2021年7月3日

肌色休暇一日目~幕開け 21

 「ちょっとミドリン、落ち着いて…」

「そうよトモちゃん、ナオコつってもあのナオコじゃないんだから…」

 ピンク浴衣OLさまの左右に座っていらっしゃるOLさまがたが、ピンク浴衣OLさまの袖を引っ張ってなだめられています。

「ごめんねー。この子、一年くらいつき合っていたカレシを二週間くらい前に寝取られたばっかでさ、寝取った女の名前がナオコっつーんだ」

 オレンジ浴衣のショートワンレンOLさまがご説明してくださいます。

「この子トモミっつーんだけど、ここに遊びに来たのはトモミの傷心旅行なの。わたしらは気晴らし要員。なんか別れ話んときに凄く酷いこと言われたみたいだし」
「ナオコっつーのは同業他社の営業でね、トモミと地道に愛を育んでいたはずのイケメンの小児科医が二股野郎で、結局ナオコが若さとえっちでかっさらってったらしいんだ」

 ピンク浴衣OLさま=トモミさまはいつの間にかソファーに腰を落とされ、テーブルに突っ伏されて泣かれているみたい。

「あらあら、そういうことなら、うちの直子がお役に立つかもしれないわねぇ」

 お姉さまが含み笑いなお芝居めいた口調でおっしゃいます。

「そのにっくき淫乱ナオコの代わりに、ここにいるマゾですの淫乱直子をそっちの淫乱ナオコだと思っていたぶって、ストレス発散してみない?」
「ナオコっていう名前で繋がったのも何かのご縁でしょうし、カレンさんたちからご紹介済みだと思うけれど、こっちの淫乱直子はマゾだから虐められると悦ぶヘンタイだしでお互いwinwinなのよ」

 そこで一度お言葉を切られ、わざとらしくみなさまのお顔を見回されたお姉さま。
 淫乱インランご強調し過ぎです。
 みなさまシンとお静まりになられ、真剣にお姉さまのご説明を聞いていらっしゃいます。
 お姉さまが静かにつづけられます。

「いたぶるって言っても、殴る蹴るみたいな野蛮で暴力的なのはエレガントではないわ。そういうのではなくて、人間として、女性としての品格みたいなものを台無しにしてやるの。直子?立ちなさい」

 唐突なご指名にビクンと震え、おずおずと立ち上がる私。
 テーブルの高さが私の股間スレスレですから、みなさまには赤いVゾーンまで覗けていると思います。

「帯を解きなさい」

「は、はい…」

 えっ!?とは思いましたが、みなさまが息を呑まれるように私たちに注目されているので余計なことは言わず、帯の結び目に手を掛けました。
 幅が5~6センチくらいの紺色の帯がスルスルっと解け、ハッピの前襟が素肌を晒して二手に分かれました。
 お姉さまの右手に帯が回収されます。

「どう?いやらしい女でしょ?着物の下にインナーも着けないで。だってナオコは裸になりたくてしょうがない女だもの。トモミさんのカレシさんも、きっとこんなふうに誘惑されたんじゃないかしら?」
「いるのよね、自分のことしか考えない人たちって。自分の欲望や快楽のために周りに迷惑かけていることが想像も出来ない人たちって」

 お姉さま?そのお言葉って地味に私にも刺さってくるのですけれど…

「詳しい経緯は何も知らないけれどトモミさん?そんな色仕掛けでコロッと寝返ってしまう男なんて、別れて正解だと思う。そういう男って遅かれ早かれいずれそのナオコにも同じようなことするでしょうし」
「でも片棒担いだナオコにも痛い目にあって欲しいわよね?トモミさんが泣いている今もふたりでぬくぬくイチャイチャしているのでしょうから」

 お姉さまがスクっと立ち上がられます。

「だからお仕置きしましょう。こっちの直子で」
「お仕置きっていったら、やっぱりお尻叩き、スパンキングよね?」

 立ち上がられたお姉さまに手を引かれ、OLさまたちの対面にあたるテーブル際まで誘導される私。

「でも姐さん?さっき殴る蹴るみたいな暴力はエレガントじゃないって…」

 カレンさまが慌てられたようにお口を挾まれます。

「いいえ、お尻叩きは暴力じゃなくて躾よ。日本でも欧米でも子供の頃から悪いことをしたときに受けなければいけない罰であり、立派な躾なの」
「直子、テーブルに突っ伏しなさい。裾をまくり上げてお尻をあたしに差し出しなさい」

 冷た過ぎるお声でのご命令。
 マゾマンコをキュンキュンわななかせながらご指示通りの姿勢になる私。
 お姉さま側に傾けた頬とはだけだおっぱいに大理石っぽいテーブル表面が冷んやり。

 バチーン!

「あっうぅーんっ!」

 お姉さま渾身の平手打ちが私の左尻たぶに決まりました。

「ほら、トモミさんもこっち来て、淫乱ナオコへの怒りをこっちの直子にぶつけちゃいなさい」

 一発だけでハアハアしている私の元へ、トモミさまを呼び寄せられるお姉さま。
 トモミさまだけでは無くみなさま全員がお席をお立ちになり、それぞれのグラス片手に私の突き出したお尻のほうへと移動されてきます。

「うわっ、キレイな手形が赤々と」
「何この人?ふんどしTバック?」
「お尻の穴まで視えちゃっているじゃない…紐食い込ませて」
「それよりもさ、そのすぐ下の布地、なんだかグッショリ濡れていない?」

 テーブルに突っ伏しているのでどなたのお言葉かはわかりませんが、口々に蔑みのお言葉を投げつけられるみなさま。

「うわっ、雫が床まで垂れて糸引いてる…」
「うそ、お尻ぶたれて感じちゃってるんだ、この人…」

「ほら直子?トモミさんがお尻叩きやすいように、裾を自分でまくり上げなさい」

「は、はい…」

 テーブルに突いていた両手をお尻側に回し、おずおずとただでさえ短いハッピの裾をめくり上げます。
 帯のないハッピは完全に割れて、乳首もろとも冷たいテーブルに押し付けられています。
 みなさまの目前には私の剥き出しなお尻がそびえ立っていることでしょう。

「やだ、お尻の上に本当に、マゾですの、って書いてある…」
「これって日焼け跡よね?こんな文字型貼り付けて、どこかで日焼けしたってこと?」
「ね?言ったでしょ?本当にですのちゃんは正真正銘のヘンタイなのよ」

「トモミさんからカレシを奪ったナオコも、たぶんこんな感じの性欲過剰で特殊性癖持ちのヘンタイよ?どう?ふつふつと怒りが湧いてこない?」

 お姉さまの適切?なサジェスチョンが終わるか終わらないうちに、強烈な一撃が今度は私の右尻たぶを襲いました。
 
 バッチーンッ!

「あぁぁーあんっ!」

「何がああんっよ!いやらしい声あげちゃってっ!ちょっとばかり若くてカワイイからって調子に乗るんじゃないわよっ!」
「何が、おまえより肌馴染みがいい、よっ!何が、おまえよりおっぱいが大きい、よっ!何が、おまえより具合がいい、よっ!」
「あんたとヤッても一度もイッたことないんだからねっ!ソーローのクセにっ!ロリコンのクセにっ!その上マザコンのクセにっ!」

 トモミさまの悲痛なお叫びとともにバチバチ連打される私のお尻。

「あっ、あんっ、あんっ、痛いですぅ、ごめんなさいっ、ごめんなさーいっ!」

 理不尽でご無体な被虐に酔い痴れている私は、苦痛を感じるほど理由もなく謝ってしまいます。

「手が痛かったら、履いているスリッパ脱いでひっぱたくといいわよ」

 お姉さまの適切なアドバイスで、私のお尻が奏でる音がスパーンッスパーンッに変わります。

「うわっ、濁った愛液がダラダラ垂れてる…」
「布地がベッタリ貼り付いてマンコの形がクッキリ…」
「それも気持ち良さそうにヒクヒク動いていない?お尻の穴も広がったり窄まったり…」

 ご丁寧に実況中継してくださるみなさま。
 その侮蔑混じりなお声を聞かされて私のマゾ性も暴走気味。
 ヒリヒリ痛む熱を持ったお尻に、みじめさと切なさともっと虐めてという欲求ばかりが募ります。

「ね?他人のお尻、って言うか憎い女のお尻をひっぱたくのって気持ちいいでしょ?ここまで来たらこのいやらしい淫乱女、どうしたい?」

「めちゃくちゃにしてやりたいです!泣き叫ぶほど穢してやりたいです…みんなの前で浅ましいアヘ顔晒させて恥をかかせてはずかしめて、この先生きて行けないほどの屈辱を味あわせてやりたいです!」

 お姉さまの誘導尋問にまんまと乗せられてしまうトモミさま。
 私のゾクゾクもとどまることを知りません。

「だったらみんなで淫乱ナオコを地獄の底に突き落としてあげましょう。悪いけれどみなさんでテーブルの上のコワレモノをそうね、あのステージの上にでも片付けてくださる?」

 完全に一座のリーダーシップをお取りになったお姉さまがノリノリのご指示。
 何かに憑かれたようにご指示に従うみなさま。
 あっと言う間に大きな楕円のテーブル上がまっさらになりました。

「直子、マッパになりなさい」

 お姉さまにパチンと軽くお尻を叩かれ、素直に従う私。
 ハッピをからだから外し、おふんどしの紐をシュルッと解きます。
 回れ右してみなさまとご対面、もちろんその後両手は頭の後ろへ。

「何その日焼け跡…乳首の周りだけ白いって…」
「マンコの周りもハート型に白いじゃん…そんなにソコを見せつけたいんだ?…」
「あーあ、マン汁垂れ流し…絨毯が吸っちゃているけれど大丈夫なのかしら?…」
「視てあのデカ乳首、弄って欲しくてたまんないみたいに超勃起してる…」
「クリも同じよ…皮脱いじゃってテラテラ艶光りしちゃってる…」

 私のからだに浴びせられる嘲笑が私をどんどん昂りへと追い込みます。
 みなさまの侮蔑のお言葉が今の私にはご馳走なんです。

「ほら、直子はテーブルに上って、みなさんにこれから虐めていただくマゾマンコ突き出して、じっくり視ていただきなさい」
「ハッピーベイビーのポーズね。顔は起こすのよ」

 お姉さまに促され見世物ステージのような何も無いテーブルへ上ります。
 テーブルの上に足を上げようと大きく股を開くと、ヌルリと割れる私のワレメ。
 内腿を恥ずかしいおツユがダラダラ滑り落ちていきます。

 みなさまとご対面する位置に一度体育座りになってから、おずおずと両膝を開きます。
 ハッピーベイビーは自分の左右の手で左右の足先や足首をそれぞれ掴むポーズ。

 このとき私は、腕を膝の裏側から伸ばして逆手で足首を掴むようにしています。
 こうすることにより自分の両腕で両脚を抉じ開けている感が強くなり、もちろん否が応でも大股開きとなってしまうからです。

 通常のハッピーベイビーですと上半身は寝かせたままですが、お姉さまのご命令は顔を起こせとのこと。
 上半身を起こすと私の対面に立つ人は、私のマゾマンコの先に私のおっぱいと顔も同時にご覧になれるわけで、恥辱感数倍増しなポーズ。
 テーブル際に集まられたみなさまが、少し見下ろす形で私のあられもなく恥ずかし過ぎる全裸を凝視くださっています。

「うわっ、わたし誰かのマンコやお尻の穴、こんなに間近でしげしげと視たこと無い…」
「確かに女性としての品格、微塵もないわ…よく躊躇なくそんな恥ずかしい格好になれるわね…」
「エロを売りにする女って、同じ女にとっては害悪以外の何物でも無いわよね?純愛が勝てる余地無いもの…」

 そ、そのお言葉はピンクコンパニオンのみなさまにも刺さってしまうのでは?…

「それでシヴォンヌさんは、直子にこれをご馳走してあげたかったのよね?」

 シヴォンヌさまにカッパさまこけしを手渡されるお姉さま。
 カッパさまを受け取られたシヴォンヌさまがニヤニヤ笑い全開で私に近づいてこられます。

「ですのちゃん、じゃなくて今はナオコちゃんか。ナオコちゃんはこれが欲しいの?」

 私の目の前でカッパさまこけしをぶらぶら振られるシヴォンヌさま。
 キツキツなセーラ服の胸元が盛大にはだけ、ハーフカップの淡いピンク色のブラごとハリウッドおっぱいの谷間がツヤツヤ覗いています。

「こんな淫乱ヘンタイ女にちゃん付けなんて贅沢よっ!クソナオコ、とか呼び捨てで充分よっ!」

 トモミさまが敵意丸出しなお声でお口を挾まれます。
 トモミさまも先ほどのスパンキングで帯が緩まれたのでしょう、ピンク浴衣の両襟がかなり開いて水色のブラが覗けています。

「は、はい…欲しいです…」

 シヴォンヌさまとトモミさまを交互に見ながらお答えします。
 みなさまに向けて差し出している自分のオマンコがヒクヒク引き攣っているのが、自分でわかります。

「あら?今オマンコがピクピク返事したわね?ワタシもそうしてあげたいのはやまやまだけれど、その前にちょっとワタシの指でソコの具合を確認させてもらってもいい?」

 ハリウッドおっぱいの谷間がグイッと近づいてこられ、カッパさまこけしの頭が私の唇に押し付けられます。

「んぐぅ…ふぁ、ふぁいぃ…、ど、んぐっ、ろーぞごじふぅにぃ…」

 カッパさまの頭が口に押し込まれたので、最後のほうは言葉になっていません。

「んっ!んふぅぅーっ、ふぁうっ!んーぐぅーっ!」

 間髪を入れずにシヴォンヌさまの二本の指、たぶん中指と薬指、が私の膣穴にズブリと挿し込まれ、膣内をチョキの形で蹂躙してきます。
 みるみる私の愛液にまみれていくシヴォンヌさまの右手。
 よだれをダラダラ流しながら夢中でカッパさまの頭をしゃぶる私。

「うわ、熱い!何これ?ナオコのオマンコって外側はシンプルなのに中はフクザツなのねぇ」
「ラビアのビラビラが指に絡みついてきて、粘膜が奥へ誘い込むように締め付けてくる、二度と逃さない、みたいな膣圧で」

「んーーーっ!!」

 シヴォンヌさまの外に出ている指、たぶん人指し指の爪、が腫れて剥き出しになっている私のクリットの表皮をカリッと引っ掻いてくださいました。
 ズキンっと全身に広がる快感。
 膣がキュンっと締まるのがわかりました。

「んっ!凄い!ナオコのオマンコに手首ごと呑み込まれそうっ!」

 シヴォンヌさまの二本指が私の膣内で大暴れ。

「んーーっ!ぬぐぅーっ!むぐぅーーっ!!」

 カッパさま頭がグイグイ口腔に押し込まれ私の唇は上も下も息も絶え絶え…

「あーっ、姐さんばっかりズルいーっ!うちらもクソナオコ虐めたいーっ!」

 カレンさまの嗜虐に溢れたハスキーボイス。

「みなさんもご自由にどうぞどうぞ。この子はひどいことされるほどに本性を顕わすどマゾ娘ですから」
「そのいやらしい乳首を捻ったりラビアを引っ張ったりクリットをギュッと潰したり、もちろんお尻をひっぱたいたり、痛いことやみじめなことをされればされるほど乱れるドマゾですの、なナオコですから」

 お姉さまのお煽りで一斉に私の裸体に群がる無数の手や指。
 欲しかったところに的確に刺激と苦痛を与えてくださいます。

「んーーーっ、あーーっ、だめぇーーイッちゃうぅ、イッちゃうーんっ!!」

 いつの間にか口中のカッパさまは脱出され、しっかり下の唇に挿入されていました。
 左右の乳首は違う強さであらぬ方向へと引っ張られ拗じられ。
 クリトリスも乱暴にギュムギュムと潰すみたいに強いお力で嬲られ。
 そのあいだずっとお尻をパチンパチン叩かれ、カッパさまの頭のお皿の段差と嘴がゾリゾリ、マゾマンコの膣壁を陵辱してくださっています。

「あーーっ!!直子イッちゃいますぅ!いいですかっ!?お姉さま?もう直子イッちゃっていいですかぁっ!?」

 自由になった口と喉で奔放にあさましい願望を声に出してしまう私。

「あたしじゃないでしょ?ナオコがお赦しを乞うのはあたしにじゃないでしょ?」

 ひときわ力強い打擲が右の尻たぶにヒットしたと同時に、冷たすぎるお姉さまのアルトなお声。

「あうっ!は、はいーっ、えっと、トモミさま、シヴォンヌさまサラさまカレンさまぁ、あと、オーエルのみなさまがたぁーっ」
「直子、イッてもいいですか、どうか、どうか、もうイクのをお赦しくだいませぇえーーーっ!!」

 力の限りに懇願絶叫した途端に、スッと素肌から去っていかれる蹂躙の感触たち。
 この休符は、絶対お姉さまが指揮されたのでしょう。

「呆れた。直子は自分を悦ばせてくださっているみなさんのお名前も覚えていないの?何よオーエルのみなさまがた、って。礼儀知らずにもほどがあるわっ!」

 バッチーンと左尻たぶに強烈な刺激。
 でも刺激が去って疼きまくっている私の全身には嬉しいご褒美でした。

「んーーーっ!!」

「こうなったらこの淫乱ドマゾ、延々と寸止め地獄で悶え狂わせてやろうかしら…」

 お姉さまの冷え切ったお声が聞こえたとき…
 また別な冷たい嗜虐的なお声が聞こえました。
 トモミさまでしょうか、サラさまでしょうか…

「ねえ、こいつって肛門でもイケたりするの?」


2021年6月27日

肌色休暇一日目~幕開け 20

 「夕方の大露天風呂でシヴォンヌさんだっけ?あのハリウッドおっぱいの人に引き止められてお願いされたのよ。半額以下、いえ四分の一の料金でいいから形だけでも今夜フリの宴会が入ったことにしてくれないか、って」

「四分の一っていうのは宿の取り分らしくて、でも臨時に宴会に呼ばれたっていう連絡が宿から行けば後日いくばくかのチャージバックと実績ポイントが貰えるらしいの。事務所での待遇も上がるし」

「あの子たちって日銭商売じゃない?そのくらいの額なら領収証貰っとけば福利厚生か接待の経費で落とせるし、まあいいかなって三分の一で手を打ったの」
「あの時点でも女将さんやキサラギさんには充分よくしてもらっていたし、ね?」

 準備しましょうか、とおっしゃるわりにソファーに腰掛けてワイングラスを傾けるだけのお姉さま。

「あちらお三人と私たちふたり、で宴会ですか?」

「ううん、昨夜大浴場で知り合った連泊OL四人組にも声かけるらしい。だから総勢…4たす3たす2…つまり九名の女子会」

 全裸でお姉さまの前に立った私を見上げつつ、わざとらしくコミカルにお姉さまがおっしゃいました。
 意外にお酒の酔いがまわられているのかもしれません。

「でもでも、私、この格好で行くのですか?」

 まったくもう、お姉さまのお考えはまったく予測不能と少々呆れながらも、女性九名での女子宴会とお聞きして邪な期待にムラムラしてくる私のふしだらなからだ。

「あ、そうだった。いいんじゃない?どうせ直子は虐められるんだし。あの子たちも温泉でのイジりじゃ不完全燃焼で、そのリベンジってとこもあるだろうし」
「あ、でも最初から全裸じゃ面白味に欠けるかな?イジられて辱められながら虐められてとんでもない痴態を晒すのが直子の真骨頂だし」

 ムラムラがゾクゾクへと進化してしまうようなお言葉をくださったお姉さまが立ち上がられ、壁際のご立派な総桐箪笥へと近寄られます。

「キサラギさんが確か、特別にここに、って…」

 真ん中辺の抽斗を開けられて何かビニール袋をふたつつまみ出されました。
 見ると、没収されちゃった浴衣と同じようなお色柄の浴衣?と赤いおふんどし?
 でもふたつとも以前のと何かが違う気も…
 お姉さまがビニール袋をお破りになられ、中の布地を引っ張り出されます。
 
 やっぱり赤いおふんどし…でも何か見た目の質感が…
 お姉さまが広げられた赤い布片は、明らかに先ほどのものとは違っていました。
 全体的にヒラヒラ頼りない感じ。
 薄っぺらくて透け感まで感じる、この素材はシルクかしら?

 浴衣のほうは広げてひと目で違いがわかりました。
 丈が短い、と言う生半可なものではなく、おそらく腿の付け根すぐ下ぐらいまでしか届かない短さです。
 浴衣と言うより半纏?ハッピ?
 帯も付いていて、お色柄も大露天風呂に行くまで着ていたものと同じではあるのですが…

「本当にここの人たちって至れり尽くせりね。キサラギさん、直子のこと、あたし以上にわかってらしゃる」

 上機嫌なお姉さまが私の顔を覗き込んできます。

「あたしが着せてあげるから、その前にトイレに行って出すもの出してきちゃいなさい。終わったらビデでちゃんとキレイに洗いなさいよ」

 背中を軽くポンと押されておトイレへ。
 出すもの出して、ってお浣腸もしておけっていうことかしら?
 でもお浣腸薬、持ってきていないし…

 訝りながら便座に座ります。
 ほどなくオシッコが、予想より随分長く出ていきました。
 お酒飲んだせいかな?

 一度流してから念の為、んっ、と力んでみましたが、固形物が出たがっている気配はありません。
 水流をビデに合わせ膣口を洗浄、右手を股間に潜り込ませて自分で陰唇を押し広げ念入りに洗いました。
 水流が時折クリットをヒットして、そのたびに小さくンゥッ。
 最後に強めの水流でお尻の穴と周辺も念の為の洗浄。

 おトイレから戻るとお姉さまはソファーでメイクの真っ最中。
 と言ってもファンデし直して眉と目元、口元をチョチョイと弄るくらい。
 それだけで艶っぽさ数倍増しなのですから、さすが私のお姉さま。

「じゃあ、あたしの前に立って」

 お姉さまがコンパクトミラーを覗き込んだままでおっしゃいます。
 お化粧中なお姉さまの前に全裸で立ちはだかる私。
 両手が自然に後頭部へ行ってしまうのは条件反射なのか、はたまた一種の刷り込み現象なのか。

 やっとお顔を上げてくださったお姉さま。
 すぐ目の前に私の剥き出しなアソコ。

「本当に直子って、見事な上付きよね?こうして明るいところで間近であらためて見ると、しみじみそう思うわ」

 今更なことを今更しみじみおっしゃるお姉さま。

「そんなふうにただ立っているだけで、割れ始めからクリの頭巾まで丸見え。その上、直子のクリはすぐ腫れちゃって、すぐ頭巾も脱いじゃうし」
「毛があればもうちょっとはマシなのでしょうけれど、自分の意志で失くしちゃったのでしょう?本当に恥ずかしいマンコ、って言うか、恥ずかしがりたいヘンタイのマゾマンコ、って感じよね?」

 イジワルい笑顔なお姉さまからの唐突なお言葉責め。
 ビデでせっかくさっぱりした粘膜がジワリと潤むのがわかります。

 お姉さまが赤い布片を手にゆっくり立ち上がられたので、私は一歩退きます。
 私のウエストがお姉さまの両手で挟まれて、赤くて細い紐が縛り付けられます。
 お尻のほうから股下をかいくぐってきた布片が下腹部の前に垂れ下がり、再度赤いおふんどし姿の完成。

 布の肌触りがさっきのものとは全然違います。
 薄くて軽くてしなやかで、逆に言えばとても頼りない感じ。
 更に今度のやつは前垂れ部分がとても短くて、赤い布地が作るVゾーンの先端までも届いていないみたい。
 その短い前垂れ部分をお姉さまがギュウギュウ引っ張られます。

「あんっ、あぁんっ」

 お尻の割れスジに沿って覆っている布片が絞られて紐状となり、割れスジにクイクイ食い込んできます。

「これはさっき、おっぱいを隠した罰。命令違反分のお仕置きね」

「えっ?私、フロントでもここでも、頑張っておっぱい隠しませんでしたよ?」

 とても恥ずかしくて何度も隠そうとは思ったけれど隠さなかったのは事実ですから、控えめに抗議してみます。

「何言ってるの?その前よ。正面玄関入って三和土で草履からスリッパに履き替えるとき。仲居さんの前で咄嗟におっぱい庇っていたじゃない?」

 冷たいお声のお姉さまが、やっと前垂れを引っ張るの止めてくださいました。
 お尻部分の布が完全にTバック状になっているのがわかります。
 たぶんお尻の穴さえ隠せない、か細い紐状に。
 剥き出しの尻たぶをペチンと軽く叩かれます。

「あんっ!」

「今の口答えもお仕置き対象ものね。後で何か考えるから」

 細めた瞳で冷たくおっしゃり、つづいて浴衣?を手に取られます。

 袖を通してすぐにわかりました。
 それはまさしくハッピでした。

 丈は両腿の付け根スレスレ。
 帯を締めるとその裾がもう数センチ上がり、前垂れで隠しきれない赤いVゾーンまで覗きそう。
 おまけに胸元のVゾーンも浴衣よりルーズなので、おっぱいの谷間がこれみよがしに見えています。

「あら、色っぽくていいじゃない?いかにも、the温泉街、って感じ。じゃあ最後の仕上げね」

 お姉さまが櫛で髪を梳かしてくださり、眉と目元をチョチョイ。
 唇にだけ幾分グロッシーな紅をさしていただき、おめかし終了。

 お姉さまが私のハート型ポシェットにご自分と私のスマホとカッパさまこけしを突っ込まれ、ご自分でお持ちになります。
 時刻は夜の8時40分。
 お姉さまに手を引かれお部屋を後にしました。

 お廊下には相変わらずジャズピアノの調べが低く流れています。
 やがて十字に交差したお廊下をそのまま真っすぐに進むとつきあたり。
 左側のお部屋の入り口に、個室宴会場、の木札。

「ああ、ここね」

 横開きの引き戸をスーッと開けるとそこは沓脱。
 お草履からスリッパに履き替え、一段上がった板の間の重そうな鉄製ぽいドアを開けます。

「ああ、やっと来たー。もう先に始めちゃってるからねー」

 黄色いお声にお出迎えされてお部屋の中を見ると…
 
 えんじ色の絨毯が敷き詰められた12帖くらいの洋間。
 壁際にシルバーグレイのソファーがLの字型に並び、その前に大きな楕円形のテーブル。
 お部屋奥がステージ状になっていて、大きなモニタースクリーンとカラオケの機械。

 宴会場とお聞きして、畳敷きのお座敷大広間を予想していた私はびっくり。
 まるで都心の大きめなカラオケルームと言うか、照明が少し薄暗いこともあって洒落たカラオケバーみたいな雰囲気。

「このおふたりが、さっきから話題になっているレズビアンカップルの、ですのちゃんとそのお姉さまね」

 金髪のカレンさまのハスキーなお声が私たちをご紹介してくださいます。

「それでこっちの4人組が隣の県で製薬会社の営業職をされてるOLさん傷心慰安旅行、卯月の間の御一行様。左からスズキさん、コガさん、ミドリカワさん、サノさん」
「うづきの間、ってなんかいやらしくね?」

「おお、よく名前覚えてるねぇ。さすがベテランお水っ!」

 OLさまのおひとりから混ぜ返されるカレンさま。
 Lの字型ソファーの一辺に、オレンジ色、黄色、ピンク色、赤色の旅荘ご用意な浴衣をそれぞれ召されたOLさま四名が並んで座られています。
 L字のコーナーにコンパニオンのカレンさま、サラさま、L字が曲がってシヴォンヌさまと座っていらっしゃるので、そのお隣にお姉さま、私の順で着席しました。

「それじゃあメンツも揃ったし、もう一度カンパーイっ!」

 カレンさまの音頭でみなさまそれぞれ飲み物を高く掲げます。
 シヴォンヌさまがワイングラスにおビールを注いで回してくださったので、それを持ってとりあえずカンパーイ!

 ひと口飲み干してから、あらためて周囲を観察します。
 スピーカーからは私があまり詳しくないJポップの軽快な男声曲がうるさすぎずな音量で流れています。
 どうやらモニタースクリーンの画面と連動しているみたい。

 コンパニオンのお三かたは、さっきお部屋でお見かけしたサラさまがおっしゃった通り、半袖ミニスカートのセーラー服姿でメイクも派手めにバッチリ。
 お三かたとも胸元に赤いリボンを結ばれてキュートでもあるのですが、やっぱり何か異様な感じでもあります。
 何て言うか、行ったことはないけれど映画や写真で見る、夜のお酒のお店のオネーサマがた、という雰囲気。
 
 とくに比較的大柄なシヴォンヌさまにはサイズが小さ過ぎたのでしょう、布地がパツパツなボディコンシャスに貼り付いてしまっていて、そのグラマラスな曲線が乱暴なお色気を振り撒いています。
 テーブルに隠れて見えませんが、お三かたとも先ほどのサラさまみたく下にスウェットも穿いておられないでしょうし、テーブルの下では短すぎるスカートから下着が丸見えなことでしょう。

 大きな楕円テーブルの上にはクラッカーやチーズ、乾き物が乗ったオードブルの大皿二枚と、野菜ステイックのグラス、それにワインクーラーが3つ。
 アイスペールがいくつかとおそらく缶ビールや缶酎ハイが入っているのでしょう銀色のクーラーバッグが3つ、その脇に伏せられたジョッキやコップ、ワイングラスがたくさん。
 カラオケステージ前には早くも潰された500ミリの缶ビール缶酎ハイの空き缶が数個、大きめなコンビニ袋にまとめられています。

 サラさまカレンさまがOLさまがたのお相手を、シヴォンヌさまがお姉さまのお相手を賑やかにされ、お楽しげにご笑談。
 OLさまがたは色とりどりの酎ハイやカクテル、サラさまカレンさまはおビール、シヴォンヌさまは冷酒、お姉さまは白ワイン。
 みなさまお夕食を終えてすぐなのでしょう、テーブル上のおつまみには殆ど手をつけておられません。
 
 半開きになったクーラーボックスの中にシードルの小瓶をみつけ、私はそれに切り替えます。
 新しいグラスに注いでフーッとひと口飲み下してから、あらためて右斜めにおられるOLさまたちのほうを盗み見ます。

 ご年齢は…お姉さまよりちょっと下…かちょっと上くらい?
 メイクは申し訳程度だけれど、それは女子会と割り切られてのご油断だと思います。
 四名さま全員、見事に暖色系の浴衣を選ばれていて、その一角がとても華やか。

 目立つほど髪を明るめに染めておられるかたもおらず、カレンさまたちが醸し出されるギャル感とはあまり馴染みそうもない、意識高い系まではいかないまでもSNS映えにはこだわりを持たれておられそうな、トレンディなオフィスレディさまがた?
 黄色い浴衣のボーイッシュヘアな女性が一番落ち着いていらっしゃるぽくて、その座の中心的リーダー。
 ピンク色の浴衣のソバージュヘアの女性が何となくお元気が無い感じ。

 ときどきそこかしこから私へ盗み見の視線を感じつつ、何となくシラッとした雰囲気の女子会時間が過ぎていきます。
 ロリータなサラさまが幾度となく意味ありげな視線を私に投げてくださるのですが、かと言ってそれ以上の進展は無く、私にはどなたも話しかけてくださらず、時間とお酒だけが喉元と空間を過ぎていきました。

「ねえ?もうお酒も飽きちゃった。あんたたち宴会コンパニオンなんでしょ?なんか芸でもやって盛りゃ上げてよぅっ!」

 口火を切られたのは、私から視て一番右端のオレンジ色の浴衣の女性。
 ショートワンレングスの髪がカッコいい少しグラマラスな姉御肌ふう。
 少し呂律が怪しいのはご酩酊のせいでしょう。

「芸たって、うちらピンキー専門だしさ…んじゃあ、野球拳でもしてみる?あとはツイスターゲームとか」

 気づかないくらいの苦笑いを一瞬、浮かべられた金髪のカレンさまがお愛想笑いでお相手されます。

「えーっ、何言ってるの?女同士でハダカになって、くんずほぐれつして何が面白いのよ?」
「そうそう、うちらおたくらのハダカ、露天風呂でイヤっていうほど視たし視られたし」
「おっぱい自慢でもしたいの?そりゃあうちらはレーナ覗いて全員ヒンヌーですよーだ!」
「野球拳やるんなら板前の松ちゃん連れてきて。松ちゃん相手なら素っ裸にひん剥いてやるっ!」

 OLさまがた一斉の大ダメ出し。
 そっかー、オール女子同士だと一般的にはそういうご反応なんだ…
 と、妙にお勉強になっている私。
 シードルをグイッと飲み干します。

「んじゃあカラオケでもする?」

 OLさまがたのダウナーな勢いに若干引き気味なカレンさまからの二の矢。

「ここのカラオケ、さっき見たら有料じゃん。二曲5百円、五曲千円って、何?」
「わたしら昼間、町まで出てカラオケボックスでさんざ歌い倒してきたっつーの。もう声ガラガラ」
「女だけで温泉宿に二泊なんて、するもんじゃないわねー。一泊目は目新しくていいとしても、すること無さすぎて、とっくに繁華街のネオンが恋しいわ」
「町に出ても遊んでいるのはカップルか女子供ばっかりだったし、イイ男軍団なんてどこにも転がっていないしー」

 ネガティヴなブーイングをここぞとばかりに撒き散らされるOLさまがた。
 コンパニオンお三かたも、もはや苦笑いを隠されようともされず、お手上げなご様子。

「んじゃあ開き直って、みんなでパンスト相撲でもする?…」

 やれやれ顔なカレンさまが開き直られたご提案をされようとされた、そのとき…

「それならみなさんに、面白いものをご覧いただこうかしら」

 スクッと立ち上がられたお姉さまが、みなさまからよく見えるテーブルの中央に、あるものをお置きになられました。
 それは私のスマホ。
 あんっ!いやんっ!
 
 間髪入れずにご自分のスマホからコール。

 …これが直子のマゾマンコです…奥の奥まで、どうぞ、じっくり、視てください…

 恥ずかし過ぎる音声とともに浮かび上がる、私の恥ずかし過ぎるセルフくぱあ画像。
 いやらしい呼び出し音声は無情に三回繰り返され、ようやく留守電サービス音声に。
 私の中で被虐が、盛大に背筋を貫きました。

「ちょっと、今の声、何?この画像、何?」
「えっ?これが待受なの?この人の声とヌードだったの?」
「マゾですのってそういうこと?信じられないんですけど…」
「もう一回見せて、もう一回」

 にわかにお騒がしくなられたOLさま四名中三名さまとコンパニオンのお三かた。
 リクエストに快くお応えになられ、何度も私のスマホを鳴らされるお姉さま。

 …これが直子のマゾマンコです…奥の奥まで、どうぞ、じっくり、視てください…

 凄い、自分でマンコ拡げてる、正真正銘露出狂のヘンタイじゃん、と私のスマホをおのおのの手に回しつつ、画面をしげしげと眺められるみなさま。
 決まって最後に実物の私のほうへと、信じられないというふうな視線を向けられます。
 マゾマンコがキュンキュンわなないてしまう私。

 そんな中でピンクの浴衣のソバージュヘアの女性だけが、私の顔を射抜くような、挑戦的なお顔で睨まれていました。

「今、ナオコ、って言ったよね?」

「は、はい…」

 威嚇そのものな射すくめられる視線に気圧されて、ちょっと掠れたお返事。

「てめーっ!」

 黄色いお声とともにテーブル上の飲み物がこぼれる勢いで立ち上がられました。
 先ほどまであんなにお元気無さそうでしたのに…


2021年6月19日

肌色休暇一日目~幕開け 19

「どうぞー。お座敷に持っていってちょうだい」

 キサラギさまが凛としたお声でお呼びかけ。
 えっ、そんな…

 赤いおふんどしまで外されて、今の私は文字通りの一糸まとわぬ全裸。
 おまけにお部屋の入り口にからだの正面を向けてマゾの服従ポーズ。
 お姉さまからご命令されたばかりですし、いくら恥ずかしくても勝手にポーズは崩せません。

 ドアから入ればすぐにお部屋全体が見渡せます。
 て言うか、間の悪いことにドアから見て真正面の位置に真正面を向いて裸身を晒している私。

 まず、天ぷらを盛った器を乗せたお盆を捧げ持たれた三十代くらいに見える、細身で短髪の男性が入ってこられました。
 隠したい、という欲求が全身を駆け巡りますが、やっぱり両腕を動かせないのが私のマゾ性。
 そのすぐ後には、恰幅が良く角刈りの頭に白髪が交じる強面のご中年男性。

 おふたりとも最初に私の姿に気づかれたときは、唖然、というお顔。
 広間を進まれる足がピタリと止まりました。

 私はポーズは維持しつつ、うつむいたり、首ごと曲げて顔を逸らしたり。
 でも、おふたりのご反応も気になってしまい、上目遣いに視線をチラチラ送ってしまいます。

 おふたりのお顔が示し合わされたかのように、同時にお口元をほころばされ目尻をニヤリと下げられました。
 どうやら事前に私がそういう趣味の女だと聞かされてきたのでしょう、そこにご遠慮や照れの気配はまったくありません。
 私から2メートルくらいの距離を置いて立ち止まられたまま、真正面からしげしげと私のからだを視てきます。

 それはそうでしょう。
 私はと言えば、両手を重ねて後頭部に置き、両腋の下以下を全開にして、眼前の男性がたに裸のからだ全部をさらけ出して棒立ちしているのですから。
 視られているのがわかっているのに、剥き出しのおっぱいを隠そうともせずに。
 おっぱいはおろか下腹部から足の先まですべてを赤裸々に。
 どうぞ存分に御覧ください、と挑発しているのに等しいポーズなのですから。

 両足は休めの形に開いていますから、両内腿のあいだに芽吹く腫れ上がった肉の芽やジワジワ滲み出て襞を濡らす雫まで見えているかもしれません。
 至近距離の男性2名と視線を合わせて見つめ合うわけにもいかず、視線が泳ぎまくり。
 結局おふたりの足元あたりに目線を落として為す術も無く立ち尽くしています。
 心臓ドキドキ、背筋ゾクゾク、心はビクビク、アソコはヒクヒク。

 目線を逸らしたときに、もうひとつ別な恥辱にも気づいてしまいました。
 お部屋を出るときに、広間の座卓に充電のために置かれた私のスマホ…
 
 それが、出たときには絶対に敷いていなかった日本手ぬぐいの上に、あらためて置かれていました。
 ご丁寧に出たときと同じようにリモコンローターの本体と並べて。

 ということはどなたかが確実にスマホをお手に取られたということ。
 お手に取られて少しでも傾ければ、確実に私の恥ずかし過ぎる待受画像が浮かび上がる仕組みです。
 つまり確実にどなたかには、あの恥知らずな待受画像も視られてしまった、ということを意味していました。

 ご覧になられたのがキサラギさまであればまだマシですが、見ず知らずの仲居さまや各お部屋のお掃除を担当されているご従業員の男性とか…
 どなたに視られてしまったのか…いいえそれに、決しておひとりだけだとも限りません…
 
 お留守をいいことに、発見者が従業員のみなさまをお集めになり、口々にその画像のお下品さを蔑まされていたかも…
 疑心暗鬼が妄想を暴走させ、マゾ性大氾濫…

「おらっ、松っ!さっさとお座敷にお持ちしねえか!」

 突然ドスの利いた低いお声がハッキリ聞こえ、私と細身のほうの男性が同時にビクンと肩を震わせます。

「あ、へいっ!」

 私の顔から太腿くらいまでを矯めつ眇めつ舐めるように見つめていた細身男性が甲高いお声でお応えになられ、テヘッ、みたいなバツの悪そうな薄笑いを浮かべてから、両手で捧げ持ったお盆とともに小上がりのほうへ向かわれました。
 
 すぐに角刈りのほうの男性が細身男性が立たれていた位置までぐいっと一歩踏み出され、後ろ手を組まれてお顔をより突き出され、再び私をしげしげと見つめ始めます。

 その目線がゆっくりと私の顔、首筋、左腋の下、右腋の下、左乳首、右乳首、おへそ、下腹、恥丘と動いていくのを、うつむいた上目遣いで追っています。
 成人男性からこんなに近くでこんなにじっくり全裸を視られてしまうのは、生まれて初めてです。

 真っ白な作務衣というか甚平みたいなお着物を召されているので、厨房のかたなのでしょう。
 伏し目がちに窺うと、まったく悪びれるようなご様子はなく、お口を真一文字に結ばれた難しいお顔で、何かの美術品でもご鑑賞されているような雰囲気。
 
 だからと言って恥ずかしさが薄れるわけでもなく、それどころかそんなご様子が余計に、何か珍しい見世物にされている、裸体を吟味されている、という意識を生み、屈辱感が加算されてしまいます。

 いつの間に私の傍を離れられたのか、お姉さまが角刈り男性の背後にまわられ、視られている私を男性ごとスマートフォンで撮影されています。
 
 私いつまで、こんな見世物状態にされるのだろう…
 まさかこの後、次々に従業員さまたちが見物にいらっしゃったりして…
 どうしようもなく切なくなってきて、その切なさが被虐を呼び、内股の粘膜がヒクヒクわなないたとき…

「ご紹介します。うちの花板のヨシザワです。本日の夕餉の献立を担当させていただきました旨、ご挨拶に伺いました」

 キサラギさまのお声が真正面から聞こえたので思い切って顔を上げると、スマホ撮影をされていたお姉さまのすぐ横にキサラギさまが来ていらっしゃいました。
 そのお声は私にでは無く、すぐそばにいらっしゃるお姉さまに向けてでした。

 角刈り男性がお姉さまを振り返られご挨拶され、そのご様子をキサラギさまが見守られている状況。
 つまり、角刈りの男性が花板さまのヨシザワさま、ということなのでしょう。

 お座敷のご用意はすっかり終わられたらしく、サラさまと細身男性もお姉さまたちの傍らにいらっしゃいますがご挨拶の輪には加わられず、こちらを露骨に見遣りながら何やらコソコソお話をされています。
 
 サラさまたち、厨房のお手伝いもされたとおっしゃっていましたから、もはやお顔見知りになられていらっしゃるのでしょう。
 とても愉しげに、何かを耳打ち合いされては、私の裸体を視てクスクス笑っておられます。

 それにしてもお姉さま…
 せめて服従ポーズだけでも解かせていただけませんでしょうか?
 おっぱいもマゾマンコも決して隠しませんから、両手を下ろしてただ普通の立ち姿に変わるだけでも、とても救われるはずですから…

 そんな想いをお姉さまのお姿に焦点を絞って見つめ、必死にテレパシーを送ります。
 
 それでも私を一番真剣に視ていてくださるのは細身の男性。
 その次がサラさまで、ヨシザワさまとキサラギさまがときどき視線をくださり、お姉さまだけはお話に夢中なのか、頑なに私のほうをチラとも視てくださいません。
 
 男性から全裸をしっかり視られている、という状況がはっきり認識出来る今の状況が、これまでに味わったことのない緊張感含みの羞恥と戸惑いを生んでいました。

 やっとお姉さまがこちらを振り向いてくださった、と思ったら全員で私に近づいてこられます。

「この下帯は、わたくしどもで洗っておきますね」

 キサラギさまが私のすぐそばまで来られ、足元にまだ落としたままだった赤いおふんどしを拾い上げようとされています。
 私のはしたない愛液が広範囲にシミ付いた恥ずかし過ぎる一品を。

「あっ!」

 思わず阻止しようと手を動かしかけますが、ご命令の呪縛ゆえにどうしてもポーズを崩せない私。
 キサラギさまは、シミの付いていない乾いた部分を指先でご器用につまみ上げられ、素早くクルクルっと丸められました。

「わたくし、当旅荘の厨房で責任者を務めさせていただいております、ヨシザワアツヤと申します。精魂込めてお造りしましたので、どうぞごゆっくりお楽しみください」

 キサラギさまの挙動に集中していたら、すぐそばで野太いお声。
 気がつくと私のすぐ前で、花板さまが私に頭をお下げになられています。

「いやあ、お嬢さんみたいな別嬪さんのお若くてお綺麗なからだと弁天様を間近でたっぷり拝ませていただいて、今日は眼福ですわ。若返りました。おかげで寿命が十年くらい伸びた心持ちですわ」

 そうおっしゃって目尻を下げられる花板ヨシザワさまの笑顔は…あれ?意外に愛嬌が生まれてはにかんでおられるみたいで可愛いらしい?
 近づき過ぎたと思われたのか軽く一歩引かれた目線がしっかり、私の剥き出しな股間に注がれていました。

 結構長く股間に留まっていた視線がやがて、私の顔に戻りおっぱいからお腹をずーっと撫ぜていって、股間からまた顔に戻ってきます。
 そのときは、私もずーっとヨシザワさまの視線をドキドキしながら追っていました。

「それでは、どうぞごゆっくり」

 ヨシザワさまがニッコリ笑われた、と思ったらすぐに最初の強面にお戻りになり、会釈されておもむろにクルッとお背中を向けられました。
 そのまま悠々としたお足取りでお廊下へのドアへと向かわれます。

 ドアまで到達され、おら、松っ、戻るぞっ!と怒ったような凄みのあるお声で怒鳴られるヨシザワさま。
 名残惜しそうにまだ私の全裸を矯めつ眇めつ視姦していらっしゃった細身男性が、はいっ!という上ずったお答えをされ、あわててヨシザワさまの背中に追い縋ります。
 細身男性を追うようにサラさまも。

「それじゃあ八時半見当ね」

 というお言葉をお姉さまに投げかけられて。

 お姉さま、明朝にまたあの大露天風呂でコンパニオンのみなさまと落ち合うお約束でもされたのかしら?

 みなさまのお背中をお見送り、フッと気が緩んだのでしょう。
 深い洞穴からにじむように湧き出し、ラビアの縁に何とか留まっていた私の恥ずかしいマゾ蜜の雫がついに引力に逆らえなくり、ツツツーっと一筋、右内腿を滑り落ちました。
 
 いやっ、恥ずかしすぎるっ!
 カッと熱くなる全身。
 ただ視られているというだけでこんなに、愛液が溢れ出しちゃうほど感じていたんだ…
 ひとり恥じ入っている私を、そばでお姉さまとキサラギさまが冷ややかに眺められています。

 従業員でお部屋に残られたのはキサラギさまおひとりだけ。
 キサラギさまのお手元を見遣ると、いつの間にか丸められたおふんどしを巻物みたく腰紐で括られていて、その紐の先端をつまんでぶら下げていらっしゃいました。

「さてと、とりあえず直子はそのはしたないおツユでテラテラ痴女光りしている下半身を洗い流して来なさい。そんなんじゃお座敷に上がれないでしょ?」

 お姉さまが私の背中側のお部屋付き露天風呂に通じるガラス窓をスーッと開かれました。
 途端に背中を襲う、もう薄暗いというのにジットリ感を多分に含んだ残暑の熱気。

 今のお言葉で服従ポーズのご命令は解除されたと理解し、両手を下ろし今更おっぱいと股間を手で隠し、一目散に窓ガラスの向こう側へと身を躍らせます。
 お風呂があると言っても、ここも立派に屋外ではあるのですけれど。

 手早く柄杓で股間に掛け湯を丹念に施してから、半身を湯船に沈めます。
 ガラス窓は再びピタッと閉じられ、窓の向こうでお姉さまとキサラギさまが何やらご熱心にお話されています。

 私はお姉さまに少しでも不穏な動きがあれば見逃さないように、おふたりを凝視していました。
 窓に鍵を掛けてお外に全裸で締め出したままどこかへ行かれてしまう、なんてイタズラをこんな状況ならお姉さま、平気でおやりになりますから。

 やがてキサラギさまがお姉さまに深々とお辞儀をされ、それからガラス窓の向こう側の私にもご丁寧な会釈をくださり、お部屋のドアをバタンと閉ざされて出て行かれました。
 それをお見送りされてから、お姉さまがあっさりスーッとガラス窓を開けてくださいました。

「どう?ちゃんとマン汁キレイに洗い落とした?おーけーならこのバスタオル敷いて食卓につきましょう。ああ、もうお腹ペコペコ」

 お部屋に戻るとすぐにお姉さまが白いバスタオルを渡してくださり、まず全身を軽く拭った途端に、ササッと取り上げられました。
 それから右手を引かれお座敷へ。

 差し向かいで座るようにセッティングされた座卓の片方、床の間側に導かれ、そこのお座布団の上にほぼ正方形に畳まれたバスタオルを敷かれ、手を離されてご自身は対面へ。
 私から見て左側は大きな窓で、お外の風景、常夜灯に照らされた裏庭の木々の先端が覗けています。

 全裸のまま食卓に着くしかない私…
 て言うか私の着衣、ここに着くまでに着ていた私服は下着ごとすべてお洗濯で取り上げられ、旅荘さまでご用意された浴衣もおふんどしも持ち去られてしまいました。
 これから後、私が身に着けることが出来る着衣って、このお部屋にもう何も残っていないみたい…

 と言ってもこれから先、明日の朝までずっとお姉さまとふたりきりだろうし、お邪魔されるのはどなたか仲居さまがお夕食のお片付けとお布団を敷きに来られるくらいのはず。
 それならずっと全裸でもいいかな、なんて思ってしまう私。

 お夕食はとても豪華でした。
 山菜の天ぷらとしゃぶしゃぶ鍋がメインで、お刺身の盛り合わせに煮物やおひたしの小鉢がたくさん。
 お姉さまがお櫃からごはんをよそってくださり、よく冷えたスッキリしたお味の日本酒をちびちび舐めつつ堪能しました。

「直子、やっぱり宿中でウワサになっているみたいよ」

 お食事中、お姉さまがおそらくキサラギさまから仕入れられたのでしょう、私のことも含めていろいろお話してくださいました。

「お出迎えで直子の姿を見た仲居さんのひとりは、絶対仕込みのAV撮影だと思ったんだって。女将さんもグルになってスタッフを騙してるって。きっと朝礼をよく聞いていなかったのね」

「あのリストバンドにはやっぱり発信機が付いていて、大露天風呂での嬌声は、庭師の人には聞こえていたって。お掃除用具とか仕舞ってある倉庫があそこに近いんだって」
「その庭師の人には、階段が始まる広場でウロウロしている赤フン直子も、遠くからだけれど見えていたって」

「この天ぷらを誰が持っていくか、は厨房男性全員で大騒ぎだったらしいわよ。結局ジャンケンでさっきの人になったんだって。あ、花板さんのご挨拶は恒例だそう」

「あの人たち、超ラッキーだったわよね?あたしもふんどし取らせてキサラギさんたちにちょっと全裸晒してから、窓の向こう側の露天風呂に追い出すくらいしか考えていなかったもの。まさか花板さんがご挨拶に来るなんて」
「期せずして全裸を見知らぬ男性ふたりに、パイパンマゾマンコまでじっくりねっとり視られちゃうんだから、さすが露出マゾの星の下に生まれた直子だわ」

 お料理と一緒にお酒も進んでいらっしゃるお姉さま、だんだんとお言葉に品格を失くされているご様子。

「フロントの男性は事情を本当に掴めていなかったみたい。あの出迎えてくれた仲居さんと新婚さんで、あたしたちが去った後、ひどく揉めたらしい」
「直子、女将さんに結構長いあいだいやらしくおっぱい揉まれていたじゃない?あれをフロント男性が間近で見ていてズボンの前をパンパンに膨らませていたんだって。それを新妻さんに見咎められて、って…あ、ごめん。直子にはこの手の話はNGだった…」

 あわててお酒のグラスをクイッと煽られるお姉さま。
 そのくらいのお話なら、もう大丈夫です、たぶん…

「露天風呂ありの温泉旅館て、行楽シーズン以外はやっぱりいろんなカップルが非日常的雰囲気求めてヤリに来るのが主流だから、家族連れとかの健全なお客さんといかに鉢合わせさせないかに、一番頭を悩ませるみたいよ」
「大露天風呂で始めちゃったり、部屋の窓全開にしてアンアン喘いでいる客とか普通にいるらしいから。そういう意味では、働いている人たちも下ネタに鷹揚というか慣れっこになっちゃている、って」

「まあ、実際この旅荘って、伝手でAV撮影に貸し出したりとかもしているって紹介してくれた人から聞いて、それで決めたんだけどね」
「もちろん撮影のあいだは旅荘ごと貸し切り状態にして一般客は入れないことにしている、って言ってたけれど」

「で、さっき聞いたら、確かにしてはいるんだけど、そういう撮影の人たちってやっぱり、何て言うか、あんまり品がよろしくないのが少なからずいて、若い仲居さんにちょっかい出したり、男性も全裸でそこいら出歩いたり、ありえない汚し方したり、酒席がえげつなかったり」
「それに比べたら、あたしたちはお行儀が良くて節度あるお色気だから大歓迎ですよ、ってキサラギさんに言われちゃった。今日のあたしたちって、節度、あったかな?」

 お料理もあらかた食べ終わり、お姉さまは白ワイン、私はシードルをチビチビと。

「ただ考えてみたら今日も、団体客がキャンセルにならなかったら、こんなに自由には遊ばせてもらえなかったのよね?」
「あらかじめコンパニオンまで予約していたくらいだから、下半身が脂ぎったスケベ男たちだったろうし。外国人の団体って言っていたけれど」

「もしその人たちも宿泊していたら、あたしたちもこのお部屋の中と部屋付き露天風呂くらいでしか愉しめなかったろうし、コンパニオンの子たちと知り合うこともなかったし、フロントで女将さんにおっぱいを揉んでもらえることもなかった…」

 お姉さまとずーっとふたりきりで過ごせたのなら、それはそれで良かった気もしますが…

「て言うか、行きのバスから直子大ピンチじゃん。あのときしていた服装憶えてる?」

 そうでした。
 乳首クッキリ乳房の形ハッキリ前結びシャツに土手まで丸出し超ローライズデニムショーパン、更にマゾの首輪と股間にリモコンローター。
 そんなふしだら痴女な格好で、男性だらけのバスに乗らなければいけなかったのでした…

「ま、そうなってたら、あたしたちはタクシーで追いますから、って乗車断ったろうな…」

 だから大好きなんです、お姉さまっ!

「でもバスで顔合わせしちゃっていたら宿でもその外国人たちにマークされちゃっただろうね。英語ネイティブだったかは知らないけど、ジャパニーズホーニープッシーキャットとか呼ばれて血眼でサーチアンドデストロイだろうから、ますます部屋から出れなくなっちゃうぅ」

 妙に艶っぽいお顔で私をからかって遊ばれるお姉さま。

「そういう意味でもさ、直子って露出と恥辱の神様に愛されているんだよ。マゾの星の下に生まれた森下くん」

 わけわからないおまとめ方をされたお姉さま。
 傍らに置かれたご自分のスマホをちらっと見遣り、ゆっくりと立ち上がられました。

「さてと、そろそろ準備しましょうか」

「えっ?準備って、何をですか?」

「あれ、言ってなかったけ?これから女子会よ。宴会場で宴会。あのパニオンの子たちと」

「えーっ!?」

 お姉さまがワイングラス片手にフラフラと広間のほうへ戻られ、壁際のソファーにおからだ全体を預けるようにドスンと腰掛けられました。
 私もあわてて後を追おうと歩き出し、あっ、と気づいてお座布団の上のバスタオルを取りに戻ります。
 
 食欲が落ち着いたせいか、お酒の酔いのせいか、ずっと全裸でいるせいか、酔われたお姉さまの挙動が妙に色っぽいせいか…
 性懲りもなくまたジワっと、マゾマンコが濡れ始めていたんです。