2010年7月31日

グノシエンヌなトルコ石 33

神社の本殿を通り過ぎて、裏のほうに向かうようです。

やよい先生は、小さな麻の巾着袋を一つ持って何も言わず、ずんずんと先を歩いて行きます。
あたりに人影はまったくありません。
私は、今度はどこで裸を晒すことになるのだろう?と、気が気ではありません。
雨はさっきより幾分小降りになりましたが、相変わらずシトシト降り注いでいます。
蒸し暑さも半端じゃありませんが、ときどき吹く風が気持ちいいです。

しばらく砂利道を歩いていくと、高床式になった大きくて古そうな建物が見えました。
大人が頭を低くしなくても立って入れるくらいの高床式です。
その軒下は奥行きもあって、奥のほうは暗くてよく見えません。
地面には玉砂利が敷き詰めてあります。
軒先には、トタンの庇が一メートルくらい出っ張っていて、雨宿りには最適な場所です。
その軒先に入り、傘を閉じました。
トントントンと雨粒がトタン屋根を叩く音が少しうるさいのが難点です。

「じゃあここでまた、おっぱい出して」
トタン屋根の軒先で、やよい先生がケータイのレンズを私に向けながら言います。
私はワンピースの両肩をずらしてから、前の布地を大きくはだけました。
前のボタンを全部はずさなくても、おっぱいがぷるんと飛び出しました。
やよい先生が何枚か写真を撮ります。

「今度は自分でワンピの裾めくって、オマンコも晒しなさい」
私は、ビクビク、キョロキョロしながら右手で裾を大きくまくり上げます。
「左手は頭の後ろね」
やよい先生がまた写真をカシャカシャ撮ります。

シャツのポケットからリモコンを取り出し、スイッチを最強にしました。
「ああ~~んっ!」
思わずしゃがみ込んでしまいます。
「しゃがんだらダメじゃない。がまんして立っていなさい!」
近づいてきたやよい先生におさげ髪を引っぱり上げられながら、強い口調で叱られます。
私は、膝をがくがくさせながら、必死に立ち上がり悩ましげにレンズを見ます。

「いい表情ね。すごくいやらしい」
「もっとオマンコ突き出して」
「後ろ向いて、お尻もめくって」
「左手でおっぱいもんでみて」
「クリトリス擦って」
「声出してもいいのよ、イっちゃいなさい」
やよい先生が何回もシャッターを押しながら、けしかけます。
私は押し殺した声を出しながら、右手で裾をまくりあげて、左手でクリトリスを擦りつづけました。

「んんんんんーーーっ!」
また軽くイってしまったみたい。
右手が裾から離れて布が戻り、私はおっぱいを出したまましゃがみ込んでしまいました。

「どう?野外でオマンコ晒して、イったご感想は?」
「す、すごく気持ち良かったです・・・すごく・・・」
ローターの振動は止められていました。
私のおツユは幾筋も内腿をつたって、かかとまですべり落ちて地面に吸い込まれていきます。
やよい先生が私の手を取って、立ち上がらせてくれました。

ワンピースの肩紐を直して、おっぱいをしまおうとすると、やよい先生が笑いながら言いました。
「しまっちゃだーめ。ヘンタイさんはヘンタイさんらしくそのままの格好で車まで戻りましょう」
「えーーっ!?」
「たぶん、だいじょうぶよ。人なんかいないから」
「でも、なお子的には誰かに見てもらえたほうが嬉しいのよね?そのいやらしいおっぱいと・・・」

やよい先生が私に近づき、ワンピースの裾を掴んでまくりあげ、おっぱいの下のところの布に巾着袋から出した木製洗濯バサミで留めてしまいました。
ついで、という感じで、私の両乳首も無造作に木製洗濯バサミに噛まれます。
「あーーーんっ!」
ひさしぶりの痛みに、思わず大きな声が出ます。
「あらあら。そんな大きな声出すと誰か来ちゃうかもよ」
やよい先生は、すごく嬉しそうです。

「じゃあ、相合傘で戻りましょう」
ローターのスイッチを中に入れてから、私と腕を組み、わざとゆっくり歩き始めます。

やよい先生は、ときどき私に傘を持たせて雨の中に飛び出し、ケータイでカシャカシャ私の恥ずかしい写真を撮ってくれます。
神社の境内にも人の姿はありません。
私は少しホッとします。

神聖な雰囲気を漂わせている本殿の前を通るとき、今更ながら自分の今の格好がすごく恥ずかしくなってきました。

だって、雨が降っているとは言え、昼間のお外で、ワンピースの胸元広げておっぱい丸出しで、乳首には洗濯バサミまで付けて、前の裾もまくりあげてパイパンのアソコ丸出しで、歩いているんです。
アソコの中ではローターがプルプル震えているんです。
おまけに、腕を組んでいるやよい先生の手がときどき、乳首の洗濯バサミを弾いたり、ひねったりイタズラしてきます。
そのたびに、あんあん、私は小さな声で喘いでしまいます。

やっと駐車場の入口にたどり着くと、やよい先生が私の後ろにまわって、お尻の裾もまくり上げ、洗濯バサミで留めてしまいました。
おっぱいとアソコとお尻丸出しの、なんだかすごくみじめな格好です。
私の下半身に、蒸した熱気がベットリと張り付きます。
「そのまま一人で車まで歩いて行きなさい」
やよい先生は私に傘を持たせ、自分で傘を開きながら言いました。

私がおずおずと歩き出し、やよい先生と車の半分くらいまで来たとき、
「なお子っ!」
大きな声で呼ばれました。
ビクっとして私が振り向くと、またカシャカシャ写真を撮られました。

私が車に着いても、やよい先生はわざとゆっくり歩いてきて、私を車に乗せてくれません。
こうしている間に他の車がもし来たら・・・
私は不安とみじめさで、どんどん興奮してしまいます。
足元にいやらしいお汁がポトポト垂れているのがわかります。

やっと車まで来てくれたやよい先生は、無言で運転席側のドアを開けて乗り込みました。
ブルンとエンジンがかかります。
一瞬、置いて行かれるかも、と思いました。
でも、やよい先生は絶対そんなことはしません。
もし今置いて行かれても、5分くらいで必ず帰ってきてくれるはずです。

もし置いていかれたら、私はこのままの格好で待っているつもりでした。

助手席の鍵が開き、私は自分でドアを開けて乗り込みました。
裾が前後まくりあがっているので、必然的に生尻じか座りです。

「どうだった?」
「すごくドキドキしました・・・それで・・・すごく感じてしまいました・・・」
「そう。よかった」
やよい先生が唇を近づけてきて、舌をからませながら洗濯バサミを取ってくれました。
前の裾と、後ろの裾と、左の乳首と、右の乳首・・・
ローターはいつのまにか止まっています。
そのまま深くくちづけしながら、やよい先生の左手が私のクリトリスを激しく擦りあげます。
「むぐうぅ、ぬぐうぅぅ、んんんんーっ!」
またイかされました。

「これで少しは落ち着いたでしょう?これから街中を走って行くから、しばらくいい子にしていてね」
私はおっぱいをしまい、ボタンもきちっと5つしてシートベルトを締めました。
やよい先生がウエストのリボンをしっかり結び直してくれました。

サティのBGMのボリュームを少し上げてから、私のおでこに軽くキスをくれました。
車が滑るように走り出します。


グノシエンヌなトルコ石 34

グノシエンヌなトルコ石 32

「胸元のボタンを全部はずしなさい」

やよい先生は、ハンドルを握って前を向いたまま、冷ややかな声で命令します。
対向車とたまにすれ違うくらいの、片側一車線の山道です。
なだらかな登り坂のワインディングロードが、上へ上へとつづいているようです。

私は、びくびくしながらボタンを上からはずしていきます。
やよい先生が横目で、全部はずされたことを確認しました。
「右の胸元を開いて、右のおっぱいだけ出しなさい」
運転しながらまた、冷たい声で言います。
私は、恐る恐る左手で右の胸元の布をはだけました。
カップがはずれて、私の右おっぱいがぷるんと露出しました。
思わずまわりをキョロキョロしてしまいます。
自分のおっぱいに目を落とすと、昨夜の縄の跡とやよい先生のキスマークがくっきり残っています。
乳首がピンと勃っています。

やよい先生は、右手でハンドルを支えたまま、左手をそれに伸ばし、ぎゅうっと鷲掴みしました。
「あうんっ!」
対向車とすれ違います。

「どう?車の中でおっぱい出している気分は?」
「はい。なんかすごく悪いことをしているような・・・スリルがあって、感じてしまいます」
「まあ、確かに悪いことよね。って言うか、これって完全にハンザイよ」
「誰かに通報されたり現行犯でみつかったら、公然猥褻っていう立派なハンザイ」
「なお子、もし捕まってお友達やご両親にバれたら、露出症のヘンタイ女ってレッテル、一生貼られるのよ?」
私は思わず、左手でおっぱいを隠してしまいます。

「でも、雨の日はみんな傘さしてるから、みつかりにくいのよ。車に乗ってても視界悪いしね。それじゃあつまらない?」
やよい先生がニヤっと笑って私に聞きます。
私はぶんぶん首を横に振ります。
「なお子は物事の飲み込みが早いから、あらかじめ説明しておくわ。そのほうがあたしもラクだし」
私は、左手でおっぱいを隠したまま、真剣に聞きます。

「対向車や歩行者はあんまり気にしなくていいわ。雨だし、この車、後ろの両サイドとリアウインドウは完全にスモークだし、フロントと両サイドも法律的にギリギリのフィルム加工してあるから、ま、みつかんないでしょ。たぶん」
「一番注意しなきゃいけないのは、これね。覗いてみて」
やよい先生が指さしたのは、フロントグラスの上に付いているルームミラーでした。
「後ろの車の運転席と助手席がまる見えでしょう?」
「はい」
「もしも今、あたしたちの車の前に車が走っていたら、その車のミラーには、片乳丸出しのなお子が映っているわ」
私たちの前には、さしあたって車はいません。
規則正しくリズムを刻むワイパーの遥か前方に、宅配便のトラックが見えます。

「ああいう後ろに窓のないトラックなら、覗かれる心配はないんですね?」
「たぶんね。でもあの手の車にはバックカメラって言って、車の後ろ部分を監視するカメラが付いてる場合があるわ。それを運転席のモニターで見てるの。録画できるのもあるみたいよ」
「だからあたしは、極力前の車と車間を詰めないようにして運転してるの」
「なお子が注意しなきゃいけない状況、わかったわね?」
「はい」

車が信号待ちで止まりました。
私たちの車が先頭です。
幸い対向車も歩行者もいません。

「だから、今は隠さないでいいわよ」
やよい先生が左手でピシっと私の左腕をはたき、私はおっぱいを隠していた腕を下げます。
「上半身ををこっちに向けて」
ハンドルから手を離したやよい先生は、私のケータイで横から何枚か撮影しています。

車が走り出しました。
「じゃあ、左のおっぱいも」
今度は左をはだけて、両肩の布を腕のほうにずらすと、私の上半身が完全に露出されました。
「あんっ!」
シートベルトの縁が左の乳首にひっかかって擦れ、思わず声が出てしまいました。
アソコからはぬるっとお汁がにじみ出ます。
「さっきハンザイだって脅かしたのに、また感じてるの?どうしようもないヘンタイさんねえ」
やよい先生が運転しながら左手を伸ばしてきて、私の尖った右乳首を爪でコリコリと引っ掻きます。
「あふん。あうっふ~んっ!」

「でも、これじゃあさすがにイザってときに隠しようがないわね」
やよい先生は、そう言いながらドアのところのボタンをカチっと押しました。
私が座っている助手席の背もたれがジーーっと後ろに倒れていきます。
ほぼ水平にまで倒れたとき、また信号に捕まりました。

やよい先生は、後部座席に置いたトートバッグから赤いバスタオルを取り出しました。
私が着ているワンピースと同じような赤色です。
私のお腹の上にそれを置いて言います。
「私が、やまだ、って言ったら、そのタオルを広げて胸に置いて、おっぱい隠して寝たフリしてね」

信号は変わりましたが、後続車も対向車もいないので発進せずに写真を撮っています。
「ワンピの裾めくって、オマンコも見せなさい」
言われた通りにめくって見せます。
カシャカシャとシャッターの音。
「さわってみなさい。どう?濡れてる?」
「・・・びしょびしょです」
信号がまた赤に変わりました。
「じゃあ、自分でこれを入れなさい」
昨日ずっと私の中に入っていたリモコンローターです。

「入れた?」
「はい」
「じゃあ」
ローターのスイッチを入れて、コントローラーをお腹の赤いタオルの上に置きました。
「しばらくそうやってオナニーでもしていなさい」
やよい先生が車を発進させながら、面白そうに言いました。

「大きな声出して、あたしも楽しませてよ。あと、イクときはちゃんと宣言してね」
そう言われて私も思いっきり、あんあん喘ぎます。
リモコンを強くしたり弱くしたり、クリトリスと乳首をつまんだり擦ったりして、一人で大騒ぎしています。
やよい先生は、車をゆっくりと走らせて、前方に車がつかないように注意しているようです。
後続車が来ると、もっと減速してライトをパチパチさせ、先に行かせています。
私は、目をしっかり開けて周りの状況に気を配りながらも、だんだんと行為に没頭してしまいます。
信号で止まるたびにカシャカシャ写真を撮られます。

雨の日とは言え真っ昼間に、走っている車の中でおっぱいとアソコを晒してオナニーしている、恥ずかしい私・・・

「あーーっ!イきます、イきますイきます、イきますーーーうううっ!」
始めてから10分くらいで、もう達してしまいました。

私がハアハア言って目をつぶっていると、やよい先生が突然、やまだ、って大きな声を出しました。
一瞬きょとん、としてしまいましたが、あわててバスタオルを掴み、おっぱいを隠します。
大きなトレーラーとすれ違いました。
「ああいう運転席が高い車からは、リクライニングしてても助手席丸見えなのよねー」
やよい先生は、のんきな声でそう言いました。

「そろそろまた交通量が増えてくるから、とりあえずおっぱいしまって大人しくしててね」
そんな言葉とともに、リクライニングがジーーっと戻りました。
私はワンピースの肩を直し、前ボタンを下から二つまで留めました。
リモコンのスイッチは、やよい先生に返します。
大人しくしててね、と言ったわりには、止めて返したリモコンのスイッチをまた弱のところにセットし直して、自分のシャツの胸ポケットにしまいました。

道はいつのまにかなだらかな下り坂のワインディングロードになっています。
どうやら山道を回りながら登って降りてきたようです。
パトカーとすれ違いました。
私の心臓が激しくドキンと脈打ちます。
「ほら、なお子。お迎え来たわよ」
やよい先生が笑いながら言いました。

傘をさした人がちらほら見かけられるようになって、やがて大きな神社の駐車場に車が入りました。

「ここは、昨日なお子が裸を晒した窓から見える森のふもとの神社なの。雨の日だと、ほとんど人は来ないわ」
確かに駐車場には、私たちの車しかありません。
「おいで」
透明のビニール傘を渡され、車から降りました。
それぞれ傘をさして、神社のほうに向かいます。


グノシエンヌなトルコ石 33

2010年7月25日

グノシエンヌなトルコ石 31

「雨かあ。それじゃあどっかにランチでも食べに行こうか?」
「ええー?」
お腹も空いていないし、ずっとやよい先生と二人きりでいたい私は、不満の声を上げます。
「今日は夕方に帰るって言ってあるし、まだ時間もありますから、もっとここで遊びましょうよー」

「なお子、野外露出もしてみたいんでしょ?あたしが経験させてあげる」
「本当ですか?」
私はまたワクワクしてきました。
「ちょうど雨も降ってきたし、こういう日のほうがヤリやすいのよね。だいじょうぶ。あたしに任せて」
「なお子をお家に送りがてら、いっぱい記念写真撮ってあげるわ。5時くらいにお家に着けばいい?」
「はい。もっと遅くてもだいじょうぶです。いっぱい恥ずかしい思いをさせてください」
私は深々とお辞儀しながら、また乳首が硬くなってくるのを感じていました。

「なお子が着てきた服は、お家に着く前に車内で着替えればいいから、これを着て。あたしのお古で悪いんだけど、サイズは合うと思うわ」
渡されたのは、真っ赤なコットンのかわいいワンピースでした。
「もちろん、裸の上にじかにね。胸にカップが付いてるから乳首が浮くことはないわ、安心して」

着てみると、確かにピッタリでした。
ノースリーブで膝丈。
前は浅いVネック、胸元からおへその上のあたりまで5つボタンで留めるようになっています。
後ろは開いてなくて、ウエストを絞る同じ色のリボンがキュートです。
胸のカップもちょうどいい。
でも、やわらかい素材なので、ウエストを絞るとからだの線がもろに出てしまうのが恥ずかしいです。

「じゃあ、あたしはまた用意とかしなくちゃいけないから、しばらくこの部屋でくつろいでてね」
「帰り支度しておいて。あのイヤリングとか子猫ちゃんや写真は、帰るときまとめて渡してあげるから、なお子が持ってきたものだけチェックして、忘れ物しないようにね」
私のおでこに軽くキスして、やよい先生は全裸でベッドルームに消えていきました。

私は、自分のボストンバッグの中を覗いて忘れ物がないか確かめました。
着替えの下着も持ってきていたのですが、結局使わずに終わりそうです。
て言うか、この部屋に来てからちゃんと服を着ていたのは、最初の1時間くらいだけです。
本当に濃い二日間だったなあ。

ふと思い立って昨日全裸で晒されたあのガラス窓を半分開け、お外を眺めました。
むっとした熱気とともに、シトシト降る雨の音が聞こえてきます。
風も少しあって、ときどき私にも雨粒があたります。

あと数時間でやよい先生とお別れかあ。
ぼーっとそんなことを考えていると、昨日言われた、向かいの5階建てマンションの角部屋の窓が開いて、誰かが顔を出しました。
長い髪を真ん中から分けた若い女の人でした。
その女の人もじーっとお外を眺めているようです。
たぶん水着か、下着らしい白いブラの胸元が見えます。
気がついていないのか、こちらには視線を向けません。
女の人だったのか。
あの人になら、見られても良かったかなー。

「お待たせー」
やよい先生の大きな声に、振り返りました。
やよい先生は、大きめな半袖のタンガリーシャツを裾を出して着ていました。
前開きのボタンを上から二つ目まではずして、胸の谷間が少し覗いています。
ボトムは、ジーンズをちょん切ったようなデニムのショートパンツに生脚。
メタルフレームでレンズに薄く黄色が入ったまん丸のファッショングラスをしています。
すごくカッコイイ。
手には大きめのトートバッグと、どこかのブティックのビニール袋が二つ。

「それじゃあ出かけるよ。なお子もこれかけて」
同じデザインでレンズに薄くピンクが入ったファッショングラスを私に手渡します。
「それからこれでもう一回、お家に電話入れときなさい。夕方には帰るって」
私のケータイを返してくれます。

私は母に電話して、夕方遅くとも6時には帰ると告げました。
電話し終わっても、やよい先生は窓の鍵を確認したり、クロゼットからバスタオルを取り出したりしていたので、私はこっそり自分のケータイの写真フォルダを覗いてみました。
中身は空でした。

「さっき撮った写真は全部USBメモリに移してから消しといたわ。後であなたにもあげる。これからまたたくさんえっちな写真撮るんでしょ?」
いつのまにか戻って来ていたやよい先生が、私の手からケータイを取り上げながら笑います。
リモコンでエアコンを消して玄関のドアノブに手をかけます。
「忘れ物はないわね」
「はい」
玄関のドアを開けると、むっと夏の湿気が襲い掛かってきました。

エレベーターで地下の駐車場に降り、やよい先生の真っ赤なまあるい車に乗り込みます。
「なお子はスカートのお尻をまくって、このバスタオルの上に生尻じか座りして」
助手席にバスタオルを畳んで敷きながら、言います。
「あなた濡れやすいからさ。シートや服が汚れるのはかまわないんだけど、ワンピのお尻にシミ付けて見せびらかしながら歩くのイヤでしょ?」
私が濡れること前提のアドバイスに、またワクワクしてしまいます。
もっとも、初めてのノーブラ、ノーパン薄物一枚なおでかけに、すでにしっとり濡れ始めてはいるのですが・・・

駐車場を出て、来たときと同じ道を今度は逆に走り始めます。
車内には、サティのピアノ曲が低く流れています。

「やよい先生、サティお好きなんですか?昨日からずっと流れてますけど」
「あっ、気づいてた?なお子が遊びに来るって決まってからBGM何にするか悩んだのよ。なお子のイメージはなんとなくサティかなー、って」
私は、やよい先生のお部屋で遊んでいる間、ふと気がつくといつもグノシエンヌの3番が流れていたことを話しました。
「あたしもサティの曲ではグノシエンヌが一番好きかなあ。もちろんジムノペディやジュトゥヴも好きだけど」
「でもね、昨日から流れていたサティ、同じ曲でも全部演奏者違うのよ。あたしサティだけでも30種類くらいCD集めたから」
「そう言われてみれば、すごーくゆっくりなジムノペディが聞こえてたときがありました」
「それはミシェル・ルグランの演奏のやつね。CDをオートチェンジャーに詰め込んでランダムに流してたの」
「ミーチャンといるときは、ずーっとドビュッシー。あの子、喜びの島が大好きなの」
「これからサティ聞くと、絶対なお子のこと思い出すわね」

「あと、トルコ石のイヤリングが出て来たときも驚きました。私の大好きな石なんです。母が最初に買ってくれたイヤリングがトルコ石だったんです」
「私、ターコイズって呼ぶよりもトルコ石って言ったほうが、なんとなくロマンティックな響きで、好きです」
「私、あの色合いがすっごく気に入って、おこずかい貯めていくつかアクセサリー買いました。それに、私の誕生石でもあるし」
「あら、そうなの?あたしと一緒だ。何日?」
私とやよい先生のお誕生日は5日違いでした。
「私、お家帰ったら、やよい先生にトルコ石のイヤリング、プレゼントします」
「あら、悪いわよ。大切なものなんでしょ?」
「いいんです。あんなに大きな石のやつ貰っちゃったし。それに私を女にしていただいたお礼です」
「あはは。ありがとう。じゃあ遠慮なく貰っておくわ。なお子をロストヴァージンさせた思い出のシルシね」

車は駅を通り越して、住宅街に入りました。
マンションの窓から見えた、あの森のほうに向かっているようです。
雨は強くもなく弱くもなく、ただシトシトと降りつづけています。
人通りが少なくなり、すれ違う車も少なくなってきました。

「じゃあ、そろそろ始めましょう」


グノシエンヌなトルコ石 32