2022年10月30日

肌色休暇三日目~避暑地の言いなり人形 11

「…で、でも…」

 さっき後ろ手に回したときの感触を思い出し、座っているプラスティック製の椅子の背後を手探りで確認したら案の定だったので、その結果マゾとして禁句な否定語をまた発してしまいました。

 だって今座っている椅子、背もたれと座面のあいだが背もたれの幅の分だけ20センチくらい隙間となって空いているんです。
 生尻で腰掛けたとしたら、ちょうどあの恥ずかし過ぎる自己紹介文からお尻の割れ始めまで、バッチリ素肌が覗けちゃうくらいに。

「でも何?何がでも?それじゃ答えになっていないわよね?直子はあたしの提案に対してどう考えたのかから、みんなにわかるようにきちんと説明なさい」

 お仕事のときの会議のようなご真剣なまなざし。
 一瞬オフィスにいるのか、と錯覚しちゃうほど。

「あ、はい…お姉さま、あ、いえ、チーフのお考えをお聞きして、私が汚してしまったスカートは直ちに水洗いなりをするべきだと思いました…」

「だけど私がこのスカートを脱いでしまうと、私の下半身を覆う衣服はありませんから、汚れを落とすあいだ私は下半身裸で過ごすことになります…」

「椅子の背もたれで隠れるならそれでもいいかなとも思ったのですが、念の為に背もたれを確認すると下の方に隙間が空いていました…」

 一生懸命頭を整理して弁明します。

「私がそれをした場合、芝生におられるみなさまに後ろから裸のお尻が視られ放題となるので、その結果ご迷惑をおかけしてしまうかな、と…」

 ただ、自分で説明しているうちに、その状態になりたい、と思っているもうひとりの自分がいることに気づいてしまいます。
 
 お昼時フードコートのテラス席で下半身を剥き出しにして、椅子の背もたれ下から生尻を覗かせている女…
 背後を行かれる方々に、あれ?あの人、お尻が出ていない?なんてコソコソ後ろ指をさされたい、なんて思ってしまっているのです。

「ご迷惑と言ったら、現在進行系で迷惑を被っているのは五十嵐さんよね?私物のスカート汚されちゃっているのだから。まず、そのご迷惑を解消するのが最優先ではなくて?」

 至極ごもっともなご意見を投げかけてこられるお姉さま。
 カメラを構えられた五十嵐さまのレンズの下から覗いているお口元がニンマリと歪んでいます。

「それに、ラッキーなことに直子が今座っている椅子の色、肌色に近いベージュだから、少しくらい生尻が覗いていたって、よっぽど近寄らない限り気づかれないわよ」

 決めつけられるようにおっしゃったお姉さま。
 そこで質疑は終了、私の異議はあっさり却下されます。

「わ、わかりました…」

 不安なのか被虐の悦楽なのか、こんな場所で下半身丸裸になるという緊張に震える指先を、そっとスカートのウエストに近づけます。
 一番上のボタンを外せばスカートは脱げるはずですが二番目、三番目と六個すべてのボタンを外して一枚の布地状態となったスカートを、お尻を少し上げて腰から外します。

 ブラウスの裾は私の恥丘手前、下腹部の始まり辺りで途切れていますから、私のうつむいた視線に自分の露わになった無毛の下半身が女性器の割れ始めまではっきり見えています。

 細長い一枚の布状となった真っ赤なスカートを、テーブルの下からおずおずと差し出します。
 すぐにお姉さまが取り上げられ、矯めつ眇めつしげしげと検められます。

「やっぱりちょうどお尻のとこらへんの裏地がベッタリ汚れちゃってるわね。表側まで少し湿ってる」
「あたしが持ってるウエットティッシュくらいじゃ、どうにもならない感じ」

 真っ白なテーブルの上に広げて置かれた派手な赤い布地は、きっと遠くからでも目立っているはずです。
 何をしているんだろう?と吸い寄せられた視線が私の浅ましい姿に気づかなければいいのですが…

「だったらちょうどワタシ、お手洗い行きたいから、ついでに水洗いしてきてあげるよ」

 中村さまがお足下に置かれたご自分のバッグからお化粧ポーチを取り出されながらおっしゃいました。

「誰かタオル持っていない?フェイスタオルくらいのがいいかな。あとエミリー?ウエットティッシュも貸して」

 中村さまご要望のお品を、どちらもお姉さまが差し出されました。
 中村さまはスカートの濡れている部分にウエットティッシュをかぶせてからたたまれ、タオルで包んで小脇に挟まれます。

「パンツも洗っとく?」

 テーブルの上にポツンと残された私が汚した薄青色のショーツ。

「いや、パンツはいいよ。直子に自分の淫乱さを反省してもらうために、ずっとここで晒し物にしておく」

 ずっと私にビデオカメラを向けられている五十嵐さまが、私の顔を撮影しつつおっしゃいました。

「そう。んじゃあ、行ってくる」

 お席を立たれた中村さまをお見送りすると、カメラを構えられた五十嵐さまはわざわざお席を立たれ、テーブルの上の私のショーツにレンズを向けられます。
 それから私のすぐそばまで寄り添われ、至近距離から私の視線と同じアングル、すなわち剥き出しの恥丘を上から撮影された後、背後に回られ生尻を覗かせている私も撮影されています。

「お待たせー、いやードリンク類は行列で予想外に混んでてさ…」

 中村さまと入れ違うように近づいてこられる、本橋さまの明るいお声。
 トレイにさまざまなドリンクやスイーツを乗せた男性陣がお戻りになられました。

「うわっ、なんでテーブルの上に下着が置いてあるの?」

 お飲み物をそれぞれに配ろうとされていた本橋さまの驚きのお声。
 ショーツを数秒じっと見つめられた後、迷いなくその視線を私に移されます。

「あーあー、とうとう姫がパンツまで脱がされちゃったんだ」

 私のすぐそばまで来られていた橋本さまからは呆れたお声。
 そんな橋本さまは立たれたまま私を見下ろされ、その視線の先のことにも気づかれ、今度は、えーっ?という大きな驚きのお声。

「てか、スカートまで脱がされちゃってるじゃん…まったく、オンナ同士のイジメってのは情け容赦無いからなー」

 心底呆れられているような、はたまた、からかいたいだけのような、お芝居っぽいご口調で嘆かれる橋本さま。
 その視線はずっと、椅子の座面に剥き出しな形で乗っている、私の恥丘とその先の割れ始め部分に釘付けです。

「あら、イジメだなんて失礼ね。直子がお料理待っているあいだに勝手にひとり遊びして下着とスカートを汚しちゃったから洗うために脱がせただけよ。これはお仕置きであり躾けなの」

 お姉さまがニヤニヤ笑いでご反論。

「それにこれがイジメだとしたら、この子がこんなエロい顔をしているわけないじゃない?」

 確かに、男性おふたりから剥き出しの股間をじっと覗き込まれ、私は得も言われぬ甘美な恥辱を感じていました。
 しかも、この場は公共の屋外、周囲や背後からは見知らぬ人々がさんざめくお声も聞こえているのです。

 裸のお尻を直に乗せたプラスティックの椅子の座面が、性懲りもなく潤んできているのがわかります。
 視られていると実感することで、はしたないおツユが滲み出し、腫れきった肉芽が萼を脱ぎ捨てます。

 あーんっ、こんな恥ずかしいお仕置きをされているみじめな私をもっと視て…
 自分が今していることの破廉恥さに興奮してしまっている私は、困ったような曖昧笑顔を浮かべてこの状況を耐え忍ぶしかないのです。

「あたしたちはこの子がして欲しそうなことをしてあげてるだけ。あなたたちだって昨夜、みんなでモッチーを押さえつけてスネ毛をひん剥いたって言ってたじゃない。むしろそういうのこそイジメじゃないの?」

 テーブルにはそれぞれの飲み物が行き渡り、お姉さまがハイボールのグラスを軽く傾けられてからおっしゃいました。
 五十嵐さまはソフトクリーム、私の目の前にはカシスオレンジのグラス、本橋さま橋本さまは仲良くお揃いで、片手にソフトクリーム、片手にコーラのグラス。
 男性おふたりはご自分たちのテーブルにお戻りにならず、私の傍らにお立ちになったまま。

「確かにあれはイジメに近いと思う」

 本橋さまのお声が私の背後から聞こえてきます。
 ひょっとすると本橋さま、椅子の背もたれ下に覗く私の生尻をご自分のからだで隠してくださっているのかも…

「でもおまえ、機会があれば全身脱毛とかもしてみたい、って俺に言ってたじゃん」

 私の右脇の橋本さまの茶化すようなお声。

「言ったけど、その機会はぼくが決めることでしょ?ぼくは森下さんみたいにマゾッ気強くないから、この旅行中みんなにそれぞれリベンジするつもり。だからハッシーも覚悟しておいて」

 本橋さまがきっぱりしたご口調でおっしゃって女性陣がワッと沸きます。

「ほらね、ハッシー、やっぱり誘い受け…」

 五十嵐さまがお姉さまに向けてコソッとつぶやかれました。

 それからしばらくは、脱毛した後のお手入れ方法などの雑談が主に五十嵐さまと本橋さまのあいだで交わされ、そこにお姉さまと橋本さまが茶々をいれられるという感じ。
 そんな会話を聞きながらカシスオレンジをチビチビいただいていると、赤い布地を剥き出しで持たれた中村さまがお戻りになられました。

「あら?意外と早いお戻りね」

 お姉さまが中村さまにお問いかけ。
 中村さまはテーブルの上に置きっぱなしだったアイスコーヒーをブラックのまま半分ほどクイッと煽られてホッとひと息。

「うん。個室は混んでたけど洗面とパウダールームは空いてたから使い放題だった」
「お尻のほうだけ水洗いしてドライヤー当ててきたの。ポリエステル100パーだからか乾きが早かった」

 おっしゃりながらスカートをお姉さまに手渡された中村さまは、ご自身もメイクをし直されてこられたみたいで、お顔の艶やかさがよみがえっています。

「だけどもう一時を回ってしまったから、買い物も急いだほうが良さそうね、ワタシらもタチネコさんにもこの後の予定があるでしょうから」

 残っていたアイスコーヒーをもう一口で飲み干された中村さまがご自分のバッグの中をガサゴソ掻き回されて紙片を引っ張り出されます。

「ここからは二手に別れましょう、ワタシとエミリー、それにそちらも買い出しがあるでしょうから本橋さん、は食材の買い付け担当。残りの三人は、ショーコの取材でどこでも好きにしていていいのだけれど、ひとつだけ頼まれて欲しいの」

 おっしゃりながら紙片を五十嵐さまに渡された中村さま。

「先生からの頼まれ物。全部ドラッグストアで揃うはず。あとついでに虫除けスプレーも4、5本買っておいて」

 紙片に視線を落とされた五十嵐さまが素っ頓狂なお声を上げられます。

「やだっ、コンドームと浣腸薬とベビーローションだって。それもこんなにたくさん。先生、誰に使う気なのかしら」

 五十嵐さまが私の前に紙片を置かれ、見せてくださいます。
 ご年配のかたっぽい流麗なご筆跡。
 避妊具もお浣腸薬もローションもブランドと個数がご指定されています。

「そういうのは直子に買わせるといいわよ。店員に聞かせて売り場まで案内させるの。この子、それだけで濡らしちゃうはず」

 お姉さまからのイジワルなサジェスチョン。

「あ、それいい。この組み合わせを女子が買うの、かなり恥ずかしいもんね。あ、でも店内じゃ撮影は出来ないか…」

 五十嵐さまのテンションが上ったり下がったり。

「あ、俺、そういうこともあろうかとスパイカメラも持ってきてるよ、メガネ型の。今は車に置いてきちゃってるけど」

 橋本さまがあっさりおっしゃって、五十嵐さまが、さすがハッシー、と再びハイテンション。

「それじゃあ、そうね、二時十分前に駐車場に再集合ということにしましょう」

 中村さまのご提案にみなさま頷かれ、すぐにもみなさま散開という雰囲気なのですが、あの、私は…

「いや、ちょっと待って。森下さんはどうするの?このままはいくらなんでもマズイでしょ」

 背後に立たれている本橋さまが助け舟を出してくださいます。

「ああ、そうだったわね。直子はまだ下半身スッポンポンだったっけ」

 知っておられるクセにイジワルくおとぼけなさるお姉さま。

「あたしたちがこのまま移動し始めたら、この子どうする気だったのかしら。案外その格好のままで大人しく従ってきたかもね、直子ってそういう子だから」

 イジワルさ全開のお姉さまに股間の襞がヒクヒクッ。

「で、イガちゃん?パンツはどうする?」

「無しで」

 お姉さまのご相談に即答なさる五十嵐さま。

「おっけー。なら直子?立ちなさい」

 えっ、ここでですか?でも…とは思うのですが、異議を申し立てたところで時間の無駄になることはわかりきっています。
 背後は本橋さまが守ってくださっていますし、前方の椅子には中村さま、その背後にも遠くのほうにしか人影は見えません。
 ここはさっさとスカートを穿いてしまうのが得策です。

「はい…」

 椅子を少し後ろにずらして立ち上がると、テーブルの高さが私の両腿の付け根ギリギリ。
 したがって下腹部、恥丘と割れ始めは白日の下に曝け出されています。
 そこにおられる全員の視線とカメラのレンズがその部分に集まっているのを感じています。

 ああん、お姉さま、早くスカートをお渡しください…
 私の願いを嘲笑われるように、まずタオルを差し出して来られたお姉さま。

「どうせこうしているあいだもムラムラしっ放しで、椅子をマン汁で汚しちゃっているんでしょう?汚したままだと次に座る人があまりにも可哀想じゃなくて?」
「ほら、このタオルで椅子の汚れと、あなたの淫乱マゾマンコをまず拭いなさい。かなちゃんがせっかく洗ってきてくださったのだから」

「は、はい…」

 確かに私の裸のお尻を乗せていたプラスティック椅子の座面はじっとりと粘液でヌルンでいました。
 手渡されたタオルも中村さまがお手洗いで使われたものなので、絞ってはありましたが全体が湿っています。

 立ち上がった私は椅子をもう少し後方へとずらし、テーブル側に裸のお尻を突き出す格好で前屈みとなり、椅子の座面を丁寧に拭き取り始めます。
 両腿をくっつけたまま、というわけにはいかないので、どうしても両脚が開いてしまい、テーブル側の方々には、その裂け目から濡れそぼった陰唇が見事に覗けていることでしょう。

 椅子を拭き取り終わって上体を起こしたとき、見下ろされている本橋さまと目が合います。
 その瞳に憐れみが宿られているような気がして、どうして私はこんなところでこんな格好でこんなことをしているのだろう…という被虐に全身が包まれます。

 椅子を拭いた側の布地を裏返してからテーブル側へと向き直り、今度は自分の股間にタオルをあてがいます。
 みなさまにまっすぐに見つめられる中で、自分の性器をタオル越しにまさぐる私。

「…んぅッ…」

 絶対にヘンな声は洩らすまいとがまんしていたのに、クリットに擦れた布地で喉奥から迸ってしまう淫声…

「ほら、いつまでマゾマンコ撫ぜてるの?急がなきゃって言われたでしょう」

 呆れたお声と一緒にやっとスカートを手渡してくださるお姉さま。
 それをいただくと同時にタオルをテーブルに置いて赤い布地をウエストに巻きつけた私。
 大急ぎですべてのボタンを留め終えます。

「パンツはあたしが洗っておくから」

 最後までテーブル上で晒し物となっていた薄青色のショーツは、私が今使ったタオルに包んでビニール袋に入れられ、お姉さまのバッグに仕舞われます。
 これで私が着けていた下着類はすべて没収されました。

「イガちゃんはタオル持ってる?次に直子をどこかに座らせるときは、生尻の下に敷くように命令したほうがいいよ、スカート汚されたくないなら。持ってなかったら貸すけれど」

 お席を立ち上がりつつのお姉さまから五十嵐さまへのアドバイス。

「大丈夫。持ってるし、直子がどのくらいマン汁を垂れ流すのかにも興味あるから」

 一応身支度の整った私をなおも撮影しつづけられている五十嵐さま。

「じゃあワタシらはグラス類とゴミをお店に返しがてら、そのまま買い物に向かうから。一時五十分に再集合ね。さ、行きましょう、本橋さん」

 中村さまの号令でそれぞれのお荷物を手にフードコートの建物のほうへと歩き始められた中村さまとお姉さま。
 本橋さまが空のグラスや紙くずの乗ったトレイを捧げ持たれて後からつづかれます。

「んじゃあ俺はひとっ走り車まで戻ってスパイカメラ取ってくるから。きみたちはもう少しここでまったりしてな」

 橋本さまがご自分のビデオカメラをこちらのテーブル上に置かれたまま、ささっと芝生のほうへと駆け出されます。
 五十嵐さまとふたりきりで取り残される私。

「直子って、ホント、面白いよね。虐め甲斐があるって言うか、虐めざるを得ないって言うか」

 ビデオカメラをやっと下ろされた五十嵐さまが私の顔をじっと見つめながら感慨深げにおっしゃいます。
 ふたりともテーブル脇に立ったまま。

「うち、直子がモデルならいくらでもエロい露出調教漫画描けそうな気がする」

 おっしゃりながら五十嵐さまはお近くの椅子に腰掛けられますが、私はさっきのお姉さまのお言葉もあり、座ってもいいものか考え中。

「直子も座っていいよ。タオルなんか敷かずにスカートのまんまで」

 おやさしくおっしゃってくださる五十嵐さま。

「またスカートのお尻をマン汁で濡らして、傍から見てお漏らしみたいになったとしても、それは直子の自業自得だし、そんな姿で公衆の面前を徘徊する直子を見てみたい気もするし」

 五十嵐さまの唇の両端がニヤリと歪みました。


2022年10月16日

肌色休暇三日目~避暑地の言いなり人形 10

「…コです…奥の奥まで、どうぞ、じっくり…」

 お姉さまからのお電話でいただいた、動いては駄目、両手は椅子の背もたれの後ろに、というご命令が頭をよぎり、お電話に出てもいいものか一瞬迷います。
 だけどこれは明らかにお姉さまからのコールなのだし…
 結局、着信音声を黙らせたのは、すべて言い終えてしまい二周めに移った真ん中辺の頃でした。

「んっ、ハァ、はいィ…」

 お電話に応答しつつも周りをキョロキョロ見回してしまいます。
 …よかった、気づいた人はいないみたい…
 そう思っていると、唐突に停止するローター。

「お料理受け取ったから、これから戻りまーす」

 お姉さまってば、人の気も知らないでとても愉しげなお声。

「んーッ、は、はいィ……」

「どうしたの?ずいぶんと声が上ずっているけれど」

 んもう、わかっていらっしゃるクセに、お姉さまのイジワル…
 私が数秒黙り込むと、すかさずお姉さまのヒソヒソ声。

「それで、イッちゃった?」

「あ、あの、ハアァ、えっと、はい…」

「ふうん、そんな感じじゃまだご不満みたいね」

 なんでもお見通しなお姉さま。

「なら、そっちに戻るまでボーナスタイムをあげましょう。数分かからずに着くと思うけれど、せいぜい頑張りなさい」

「ハァハァ…いえ、あの、それはもう…」

 充分ですから、とつなげるつもりがプチンと切れた通話。
 数秒遅れて膣内でローターが前にも増した勢いで暴れ始めました。

「いやんっ、んんーーーッ、ンッ、ンッ、ンヌぅーーーーッ!!!」

 電話を置いて十数秒で膣奥から全身へとくまなく行き渡る気持ちいい陶酔、あんなにがまんしていたのにあっさりイキ果ててしまう私。
 頭の中はハレーション状態、ご命令も忘れて両手で顔を覆ったままテーブルに突っ伏してしまいます。

 それでも股間のローターは相変わらずの暴れまくりで、意識を手放すことさえ許してくださいません。
 頭脳以下のからだはぐったりしているのに、下半身だけがヒクンヒクン反応しています。
 快感が極まった、と思った途端にもっと深くて濃密な絶頂感がこみ上げてきています。

 両手を枕にしてテーブルに突っ伏したまま終わらない快楽の暴力を耐え忍んでいると、複数のお声が近付いてこられるような気配。
 と思う間もなく伏せた背中をゆさゆさ揺すられます。

「ちょっと、大丈夫?」

 あ、お姉さま?と思い、しんどいながらもなんとかからだを起こすと、私の顔を覗き込まれているのは中村さま。

「顔、真っ赤じゃない。まさか熱中症?暑くてまいっちゃった?」

 ご心配してくださっているような声音ですが何かお芝居っぽくて、無理矢理笑みを噛み殺されているようなそのお顔を拝見すれば、中村さまが愉しんでいらっしゃることが丸わかりです。

「へー、本当にあんな距離からでも届いちゃうんだ!直子、ちゃんとイっちゃってるじゃん」

 弾んだお声は五十嵐さま。

「今朝、何気に取説を読み返していて気づいたのよ。あたしも半信半疑だったのだけれど」

 今度こそ正真正銘なお姉さまのお声。

「最初にセッティングしたときは、あたしのスマホから直でコントロールしていたのだけれど、直子のスマホをハブとして介することで、どんなに遠くからでも管理可能なんだって」

 気がつけばいつの間にか、あんなに暴れておられたローターさまが今は力尽きたみたいに沈黙されています。

「ブルートゥースでしょ?確か届く範囲はせいぜい10メートルって言われてるよね?」

「それがあたしのスマホから直子のスマホを呼び出して、直子のスマホのブルートゥースでコントロールするらしいの。だから、どんなに遠く離れていても、極端な話、海外からでもネットさえ繋がれば直子のマゾマンコに埋まったローターを管理出来るそうよ」

 五十嵐さまとお姉さまが喜々として何やら専門的なお話をされています。
 そんな会話をお聞き流しつつ、私も徐々に現実世界へと意識が戻ってきました。

「ほら、とりあえずこれ、飲みなさい」

 お姉さまが差し出してくださったのは、プラスティックのコップになみなみと注がれた透明の液体。
 恐る恐る口をつけたら普通の冷たいお水で、これが火照ったからだに気持ち良くて、ごくごくごくごく飲み干しました。

 ひと息つくと急にいい匂いに鼻をくすぐられ、テーブル上にみなさまのお料理が乗せられているのに気づきます。
 パスタらしき平皿に盛られた麺類が二種類と、一番良い香りを漂わせているのはオムライスのプレート。

「直子の分はモッチーたちが持ってきてくれるわよ。彼らステーキ頼んでいたからもう少し時間がかかるみたい」

 お姉さまからのご説明は、自分の分は無いみたいとちょっと落胆気味に曇った顔を見られてしまったからでしょうか。
 五感が落ち着くにつれて空腹が戻ってきています。

「あたしたちは先にいただいちゃいましょう。どうせ彼らのほうが食べるの早いでしょうから」

 お姉さまの音頭でみなさま、いただきまーす。
 中村さまが良い匂いのデミグラスソースたっぷりなオムライス、五十嵐さまは冷やしごまダレぶっかけのおうどん。

 お姉さまは何かのバラ肉と温泉玉子等が乗った、こちらも冷たいおうどんでパスタではありませんでした。
 お姉さまだけ生ビールのジョッキをお供にされています。

 お姉さまがたが食べ始められて少ししてから、本橋さまと橋本さまもお戻りになられました。

「森下さん、お待たせー」

 本橋さまが私の目の前に置いてくださったのは、学校のお給食みたいなワンプレートに盛られたお料理。
 ハンバーグがメインで付け合せのナポリタンとコーンバターにポテトフライ、そこに市販のフルーツゼリーが付いて、ご飯は型で半球形に盛られ頂上に小さな緑色の旗まで立っています。

「可愛らしいでしょ?キッズプレート、お子様ランチ。直子は食欲よりも性欲だから、そのくらいがちょうどいいんじゃないかなって思ったのよ」

「でも、お子様なのに性欲のほうが強かったらやばくない?」

「うちはおねショタも好物だけどね」

 私の左隣のお席に陣取られたお姉さまから私へのご説明を混ぜっ返されたのは、私の対面のお席の中村さま。
 右隣の五十嵐さまが脈絡の無いご感想を述べられ、そこから私が先月リンコさまのご親戚の男の子とそのご友人たちと行なったあれこれをお姉さまが面白可笑しくお話され始めて、バツの悪さにお尻がムズムズしちゃう私。
 その一件も映像でちゃんと残されているから今度見せてあげる、なんてお約束までしてしまわれるお姉さま。

 極力聞こえないフリを装ってお食事に全集中しようとしていると、

「いっただきまーす」

 右隣のテーブルから弾んだ男性のお声。
 本橋さま橋本さまの前には、肉片がびっしり敷き詰められた大きな丼がおふたつ。
 ああいうの、ステーキ丼ていうのかな?

 おふたりともその丼を片手で持たれ、もう片方の手でお箸を動かされ、お口からお迎えに行かれて美味しそうにわしわし食べ進めていらっしゃいます。
 私もハンバーグが好みの味付けだったので俄然食欲が湧き、食べ切れるかな?と思った量でしたが大丈夫みたい。
 こちらのテーブルの話題がずっと私の事なので、全集中のまま黙々と食べ進めます。

「美味かったー。ごちそうさまでした」

 私たちより5分くらい遅く食べ始めたのに私たちより先に食べ終えられる男性おふたり。

「早っ。あそこのステーキ、美味しいからね。うちも肉でもよかったかな」

「うん。でもワタシらは夜のお楽しみがあるでしょ?冷凍庫に秘蔵のマツザカ、あるから」

 五十嵐さまと中村さまがこそこそ謎の会話。

「食休みに何か飲み物でも買ってきますよ。今度はぼくらが奢ります。ドリンクでもデザートでも」

 本橋さまが立ち上がられ、私たちにお声がけ。
 あら、気が利くじゃない、と盛り上がる女性陣。

「アルコールが欲しいところだけれど車の運転ありそうだしなー」

「まあそれも夜のお楽しみってことで、ワタシはアイスコーヒー」

「あたしたちは純然たる観光客だから昼飲みおっけーよね。あたしにハイボールで直子にはカシスオレンジ」

 五十嵐さまがソフトクリーム、中村さまがアイスコーヒー、お姉さまがハイボールで私にカシスオレンジ。
 私もネットで評判のご当地ソフトクリーム食べてみたいな、とも思うのですが、お姉さまのご決定は絶対です。

 ご注文品を忘れないようにということなのでしょう、男性おふたりはお隣のテーブルに座り直され、何やらメモを書かれているご様子。
 それからガタガタとトレイや食器をまとめられる音。

「空いた食器もついでに戻してきますよ」

 本橋さまが再度立ち上がられます。
 その頃には私も含めてみなさま食べ終えられていて、橋本さまが形の違う食器をひとつのトレイ上にご器用にまとめられます。
 そんなトレイをお互い両手で捧げ持たれ、肩寄せ合わられテラス敷地から建物へと遠ざかっていかれる男性おふたりのお背中。

「やっぱりゲイって一般男性に比べて細やかでよく気が利くんだね」

 五十嵐さまがなんだかしみじみとおっしゃいます。
 テーブルの上にはお水の入った手つかずのコップがふたつと私のスマホだけ。
 ランチを終えた方々がフードコートの建物からショッピングに戻られるのでしょう、背後の芝生に人影が増えてきています。

「ひと息ついたら二手に別れようか、ワタシとエミリーで食材買ってくるから、イガちゃんと直子は好きに遊んでいて。あ、でも先生から頼まれている…」

 中村さまがお話しされている最中に、突然割り込んできた音声。

「これが直子のマゾマ…」

 中村さまもびっくりされたようで、お言葉が宙ぶらりんのまま絶句されます。

 ギョッと一瞬うろたえた私も、すぐに立ち直り急いでテーブルに手を伸ばしながら横目で見ると、すぐ横でお姉さまがニヤニヤ笑いでテーブルに置いたご自分のスマホを見つめつつ、ハンディビデオカメラのレンズを私に向けておられます。
 えっ、どういうこと?少し迷ってしまい、…どうぞ、じっくり、視て…のところでやっと応答ボタンを押しました。

「もしもし…」

 困惑しつつ私が答えてもお姉さまはスマホを見つめられたまま。
 伸ばされた指がスマホ画面上で踊っています。

「あれ?」

 今度はお姉さまが怪訝そうなお声を出されます。

「直子?ローター動いていない?」

 お隣のお席から直接私に尋ねられるお姉さま。
 カメラもいったん下げられました。

「あ、はい…」

「おっかしいな、故障?それとももう電池切れ?距離が長いとたくさん電池使っちゃうのかしら」
「あたしのも直子のもスマホはまだバッテリー充分だし、ローターのほうの充電が不充分だったのかな。いずれにしてもこれは今後の製品化に向けて要検討事項だわね」

 ご不満そうなお姉さまのお声。
 そのお声のまま私にこう告げられます。

「動かないんじゃ挿れていても意味ないし、直子?ローター出しちゃっていいわよ」

 お姉さまがそうおっしゃると、右隣の五十嵐さまが身を乗り出されてきます。

「いいですね。うちも、そろそろ直子のパンツを脱がせようかな、って思ってたとこ」

「そうなの?ならイガちゃん、直子に命令してやって。今日は本来イガちゃん用の取材でディレクターなのだから」

 ご命令役をあっさり五十嵐さまに譲られ、お姉さまは再び私にカメラを向けてこられます。

「そういうわけだから直子?今ここでパンツを脱いでマンコに挿しているローターを抜きなさい。こんな屋外でひとりイキ果てていた直子のパンツがどれくらい濡れまくっているのか、見ものだわね」

 五十嵐さまの私への蔑みぶりに、どんどん磨きがかかっています。
 私ももう、でも、とか、今ここでですか?とかの異議は申し立てません。
 
 したところで状況が変わらないのはわかり切っていますし、お食事をいただいて食欲が収まった代わりにムラムラがぶり返してきている私自身が、性懲りも無くドマゾモードに逆戻りしたがっていました。

 椅子に座った腰を少し浮かせて両手を裾側からスカートの内側奥へと入れ、腰骨の辺りのショーツのゴムに指を掛けます。
 少し触っただけでショーツがゴムの辺りまで、じんわり湿っているのがわかります。

 もう少し腰を浮かせた半立ち前傾姿勢となり、ショーツを一気に膝まで下ろします。
 そこからは手探りで、サンダルに引っ掛けないように右足、左足とくぐらせると、私の左手に生暖かい濡れた布片が残りました。

 それをテーブルの下で隠し持ったまま、今度は右手だけをスカートの奥に突っ込み、膣口から覗いているはずのローターのアンテナ部分を手探ります。

「んっ!」

 最初の淫声は、股間をまさぐっていたとき誤って、やっぱり貪欲に充血しつつある肉芽を指先で擦ってしまったときのもの。

「んーっ!」

 二度目の淫声は、やっとみつけたアンテナを引っ張り、ローターが膣壁をなぞって出ていったときのもの。
 このとき、腫れ切った肉芽が完全に脱皮して空気中に露出したのが自分でわかりました。

「ほら、早くテーブルの上に出して、見せなさい」

 五十嵐さまにせっつかれますが、ふたつとも、こんな晴天の公衆の場でお見せ出来るような物体ではありません。
 かたや、ヌルベトな愛液にまみれた薄青色のビキニショーツ、こなた、ついさっきまで私の中に埋まっていた体温でまだホカホカ温かい、これまた愛液滴るローター…

 だけどいつまでもそうしているわけにもいきません。
 目を瞑って思い切って、えいやと左右の手を同時にテーブルの上に出します。

「ぅわっ!」

 お化け屋敷で耳にするような驚愕のお声がユニゾンで聞こえ、私も思わず目を開けます。
 ぅわっ!
 みなさまと同じように驚き、心の中で盛大に恥じ入る私。

 細長い円柱が少し反り返るようにカーブしたローターの黒くシリコンコーティングされた側面が満遍なく濡れそぼり、ひと筋、ふた筋、白い粘液状のラインも見て取れます。
 それは明らかに、俗に言う本気汁、白濁した愛液が作る筋でしょう。

 ショーツのほうも、最初に穿いたときのお色とは全く変わり、薄青色が満遍なく濃青色に変色し、薄青色が見えるのはゴム近辺に僅かだけ。

「うわ、パンツ、グッショグショじゃない、これ本当にえっち汁だけなの?潮も吹いていない?」
「ローターのほうにはしっかり本気汁。本気で気持ち良かったんだろうねえ」
「どっちも冬だったらホカホカ湯気立ってるよね。生々し過ぎてまさに、the性欲、theスケベって感じ」

 口々に私を恥じ入らさせてこられるみなさまですが、本当に生々し過ぎるようで、どなたも現物には手を伸ばしてこられません。
 両手をテーブルの上に伸ばし、恥ずかしい貢物をただ差し出している私に、お姉さまが黙ってレンズを向けています。

「イガちゃん?ちょっと撮影変わってくれる?」

 最初に行動に移られたのはお姉さまでした。
 五十嵐さまにビデオカメラを渡され、まず私の右手からローターを取られます。

 しげしげと少し眺められた後、形の良い唇を艶っぽくお開けになり、ローターの先っぽから躊躇なくパクっとお咥えになられます。
 キュンと高鳴る私の心臓。
 少しのあいだジュブジュブとしゃぶられた後、ご自分の足下に置かれたバッグからタオルをお出しになられ、ローターを包んで仕舞われました。

「さすがお姉さま。直子のおツユは美味しいの?」

 からかうように問われた中村さまに、それが困ったことに美味なのよ、クセになっちゃった、と嬉しいご返事を返されるお姉さま。
 そして、お姉さまの右手が濡れそぼったショーツに伸びてきます。

 お姉さまの手に渡ったショーツはお姉さまの手で機械的に広げられ、完全なビキニショーツの形となってテーブル中央に置かれます。
 それもご丁寧にクロッチ部分を中心として裏返された状態で。

「うわっ、触らなくてもベトベトヌルヌルってわかるわね」
「こっちにも本気汁が混ざってる」
「それに少しオシッコ臭くもない?」

 再び口々に私を恥じ入らさせてこられるみなさま…
 それに、こんな場所でみなさまが身を乗り出されて凝視するようなものではないはずのものなのですが…
 周りからでも少し注意して見れば、それが何なのか、すぐにわかってしまうはず…

「パンツがお尻のほうまでこれだけ濡れているということは、スカートのお尻のほうにも滲み出しているはずよね、どう?直子」

 お姉さまの的確なご指摘に、私は正直にお答えするだけ。

「は、はい…」

 実際、今は生尻が直にスカート裏地に密着する状態で座っているのですが、お尻を下ろした途端にヒヤッとするほど布地が湿っているのがわかりました。

「それなら今のうちに粘液だけでも拭っておかないと、シミが残ったり、乾いたら嫌な臭いを放ったりしそうだわよね?」
「そのスカートはあたしや直子の私物じゃなくて、今日知り合ったばかりの五十嵐さんからお借りしているスカートだったわよね?」

「…は、はい…」

 お姉さまが私の顔を覗き込まれ、その様子を五十嵐さまが至近距離からじーっと撮影されています。

「だったら直子は、どう対処するべきだと思う?」

 イジワルさご満開なお顔で尋ねてこられるお姉さま。
 すなわちお姉さまは私に、この場でスカートまで脱いで下半身丸出しにおなりなさい、とおっしゃられているのです。

* 

2022年10月10日

肌色休暇三日目~避暑地の言いなり人形 09

 スカートにインしたブラウスの裾も抜いて完全に脱ぎ去り、上半身スッポンポン状態。
 お外にはスモークガラス越しに私の剥き出しな背中が見えているはずです。

「ふーん、確かに直子の乳首はいやらしいわ。こう、思わず手を伸ばして摘みたくなっちゃうのはわかる」

 私のおっぱいにお顔を寄せられ、至近距離からしげしげと見つめてこられる五十嵐さま。
 お話されるときの息が敏感乳首に吹きかかってきて、こそばゆい。

「乳輪も大きめだから、こっちの指用じゃガーゼに収まらないだろうな」

 普通の切り傷で指に巻き付けるくらいの絆創膏の箱と私の乳首を見比べていらっしゃいます。

「でも、乳輪がチラッと絆創膏からはみ出しちゃってるのも、それはそれで卑猥な趣があるんだけれども…バッテンに貼ったりして」

 車内におられるすべての方々の視線が私のおっぱいの先端に集中されています。

「だけどやっぱり安全策としは面積の広いこっちだな。それにこっちのほうが見るからに絆創膏然としていて、見てくれるギャラリーにもわかりやすいだろうし」

 もうひとつの箱のほうは、肘とか膝のケガに貼る、四角くて真ん中がガーゼのタイプ。
 と言うか、せっかく隠すのに、周りのみなさまに見ていただくことが前提となっていません?
 そんな私の戸惑いも知らず、箱を開けて中から数枚取り出される五十嵐さま。

「ちゃんと汗を拭き取っておかないと、すぐ剥がれちゃうからね」

 五十嵐さまがリュックから小さなハンドタオルも取り出され、私が丸出しにしているおっぱいに近づけてこられます。

「んっ!」

 ザラッとしたタオル地が尖り切った敏感乳首に触れた途端、ビクンと感じてしまいます。
 ハンドタオルを被せた五十嵐さまの右手が私の左おっぱいを優しく包み、その手を押し付けるように握ったり開いたり。

 絶対ワザとでしょうが、タオルに被せた人差し指と中指のあいだに私の乳首を挟まれ、キュッキュッとしごくように刺激してこられるんです。
 その心地良さに私の腰は思わずモジモジとくねり、屈めた両膝を切なく擦り合わせてしまいます。

「んふっ…んっふぅーんっ…」

 はしたない声は極力がまんしようと努力はしているのですが、口をつぐんでも鼻から洩れてしまう淫ら息。
 
 左おっぱいが存分に弄ばれた後、五十嵐さまのタオルが右おっぱいに移ります。
 こちら側はやや乱暴に、揉みしだくようにタオルが押し付けられ、尖った乳首を潰されます。

「んふぐぅっ…」

 絶妙な愛撫に思わず漏れ出てしまう歓喜の鼻息。
 タオルで覆われた乳首を爪先でコリコリ嬲られ、ゾクゾクっと背筋を駆け上がる快感。
 ローターを挿れられた股間から一筋のおツユがツツーっと内腿を滑り落ちたのがわかりました。

「こんなもんでいいか」

 タオルがおっぱいから離れて股間のムズムズだけが置き去りに。
 五十嵐さまってば、ご自分のおっぱいは控えめなのに、ぽってりおっぱいへの愛撫が的を射ていて手慣れた感じなのは、なぜなのかしら?
 
 そんな謎を秘められた五十嵐さまは、5、6センチ四方の四角い絆創膏シール部分のあて紙を剥がされ、私の左おっぱい乳頭へと近づけて来られます。
 何かが肌に貼り付く感覚、つづいて何かに乳首を覆われる感覚。

「んっ!」

「ちょっと、直子の乳首、超3D。おまけに凄く硬いから横向きに押さえ付けるみたいになっちゃうけどがまんしてね」

 五十嵐さまのお言葉通り、硬く飛び出した乳首がガーゼ部分に押し倒され、おっぱいのお肉にめり込む感じに。
 それでも懸命に起き上がろうとしているので、絆創膏中央にうっすら頂点が出来てしまっています。

 右おっぱいにも同じ仕打ちを施され虐げられた私の両乳首。
 見た目は肌と同色に近い肌色絆創膏のおかげで、シュールなのっぺらぼうおっぱいと化しました。

「これでよしっ、猥褻物が人の目に触れる心配はなくなった、と。シャツ着て上着羽織って」

 ご満足気におっしゃる五十嵐さま。

「終わった?じゃあ早く行こう。ワタシもうお腹ペコペコ」

 中村さまのお言葉に急かされて大慌てでブラウスを着直し、ボレロカーディガンを羽織り直します。
 リボンを結んでパイスラポシェットを提げ直すと同時に、どなたかに右手を引っぱられました。

 顔を上げると、手をつないでくださったのはお姉さま。
 そのままみなさまと一緒に車外へ。
 駐車場内からショッピングモールの表側へと出る通路をぞろぞろ歩くと、やがて目の前に開ける芝生の広場。

「やっぱり夏休みが終わるとぐんと人が減るわね。先週なんかこの辺り、ごった返してショップによっては入場制限までしていたのに」

 中村さまのお言葉に周りを見回すと、こちらのモールは有名なハイブランドばかり集まっているみたい。
 そして確かにおっしゃられた通り、行き交う人はまばらでのんびりした雰囲気です。
 私も今は、何か恥ずかしいものが見えてしまう心配が全く無くなったので超リラックス。

 目指すフードコートはVの字に連なるモール通路の、開いている上部分に位置するらしく、男性おふたりと女性四名の謎集団が人影まばらな芝生広場をぶらぶらと斜め横断していきます。
 太陽が真上で輝くお昼どき、暑いは暑いのですが、嫌な湿気がなく時折り心地良いそよ風も吹いてくださり、まさに高原の夏という感じ。

「天気いいからテラス席で食べると気持ち良さそうだね。熱いラーメンとかはさすがにカンベンだけど」

 五十嵐さまがどなたにおっしゃるでもない感じのお独り言。

「それにここって店内での撮影は軒並みNGらしいけど、テラスなら撮影出来そうだし」

 今度は、はっきりと私に笑みを向けられておっしゃいました。
 ドキンと跳ねる私の心臓。

 お食事中にも何かしらの辱めを考えられているみたい。
 思わずお姉さまの手をギュッと握りしめたのが合図となったかのように、お姉さまが前を行かれる男性おふたりにお声をかけられます。

「あなたたちはどうせ肉なんでしょ?直子の貪欲なヘンタイ性癖につき合ってくれるギャラとして今日はあたしが全員に奢るから、何でも好きなもの好きなだけ食べていいわよ」

 お姉さまがおっしゃったお言葉でみなさまがドッと沸き、口々に、さすがチーフ、あざーす、あざーす、とお礼を述べられます。
 ひと気少ない芝生広場でわいわい騒ぐ男女グループに、たまにすれ違う人たちから訝しげな視線が集まります。
 目前にグリーンやベージュのパラソルの海が見えてきて、その奥数十メートル先が飲食店の連なる建物みたい。

「やっぱ人少な。夏休み中の混雑が嘘みたい」

 五十嵐さまがおっしゃるように、お昼時のフードコートですからそれなりの数の人々が集まってはおられるのですが、敷地も広いのでちょっと寂しい賑わい。
 パラソルのテラス席にも、こちらにおひと組、遠くのあちらにもうおひと組という感じです。

「ワタシたちは六人だから、こことそこのテーブルを使わせてもらおっか」

 芝生に近いグリーンのパラソル下のお席を指さされた中村さま。
 五十嵐さまとお姉さまがそのテーブルにリュックやバッグを置かれ、一メートルくらい離れたお隣のお席に本橋さまも提げていたバッグを置かれます。

「ハッシーもカメラ置いていいよ。一時休憩ね」

 五十嵐さまのお声で橋本さまが、お車にいるときからずっと私に向けられていたビデオカメラをやっと下ろされます。

「あー、腹減ったぁ。今朝は二日酔いヒドくて殆ど食えなかったんだよな…」

 橋本さまの情けないお声にみなさまがクスクス笑われています。

「直子はここで席取り荷物番ね。メニューはあたしが選んだものでいいでしょ?どうせ一文無しなんだし」

 お姉さまからからかうように尋ねられ、もちろん、はいっ、と即盲従。
 それからお姉さまは、ご自分のバッグからいつものビデオカメラをわざわざお出しになられてテーブルに置かれ、こうつづけられました。

「あ、それと、直子のスマホもテーブルの上に出しておきなさい」

「あ、はい…」

 私の前にある椅子を引いてくださるお姉さま。
 私がそこへ腰掛けてポシェットからスマホを取り出すのを横目に、みなさまぞろぞろとお店のほうへと歩き始められます。
 そのお背中をお見送りしてから、目前に視線を落としました。

 目の前には自分のスマホとお姉さまのビデオカメラ。
 その奥にみなさまのお荷物。

 スマホを出しておけというご指示は、ランチを頼みに行かれたお姉さまからやがてお電話が来る、と理解していいように思います。
 私のスマホの今の着信音は自分の恥ずかし過ぎる音声ですから、もしも着信が来たら、すぐに応答しなければなりません。

 今は幸い周りのテーブルも空席ばかりで、見知らぬ人に聞かれる心配もありませんが、いつ、近くに人が来られるかはわかりません。
 それにあの音声、ボリューム大きめだし周りは静かだしで、少し離れた所でも聞き取れちゃいそうだし。

 そう考えて、着信が来たらすぐ手に取れるようにと、スマホの真っ黒な画面とにらめっこを始めます。
 ときどき無音のスマホを手に取ると、自分の恥ずかし過ぎる待受画面が映っては消え、ついでに映る時計で時間がわかります。

 置き去りにされて3分くらい経った頃、緊張が少し緩み、周りを見渡す余裕が出てきます。
 ごくたまにですが、私のテーブルの傍を通り過ぎて行かれる方々もいました。
 仲睦まじそうなカップルさんや、女性同士または男性同士のおふたり連れ、ご中年のご夫婦のような方々。

 そんな方々がなぜだか一様に、じーっと私のほうを見ていくような気がしていました。
 通り過ぎてからも振り向いて見てくるかたとか、一度目線を切られても慌てて二度見されてくる人とか。
 なんでだろう、今はじっと視られるような恥ずかしい服装ではないのに、と当惑していたら、はたと気づきました。

 おそらく首輪です。
 自分では慣れすぎていて、していることも忘れ去っていた首輪。
 今の私のファッションでは明らかな異物である、くすんだ赤色の無骨なワンちゃん用首輪。

 私にとってはマゾのシルシとしていたって自然な姿なのですが、こんな健全な商業施設にマゾ女がそのシルシを着けて平然と座っていること自体、市井の人たちにとっては奇異に映っているんです。
 長らく眠り込んでいた理性という常識がやっと息を吹き返し、今、自分はとんでもなく恥ずかしい姿を世間様に晒しているんだ、という逃げ出したいほどの羞恥が一気に押し寄せてきました。

 もちろん首輪をしているからと言って、それをマゾという性癖にすぐ結び付けられる人は多くはないとも思います。
 でも変なファッションの変な女、とは誰しもが思われ、だからこそじろじろ視られているのは事実でしょう。
 知られたくないはずの不健全で後ろめたい性癖を、こんなに明るく健全な公然で平然と晒してしまっている自分…

 そうなんです…私、マゾなんです…どうぞご自由に貶めてください…
 
 やっと目覚めた理性がマゾ特有の自虐願望でみるみる隅に追いやられ、脳内の変なスイッチが入ってしまったとき、目前のスマホがブルッと震えて画面が明るくなります。

「あっ!」

 大慌てでスマホを手に取ると浮かび上がる自分のヘンタイ画像。
 着信音が鳴ったらすぐ応答しなきゃ、と周りをきょろきょろ見回す私。
 幸い近くに人影は見当たりません。

 スマホに視線を戻し、自分のくぱあ画像を数秒見つめますが、一向に着信音は鳴りません。
 代わりに別のところに反応が…

「んっ!」

 思わず声が出てしまうくらい、股間のローターが震え始めます。
 スマホの時刻表示では、置き去りにされて6分後くらい。
 最初は強烈だったローターの震えがだんだんと緩めになってきたなと思っていたら…

「これが直子の…」

 私のスマホがいきなり喋り出し、焦って応答ボタンをタップする私。

「もしもし?ハンバーグか牛ステーキ小さめ4切れか、あと小ぶりなチャーハンだと、どれがいい?」

 お姉さまからの突然&想定外のご質問にパニックとなる私。
 お電話の向こうでは、あの子、サカッちゃうと食欲出ないのよ、とどなたかにご説明されるお姉さまの小さいお声。

「あ、ではハンバーグでお願いします…」

 確かに今の私は食欲どころではないので、一番最初に告げられた選択肢をオウム返し的にお答えします。

「おーけー、ハンバーグね。その他に何か変わったことあった?」

 お電話の向こうにおられても、お姉さまがイタズラっぽい笑顔になられていらっしゃるのがわかるようなニュアンス。

「あ、あの、私の中のバイブ、あ、いえローターが震え始めているのですけれど…」

 恥ずかしい会話をしている自覚はあって、ヒソヒソ声になってしまいます。

「へー、こんなに距離があってもちゃんと動くんだ、やっぱりうちのミサは優秀ね」

 お姉さまがご感心されたお声をあげられ、数秒してからローターも完全に鎮まります。

「じゃあ直子?これからあたしの言う通りにしなさい」

 お声のニュアンスががらりと変わられ、冷たくご命令されるミストレスのご口調に。

「テーブルの上のあたしのビデオカメラの電源を入れて直子の顔がちゃんと映るようにモニターを見ながらセットしなさい。出来るわよね?今朝だって上手に自撮りしていたのだから。で、セット出来たらあたしにコールバック」

 それだけおっしゃってプチっと通話が切れました。
 そしてそれだけでお姉さまが何をなされたいのかを察してしまう私。

 更に今朝のジョセフィーヌさまとのお散歩映像をすでにお姉さまがご覧になっていた、という事実に、自ら率先して繰り広げたジョセフィーヌさまとの痴態の数々を思い出し、体温が二度くらいカーッと上がってしまいました。
 
 おそらく私がシャワーしているあいだにみなさまでご覧になられたのでしょう。
 嬉々として自撮りしたのは自分ですから、完全な自業自得ではあるのですが。

 気を取り直してビデオカメラの電源を入れ正面に置き、モニター画面を自分に向けます。
 自分の顔が画面中央に映るようレンズを向けるために距離を調節し、少し上向きにするために空になった自分のポシェットを外してビデオカメラ本体の下にかませて微調整。
 お姉さまのご指示通りになったところでコールバック。

「はい?」

「出来ました」

 すぐにお出になったお姉さまから、おーけー、のお返事。

「ビデオを録画にして、直子はその場から絶対動いちゃ駄目よ。両手は椅子の背もたれの後ろに」

 冷たいお声のご指示をいただき、通話は再度、唐突に切断されます。
 スマホをテーブルに置き、ご命令通り両手を背もたれの後ろで組んでセルフ磔状態に。

「んーっ!」

 数秒の沈黙後、股間に強烈な振動。
 思わずうつむいて両腿をギュッと擦り合わせてしまうほど。

 ついさっきまで、せっかく挿れたのに動かしてくださらないんだ、なんて無い物ねだりをしていた思いが、あっさり後悔に塗り替えられます。
 膣壁の粘膜を乱暴に震わせてくださる振動で、その後悔も瞬く間に悦びへと変わっていきます。
 ブゥウンという低い振動音さえ聞き取れるくらいの激しい震え。

「んーーーっ、んーーーっ!!」

 薄れている理性とは言え、こんな場所ではしたない淫ら声を洩らしてはいけないということはわかっています。
 必死に唇を噛み締めて、必死に悦楽の波に逆らいます。

 来るときの電車内でお姉さまが試されていた振動のパターン、規則正しい震え、強弱をつけたランダムな震え、膣中を掻き回すような乱暴な震え、膣奥に侵入してくるようなピストンに似た震え…
 そんな振動たちが電車のときよりも強めの振動をキープしたまま、ランダムな間隔で私のマゾマンコを蹂躙してくださっています。

 いやっ、だめっ、許してっ…
 そうつぶやかずにはいられないほど嬲られ放題な蹂躙の嵐。

 目の前にはビデオカメラのレンズ。
 私がこうして人知れず身悶え犯され乱れているライブな表情が、カメラ本体横の小さなモニターで確認出来、更にもれなくデジタルで記録されているのです。

 振動のパターンは、強弱をつけたランダムな震え、に落ち着いたみたい。
 ときに強く長く、かと思うと急に弱くという焦らし責め。
 押し潰されている両乳首が絆創膏の下でヒクヒク暴れています。
 股間はビシャビシャに潤み、スカートのお尻側まで染み出して椅子の座面をも汚しているのが布地の冷たさでわかります。
 
 両膝を固く閉じ合わせたまま、全身が細かく痙攣しています。
 快感の蓄積を感じつつ、小さく何度もイッています。
 ここは公共の場、避暑地の商業施設。
 なのに陵辱の振動を止めてくださらない、イジワルなお姉さまの手の内にあるコントローラー。

 目の前に置いた自分のスマホは、なぜだかずっと待受画面を映し出したまま。
 それが私に、ほら、おまえはつまりそういう女なんだよ、と思い知らしめてくださっているかのよう。

 絶え間なく迫りくる快感に何度もうつむいたり顔を上げたり。
 フードコートのテラス席に独り座って独り身悶え、ハッハッと熱い息を吐きつづけている首輪の女。
 モニターには、私の背後の芝生を歩いて行かれる人影が時折り映り込んではいましたが、もはや私に周りを気にする余裕なんてありません。
 
 ヴイィィン…ヴゥン…ヴイイィィィィーーッ…ブン…ヴゥン…

 股間から響く振動音が一段上がった気がします
 振動は、膣中を掻き回すような乱暴な震え、に変わったみたい。
 お姉さまは私をこの場でイカせてしまうことに決められたようです。

 膣壁を縦横無尽に揺すりたてて蹂躙しつづけてくる振動。
 どんどん増幅される快感の波に翻弄され、意識はもはやホワイトアウト寸前。
 
「んーッ、んぬーーーッ、んぐぅーーーーッ!!」
 
 抑えようにも抑えきれない喉奥から湧き上がる淫声。
 じっと見つめてくるレンズ横のモニターに、自分の泣き出しそうに切なげで、それなのにとても嬉しそうな、つまりは淫靡に歪んだアヘ顔が映っています。

「んっ、んっ、んーっ、ンッンッンッンッーっ…」
 
 もうがまんするのはやめて、すべてを受け入れてラクになっちゃおう…
 覚悟を決めたとき、テーブルのスマホがブルッと震え、またもや喋り始めます。

「これが直子のマゾマン…」