2016年9月4日

オートクチュールのはずなのに 56

 ほのかさまからリンコさまへと手渡されたのは、さっきと同じようなCストリングの形状をしていました。
 ただ、内側に何やら怪しげな突起が付いていました。
 それもふたつも。

「今度のアイテムはね、ちょっとえげつないんだ。でも、小夜ちんみたいなマゾッ娘にこそお似合いだと思う」
「絵理奈さんと穴の距離が微妙に違うとか言って、アヤ姉が急遽、微調整したらしいよ」
 リンコさまがイタズラっぽく笑って、その突起部分を私の目の前に突き出しました。

 手前には、大きめのローターをふたつ重ねたような赤い突起。
 後方には、丸っこくくびれた円錐型の、まさしくアナルプラグ然とした形状の突起。
 それらが、弓なりに反り返ったレザー製らしき真っ赤なCストリングの裏側に取り付けられていました。

 見た途端に理解しました。
「これを・・・い、挿れるのですか?」
「そう。挟むだけのCストより、外れちゃう可能性が格段に低くなるってわけ」
 とても愉しそうなお顔のリンコさま。

「本場のサンバカーニバル衣装でも、激しい動きで落ちちゃわないように、同じような細工しているのが普通にあるんだ」
「この突起はあくまでもストッパーとしての役目で、決して気持ち良くなるためのものではないんだから、そこ、間違えないでよ?」

 からかうようにおっしゃったリンコさまが、そのCストリングを私の目前からサッと引っ込めてほのかさまに戻しました。

「て言っても、今から穿かせちゃうと小夜ちん、ステージ出るまでに絶対どんどんサカッちゃいそうだから、これは最後。先にアクセ類つけちゃおう」

 リンコさまの号令で、しほりさまに左手を取られ、ほのかさまは私の足元にひざまずかれました。
 突起付きCストリングと同じ素材、色合いのベルト式な手枷と足枷が、おふたりの手で手際よく私の両手足に装着されました。

「このアイテムのコンセプトは、ずばり、ボンデージスレイブ、囚われのセイドレイ、なんだけど、モデルが小夜ちんになったから、ずいぶんとエスカレートしちゃったみたい」
「絵理奈さんのままだったら、ここまで本格的にヘンタイ仕様じゃなかったんだけどね。恨むならチーフを恨みなさい」
 背後に回ってベルト状の赤い首輪を私の首に巻きつけながら、リンコさまが私の右耳にささやきました。

「バストも、絵理奈さんだったら普通のパスティース貼るだけだったんだけど、チーフがこんなもの持ち出してきて」
 リンコさまの手のひらに、私の乳輪ギリギリくらいの、真っ赤なハート型パスティースがふたつ乗っていました。

「これはね、貼り付けるんじゃなくて、ニップルを挟んで固定するの」
 リンコさまがひとつのパスティースを裏返すと、バストトップにフィットするように曲線を描いた内側に、見た瞬間に仕組みがわかる金具が付いていました。

「ホフマン式ピンチコックっていう、化学の実験とかで使う器具があるんだけれど、その応用。本来は、このバーのあいだにゴム菅を挟んで、気体や液体の流れをコントロールするための装置なんだってさ」

 2センチ四方くらいの正方形のスチール枠の一辺がネジ式で可動するようになっていて、その枠内に挟んだものを締め付け出来るような仕組み。
 つまりはイヤリングで耳たぶを挟むのと同じ仕組みが大げさになった感じです。

「あの子、こういうの大好きだから、きっと大悦びするはず、ってチーフが言ってたってさ」
 ひとつを手渡されました。
「ほら、自分で乳首に嵌めて、ネジで落ちないように締め付けなさい」
「あ、はい・・・」

 左おっぱいにあてがいました。
 熱を持った乳頭に金具がひんやり。
 枠の上部分を乳首の根本まで押し付けて、ハート型のお尻部分から覗いているネジを締めていきます。
 やがて下枠の部分が乳首の下まで到達し、そこからは乳首が締め上げられるばかり。

「ああんっ」
 いくら尖ってもずっとほったらかしにされていた私の乳首が、久々にかまってもらえた嬉しさでわななき、思わずはしたない声となって零れてしまいました。

「途中で落ちないように、ぎゅうっと締めること。チーフの話じゃ、洗濯バサミ大好きらしいじゃん」
「小夜さん、乳首大きめだから、挟み甲斐がありそうね」
「ほら、顔がエロくなってるよ。いやらしいことは考えないで、ポーカーフェイス、でしょ?」

 左手でおっぱいを押さえつつ右手でネジを回す私を、リンコさまとしほりさまが口々にからかってきます。
 二枚の細い金属板に上下から挟まれ絞られた乳首のもたらす疼痛が、ジーンと全身を駆けまわります。

「そっちもちゃっちゃと着けちゃって」
「あ、はい・・・」
 同じ要領で右乳首にもハートをかぶせました。

 両乳首がもたらす疼痛がYの字状に下半身へと流れこみ、性器から全身へとジワジワ疼きが広がっていきます。
 これまでに蓄積されてきた、恥ずかしい姿をみなさまに視姦されるという精神的な快楽に、乳首責めという肉体的刺激まで加わったことで、発情のレベルが一気に上がってしまったようでした。
 もっと虐めて、もっと痛い思いをさせて、という欲求だけがどんどん膨らんでいました。

「落ちないようにちゃんと着けた?ちょっとそこでおっぱい揺らしてみてよ」
 リンコさまのイジワルなご命令。
「はい・・・」

 完全に言いなりマゾモードな私は素直にその場で、ラジオ体操の腰をひねる運動のように、上半身を左右に大きく振りました。
 剥き出しのおっぱいがでたらめにブルンブルン揺れると、鎮まりかけていた両乳首からの疼痛が息を吹き返しました。
「あぁ、うぅ」
 思わず洩れたいやらしいため息に向けられた、蔑むようなリンコさまの冷ややかな笑み。

「おっけー。あとはチェーンを繋げるだけだから、Cスト穿かせちゃいましょう」
 テーブルに放置されていた突起付きのCストリングをリンコさまが手に取られました。
「そんなにグショグショなら、ローションなんか塗らなくてもすんなり入っちゃうよね?はい。自分で着けて」
 Cストリングを手渡されました。

 みなさまが興味津々なまなざしで見守る中、手前の突起部分をマゾマンコにあてがいます。
 縦長の楕円を二つ重ねた、いびつな逆雪だるまさんのような形の突起部分は、シリコンみたく柔らかい素材なので、蜜に溢れた膣内に難なくズボッと潜り込みました。

「あうぅっ」
 マゾマンコ全体が今か今かと待ち望んでいた異物挿入の瞬間に、粘膜一同の歓喜のざわめきが実際の声となって洩れてしまいます。
 異物の侵入に溢れ出たおツユが、みるみるCストリングの裏側をヌルヌルに汚しました。

「そろそろ紹介映像が終わります。早めにスタンバってください。引き伸ばせて、最大あと3分です」
 里美さまの事務的なお声が聞こえました。

「ほら、早くアナルも嵌めて。リハのとき絵理奈さん、いちいち喘いだりしないで、ひとりで淡々とこなしてたよ?」
「あ、はい・・・」

 左手で股間を押さえ、右手を背後からお尻に持って行き、溢れたおツユをお尻の穴になすりつけます。
 私、みなさまの視ている前でこれから、お尻の穴に異物を挿入しようとしている・・・
 そう考えると恥ずかし過ぎて、あてがった先端を押し込むことに躊躇してしまいます。

「ううん、もう任せてらんない。アタシが挿れてあげるから。お尻突き出しなさい」
 リンコさまが焦れたようにおっしゃり、私の背中をいきなり押さえつけてきました。

「あうっ」
 お尻をリンコさまに向けて突き出した格好で、前屈みになる私。
「ほら、自分で穴、広げてなさい」
 ドエスそのものなリンコさまのご命令口調。
「は、はいぃ」
 両手をお尻の割れスジにあてがい、みなさまの目の前で自らお尻の穴を押し広げる私。

「あ、あの、わたし、このペットボトルをおトイレで処理してきちゃいます。すぐに戻ってきますので」
 あまりにみじめな私の姿にいたたまれなくなったのか、さっき私がしたオシッコボトルを紙袋に入れたほのかさまが、逃げるように楽屋のドアからお外へ飛び出していかれました。

「たまほのには、ちょっと刺激が強すぎたみたいね」
 傍らのしほりさまへ向けたのでしょう、リンコさまのバツの悪そうなつぶやきが聞こえました。
 と思う間もなく、お尻の穴にひんやりとした感触。

「んぐぅっ」
「力抜いてないと苦しいよ?」

 ヌルっとした感触が徐々にお尻の穴に埋まっていく感触。
 前に埋まっている突起との相乗効果で、下腹部の粘膜全体が心地よく圧迫されてきます。
「あぁうぅぅ」
 押し殺そうとしてもこらえきれない悦びの喘ぎ。

「おーけー。ずいぶんすんなり入っちゃった。普段から使い込んでるんだねえ」
 リンコさまのからかいが、的を射過ぎていて恥ずかし過ぎます。
 
 ゆっくりとからだを起こしました。
 体内に潜り込んだ異物がからだの動きに合わせて粘膜を擦るのがわかります。
 二穴蹂躙。
 えっちなビデオのタイトルか何かで見たことのある、そんな卑猥な言葉が頭をよぎりました。

「んぐっ、うぅぅ」
「ほら、スケベな声出してないで、ドアまで行くよ」
 リンコさまに促され、ステージへと出るドア前まで歩きました。

 脚を交互に動かすと、埋め込まれたふたつの異物が膣壁と腸壁を満遍なく圧迫するようにフィットして、思ったより歩きづらくはありません。
 だけど、これからこの状態で、たくさんのお客様がたの前を100歩以上は、歩かなければいけないのです。
 ポーカーフェイスをつらぬいて絶対に気持ち良くはならない、という自信はまったく持てませんでした。

「それで、最後の仕上げね。言っとくけど発案者は、愛しのお姉さまだから」
 リンコさまがからかうようにおっしゃり、両腕を後ろに回され、両手首の拘束具を後ろ手にガチャリと繋がれました。
 首輪にもおへそくらいまでの太くて重いステンレスチェーンをリードのように垂らされます。
 両足首の拘束具も、ちょうど一歩分くらいの長さにチェーンで繋がれました。

「うわー。すっごく似合ってる。さすがに小夜さんのこと知り尽くしたお姉さまのコーディネートね。エロさ満開」
 しほりさまが私の姿を上から下までしげしげと視つめて、おっしゃいました。
 それからふと思い出したように、リップを塗り直してくださいました。

「スタンバイ、お願いします」
 里美さまのお声で、しほりさまがステージへ向かうドアを開きました。

「マゾっ娘コーデの最後の仕上げは、ステージ袖でね」
 リンコさまが後ろ手に何か隠し持った格好で、私をステージ袖の暗がりへ押し出しました。
 思わず右足をグイと踏み出すと両足幅を繋いだ鎖がピンと張り、グラリとよろけてしまいました。
 背後のリンコさまに支えられ、転ばないで済みました。

「普通の歩幅よりチェーンが短かめになっているから、歩幅調整してゆっくり歩いて。その分、お客様にじっくり視てもらえるはず」
「ステージに戻ったらまた、楽屋に戻らず居残って。アヤ姉たちの解説が入るから」
 リンコさまがおっしゃりながら私の正面に回り込みました。

「いろいろ候補はあったみたいよ。普通のボールギャグとかノーズフックとかね」
 後ろ手に隠し持っていたものを見せてくださるリンコさま。
 お姉さまが私のために手に入れてくださった、あのブランドもの乗馬鞭でした。

「これを咥えて、ランウェイを歩くの。ここがちょうど真ん中でバランス取れるから」
 リンコさまが乗馬鞭の柄の真ん中あたりを人差し指に乗せて、やじろべえみたいにユラユラさせています。

「火の点いた太いローソクを咥えさせて蝋をダラダラ肌に垂らしながら、っていう案もあったらしいけれど、万が一ウイッグに燃え移ったり、絨毯に落としたりしたら危ないしね。消防法にもひっかかりそうだし」
「いろいろ悩んで、これを咥えさせるのが一番アナタらしいって、考えたみたいよ、アナタの愛しいお姉さまは」
 からかうな笑顔がすぐに引っ込み、真顔に戻ったリンコさま。

「口開けて」
 恐る恐る開けた口に乗馬鞭の柄が押し込まれました。

「一度咥えたら、ランウェイ往復して帰ってくるまで、絶対落としちゃだめよ」
 そこまでおっしゃって意味ありげにお言葉を切ったリンコさまが、ゾクッとするほど冷ややかな笑みを一瞬浮かべられ、こうつづけました。
「たとえどんなことが起こっても、ね」

 咥えさせられた乗馬鞭の柄は、思ったよりも弾力があり、左右の糸切り歯がやんわり食い込んでいる感じ。
 顔の左側にベロ部分、右側にグリップ部分。
 鞭自体は軽いので、落とす心配は無さそう。
 でも、口が半開きのままになるから・・・

「よだれなら、どんどん垂らしていいってさ。上の口も、もちろん下の口からもね」
 私の心を見透かしたようなリンコさまのお声が終わるか終わらないかのタイミングで、場内のBGMが変わりました。

 ホラー映画のサントラ盤みたいな、物悲しくも重厚な曲。
 一瞬にしておどろどろしい雰囲気に変わりました。
 場内の灯りも一斉に消え、真っ暗。
 やがてピンスポットがステージ上の、私が出るべき位置だけを丸く照らし出しました。

「お待たせいたいました。それではどうぞじっくりと、ご覧になってください」
 雅部長さまのお芝居がかった綺麗なお声が響き渡り、つづいて盛大な拍手。
 その中を私は、ゆっくりと光の輪の中へと歩を進めました。

「おおおぉぉ」
 光の中に入った途端、会場全体が大きくどよめきました。

 からだの首と名のつく箇所すべてに赤いレザーの拘束具を着けられた、パスティースにCストリングだけの裸体が浮かび上がったのでしょう。
 両手は後ろ手に繋がれ、両足も囚人のようにチェーンで繋がれ、首元からもペットのように鎖を垂らし、自分を痛めつけるための乗馬鞭を自分で咥えた哀れなマゾ女。
 
 スポットライトが私を焦らすかのように、とてもゆっくりとランウェイに導いてくれます。
 ライトから外れるわけにはいかないので、その動きに合わせてゆっくり歩かなければなりません。
 こんな恰好なのに、努めて無表情に。

 首から垂れたチェーンが揺れて横乳を愛撫します。
 足首を繋いだチェーンがジャラジャラと音を立てます。
 鞭を咥えた唇からはよだれが垂れ始め、首筋からおっぱいへと滑り落ちています。

 ランウェイに降りると、ライトの動きはますます遅くなりました。
 一歩進んでは立ち止まるような、周辺のお客様がたに存分に見せつけるようなペースになりました。

 このアイテムの破廉恥な仕組みは当然、私の登場前に綾音さまが、お客様がたにご説明されているでしょう。
 つまり、ここにいるみなさまは全員、今私がどんな状態なのかをご存知なのです。

 パスティースの裏で私のふたつの乳首がネジでギュッと締め付けられていることも。
 Cストリングの裏で私のふたつの穴が卑猥な突起に蹂躙されていることも。

 パスティースのハート型のお尻からは、締め付けるためのネジが2センチくらい覗いていました。
 Cストリングと肌の隙間からは、溢れ出た粘性のおツユがトロトロと内腿をつたっていました。
 
 今私は、自分の性的に敏感な箇所すべてを陵辱されながら歩いている姿を、そうと知っているみなさまにご披露しているのです。
 それは、自分が普段人知れずしているオナニー姿をみなさまに晒しているのとほとんど同じことだと気づき、その恥辱に性懲りもなく更に昂ります。

 リンコさまは、Cストリングの突起を、あくまでもストッパーとしての役目で、決して気持ち良くなるためのものではない、とおっしゃいましたが、それは嘘でした。
 
 きっとそういうふうに設計された形状なのでしょう、
 歩いているうちにマゾマンコに埋められたほうの突起がどんどん奥へと侵入してきて、脚を動かすたびにより奥へ奥へと突かれる感覚がしていました。

 あっ、あっ、んっ・・・これ、気持ちいい・・・
 表情に出さないように努めながらも、どうしても股間の快感に眉間が寄ってしまいそうになってしまいます。

 お客様がたはシンと静まり返り、誰もがスポットライトの中の私の姿を食い入るように凝視しているのがわかりました。
 すすり泣くような物悲しいストリングスのBGMだけが場内に鳴り響いています。
 まるでヨーロッパ中世の古びたお城かどこかに拉致されて、生け贄とか奴隷とか、余興の慰みの見世物にされている気分でした。
 私の中の被虐メーターが振り切れそう。
 
 ランウェイを半分くらいまで進んだところで、今までになく深い所を突かれ、たまらずキュンと膣壁が突起を強く締め付けたのがわかりました。

「ぁんんっ・・・」
 同時に頭の中に真っ白な火花が散り、腰から砕け落ちそうになりました。


オートクチュールのはずなのに 57


2016年8月21日

オートクチュールのはずなのに 55

 それ以降のアイテムはどれも、ほとんど裸、としか言いようのないものばかりでした。
 バストトップと股間をいかにギリギリに隠すか、みたいなコンセプトのものばかり。

 幅3センチにも満たない赤いリボンを胸囲を測るように巻きつけ、同じ幅のリボンがおっぱいの谷間から一直線に下へ伸び、股間を覆って背中側へと通る、正面から見ると、乳首を結んだ線と股間への細いラインがTの字の形にしか肌を隠さない水着。
 
 首に巻いたチョーカーから垂れ下がったチェーンが乳首と股間だけを、小さなハマグリの貝殻みたいなアクセで隠してくれるビキニ。

 Cストリングと呼ばれる、両脚を通すパンツ状の紐も布も無い、ただ股間にパカっと嵌めるだけのC字型カチューシャみたいなボトムスを穿かされたときは、乳首のほうは、小さなハート型のパスティースをペタンと貼り付けただけでした。

 アイテムお着替えの合間に、リンコさまが教えてくださいました。

「こっちに戻ってからの開演前のミーティングでね、当初の予定からの演出変更がけっこうあったんだ」
「どうせなら絵理奈さんじゃ出来なかった、ぶっ飛んだこともしちゃおう、ってさ」

「モデルが絵理奈さんだったら基本、ニプレスと前貼りでずーっと通すつもりだったんだよね。彼女はプロで、イメビとかもけっこう売れているほうだからさ」
「プロのモデルにとって、そういう部分って、ある意味、売り物なわけじゃない?見えた見えないの世界で。まあ、今回は名前出さない予定だったけれど」
「イメビでもまだバストトップ解禁していないランクだからさ、軽々しく見せちゃうと、価値が下がっちゃう、みたいな、オトナの事情もあるし」

「でも小夜ちんがモデルになったことだし、不幸中の幸いを最大限活用して、ここは思いっきりはっちゃけちゃおうって、絵理奈さんだったらNGだった試作アイテムとか、急遽オフィス戻って持ち出してきたり」
「一番ノリノリだったのがチーフ。こういうの、ナオコ悦びそう、とか言っちゃって、アヤ姉とワイワイ盛り上がってた」

 チェーンにハマグリのビキニでステージに出るとき、オモチャの手錠を後ろ手に嵌めることにしたのも、お姉さまのアイデアなのだそうです。
 首に嵌められたチョーカーがベルト式のワンちゃんの首輪っぽいデザインなことも相俟って、私的に一気に、マゾドレイ、な被虐モードに入りました。

 ある意味とても私らしい、こんなマゾ丸出しな姿までお客様がたにお視せすることで、お姉さまもイベントを愉しまれているんだ・・・
 このイベントでは、たとえ私がどんなにアブノーマルな姿を晒しても、お客様がたも含めて誰ひとり、咎めるような人はいない、ということを、これまでの出番で実感していました。
 
 だから直子も遠慮なんかせずに、人知れず隠し持ってきた性癖を、残らずここでさらけ出して開放しちゃいなさい。
 お姉さまに、そう言われているような気がしました。
 そう考えると、お姉さまが私を本当に理解してくださっているんだな、って思えて、キュンキュン萌えちゃいました。
 
 後ろ手に拘束されていても、ランウェイでは胸を張って颯爽と歩かなければなりません。
 ほとんど裸な晒し者姿の私を、食い入るように、その歩み通りに追いかけてくるみなさまの値踏みするような視線。
 なんだかマゾドレイの競り市に出品されちゃった気分。

 天然モノらしい小さなハマグリの貝殻の裏に、背伸びしきった乳首が擦れます。
 大きめのハマグリに軽く覆われただけの股間の奥がジンジン疼きました。
 ただ、それと同時に不穏な兆候を下半身に感じ始めていました。

 最初は、興奮し過ぎて、感じ過ぎちゃっているせいだろうな、って思いました。
 ひとりでオナニーしているときも、たまにそういう感覚に陥るときがあったからです。
 そういうときはたいてい、最終的にはシオを吹いちゃうのでした。

 でも今は、何かを挿れたり、直接刺激とかは一切していないのだけれど・・・
 そこでやっと気づきました。
 これは、尿意。

 考えてみると午前中にお姉さまからお浣腸をされて以来、ずっと排泄行為はしていませんでした。
 ショーが始まってからは、浴びせられるライトの暑さやからだの火照りに任せてスポーツドリンクをゴクゴク飲み干していました。
 当然の結果でした。
 まだ我慢しきれないほどではなかったのですが、楽屋に戻ったとき、リンコさまにご相談してみました。

「あの、おトイレに行かせてもらえますか?」
「えっ?」
 私の貝殻ビキニを脱がせながら、リンコさまが驚いたお声をあげられました。

「大きいほう?小さいほう?」
「あ、えっと、オシッコです」
「したくなっちゃったの?」
「はい・・・」
「我慢出来ないくらい?切羽詰まってる?」
「あ、いえ、まだ、それほどではないですけれど・・・」

 全裸になった私の下腹部を、じっと見つめてくるリンコさま。
 その視線を私の顔に戻した後、唇の両端だけクイッと上げたイジワルそうな笑みを作って、こうつづけました。

「とりあえず次のアイテムは、すぐに着替えて出なきゃならない段取りだから我慢して。その次なら、少し着替え時間に余裕があるから、何か方法、考えておく」
 おっしゃりながら私のからだをタオルで拭ってくださるリンコさま。
 気のせいか下腹部の膀胱の辺りをギュウギュウ押してくるように感じました。

 乳首の上にハート型のパスティースが貼られ、股にCストリングが嵌められました。
「小夜ちん、こういうの初めてでしょ?アイバックっていうんだ」

 両腿の付け根に挟んだだけ、な構造は、ちょっとしたことですぐ外れちゃいそうでとても頼りない感じですが、お尻側に回った細長いワイヤーぽい部分に弾力があり、お尻の割れスジに沿って食い込むように締め付けてくれるので、意外に落ちないみたい。

「ドレスとかでパンティラインを出したくないとき用に考案された、っていう触れ込みなんだけどさ、どう見たってエロ目的だよね、こんなの」
 これからその、こんなの、を身に着けて人前に出る私を目の前にして、他人事のようにおっしゃるリンコさま。

「まあ、アタシがいろいろ改良して、そのへんの市販品よりずっと着け心地良く、外れにくくしてあるからさ。安心してお客様にじっくり見せておいで」

 乳首にはシール、股間にはカチューシャ方式で嵌めただけのCストリングという全裸と大差ない姿でランウェイを往復し、楽屋に戻りました。
 お客様がたからの射るような好奇の視線シャワーにゾクゾク感じつつ、尿意も一段階上がっていました。

「おつかれー。こっち来て」
 戻るなり、リンコさまに手を引かれ、お部屋の中央に連れて行かれました。
 床に今まで私に使用したのであろう、少しヨレたバスタオルが何枚か敷いてありました。

「次のアイテムがラス前だから、あともうひと踏ん張り」
 しほりさまがお声をかけてくださいます。
「次のアイテムはちょっと仕込みに時間かるんだけれど、オシッコどうする?」
 リンコさまが尋ねてきました。

「あ、はい。やっぱりしちゃったほうがいい感じみたいです」
 我慢するのは好きだし得意なのですが、万が一我慢しきれなかったら、お姉さまのイベントを台無しにしてしまいます。
 それに、自分でもはっきりとわかるほどに尿意が高まっていました。

「そっか。でもこのフロアにあるトイレは、ここからかなり離れているから、悠長にトイレに行ってる余裕がタイムスケージュル的にも無さそうなんだ。悪いけれど」
「かと言って無理やり我慢させて、ショーの途中で小をお漏らしさっれちゃったりしたら、目も当てられないからさ、ここでしちゃって」
 しょうもないダジャレ混じりでイジワルに笑いながら、リンコさまがサラッとおっしゃいました。

「え?こ、ここで、ですか?」
「うん。これに」
 差し出されたのは、2リットルの空のペットボトル。
 私がゴクゴク飲んでいたスポーツドリンクの空き容器でした。

「グラビアやイメビの野外ロケとかでもよくあるよ。モデルが急にしたくなっちゃうこと」
 しほりさまが会話に加わってきました。
「近場にトイレ無いことザラだから、いつも携帯トイレをいくつか持ち歩くことにしているんだけれど、今日は生憎持ってなくて。ごめんね」
 もしもしほりさまが携帯トイレをお持ちでも、ここですることに変わりはないようです。

「で、でも、みなさま、いらっしゃるんですよね?」
 てっきりガウンでも着せられて、早く帰ってらっしゃい、とおトイレに送り出されると思っていた私は、ドギマギしすぎて、尿意がどんどん荒ぶるばかり。
 ここで、みなさまに見守られる中で、オシッコしなくちゃならないの?

「仕方ないじゃない。今は大事な仕事中なんだよ?アタシらは、スケジュール通りに一分一秒を争って、次のアイテムを着せなくちゃならないのっ」
 焦れたようにリンコさまがおっしゃいました。

「なんだか拍子抜け。小夜ちんなら、悦んでするだろうって思ったのに」
 リンコさまが真面目なお顔で私を見つめてきました。

「どうしてもここでしたくないって言うのなら、トイレに行ってきてもいいよ、ただし、その格好のまま、ひとりでね」
「このフロアのトイレは、エレベーターロビーの真ん前。今は時間的に他の会場が入れ替えの頃だから、他の催事で来たサラリーマンのお客様とか、たくさんいると思うけどね」
「それで、きっちり3分以内に戻ってきて。それが出来ないなら、ここでしなさい」
 今までにないほど冷たく突き放した、リンコさまのエス度満点な視線。

「あなた、マゾなんでしょう?それともチーフ、呼ぼうか?」
 最後に私の目を射るようにじっと視て、吐き捨てるようにおっしゃいました。

「は、はい・・・わかりました・・・こ、ここで、します・・・」
 マゾマンコの奥から脳天まで、隷属、という名の気持ち良い電流がズキュンとつらぬきました。
 これは、ご命令なんだ・・・
 私は、今日モデルをすると決めたときから、お姉さまの会社のスタッフのみなさま全員の慰み者、マゾドレイになったのだから・・・

「ならさっさとしちゃってよ。それじゃなくても時間押してるんだからっ」
 リンコさまのエスな口調とともに、おっぱいのパスティースが乱暴にベリっと剥がされ、Cストリングスもスポッと外されました。

 全裸にされて敷かれたバスタオルの縁に立ちます。
 中腰になってマゾマンコの割れ始め付近にペットボトルの飲み口の縁を右手であてがいました。

 私の正面にリンコさまとしほりさま、右側にほのかさま、背後に里美さま。
 ほのかさまだけは、ちょっと離れたところで怯えたような瞳で、それでも視線はしっかり私のからだに向いていました。

「一応タオルは敷いたけど、なるべくこぼさないでよ。しっかり狙って」
「はい・・・」
 会社のみなさまに、全裸でオシッコするところを視られている・・・
 ドキドキがひどすぎて、なかなか出てきません。

「自分でラビア広げて、尿道により近づけたほうがいいんじゃないの?」
 リンコさまの蔑んだお声。
「いっそ飲み口を中に突っ込んじゃえば?」
 しほりさまのからかうようなお声。
「そのボトルの飲み口は、ウエットティッシュでちゃんと拭っておいたので、清潔だと思います」
 ほのかさまのひどく真面目なお声。

「は、はい・・・」
 すべてのお声がご命令でした。

 左手をマゾマンコに添え、自分で陰唇をグイッと開きました。
 一瞬で左手の指先がヌルヌルになるほど濡れそぼっていました。
 飲み口をそっと粘膜に近づけます。
 粘膜に直接プラスティックの感触がしたとき、添えた左手の手のひらが、腫れ上がったクリットに触れました。
「あぅ!」

「感じてる場合じゃないでしょ?ほんと、いやらしい子」
 呆れたようなリンコさまのお声と同時に、ペットボトルの底から音がし始めました。

 ジョボ・・・
 ジョボジョボ・・・
 ジョボジョボジョボーーーッ!

 一度出始めると堰を切ったように、勢い良くほとばしる不浄な液体。
 右手で持ったペットボトルがみるみる重くなり、生温かくなってきました。
 ジョボジョボジョボーーーーーッ。
 逃げ出したくなるほど恥ずかしい水音がお部屋一杯に響き渡りました。

 視てる・・・
 視られてる・・・
 明るい蛍光灯の下まっ裸になった私が、オシッコしている姿を・・・
 リンコさまが、しほりさまが、ほのかさまが、里美さまが。

「現在、夕張さん、オシッコ中です。その後、着替えですので、予定より3分前後つないでおいてください。あとで巻きますので」

 背後から美里さまのお声が聞こえてきました。
 そんなこと、わざわざご報告されなくてもいいのに・・・
 交信のお相手は、お姉さまでしょうか、ミサさまでしょうか?
 美里さまのインカム越しに、私の派手な放尿音も聞こえちゃったでしょうか・・・

 永遠につづくように思われた激しい水音もやがてチョロチョロ、せせらぎ程度になっていました。
 ポチャン。
 最後に水面を震わせた波紋を合図に、そっとペットボトルをマゾマンコから離します。
 ツツーっと糸を引くペットボトルの飲み口はヌルヌル。

「済んだ?」
 真正面から一瞬も目をそらさず私の放尿姿を視つめていたリンコさまが、お顔を上げて尋ねてき
ました。

「はい」
「スッキリした?」
「・・・はい」

 ペットボトルの三分の一くらいが、薄黄色の液体で満たされていました。
 たった今、私の体内から排出されたオシッコ。
 その体温くらいに生温かくなったペットボトルを両手で持った全裸の私を、全員が無言で見つめていました。
 たった今、私のマゾマンコから離された、丸くぽっかり空いた飲み口から、独特の不浄な臭いが辺りに漂ってきます。

「けっこうクサイね。早くふたしちゃいなさい」
 リンコさまったら、わざわざおっしゃらなくても・・・

「は、はいっ」
 今更ながらの強烈な恥ずかしさをごまかすみたいに、ほのかさまから渡されたペットボトルのキャップをギュウギュウ締めました。
「スーパーモデル、夕張小夜様のしぼりたて聖水瓶詰めね」
 しほりさまのからかい口調に、いたたまれない程の羞恥で今すぐどこかへ逃げ出したい気持ち。

 ほのかさまがウエットティッシュを差し出してくださっています。
「これで後始末するといいわよ。ソコ」
 私の股間にチラッと目を遣っておっしゃってから、すぐにお顔ごと視線を逸らされました。
「・・・ありがとうございます」
 自分の股間に押し当てた途端、ベトベトになるウェットティッシュ。

「それにしても、あんな姿勢でそんな細い飲み口に、よく一滴もこぼさずに出来たものよね。ひょっとして家でも日常的にやっている熟練者だったりして」
 しほりさまが感心したように尋ねてきました。
「い、いえ、初めてです。ペットボトルにオシッコなんて、今までしたことないです」
 大急ぎで否定する私。
 だって本当のことですもの。

「ふーん。やっぱわたしの、突っ込んじゃえ、っていうアドバイスが良かったのかな」
 自画自賛されるしほりさま。
「でもこれで、マゾプレイのレパートリーが増えたんじゃない?あえてナオコって呼ぶけれど、ナオコのオフィス放尿ショー、なんてね」
 すっかり言葉責めモードに入っているしほりさまのご冗談にも即座に、オフィスでおトイレに行かせてもらえない私が、みなさまの前でペットボトルにオシッコする姿をご披露している妄想を浮かべてしまう、どうしようもない私。

「はいはい。時間押してるよ。次はプレイ編のメインアイテム、そしてオーラスのエンディングアイテム。最後まで気を抜かないで、キメにいくよ」
 
 リンコさまがパンパンと拍手しておっしゃったそのお言葉で、私のオシッコ姿ご披露タイムで緩んでいた場の空気が、再びピリッと張り詰めました。


オートクチュールのはずなのに 56


2016年8月14日

オートクチュールのはずなのに 54

 楽屋口で迎えてくださったのは、ほのかさま。
 剥き出しになった私のおっぱいを一刻も早く隠さなくては、とでも言うような困惑された表情で、バスタオルを広げて待ち構えていてくださいました。

「お疲れさま」
 労るようなおやさしいお声とともに、背中から包み込むように、大きなバスタオルで私の裸身をくるんでくださいます。

 ほのかさまと抱き合うような形で、されるがままになっていたとき、ほのかさまの右肘が私の尖った左乳首にチョンと触れました。
「あうぅ」
 途端にビリリってそこから全身に電気が走り、思わずはしたない声が洩れました。
 ほのかさまが小さくビクンと震えて一歩退きました。

 私、すごく感じやすくなっちゃっている・・・
 全身の皮膚すべてが性感帯のよう。
 背中に触れているタオル地のザラザラした感触にさえ、ムラムラ昂ぶってしまいます。

「あらら。夕張さん、だいぶ出来上がっちゃったみたいね、顔がトロンて蕩けてる」
 少し離れたところで私たちを見守っていたしほりさまが、愉快そうにおっしゃいました。

「ああ、びっくりしたぁ」
 楽屋口のドアを開けて、リンコさまが戻っていらっしゃいました。

「まさか小夜ちんが、あんなに盛大に濡らしちゃっているとは、思わなかったよー」
「本当はステージでショーツまで脱がせちゃう段取りだったんだけどさ、あんなビチョビチョじゃ、お客様に引かれちゃうと思って、急遽中止した」
 
 呆れたようなニヤニヤ笑いを浮かべたリンコさまに手を引かれ、鏡の前に連れて行かれました。
 せっかくほのかさまが巻いてくださったバスタオルは当然のように剥がされ、おっぱい丸出し女の姿が鏡に映ります。

「ほら、ぐずぐずしないで、ショーツも脱いで!」
 リンコさまの口調、エス度が増しているみたい。
「は、はい・・・」
 みなさまが見守る中で身を屈め、自らショーツをずり下げました。

 私のマゾマンコとソコが密着していたショーツの裏側とのあいだに、か細くて粘り気のある、喩えて言うと納豆の糸のような線が何本も引いては途切れました。
 ショーツを足元まで降ろしても、まだがんばって引きつづける糸も何本かありました。

 そんな光景をじっと見つめている楽屋のみなさまの目。
 そして辺りに漂い始める私にとっては嗅ぎ慣れた、薄っすら磯臭いような淫靡な発情の臭い。
 ショーツの裏側にたっぷりねっとり染みついた、この夥しい粘液こそが、私の淫らなヘンタイ性癖を可視化する動かぬ証拠となっていました。

「チーフが前貼りを却下した理由がわかったよ」
 私の股間をタオルでぞんざいに拭いながらリンコさまがおっしゃいました。
「こんなにベチョベチョにしちゃったら、すぐ剥がれちゃうし、ベージュの前貼りは濡れ染みになると茶色く目立ってみっともないもんね」

 タオルを私のマゾマンコに押し付けて、ギュウギュウと膣の中にまで押し込むように、おツユを拭ってくださるリンコさま。
 私はもちろん服従ポーズで、その刺激の快感に耐えていました。
 リンコさまの傍らではほのかさまが、私が汚してしまった透明ショーツの裏側を真剣なお顔で、丁寧に濡れタオルで拭ってくださっていました。

「このショーツも会場のマネキンに穿かせなくてはいけないのでしたよね?」
 私の淫汁を拭い去り、なんとか透明度95パーセントくらいに戻ったショーツをつまみ上げ、ほのかさまがリンコさまに尋ねました。

「マネキンは仕方ないから諦める。本当は水洗いしたいところだけれど、しちゃうと終わりまでに乾かなそうだし。その感じでいいから、あとは楽屋で干しといて」
「商談会でお客様からご希望があれば、実物を手に取ってもらうことになるからさ」

 リンコさまがタオルを私の股間に押し当てたまま私の顔をじっと見てつづけました。
「濡れタオルで拭いただけじゃ、臭っちゃうかもしれないけどね」
 私に向けて、ニマッと笑うリンコさま。

 そのお言葉を聞いた途端、からだ中の血液がカッと燃え上がり、押し付けられたタオルに恥辱の元凶である淫汁がまた、性懲りもなくトロリと溢れ出たのがわかりました。

 次に着せられたのは、同じ透明素材にうっすら赤色が入ったドレスでした。
 よく海外の映画女優さんなどが華やかなパーティでお召しになっているのを見かける、肌の露出部分の多いセクシー系のイブニングドレス。

 ホルターネックのVラインが大胆に下腹部あたりまで切れ込んでいるので、正面からはおへそ下まで、側面からも横乳がほとんど丸見え。
 少し動いただけでもすぐ、乳首がコンニチハしちゃいそう。
 背中も、お尻の割れ始めくらいまで大胆に開いています。
 スレンダーラインの裾はかかとまであるのですが、左側に入ったスリットが腰骨のあたりまで切れ込んでいるので、脚を踏み出すたびに翻り、キワドイところまで露になりそう。

 そしてもちろん、赤みがかっているとは言え透明素材ですから、ドレスの下の私の裸は丸わかり。
 幅5センチくらいの布地の下で息づく乳首の硬直具合までも、肉眼でハッキリわかりました。

 今度は、こんなのを着て、みなさまの前に出るんだ・・・
 ドキドキとワクワクが、頭と心と下半身に充満します。
 私にはすでに、理性はほとんど残ってなく、自分のヘンタイ性癖の基準で物事を判断し始めていました。
 
 恥ずかしい姿の私を、みなさまに視ていただける・・・
 その悦びだけで全身が疼きます。
 一刻も早くステージに出て、お客様がたを私の姿で驚かせたいという気持ちで一杯になっていました。

 そんなふうにしてショーは進んでいきました。

 シースルー素材の次は、ボンデージ系。
 キャットスーツというのでしょうか、ラテックス素材で首から下すべて、手の先から足の爪先までピッタリと覆われるボディスーツ。

 本当にピッタリ誂えたように、私の裸のボディラインそのまんまに素肌に吸いつく極薄ボディスーツ。
 これは本来、絵理奈さまのサイズに合わせて作られたのですから、他の人には着こなせません。
 だけど私にも見事にピッタリで、そのことを見極められた綾音さまのデザイナーとしての眼力に、今更ながら感心してしまいました。

 こういうアイテムは着たことがなかったので、鏡に映った姿を見たときは衝撃でした。
 最初に着せられたのは、真っ白な地にところどころラインの入った、超有名な人気SFアニメに出てくる、プラグスーツを思わせるデザインでした。

 その剥き出しなボディラインとラテックス素材の光沢が艶めかしくて、まさに裸よりエロティック。
 これも独自開発した新素材のラテックスだそうで、本当に極薄で、乳首の形も、股間のスジの食い込みも、まるで何も着ていないかのように見事に浮かび上がっていました。

 着心地も衝撃でした。
 水泳の水着やバレエのレオタードとも違う、肌に吸いつくような悩ましい密着感。
 初めはひんやり感じた素材が、体温で温まって一体化し、それでなくても敏感になっている全身の肌の触感がざわめきだします。
 どこもかしこも常に誰かに触られている感じ。
 これを身に着けたまま、麻縄でギュウギュウに縛られたら、すっごく気持ちいいだろうな、なんて、ふと考えちゃいました。

 2着めのキャットスーツは渋いモスグリーン。
 こちらはご丁寧にも、おっぱいのカップ部分と下半身のクロッチ部分だけ別素材で、特殊なジッパーで着脱出来るようになっていました。
 そしてもちろん、ステージ上で服従ポーズになり、リンコさまの手でその部分を外されました。

「絵理奈さんだったら当然、ニプレスと前貼り、してあげたんだけどね」
 外す寸前、リンコさまが小声で、からかうようにおっしゃいました。

 明るいステージの上。
 ボディラインも露なエロティック衣装の私に、お客様がたの視線が集中する中。
 全身モスグリーンの中で剥き出しとなった3箇所の、誰の目にもあからさまに欲情しているとわかる生身の肌色部分は、さぞかし卑猥に目立っていたことでしょう。

 つづいては、カジュアルラインコーナー。
 街中でも着て歩けるエクスポーズ服、というコンセプトなのだそうですが、どのアイテムも、とてもそうは思えませんでした。

 まずは、ロリータっぽいハイウェストジャンパースカート。
 ドイツの可愛らしい民族衣装=ディアンドル風の、おっぱいのすぐ下にハイウエストの切り替えが来て、おっぱいをドーンと強調しちゃうアレです。
 赤、緑、黒のチェック柄でメルヘンチックなジャンパースカートに白のフリルブラウスを合わせます。

 襟元にえんじのリボン、パフスリーブでふうわり王子様袖という、超可愛らしいデザインのフリルブラウスなのですが、丈だけが異様に短いんです。
 おっぱいの乳首、そのすぐ下くらいまで。
 下乳丸出し。

 ベリーダンスの人がよく着ている、両袖を通した胸が隠れるくらいのボレロ、を思い浮かべてくださるとわかると思います。
 それのボレロ部分がおっぱいの半分までしか届いてないわけです。
 ジャンパースカートの胸当て部分が、そのすぐ下に来て、半分だけ隠れたおっぱい部分をボーンと強調するみたくウェストを引き絞っています。
 ノーブラでそれを着ると、まっすぐ立っていればスレスレでやっと乳首が隠れる感じでした。

 おまけに、ジャンパースカートも超ミニで、膝上20センチ以上。
 ちょっと前屈みになればお尻丸出しになるのは確実でした。

「本当は、可愛い見せパンも穿くんだけれど、小夜ちんが穿いてもまた汚しちゃうだけだから、ノーパンでいいよね」
 リンコさまのイジワル声でステージに送り出されました。

 次に着せられたのは、一見、ストンとしたラウンドネックのシンプルなワンピース。
 色は肌色に近いベージュで七分袖の膝丈。
 なのですが、両サイド裾から腋下のところまでスリットが入っていました。

 つまり、このワンピースを素肌に着ると、一枚の細長い布地を両肩で折り返して、からだの前後に長方形の布を一枚づつぶら下げているだけ、みたいな状態。
 繁華街などでたまに見かける、からだの前と後にお店の広告看板をぶら下げて宣伝されているサンドイッチマンの人みたいな格好を、裸でしていることになるんです。

 その状態でウエスト部分を黒いベルトでキュッと絞られました。
 ウエストを起点にして、上半身は、胸側に一枚、背中側に一枚、下半身は、お腹側に一枚、お尻側に一枚の布に分割されました。
 横から見たら、前後の布のあいだから横乳、脇腹、太腿まで丸見えです。

 おまけに生地がとてもスベスベ柔らかくて軽いこともあり、からだにくっつけばラインがクッキリ、少し動いたらヒラヒラして、裾が大げさにフワリという仕様。
 腕を振ってランウェイを歩くと、上半身の布がベルトを起点にどんどんせり上がってきて、楽屋に戻る頃には、側面がら空き、横からなら乳首までおっぱい見え放題な状態となっていました。

 その次のアイテムは、パンツルック。
「今日の中ではこれが一番、完成まで試行錯誤したんだ」
 と、リンコさま一推しのアイテムでした。

 渡されたのは、一見普通のブルージーンズ。
 でも股上が異常に浅い?
 まず右脚から通すと、足周りはジャストフィットなスリムジーンズ。
 つづいて左脚を通して腰まで上げました。

「えっ!?」
 思わず絶句してリンコさまを見ました。
「凄いでしょ?」
 ご満足そうなリンコさまの笑顔。

 ほとんど股上がありませんでした。
 両腿の付け根から上には、ほんの数センチほどの布地しかありません。
 前は、性器のスジ覗き始めから、後ろはお尻の穴がギリギリ隠れるくらいだけしか覆ってくれていません。
 例えて言うなら、腿までのストッキングをそのまま右左縫い付けて、股上として幅数センチの腰周りをくっつけた、という感じ。
 ウルトラスーパー超ローライズジーンズ。

 かろうじて恥丘の上に来たボタンを留めます。
 当然ジッパー部分は無し。
 鏡には、左右の大腿骨付け根からのラインが作る三角形の下腹部すべてが露出した私の下半身が映っていました。
 後ろを向くと、お尻の割れスジも三分の一以上はみ出しています。

 このジーンズって、絶対しゃがめないよね・・・
 しゃがんだ途端に股上が腿の方にずり下がって、前の穴も後ろの穴も丸出しになっちゃうはず。
 鏡の自分を視つめながら、ステージ上でしゃがんだ自分の姿を想像していました。

「いかにギリギリまで攻めるか、苦労したんだ。弾力のいいコットンとか探してさ」
 私のほぼ剥き出しな下半身を至近距離からじーっと見つめつつ、リンコさまが感慨深げにおっしゃいました。
 確かに腰の動きに合わせて生地が伸びる感じで、穿き心地はすっごくいいんです。
 それを伝えるとリンコさまは、がんばった甲斐があった、って喜んでくださいました。

「こんなの、普通にヘアのある人は、ショーツ着けたって恥ずかしくて穿けないでしょう?まさに生涯パイパンなナオコ、じゃなくて小夜ちんのため、みたいなデザインじゃない?」
「小夜ちんの性器、絵理奈さんより上付き気味だから、ボタンがスジにギリギリだけど、きっと小夜ちんには、そのほうが嬉しいでしょう?」
 イジワルっぽくおっしゃったリンコさま。

「モデルが絵理奈さんだったら、白いTバックショーツを下に穿く段取りだったんだ。ノーパンだとあまりに生々し過ぎるし」
 独り言っぽくつぶやかれてから、まっすぐ私の顔を見て、つづけられました。

「どうせ小夜ちんが会場歩いて帰ってきたら、股上の裏、ベチョベチョに汚しちゃうんだろうから、この試作品は小夜ちんにあげる。オフィスでもよくジーンズ穿いているじゃん。普段着で使うといいよ」
 その口調にエスっぽいニュアンスを感じて、私にはそれがリンコさまからの、オフィスでもこれを穿きなさい、というご命令に聞こえました。

 上半身には、アンダーバストギリギリ丈のパツパツな白チビTシャツをノーブラで着せられ、その上に前開きのラフなデニムジャケットを羽織りました。
 ジャケットのボタンは、おへそから裾まで留めます。
 ボタンを留めている限りは、下のジーンズの股上がどうなっているのか、お客様にはわかりません。

「ランウェイの端に行ったら自分でジャケット脱いで、肩に担いで颯爽と帰って来なさい」
 リンコさまからのご指令。
 ジャケットを脱いで無毛な恥丘丸出しになったときの、驚きと戸惑いが入り混じったような会場のざわめきは、一際大きいものでした。

 そんなふうに、破廉恥な衣装を取っ換え引っ換え着替えさせられては、お客様がたの前に出るという行為を、私は愉しんでいました。
 どんなにキワドイ衣装を着せられても、早くみなさまに視ていただきたい、と思う気持ちのほうが、戸惑いや羞じらいよりも、あきらかに勝っていました。
 私のマゾ的妄想の中でも、幼い頃から一番根強く巣食っていた公然羞恥露出願望が遂に実現して、ヘンタイ性癖の塊と化してしまった私は、今のこの状況に酔い痴れていました。

 私の一挙手一投足を熱っぽく視つめてくださるお客様がたの視線。
 私が動くたびに、一斉に動くたくさんの頭。
 一枚脱ぐたびに、起きるどよめき。
 ステージを去るたびに、鳴り響く拍手。
 それらすべてが私を性的に興奮させていました。

 お客様がたの表情を見渡す余裕も出来ていました。
 私が出てくるたびに身を乗り出すように見つめてくる、最前列にお座りの艶やかに着飾ったご年配のおばさま。
 ランウェイの中ほど左側にお座りの、私と年齢がそう変わらないであろうビジネススーツの女性は、私が前を通るたびに傍目でわかるほど頬を紅潮させ、気恥ずかしそうに、それでも真剣なまなざしで私の姿を追っていました。

 目線は私に向けたまま、お隣の人と何かヒソヒソ話されている人。
 私の顔とからだを交互に見ては、ずっとニヤニヤ笑っている人。
 何度かオフィスでお見かけしたことのあるお顔もいくつかありました。
 驚嘆、好奇、侮蔑、憐憫、嗜虐・・・
 すべてのまなざしが私に何かを訴えかけていました。
 
 そんな中を私は、外見は努めて無表情を装いながら、内心では淫らなことばかりを考えていました。
 
 もう少し胸を張ったほうが、ノーブラ乳首のポッチが目立つかも。
 もっと大きく腕を振れば、生乳首がお外に飛び出したままになるかな。
 ランウェイ端の回れ右のとき、勢い良くターンしてスカートの中身まで視ていただこう。
 歩いているうちにジーンズのボタンが弾け飛んで、マゾマンコ全部見えちゃえばいいのに。

 とにかく自分のもっともっと恥ずかしい姿を、みなさまにさらけ出したくて仕方ない気持ちになっていました、
 私のどうしようもない、ふしだらなヘンタイ性癖を余すこと無く見せちゃいたい・・・

 楽屋に戻るたびに、はしたなく濡らした股間をリンコさまにからかわれながらギュウギュウ拭かれました。
 乳首が勃ちっ放しでスゴイね、ってしほりさまに感心されました。
 次々とふしだらな格好をさせられる私を見る、ほのかさまの憐れむようなまなざしに、マゾの血がキュンキュン疼きました。
 火照って火照って喉が乾くので、戻るたびにスポーツドリンクをゴクゴク飲み干しました。

 カジュアルラインコーナーの次は、プレイルーム編。
 ショーも終盤にさしかかっていました。
 ここからは、よりエロティックさを追求した、女性のためのセクシープレイアイテムばかりとなるそうです。

 最初のアイテム、文字通り乳首と股間のスジをギリギリにしか隠せない極小マイクロビキニを着せられた私は、とてもシアワセそうに見えたと思います。

 ああ、今度はこんな恥知らずな水着を着た私のからだを、お客様がたに視姦してていただけるんだ・・・
 今までに味わったことのある、どんな種類の気持ち良さとも違う、恍惚とする性的高揚感に、身も心もすっかり支配されていました。

 今さっき身に着けたばかりなのに股間をわずかに覆う小さな白い布地は、しとどに濡れそぼり、スジをクッキリ浮き上がらせてベッタリ陰唇に貼り付いていました。


オートクチュールのはずなのに 55