずとおっしゃった、このシルクの穴あきパンティを穿いていきましょう。
また、私の乳首がむくむくと、元気になってきました。
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