2021年12月19日

肌色休暇二日目~いけにえの賛美 15

 「あ、でも髪は洗ったほうがいいね、見た目でもかなりベタついちゃってるし。脱衣所の収納にシャンプー類やドライヤーが入っているから」

 バスルーム小屋へ向かおうと向けた背中に、中村さまからお声がかかります。

「あ、はい、ありがとうございます」

「全身をいったんすっかり清めてリフレッシュするといいわ。夜はまだまだ始まったばかり、これからが長いんだからさ」

 意味深なお言葉を残されて、プイッと踵を返された中村さま。
 どうやらこの後も、普通に過ごさせてはもらえなさそうです。

 目隠し樹木を抜けてガラス張りお外から丸見えバスルーム小屋へ。
 室内の電気を点けると夕方の薄闇にそこだけボーッと浮かび上がる感じ。

 もしお外にどなたかがいたら、灯りに照らされた私の入浴姿をまるで映画館で映画を観ているみたいに赤裸々かつ鮮明に鑑賞出来ることでしょう。
 どなたも覗いていないとわかっていても、凄く気恥ずかしい雰囲気です。

 脱衣所で首輪を外し、シャンプー類とドライヤーを確認してから浴室へ。
 今回は気兼ねなく頭からシャワーを浴び、ソープを入念に泡立ててボディアンドヘアケア。

 やっぱりずいぶん陽射しを浴びちゃったみたいで、白く残した恥ずかしい日焼け跡部分の肌がうっすらピンクに変わり始めています。
 この感じならお尻上の恥ずかし過ぎる自己紹介文も、東京へ戻る頃には読めなくなっていそう。

 余計なことは一切しないで丁寧にお手入れだけしてから、再び脱衣所へ。
 バスタオルでからだを拭った後、全裸のままドライヤーで髪を乾かしました。
 それからからだにバスタオルを巻きつけて首輪を嵌め、オールバックに髪をまとめたすっぴんでお外に出ます。

 お外は入浴のあいだに一層暮れなずみ、湿度の低い高原のそよ風がお湯で火照った素肌に心地良い。
 目隠し樹木を抜けて石畳を進み、正面玄関前へ。

 お屋敷の扉を開けた途端、美味しそうな匂いが鼻腔に飛び込んできました。
 ホールに入ると、中央付近の大きめな楕円形テーブルに色とりどりのお料理が並べられています。
 それを見た途端、グゥ、とお腹が小さく鳴り、お腹が空いていることにあらためて気がつきます。

「おお、戻ってきたね。さっぱりした顔しちゃって。髪上げた感じも色っぽくていいじゃん」

 おひとりだけ早々とお席に着かれていた五十嵐さまがお声をかけてくださいました。

「今日のメインディッシュは寺っち特製のスタミナカルボナーラパスタだよーっ」

 中村さまがホテルのルームサービスで使うみたいな銀色の配膳カートを押され、厨房のほうから現われます。
 つづいてワインボトルが2本刺さったクーラーを片手に提げられた寺田さま。
 最後にもう一台、何かが乗ったカートを押されてこちらへと近づいてこられるお姉さまのお姿が見えました。

「でも残念。直子はみんなと一緒には食べられないの。先生からご指名、入っちゃったから」

 カートを私のそばまで押してこられ、私に向き合わられたお姉さまの右手が、スッと私のほうへと伸ばされます。

「あんっ、いやんっ!」

 スルッと当然のように剥ぎ取られる私のバスタオル。
 またまたみなさま着衣の中で私ひとり全裸。

「直子は先生のお部屋にお食事を持っていって、一緒に食べなさい。それでしばらくまたお相手ね」

 お姉さまが運ばれたカートの上には山盛りのサンドイッチとスコーン、そしてミルクティのペットボトル2本にティカップがふたつ。
 つまり、このカートを先生、いえ、あるじさまのお部屋まで運びなさい、ということなのでしょう。

「この格好で…ハダカのままで、ですか?」

 他のお三かたからニヤニヤ見つめられる中、今更隠すのもワザとらしいし…とモジモジ尋ねる私。

「もちろんよ。直子を虐めてから先生、創作意欲がビンビンらしいから、いい作品になるように精一杯ご協力差し上げてきなさい」

 お姉さまが私を覆っていたバスタオルを丁寧に折りたたみながら素っ気なくおっしゃいます。

「あ、でもちょっと待って」

 異を唱えられたのは寺田さま。

「うちの先生、M女を脱がせていくシチュにも拘るほうだから、最初から全裸じゃないほうがいいかも…」

「そうだね、確かに」

 ご賛同されたのは中村さま。
 それからおふたりでしばしディスカッション。

「先生、今は何に取り掛かっているのかな。女教師凌辱もの?令嬢もの?時代もの?」
「直子とアソんでインスピレーション湧いたっていうんなら、令嬢誘拐ものじゃない?」

「令嬢ものか…でもさっきのブラウスはボロボロだし、スカートもヨレヨレだったよね?何着せよう」
「でも逆にさ、さっきのプレイで外にマッパで連れ出すまでしちゃったから、先生の中でその令嬢はもうM女奴隷状態にそこそこ堕ちてるんじゃない?」

「そっか、直子ちゃんも凄い乱れっぷりだったし、もう本格調教に移行しているかもね。それなら裸エプロンくらいでいいのかな」
「それだとエプロン外して即全裸でつまんないじゃない。脱がせる愉しみが味わえない」

「そっか、じゃあエプロンの下に先生好みのアレでも着せとこっか?」
「ああ、アレね。いいんじゃない、賛成。この子にピッタリそうにエロいのが確かあったはず」

 おっしゃった中村さまがタタタッとホールの奥のほうへと駆けだされます。
 そのお姿を呆気にとられて見ている私の背後で、寺田さまが後ろに結んだ私の髪を解かれました。

「そういう格好ならオールバックよりこっちの髪型のほうが似合うはず」

 そんなことをおっしゃりつつ、手慣れた感じで私の後ろ髪を分けられる寺田さま。
 あっという間に両耳の上で結んだツインテールヘアに早変わり。
 そこへタイミング良く中村さまが戻られます。

「ほら、まずはこれ着て」

 差し出されたのはクタッとしたブルーグレイの布片。
 手に取って広げてみると、これは水着?それともレオタード?
 ワンピース型で襟ぐりと背中が大きく開いていて、たぶんハイレグ。
 凄く軽くて薄くて伸縮性があって、しかもたぶん私には少し小さい…

 なにはともあれご命令ですので着てみます。
 両脚を通してからだを布片で覆い、肩紐を両肩へ。

「んっ!」

 やっぱり私には少し小さいみたい。
 伸縮性のある布地が早くも股のあいだへと食い込み、おっぱいを押し潰すように貼り付いてきます。

 やっぱり超ハイレグで骨盤の上ぐらいまでの素肌が露わ。
 股間を通る布片は幅5センチにも満たないくらいなので、大陰唇を隠すのがやっと。

 襟ぐりはおろか両脇も盛大に開いているので谷間はおろか横乳までもろ見え。
 更に薄くて伸びる生地のため、両乳首はもちろん前ツキな私の陰核の位置まで、布地がこれ見よがしに突き出され、正確にそれらの位置はおろか形状までを教えてくださっています。

「おお、やらしいねー。裸より断然えっちだ」
「早速股間が濡れてきちゃってるじゃん。ほら、色が濃く変わってる」
「これなら先生も、ヤル気倍増じゃない?」

 代わる代わる囃し立ててこられる寺田さまと中村さま。
 五十嵐さまはお姉さまのビデオカメラをずーっと私に向けておられます。

「このレオタって、確かエミリーんとこの製品よね?」

 寺田さまがお姉さまに尋ねられます。

「うん。うちで扱った素材みたいね。製品ではないけれど、たぶん新素材の試作で余った布地でリンコたちが作ったんじゃないかな?何かのコスプレ用に」

「ああ、エミリーんとこの社員の可愛い子たち、コスプレ写真撮りたいって女の子おおぜいで来たときあった。確かにあの子たちが先生へのお礼兼ご参考にって、エロい衣装たくさん置いて行ったような記憶があるわ」

 中村さまが相槌を打たれます。
 こんなに遠くまで来ても、私はリンコさま特製の辱め衣装から逃れられないようです。

「あとはこれを着て、仕上げにこれ、ね」

 ジョセフィーヌさまとのお散歩のときに着せられたのと同じようなミニ丈のヒラヒラ純白なメイドエプロンを着せられ、仕上げはメイドカチューシャ。
 真っ白なヒラヒラが付いたカチューシャが私の頭に嵌められました。

「おお、かわいーっ!」
「エロメイド、一丁上がりっ!」
「エプロン着けても勃起乳首が布地に響いていて、どっからどう見ても性的オモチャなM女召使いって感じ」

 今度は五十嵐さままでご一緒になられ、お三かたから囃し立てられます。

「さあ、それじゃあ先生のところへ行ってきなさい。場所はわかるわよね?直子が拘束された和室。あそこが先生のお仕事部屋」

 お姉さまが私を、お姉さまが押してこられたカートの押手の前に誘導しつつおっしゃいます。

「あ、カートは部屋の中まで入れてはダメよ。廊下に置いてお料理類だけ部屋に運ぶの」

 寺田さまがお優しく教えてくださいます。

「先生がお仕事している文机のそばに、もうひとつ座卓があるはずだから、まずその上のポットや湯呑を下げて、そこに置くといいわ」
「下げたポットとかは廊下のカートの上に置いといてくれれば、後でアタシらが回収するから」
「それで、ご一緒するように寺田に言われました、って言えば、先生も察するはずだから」

 細やかなご指示をくださる寺田さま。
 でも先生、つまりあるじさまは何をお察しになられるのでしょう…

「くれぐれも粗相の無いようにね。先生のご要望には何でもはい、はいって応えるのよ」

 なんだか母親のようなことをおっしゃるお姉さま。

「うふふ。今のエミリーの言い方って、タレントを枕営業に送り出す芸能マネージャーみたいよね」
 
 そんなふうに混ぜ返されたのは寺田さま。

「あたしたちもこれからディナータイムだから、食べ終えて一息ついて気が向いたら救出に向かってあげる。それまでがんばってきなさい」

 ずいぶん無責任なお姉さまのお言葉に送り出され、カートをしずしずと押しながらホールの奥へと向かい始めました。
 裸エプロンは免れましたが、ラバースーツ並みにからだを締め付けてくる極薄ハイレグレオタードに首輪とメイドカチューシャの格好で。

 ホールの扉を抜け左に折れると市松模様の瀟洒なお廊下。
 押しているシルバーのカートは高級品なのでしょう、軽々と音も無くスイスイ進むのですが、私のほうがなんだか歩き辛い。

 ハイレグ仕様の股布が一歩進むたびに食い込んでくるみたいに、恥丘から会陰までを刺激してくるんです。
 両乳房に貼り付いた伸縮性に富む薄布も、からだが動くたびに乳首先端が擦れる感じ。

 市松模様が途切れると今度は右に折れて一気に和風な板張りのお廊下。
 あるじさまのお部屋も、もうすぐそこです。

 あるじさま、今度は何をしてくださるのだろう…
 また本気なビンタをいただけるかな…
 今度はあるじさま自らお手を下され、あれこれされちゃうのかも…

 お部屋の敷居戸の前までたどり着いたときには、不安と期待の入り混じった妄想に布地からの肉体的刺激も加わって、狂おしいほど淫らな気持ちになっていました。

 いけないいけない。
 まずはちゃんとお勤めを果たさなくては。
 一度深く深呼吸してから強めにトントンと木の敷居戸をノック。

「失礼しまーすっ。お食事をお持ちしましたっ!」

 ハッキリゆっくりよく通るように大きめな声でご挨拶。

「あらあらハイハイ、どーぞー」

 思いがけずも、ずいぶんお優しげな柔らかいお声が返ってきました。

「あ、はいっ!失礼しまーすっ!」

 もう一回大きめの声でご返事してから、敷居戸をスルスルっと開きます。
 最初は寺田さまのお言いつけ通り、何も持たずに沓脱ぎへ。

 内側の障子戸はすでに開け放されていて、煌々と照っている照明。
 畳部屋のずっと奥の文机のところに、お背中を向けられたあるじさまが見えました。
 私の視線があるじさまを捉えると同時に振り返られるあるじさま。

「あらあら、あなたが持ってきてくださったの?えーっと、森下さん、直子さんだったわよね?」

 私に向けてたおやかな笑顔をくださるあるじさま。
 あれ?さっきと雰囲気が全然違う…

「あ、はい。森下直子です。今日からこちらにお世話になります。よろしくお願いいたします」

 お部屋にはどこからともなく薄っすらと女声の流麗で清楚な歌声が流れています。
 これって確かカーペンターズさんだっけ…

「はい、こちらこそ。ちょうどいいタイミングでしたわ。ちょっと待っててね。この段落だけ書き上げてしまうから」

 畳に正座して頭を下げ上げした私にニコヤカな微笑みをくださった後、スッと文机に向き直られ、それきりまた後ろ姿なあるじさま。
 ノートパソコンのキーを叩かれているのであろうカタカタという音が聞こえます。

 待って、とご指示され、その場で正座のままお部屋内を見渡します。
 昼間のときとは打って変わってずいぶん乱雑。

 あるじさまの文机を中心に畳に散らばるたくさんの本、本、本。
 開きっ放しもあれば閉じているのも、厚いの薄いの、数冊積み重なっていたり。

 あるじさまから少し離れた右隣にはもうひとつの座卓。
 そして寺田さまがおっしゃった通り、大きめな銀盆の上にポットと湯呑、それに何かを召し上がられたのであろう数枚のお皿も。
 まずはそれらを片付けるのが私のミッションその一なのでしょう。

 他にも何か変わったところは…と見渡したときに、気づいてしまいました。
 あるじさまのお背中側で開きっ放しになっている本の何冊かが写真集なことに。
 そしてその写真が悉く、裸だったり縛られていたりのSM系写真なことに…

 そのときあらためて、私の目の前で執筆作業に没頭されているこの女性は、私が高校生の頃にM心とマゾマンコをキュンキュンときめかせてくださった、鬼百合と姫小百合、の名塚先生なのだな、と実感しました。
 同時に得も言われぬ不思議な感動が…

「まあ、こんなものでしょう、ふぅーっ。それではわたくしも一息入れましょうか。森下さん?お待たせしちゃったわね」

 私が感動でジーンとしている真っ最中に、名塚先生からお優しいお言葉がかかります。

「あ、はいっ!それではご用意させていただきますっ!」

 ご尊敬の念にすっかり一ファンと化した私は、ご崇拝六割、マゾ性四割の召使いとなり、急にソワソワとお勤めを遂行し始めます。
 まずは座卓上のポットやお皿類を銀盆ごとカートに撤去、持参したおしぼりで丁寧に座卓上を拭ってから、あらためてサンドイッチ山盛りお皿をセット。
 それからお紅茶のペットボトルとティーカップ二組も座卓に乗せます。

 極薄レオタード一枚のメイドエプロン姿でドタバタと働く私の姿を名塚先生が嬉しそうに眺めていらっしゃいます。
 私は名塚先生に視られていることを必要以上に意識してしまい、マゾ性がグングン昂ぶってしまいます。

「あら、今夜はずいぶんとたくさんサンドイッチを持ってきたのね?」

 純粋に驚かれたお顔でご質問される名塚先生。

「あ、はい。寺田さまからのご提案で、私も名塚先生とお食事をご一緒しなさいと…」

 寺田さまのお言いつけ通りに、ワクワクとビクビクが一緒くたになった気持ちでお答えします。

「そう。寺田がそう言ったの…それならそうしましょう。わたくしも執筆中に誰かと一緒に食事するなんて久しぶりだから嬉しいわ」

 あくまでもたおやかに名塚先生はおっしゃいました。
 あれ?
 でも、そもそも私は名塚先生直々のご指名でお給仕を任されたのではなかったでしたっけ…???


2021年11月7日

肌色休暇二日目~いけにえの賛美 14

 自分が今どこに居て何をしているのかもわからないほどの痺れるような快感が、全身を駆け巡っていました。
 両腿の付け根奥から絶え間なくほとばしる微電流で、からだが金縛りにあっているみたい。

 遠ざかりそうになる意識を理性なのか本能なのか、何かが必死に引き留めようとしています。
 そのとき、仰向けの私のからだを地面に押しつけるようにのしかかっていた重しが、フッと軽くなった気がしました。
 いつの間にかギュッとつむっていた両目を恐る恐る開けたとき、聴覚と嗅覚と視覚が一気に戻りました。

 寝そべっている私の視界に見えるのは…ワンちゃんの脚?あ、ジョセフィーヌさま…
 おそらくジョセフィーヌさまが私のからだの上に乗られていたのでしょう。
 今は、だらしなく寝そべった私のからだを大きく迂回され、投げ出している私の左手のほうへと芝生の上をゆっくり歩かれています。

 右のほうは?と視線を動かしたとき、不意に私の首輪が軽く左のほうへと引っ張られました。
 中村さまだな、と思い、たわむリードを先へと辿っていくと…ジョセフィーヌさま。

 リードの持ち手をお口に咥えられ、起きてよ、とでもおっしゃりたげなお顔で私を見つめてきます。
 私がからだを起こすのを促すように、二歩三歩の前進後退をくり返され、そのたびに遠慮がちに張り詰めるリード。

 見上げる空は、ああ、もうすっかり夕方だな、と思えるくらいには翳っていました。
 帰らなくちゃいけない時間なんだな、と朦朧とした頭で考え、ゆっくりと上半身を起こします。

 あらためて眺めた自分のからだはひどいありさま。
 汗なのかジョセフィーヌさまのよだれなのか、テラテラ満遍なく濡れた素肌のあちこちに点々と浮かぶワンちゃんの茶色い足跡。
 膝を立ててだらしなく広げきった両腿、膣口に中途半端に挿さったままのバナナ。

「あふぅんっ!」

 立たなくちゃ、と思い、股間のバナナを抜くために手を掛けたとき、柔らかい異物が膣壁を刺激して思わず声が洩れてしまいます。
 快楽の余韻、の一言では片付けられないくらい、未だにからだのあちこちがヒクヒク引き攣って疼いています。

 手に持ったバナナは人肌くらいに生温かくなっていて、外側の皮がふやけてずいぶん柔らかくなっていました。
 そんなバナナを右手に持ち、両足に力を込めてよろよろと立ち上がりました。

 私が立ち上がるまで辛抱強く待っていてくださったジョセフィーヌさまが、わたしのほうを振り返りつつゆっくり歩き始めます。
 お口に咥えられたリードが張り詰め、私の首輪が引っ張られます。

 幾分前屈みになってジョセフィーヌさまに先導される全裸の私。
 ワンちゃんと人間の立場が完全に逆転していました。

「淫乱マゾ女を起こして連れてきてくれたんだ?本当にジョセは賢いねー」

 東屋のベンチでひと足先に待たれていた中村さまが両手を広げてジョセフィーヌさまを迎え入れられ、ジョセフィーヌさまも尻尾をブンブン振られ応えられています。
 お口からリードの持ち手が外れ、引き綱が私の両脚のあいだに戻ってきました。

「ずいぶん派手にアクメってたじゃない、どう?スッキリした?」

 中村さまが紙コップに何か液体を注いでくださり、差し出しつつ尋ねてこられます。

「あ、はい…もう何がなんだか…危うく気を失ないそうでした…」

 あらためてお尋ねされると逃げ出したいほど恥ずかしいのですが、小声で正直にお答えしました。

「だろうね。いやらしい声が広場中に響き渡っていたもの。凄い映像が撮れたからエミリーも満足なはず」

 レンズを私に向けながら呆れたような笑顔をお見せになる中村さま。

「まあとりあえずそれ飲んで、あなたを悦ばせてくれたバナナをいただいて、いったん落ち着きなさい」
「食べられる性具は粗末にしない、っていうのがお姉さまとのお約束なんでしょ?」

 からかうようにおっしゃって紙コップが手渡されます。

「あ、はい…」

 渡された紙コップは冷たくも温かくもない常温で、メープルシロップを薄めたような薄茶色の液体が入っています。

「ブランデーの水道水割よ。直子はイキ過ぎると気絶することがあるってエミリーが言ってたから、気付け薬代わりに小瓶を持ってきてたの」

 そう教えられると、軽くツンと鼻を刺しはするけれどほのかに甘いアルコールの香りがする気がします。
 唇を付け紙コップを傾けると舌に甘い味わい、喉を滑り落ちる液体が心地良い。
 渇きにあがらえずゴクゴク一杯飲み干してしまいました。

「あれだけ喘げば、そりゃあ喉は渇くよね。酔わせるのが目的じゃないからお代わりは水だけ」

 中村さまが空になった紙コップに再び水道水を注いでくださり、テーブルの上に置いてくださいました。
 私は右手のバナナを剥き始めます。

 バナナの皮は満遍なく私の愛液に塗れ、剥いた途端に崩れそうなほどに中の実もグズグズ。
 きっと私の恥ずかしいマン汁が実まで浸透して滲み込んでいるんだろうな、なんて思いながら、そのクリームみたいに柔らかくなったバナナを頬ばります。

 生温かくて少し生臭く香るバナナでしたが、口中にはちゃんと甘味が広がりちゃんと美味しい。
 お水と交互に、あっという間にたいらげました。

「はい、よく出来ました」

 ビデオカメラのレンズを私に向けて、自分を犯していたバナナを美味しそうに食べるマゾ女、の一部始終を撮影された中村さまが、カメラをいったん下ろされ、リードの持ち手に左手を伸ばされます。

「さてと、じゃあ戻ろっか。直子、そのバッグ持って」

 中村さまがリードの持ち手を右手に握られ、左手でテーブルの上のバッグを指さされます。
 テーブルの上はキレイに片付けられ、すべての私物やゴミ類はバッグ内にしまわれた後みたい。

「あの、私が着てきたエプロンは…」

 過度な期待は抱かずに一応尋ねてみます。
 あんな布片一枚でも、前を覆ってくれるかくれないかは、気分的に大きな違いがあるんです。

「しまっちゃったわよ。泥で結構汚れていたし、誰かさんのおツユも派手に沁みていたしね。寺っちの私物だから帰ったらサクッと洗濯しなくちゃだわ」

 さも当然のように答えられた中村さま。
 それからニヤッと笑われ、こうつづけられました。

「直子も、この周辺ならハダカでいても大丈夫なことが身を持ってわかったでしょ?だから明日からは仲良く朝晩、全裸でジョセとお散歩よ」

 首輪がクイッと引っ張られます。

「ジョセフィーヌ?ヒールッ!帰りはワタシの横について。森の清々しい空気を充分味わいながら、ゆっくり帰りましょう」

 中村さまの足元に寄り添わられたジョセフィーヌさまのお鼻先に、中村さまがリードの持ち手をプラプラ指し示されます。
 それをパクリと咥えられるジョセフィーヌさま。
 中村さまの足取りに合わせるように歩き始められ、私の首輪が張り詰めた引き綱に引っ張られます。

 帰りの山道は緩い上り坂。
 翳った陽射しもほとんど差し込まず、来たときよりもずいぶん薄暗くなっていました。
 規則正しく立ち並んだ背の高い木立が導く一本道を、三つの薄い影が進んでいきます。

 一番左側にパーカーとジャージ姿の中村さまのお背中。
 その右脚にピッタリ寄り添われて進まれるジョセフィーヌさま。

 ジョセフィーヌさまのお口には輪っかになったリードの持ち手がしっかり咥えられています。
 その引き綱の後方、おふたりから二、三歩下がった一番右側を、とぼとぼついていく全裸の私。

 途中、中村さまが振り返られ、ジョセフィーヌさまの引き綱に先導される私の姿をしばらく撮影されました。
 悠然としたお足取りでリードを引っ張られるジョセフィーヌさま、首輪を引っ張られ、付き従うように後を追う私。
 どう見てもジョセフィーヌさまが飼い主で、私はペットの飼い犬でした。

 素肌を撫ぜる風を少しひんやり感じだことで、今更ながら自分が全裸なことを思い知ります。
 そうです、今私は見知らぬ山奥の夕暮れの木立道を、ワンちゃんにリードを引かれ、素っ裸で歩いているのです。

 …今まで経験した中で、一番大胆な野外露出行為かもしれない…
 幼い頃から人知れず心に秘めていた妄想を今現実に体験している、と思うと性懲りもなく性的にゾクゾク感じてしまいます。

 時折中村さまが撮影のために振り向かれる以外、終始無言で歩きつづけます。
 中村さまからからかうようなお声掛けも無いのは、私に全裸お散歩の恥ずかしさを満喫させてくださるためのお心遣いかもしれません。

 綺麗な夕焼けの山道は全裸でも寒さを感じるほどの冷えではなく、却って適温で気持ち良いくらい。
 それでもお外での全裸が心細いのは変わらず、その被虐がマゾ性をキュンキュン煽り立ててきます。

 十分くらい歩いたかな、と思った頃、お屋敷へ通じる玄関前の道に出ました。
 まださほど暗さを感じるほどではないのですが、お屋敷の正面玄関周辺は常夜灯ですでに明るく照らし出されています。
 おそらく決まった時刻に灯る仕掛けなのでしょう。
 その灯りの下に三人、たどり着きました。

「明るいところであらためて見ると、直子のからだ、ひどいありさまだね」

 中村さまがビデオカメラのレンズ越しに私のからだを見つめてこられます。

「これはみんなに見せなくちゃ。呼んでくるからちょっとそこで待ってて。記念写真を撮っておこう」

 嬉しそうにおっしゃって、中村さまがお屋敷内に駆け込まれました。
 取り残された形のジョセフィーヌさまと私。
 寄り添うお相手に立ち去られたジョセフィーヌさまが、リードの持ち手を咥えられたまま私のほうへと駆け寄ってこられました。

 私も中腰になってジョセフィーヌさまをお迎え入れます。
 素肌にフワフワ毛玉状なジョセフィーヌさまを抱き寄せると、なんとも言えず気持ちの良いことを、私はすでに知ってしまっていました。

 ジョセフィーヌさまがお口からリードの持ち手をポトリと落とされ、顔の位置を合わせている私の顎やほっぺたをペロペロ舐め始められます。
 もはや完全にしゃがみ込んでしまった私は、懐にジョセフィーヌさまの毛並みをやんわりと抱え込み、いやん、くすぐったい、なんて嬌声をあげつつイチャついていました。

 このとき私は、地面に落ちたリードの引き綱を跨いでしまっていたのだと思います。

 ひとしきりじゃれ合った後、ジョセフィーヌさまからおからだを離され、私の背後へトトトっと回られました。
 私も立ち上がろうとしゃがみ込んでいた膝を伸ばそうとしたとき…
 首輪から繋がった引き綱が、私の裸身前面のド真ん中を縦断するようにピッタリと貼り付き、股のあいだの裂けめに食い込んでくる感触がありました。

「あぁんっ!いやんっ!」

 それはまさしく、これまで何度も味わったことのある股縄の感触。
 それも二重にした麻縄よりも更に太い、ゴツゴツザラザラとした乱暴な感触。

「いやんっ、だめぇーっ!」

 下腹部から恥丘へとピッタリ貼り付いた縄が、裂けめの先端でテラテラ芽吹いていた肉芽をギュウギュウ押し潰してきます。
 私のお尻側で再びリードの持ち手を咥えられたのであろうジョセフィーヌさまの気配。

「あっ、あーんっ、そ、そんな、そんなに引っ張らないでぇーっ!」

 私の嬌声を、この友達は嬉しがっている、と捉えられたのでしょう、ますます激しくグイグイと出鱈目に引っ張られる引き綱。
 たわんでは張り詰め、私のマゾマンコに緩んでは食い込んでくる引き綱の陵辱。
 今日何度目なのか、私はジョセフィーヌさまにもてあそばれていました。

「あっ、あっ、あーんっ、いやっ、だめっ、いたいっ、そこっ、だめっ、あーーっ!!」

 裂けめから両脚が引き裂かれてしまうのではないか、と思うくらい強烈な縄の食い込み。
 でもフッと緩んだ瞬間ホッとすると同時に、もっと欲しい、と思ってしまうのは私のマゾ性ゆえなのでしょう。
 SM写真で見たことのある、三角木馬責め、っていうのはこんな感じなのかな、なんて思ってみたり。

 股間への食い込みによる刺激は、そんな私でも我慢しきれないほどの激しさになっていました。
 ジョセフィーヌさまがはしゃがれて、グイグイ引き綱を引っ張られるのです。
 しゃがみ込んだ姿勢から立ち上がろうと中腰にまではなったものの、それ以上は絶対無理。

 股間から引き綱を離すには、もう一度しゃがみ込むだけでは駄目でした。
 首輪から繋がれているので、上半身を低くして腰を高く起こさない限りからだ前面、股のあいだに密着してしまうのです。
 この状態で股間に引き綱を密着させない姿勢…それは私も四つん這いになることでした。

 しゃがんだ姿勢から前屈みになり、石畳に両手を突いて腰だけ高く突き上げます。
 ようやく股間から引き綱が離れ、首輪からジョセフィーヌさまのお口までピンと空中に一直線に張り詰める形に。

 自ら四つん這いになった私にジョセフィーヌさまも何かを感じ取られたのでしょう。
 すぐさま持ち手をお口から落とされ私に近づき、突き上げたお尻の下の太腿後ろをペロペロ舐め始められます。

「ああんっ、ジョセフィーヌさまぁ、いやんっ、くすぐったいーっ」

 そんな嬌声をあげつつ、どうせならお尻を舐めて欲しい、とジョセフィーヌさまの舌が届く位置までお尻を下げていくスケベな私。
 思惑通り、大きく広げたお尻の割れスジに沿ってペチャペチャ舐め上げてくださるジョセフィーヌさま。

「あんっ、いいっ、そこっ、いいっ、もっと下、もっと下もぉーっ!」

 あられもない淫声をあげて身悶えていると、四つん這いの眼前にそびえるお屋敷の正面玄関扉がバタンと開きました。
 現われたのはもちろん、お姉さまを筆頭に、中村さま、寺田さま、そして五十嵐さま。

「あーあー、またイチャついてるよ、この子たち、人んちの玄関先で」
「でもまあ、ペットってそーゆーもんだから、しょーがないんじゃない」
「君たちもうつきあっちゃいなよ。あ、でもそれだとエミリーが寂しいか」
「ううん、あたしネトラレのケがあるらしいから、かまわなくってよ」

 ノリが軽くてかまびすしいご様子は、みなさま多少アルコールが入っていらっしゃるのかも…
 みなさまが口々に軽口を叩かれる中、両手を地面に突いてみなさまを見上げる土下座同然な四つん這い姿の私は、その屈辱的な恥ずかしさで顔面が真っ赤っか。
 
 ジョセフィーヌさまはと言えば、みなさまのお姿が見えた途端に私のお尻をプイと離れられ、一目散に寺田さまのお足元へ。
 どうやらジョセフィーヌさまは、みなさまの中ではとくに寺田さまを慕われているようです。

「本当に全裸で散歩から帰ってきちゃったんだ!?大胆て言うかヘンタイって言うか…ほら、直子?立ちなさい」

 一歩近づいてこられたお姉さまに促され、おずおずと立ち上がります。
 お姉さまが顎をしゃくられたので、服従ポーズ。

「あららら、からだ中に犬の足跡たくさん付けちゃって。またまたジョセに手篭めにされちゃったんだねー。本当に、君たちもうつきあっちゃいなよ、だわ」

 黒スウェットの上にメイドエプロン姿なお姉さまにからかわれます。
 五十嵐さまがビデオカメラのレンズを向けています。

「これは確かに記念写真に撮っておくべき姿よね。直子もこっちに来て並びなさい」

 お姉さまの号令で五十嵐さまが素早く三脚を立てられ、立派なカメラを私が居た位置に据え付けられます。
 
 カメラのレンズに向かって一番右端にパーカー、ジャージ姿の中村さま、そのお隣に私に貸してくださったのとはまた別のメイドエプロンを召された寺田さま。
 そのお隣に寺田さまに寄り添われるようにジョセフィーヌさまがちょこんとお座りになられ、その横に服従ポーズ全裸の私、私の左隣にメイドエプロン姿のお姉さまという配置です。

「エミリーさんはもっと直子ちゃんにくっついてください。その横にうちも入るので」
「リードの持ち手はジョセに咥えさせるのがいいんじゃないかな?寺っち、お願い」

 五十嵐さまのご指示で構図が決まり、セルフタイマーをセットしてから五十嵐さまがお姉さまの横に並ばれます。
 
「レンズの横のランプがチカチカしだしたらすぐシャッターが下りるからね」

 五十嵐さまのお声でみなさまがカメラレンズに視線を合わせます。
 私もそこを見つめていると、ほどなくランプがチカチカし始めました。

「あぁんっ!」

 そのタイミングでお姉さまが私の膣口に二本指を挿入されたんです。
 私が顔を歪ませるのとフラッシュの光が同時でした。

「おっけー。うまく撮れていたら大きくプリントして額装して、ホールに飾ることにするわ」

 そんなことをのんきにおっしゃるのは寺田さま。
 他のみなさまもガヤガヤとお屋敷に戻られ、ジョセフィーヌさまもご自分の小屋のほうへサッサと駆け出されます。

 残されたのは私と中村さま。
 中村さまが首輪からリードを外してくださり、代わりに白いバスタオルだけ渡されます。

「直子はさっき行ったシャワールームでからだの汚れを落としてきなさい」

 この位置からだと目隠し樹木の向こう側にあるスケスケバスルームの方向を指さされた中村さま。

「戻ってきたら夕食だから、自分のからだまさぐってムラムラとかしてないで、さっさと切り上げるのよ?」

 見透かすみたいにおっしゃって、裸のお尻をパチンとぶたれました。


2021年10月10日

肌色休暇二日目~いけにえの賛美 13

 私たちが木立の草むらへ足を踏み入れたとき、ジョセフィーヌさまはひと仕事終えられようとされていました。
 草むらのずいぶん奥の方に横向きなお姿で、前肢を揃えて突っ張られ、いくぶん窮屈そうに後肢を折り曲げられて腰を踏ん張っておられます。
 私たちに気づかれたと同時に、お顔だけ不自然にこちらを向かれました。

「今日はずいぶん奥まで行ったねぇ」

 中村さまがズンズン近づいていかれます。

「ワタシらが埋めちゃうのを知ってるから、現場をいい感じに散らしてくれるのよね。この子、頭いいから」

 中村さまにリードを引っ張られ、私は恐る恐るなへっぴり腰で草むらを踏み分けています。
 この広場にはあの草も生えていることを知っていましたから。
 秘部への刺激ならクセになりそうなくらいなのですが、生足への無駄に不快な痛みはもう味わいたくありません。

「大丈夫よ。ここらへんにはイラクサ、生えてないから。ジョセが平気で歩いているでしょ?」

 ジョセフィーヌさまのすぐ傍らまで近づかれた中村さま。
 ジョセフィーヌさまがそのお顔を見上げられブンブン尻尾を振られています。

「犬だって痛い思いはしたくないからね。ジョセはこの辺りでイラクサの生えてる場所、全部知ってるんだ。生えているのは、広場の入口周辺の木立沿いだけ」
「そんなことより直子も早くこっちに来てワタシがやることを見て覚えて。明日からはあなたひとりでやるんだから」

 リードがグイッと引っ張られ、顔からつんのめるように中村さまの脇へ。
 中村さまが指さされる地面に横たわる茶色い塊。
 ジョセフィーヌさまの体格からすれば、それくらいだろうな、と思える納得の量でした。

「ジョセがし終えたらこのシャベルで近くに穴を掘って、深さはだいたい30センチくらいかな、シャベルですくって埋めるの」
「土が柔らかくてヘンに掘りやすいところは最近埋めた跡かもしれないから避けて、適度に土が硬い場所を選んで掘ってね」

 手首に引っ掛けられていた巾着袋が私に手渡され、中村さまがその塊の傍らにしゃがみ込まれます。
 ご説明通りに淡々と処理される中村さま。
 ジョセフィーヌさまは少しその作業を眺められていましたが、すぐにタッタカタッタと草むらのもっと奥へと駆けて行かれました。

「埋め終わったらさっきの東屋のところに水道があるから、シャベルをよく洗ってね」

 しゃがみ込まれていた中村さまが立ち上がられ、木立を出て芝生広場のほうへと歩き始められます。
 そのお背中を見つめつつ、ふと気になったことをお尋ねしました。

「あの、ジョセフィーヌさまのお尻は、拭いて差し上げなくて良いのでしょうか?」

「直子、犬飼ったこと無いんだね?」

 振り向かれた中村さまの嬉しそうなお顔。

「犬ってね、排便するとき肛門から腸が少し外に出るの。で、終わったら体内に引っ込むから肛門は汚れないの」

 幾分得意げに中村さまがおっしゃって、すぐに前を向かれます。
 やがて東屋にたどり着きました。

「あとはジョセが巡回定期点検に満足してワタシらに擦り寄ってきたら運動の時間。で、適当に切り上げて4、50分で屋敷に戻ると。ジョセとの散歩でやることはそれだけだから、簡単でしょ?」

 ベンチに腰掛けることなく水道へと向かわれる中村さま。
 私に繋がるリードも手放されました。

「そう言えば直子、屋敷に着く前にもこの広場に寄って、素っ裸に剥かれて木に吊るされたんだって?いやらしくアンアン喘いでたってエミリーが言ってたわよ」

 水道の蛇口を捻られシャベルを水洗いされる中村さま。
 リードが手放されたので、からだの前にブラブラさせつつ傍らに立っている私。

「は、はい…」

「露出狂なんでしょ?脱ぎたかったら脱いでいいよ。ここには誰も来ないって、もうわかったでしょ?」

 シャベルを洗い終えた中村さまがタオルで丁寧に水気を拭いながら、私の顔をからかうように覗き込んでこられます。
 水飛沫がTシャツも濡らしてしまったようで、ノーブラの胸元が美乳なおっぱいの形そのものに貼り付いてしまっています。
 とくにピンと目立っている二箇所の乳首位置。

「あ、はい、じゃなくて、いえ…」

 そのお言葉をご命令と受け止めるべきなのか迷っている私。

「あ、でもワタシはどっちでもいいよ。今の格好も充分エロいし、チラ見せテイストが全裸より変態ぽいから」

「あっ、いやんっ」

 おっしゃりながら中村さまが私の裸エプロンの裾をピラっとめくられたとき、ジョセフィーヌさまが舌をハアハアさせながら戻ってこられました。
 すぐに私にじゃれついてこられるジョセフィーヌさま。
 私の背中側に回り込まれ、私の剥き出しなお尻をペロペロ舐めてくださいます。

「おーけー、移動するよ」

 巾着袋を手にされた中村さまが東屋を出られ、広場の木立沿いのもう一方の隅のほうへ。
 そこだと中央にある日陰を作る木々からも逸れて、遮るもののない芝生だけの空間が眼前に広々と見通せます。
 私の足元をグルグル回られながら嬉しそうについてこられるジョセフィーヌさま。

「直子、フリスビーは投げたことある?」

「あ、はい。何回かは…」

 大学の頃キャンパスで何度かお友達と遊んだことはありました。

「そう。じゃあジョセとの遊び方をやってみせるから覚えてね」

 私からフリスビーを取り上げた中村さまが、ジョセ、と呼びかけられ、ジョセフィーヌさまの眼前でフリスビーをひらひら揺らされます。
 ワクワクなお顔のジョセフィーヌさま。

 それからフリスビーを芝生の彼方へと放り投げられ、フェッチ、と一声。
 緑の芝生の上をヒューンと飛んでいく青いフリスビーめがけて、脱兎の如く駆け出されるジョセフィーヌさま。

「で、ジョセが追い掛けて咥えて戻ってくるあいだに、これを用意しとくの。一回で二粒」

 少し開いた巾着袋に右手を突っ込まれ、手が拳状になって引き抜かれます。
 中村さまが手を開くと手のひらにはボーロの形をしたクリーム色の丸いお菓子がふたつ。

「ご褒美ね。ジョセの大好物おやつ、ヘルシーチーズビスケット」

 そんな会話をしているあいだにジョセフィーヌさまがフリスビーを咥えられ全速力っぽく戻っていらっしゃいます。

「よーしよしよし」

 フリスビーを咥えたまま中村さまを見上げるジョセフィーヌさま。
 その頭をやや乱暴にワシワシ撫ぜながら左手でフリスビーを掴まれる中村さま。

 フリスビーがジョセフィーヌさまのお口から離れると同時に、そのお鼻先に中村さまが右手を差し出されます。
 その手にお鼻先から突っ込まれるようにお顔を埋め、ご褒美を咀嚼されるジョセフィーヌさま。
 食べ終えられると、もっと、って、おねだりするように中村さまを見上げられます。

「よーし、もう一回ね。フェッチ」

 再び中村さまがフリスビーを放り投げられ、駆け出して行かれるジョセフィーヌさま。

「こんな感じで10回から12回くらいかな、つきあってあげるの」
「ジョセが飽きたらご褒美食べた後、ちょこんと座り込むから、それが切り上げのサインね」
「たまに元気いっぱいでサインが出ないときもあるけど、12回が限度ね。切り上げたかったらフリスビー持って東屋に戻ろうとすればジョセも諦めるから」

 それから中村さまが二回投げられ、五投目から私がやってみることになりました。
 四投目のあいだに巾着袋を渡され、ご褒美は私の手から。

 戻ってこられたジョセフィーヌさまはふたりが並んで待ち構えているので少し戸惑われたご様子でしたが、チーズの匂いが私の右手から匂っているのに感付かれたのでしょうか、フリスビーを私に差し出してこられました。
 フリスビーを受け取り右手を開きます。
 ベロンと生温かいお口で舐められて、お菓子が取り去られます。

「そうそう、ジョセは賢いねー。今からはこの人が遊び相手。仲良く出来るといいねー」

 中村さまが一歩退かれ、ちっちゃな子供さんをあやされるようなご口調でジョセフィーヌさまに語り掛けられます。
 私はジョセフィーヌさまの頭をなでなで。
 それからフリスビーを右手に持ち替え、ジョセフィーヌさまの眼前でひらひら揺らします。

「じょ、ジョセフィーヌさまっ、よろしくお願いします…ふぇ、フェッチ!です…」

 初めてゆえの緊張でぎこちなくそう語り掛けてから、ぎこちなくフリスビーを放り投げる私。
 緊張し過ぎで力が入り過ぎて空高く舞い上がってしまうフリスビー。
 滞空時間の割に飛距離は余り出ていません。
 それでも嬉々として追い掛けてくださるジョセフィーヌさま。

「まあ、そんな感じだね。もっと肩の力抜いてリラックスして、直子も愉しまないとジョセも楽しめないよ。犬ってそういうところ敏感だから」

 私の五投目は一部始終を見守ってくださった中村さま。
 六投目を投げ終えてから振り向くとお姿が無く、キョロキョロ見回すと東屋のほうへと向かわれているお背中が見えました。

 え?どうされたのかしら?
 少しの不安がよぎりましたが、フリスビーを咥えて私に向かって一目散に駆け寄ってこられるジョセフィーヌさまの健気過ぎるいじらしさを目にしたら、もうそちらに夢中。
 私の手をベロベロ舐められ、おやつを美味しそうに召し上がられるお姿が本当に可愛らしい。

 ジョセフィーヌさまの心底楽しげなお姿に余計な力みも消えて七投目、八投目はちゃんと飛距離も出せるようになりました。
 余裕が出てくると余計なことにも気がついてしまいます。
 フリスビーを投げるために思い切り腕を振り抜くと、エプロンの裏地に乳首が思い切り擦れて、ビクンと感じちゃうほど性的にも気持ちいいんです。

 八投目を投げ終えたときに中村さまが戻っていらっしゃいました。
 右手にはビデオカメラを携え、左手は後ろ手に隠されて。

「今何回目?」

「あ、はい。八回目です」

「愉しい?」

「はい。ジョセフィーヌさま、すっごく可愛らしいです」

 フリスビーを私へと差し出され、私の手のひらをペロペロと舐めてくださるジョセフィーヌさま。
 ご褒美を堪能され、やがて私の顔を見上げられたので九投目。

 少しづつ夕暮れに近づく青空をクルクルスイスイ飛んでいく青いフリスビーと、それを跳ぶように追い掛けて駆け回られるジョセフィーヌさま。
 そのお姿を見守りながら巾着袋に右手を突っ込もうとしたとき、中村さまから、待った、がかかりました。

「今日はこういうおやつも用意してるんだ。こっちもジョセの大好物。直子、右手をこっちに出して」

 隠されていた左手に握られていたのは歯磨き粉のチューブみたいな形状のもの。
 お屋敷のお庭で寺田さまも同じようなのをお持ちになられていました。
 そして、その後に起こったこと…
 そこまで考えて、私のからだが性的にキュンと疼きました。

 カメラを持たれたままの右手も器用に使われて、チューブのキャップをクルクルっと外された中村さま。
 差し出した私の右手のひらにシュルシュルっとペーストを絞り出されます。
 少し黄ばんだ乳白色のペーストからも、ほのかなチーズの匂い。

「ジョセが戻ってきてフリスビー突き出してきたら、直子は自分でエプロンの前をめくり上げて、このクリームを自分のマンコに塗り付けなさい」
「それでマンコをジョセに差し出せば悦んで舐めてくれるわよ。どうせ、ジョセにそういうことされたくって仕方なかったのでしょう?」

 中村さまが私の耳元でイジワルく囁かれました。
 耳朶に息が吹きかかるたびにビクンビクン。
 楽しいフリスビー遊びが一瞬にして淫靡な快楽責めへと変わった瞬間でした。

「これは命令だから。エミリーから、その様子をビデオに撮ってくるように頼まれちゃったんだ、悪く思わないでね」

 中村さまがからかうようにそう囁かれ、私から数歩離れられてレンズをこちらへ向けてこられます。
 お約束通りお姉さまのために、その一部始終を撮影されるのでしょう。

 そして、その囁きは私にとって言いなりにならざるを得ない恥辱を呼ぶ呪文。
 それがお姉さまのご希望であるなら、どなたがお相手でも、どなたのお言葉でも、従わないという道は残されていない、つまりお姉さまからのご命令なのです。

 ずいぶん遠くでフリスビーを咥え上げられたジョセフィーヌさまが、一直線に私へと迫ってこられます。
 やがて私の足元で私を見上げられるジョセフィーヌさま。
 ゆっくり左手でそれを受け取ります。

 ああっ…

 目をギュッとつぶり、フリスビーを持ったままの左手でエプロンの裾を掴みます。
 サッとまくり上げると同時に右手のひらを自分のマゾマンコに押し当てました。
 やだっ、ずいぶん熱い…

 マゾマンコは内部から沸き立つように熱を帯びていて、そこに少し冷たいペーストの感触が気持ちいい感じ。
 私が右手をずらすと同時にジョセフィーヌさまのお鼻先が私の股間に挿し込まれます。
 間髪を入れず生温かくてヌルっとしたベロにベロンと撫ぜられる感触。

「ああんっ!」

 思わず洩れてしまう淫ら声。
 肛門から会陰、膣口、陰唇、恥丘まで、忙しない舌使いでベロベロ蹂躙されています。

「あんっ、あっ、あっ、あーーんっ!」

 クリトリスはみるみる腫れ上がって表皮を脱ぎ捨て、その尖った肉芽がジョセフィーヌさまの舌でプルプルもてあそばれます。
 右手に少し残っていたペーストを下腹部やお尻で拭うと、舌はすぐにそちらまで侵食してくださいます。

「あっ、いいっ、そこっ、あんっ、ああーんっ!」

 今現在は一切拘束などされていないのですから逃げようと思えばたやすく逃げられるはずなのに、背中を反らし気味にしてまるで差し出すようにマゾマンコを突き出している私。
 私の左前方から中村さまが構えたレンズが、その浅ましい痴態をデジタルで記録されています。

「あっ、あっ、あんっ、いいっ、いいっ、ふぅーーんっ!」

 すでに私の貪欲なマゾマンコからはいやらしいおツユがジワジワジュクジュク滲み出ていますから、ペーストのお味も薄まっているでしょうに、私の股間から離れてくださらないジョセフィーヌさま。
 こんな状態では、とてもじゃないけれどフリスビーは投げられません。
 ビスケットのおやつのときと比べて数倍の時間が経っている気がします。

「いいっ、あんっ、だめっ、あ、そこ、だめっ、いやんっ、いいっ、いいーっ!!」

 どんどん昂ぶる私のからだ。
 欲望に火が点いてしまった私は、ジョセフィーヌさまにマゾマンコを差し出したまま、いつの間にかエプロンの隙間から右手を差し入れ、生おっぱいまでまさぐり始めていました。

「あーあーあー、ペット二匹で仲良すぎ。こんなんじゃ埒が明かないじゃない」

 あともう少し、というところで水を差してこられたのは中村さまでした。

「ほらジョセ、いつまでマンコ舐めてるの?ジョセは本当にM女を喘がせるのが大好きなんだから」

 私の手からフリスビーを奪い取られ、そのプラステイック表面で私の股間に潜り込まれたままなジョセフィーヌさまの頭を軽くポンポンと叩かれます。

「直子も直子よ。いったんサカッちゃうと手がつけられなくなる、ってエミリーも言ってたけど」

 心底呆れられている、ということがよくわかる中村さまのお声。

「ほら、ジョセフィーヌ!これが最後。ラスト。これをちゃんと取ってこい出来たら、たっぷりとご褒美をあげるから。フェッチ!」

 中村さまからジョセフィーヌ、と、ちゃんとお名前を呼ばれてようやく私の股間から頭をお上げになられたジョセフィーヌさま。
 中村さまがそのお鼻先にフリスビーをヒラヒラさせたと思ったら、ツツーッと放り投げられます。
 条件反射のように駆け出されるジョセフィーヌさま。

「ほら、直子ももう、こんなの脱いじゃいなさい」

 私の背後に回られて、素早く首後ろとウエスト後ろの紐が解かれました。
 フリルエプロンが束の間ふわりと宙を舞い、足元にパサッ。
 結局この広場で本日二回目の全裸姿お披露目です。

「直子にもおやつをあげる」

 中村さまがジャージのポケットから取り出されたのは黄色いバナナ。
 その太めな一本は出かける間際に寺田さまがくださったものでしょう。

「下の口で充分味わってから、上の口で栄養補給なさい」
「ほら、そこに仰向けに寝そべって、ジョセが帰ってくるまで自由に出し挿れしていいのよ」

 緑の芝生を指さされた中村さま。
 そのお言葉で催眠術にかかったように言いなりになる私。
 芝生に背中を預け両腿を大きく開いて両膝を立て、躊躇なくバナナの実を膣口に挿入します。

「ああーんっ!」

 待ち侘びていた粘膜がすんなりバナナを迎え入れ、すぐさま始まる抽送運動。
 中村さまのレンズが私を見下しています。

 ハアハアハア…
 耳の中でヤケに大きく聞こえるのは興奮している自分の息遣いなのかな?と思い、つぶりがちな目をふと開けると、間近にジョセフィーヌさまのお顔。
 その横には中村さまがしゃがまれているのか、レンズを構えられたまま、私のからだに空いているほうの手を伸ばしてこられようとされています。

 まずは左おっぱいをギュッと掴まれました。

「はうんっ!」

 その甘美な感触が去ると左おっぱいに残るねっとりとした感覚。
 ペーストが塗られたんだ、と理解したときにはすでにジョセフィーヌさまの舌が這い回っていました。

 もはやいちいち手に取ってから塗るのも面倒臭くなられたのか、チューブから直に右おっぱい、お腹、脇腹、下腹、恥丘スレスレまで、次々に塗り付けられるペースト。
 ジョセフィーヌさまはそのすべてを舐め尽くすべく、私のからだを跨ぎ、踏み越え、覆いかぶさるように伸し掛かられて、私のからだのあちこちを熱心に愛撫してくださっています。
 そのあいだ中、止まらない私の右手、バナナの抽送。
 
 恥丘と裂け目の境まで下りてこられたジョセフィーヌさまの長いベロは、そのすぐ下で腫れ上がっている肉のお豆をも転がしてくださいます。

「あーーっ、そこぉーっ、あーーーんっ、だめーーっ、いいぃくぅぅーうふぅぅーっ!!!」

 中村さまのビデオカメラのレンズに見守られ、ジョセフィーヌさまに69の形で伸し掛かられたまま、ふやけたバナナの実に犯された私の感極まった淫声が、晩夏の夕暮れの芝生にはしたなく響き渡りました。