2017年2月26日

非日常の王国で 15

 気がつくとあたりはすっかり暗くなり、ショールームには煌々と蛍光灯が灯っていました。

「・・・すっかり長居してしまいました・・・」
 耳の中にフェードインしてくるようなお声が聞こえるほうへ目を向けると、倉島さまたちがテーブルの傍らに集まっていらっしゃるのがボーッと見えました。

 その視線を下げて自分の姿に目を移すと、まだあの椅子に拘束されたまま。
 後ろ手錠でM字開脚、ずいぶんと緩んでしまった菱縄縛りのままでした。
 頭の中がボーッとしていて、なんだか事態が飲み込めません。

「あ、マゾ子、気がついたみたい」
 お声にもう一度テーブルのほうを見ると、メグさまが私を指さしています。
「まったくねー。気持ち良さそうにイキまくるだけイキまくって、コトンと寝ちゃうのだもの、いい気なものよね」
 里美さまがイジワルっぽくおっしゃいました。

「そう言えばマゾ子に、鍵を落としてしまったことについてのお仕置きを、まだしていなかったわね」
 里美さまが私に近づいてきます。
「今日はたくさんお買上げいただいたから、最後に特別サービスしちゃう」
 嬉しそうなお顔で私の顔を覗き込んでくる里美さま。

「記念写真を撮りましょう。本当はショールームでのお客様の店内撮影は上から固く禁じられているのだけれど、あなたたちは特別よ」
「マゾ子も倉島さんたちに服従を誓ったんだものね?」
「えっ?」
 里美さまのお言葉に不穏な感覚を覚え、思わず聞き返しました。

「あら?忘れたとは言わせないわよ?さっき、もっともっとってイキまくりながら彼女たちに、セイドレイになります、何でもしますって喘ぎながら宣言したじゃない?」
「ヨーコさん、だっけ?のお部屋がここから徒歩10分くらいで、そこが耽美研の溜り場にもなっているから池袋でよく遊ぶ、っていう話から盛り上がって」
「マゾ子もウィークディは仕事でこのへんウロウロしているから偶然会っちゃうかもね、っていう話になって」

「もし街中でマゾ子をみつけたら、わたしに連絡さえくれれば、好きに拉致していいってことになったじゃない?ヨーコさんちや女子大に」
「マゾ子も、よろしくお願いしますぅ、って喘ぎながら嬉しそうだったわよ」

「そ、そうなんですか?」
 まったく覚えていませんでした。

「その代わりラブトイズ類は必ずうちのショップで買うってことで、うちと耽美研とのあいだで契約成立したのよ?今更反故には出来ないわ」
 
 里美さまがお店の中をあっち行ったりこっち行ったりしながら説明してくださいました。
 私もようやく頭が回り始め、ドキドキオロオロしてきました。

「でも今日のマゾ子は普段のOL姿とはぜんぜん違う髪型だから、みなさんには不公平かな、と思ったのよ。だから記念写真」
「写真を一枚渡しておけば、髪型違っていても幾分探しやすいでしょう?ただし、あなたたちが違う人に声かけて騒ぎになってもわたしは一切関知しないわよ?」
 お三かたにイタズラっぽく告げた里美さま。

「どなたかケータイ貸してくださる?カメラ機能の性能がいいやつがいいと思うわ」
 里美さまのお声にご相談されるお三かた。
 やがてメグさまが一台、おずおずと差し出してきました。

「あら、最新のスマホじゃない。さすがに今どきの女子大生はいいもの持っているのね」
 受け取った里美さまが使い方をメグさまにお聞きになっています。

 私、こんな姿で写真撮られちゃうんだ・・・
 それも、今日会ったばかりの歳下の女子大生さんのケータイで。
 この数時間で数え切れないほどイきまくったからだが、性懲りもなくまたムズムズしてきます。

「マゾ子にもアドバンテージあげる。すぐにみつかっちゃって、彼女たちがうちのショールームに遊びにこなくなったらつまらないしね」
 後ろ手に何かを隠した格好で、里美さまが近づいてきました。

「さっき声のことでヨーコさんが興味あるって言っていたご趣味を満たすグッズよ。口を開けなさい」
 里美さまのご命令で恐る恐る口を開けると、グイッと何かを押し込まれました。
 ところどころ穴の空いたピンポン玉のような赤い玉、ボールギャグでした。

「んぐっ!」
 両方のほっぺを通る細いベルトの金具を頭の後ろに留められて、みるみる口の中に唾液が湧いてきました。

「それと、これね」
 背後に立つ里美さまの手からぶら下がった2つの鈎状の金具に、私の鼻の穴がひとつづつ釣り上げられる感覚があり、そのままグイッと引き上げられました。
そのままベルトがおでこを通り、これも頭の後ろで固定されてしまいます。

「むぐっ!んぶぁーっ」
 ボールギャグを埋め込まれた口では、言葉にならない呻き声にしかなりません。

「ノーズフックは初めて?みっともない豚っ鼻になっちゃった。でも仕方ないわよね、これはお仕置きでもあるのだから」
 里美さまが私の目の前に、わざわざ手鏡をかざしてくださいました。

 鼻先が押し上げられ、ふたつの鼻の穴が正面を向いて豚さんそっくり。
 赤い玉を咥えて半開きの唇をよだれで濡らしたツインテール。
 屈辱と恥辱にまみれた女の顔が、そこにはありました。

「えーっ!?これじゃあかえって素顔がわからなくなっちゃったじゃないですかぁー」
 ヨーコさまがカン高いお声で抗議のお声をあげました。
 だけどお顔はニコニコでとても愉しそう。
 肘で里美さまの腕をつつくように里美さまに擦り寄っています。

「でも、マゾ子の顔をこうしてみたかったんでしょう?大丈夫よ。街で似た子みつけたら、ちょっと鼻の頭上げてもらっていいですか?って声をかけて、写真と見比べればいいじゃない」
 笑いながらご冗談で返す里美さま。
 お三かたと里美さま、今日一日でずいぶん仲良しさんになられたみたい。

「それで仕上げはこれね。やっぱりセイドレイ女の記念写真なんだから、大事なところをちゃんと中までお見せしなくちゃね」
 里美さまがケースから取り出した瞬間にヨーコさまがお声をあげられました。
「あっ、クスコ!」

「そう。正確にはクスコ式膣鏡。さっき言ったネットショップ次回アップデートの、オトナのお医者さんごっこ、特集のメインアイテムになる予定よ」
「膣鏡は英語でスペキュラムっていうのだけれど、クスコ式だけじゃなく、今回世界中からいろんな種類のスペキュラムを集めたの。スペキュラム大特集、ぜひ見てね」
 おっしゃりながら指で私のマゾマンコを無造作に押し開く里美さま。

「んぐぅ」
「ほら、挿れるから力抜きなさい」
 ステンレスらしき冷たい感触がラビアを擦ります。
 やがて左右の膣壁がステンレスに押され、じりじりと穴が広がっていくのがわかりました。

「んーーっ、んぶぁ-」
 いやー、と言いたいのにボールギャグのせいで滑稽な唸り声にしかなりません。

「このくらいでいいか」
 里美さまの指が離れ、膣の中まで外気に晒されて明らかにスースーしている感触がありました。

「さあ、みなさんマゾ子の周りに集まって。3人だからひとりはマゾ子の後ろに回るといいわ」
 しばらくガヤガヤした後、一番背の高い倉島さまが私の背後に、右側にヨーコさま、左側にメグさまと配置が決まりました。

「うん、いい感じ。倉島さんは後ろから手を伸ばしてマゾ子の勃起乳首を引っ張るっていうのはどう?」
「あ、はいっ!」

 弾かれたようなお返事と共に、倉島さまの両手が伸びてきて、左右の乳首を指先でつままれました。
「んむぅ」
 倉島さまはすでにグローブを脱がれていて、少し汗ばんだ素手の感触にゾクッ。

「両隣のふたりはマゾ子のお尻をスパンキングね」
「あ、こんな感じですか?」
 パッチーンと大きな音をたててヨーコさまの素手が右の尻たぶに炸裂。

「んむぅー!」
「おお、キレイな手形がついた。いい感じよ」
 すかさずメグさまの素手もパチーン。
「むぅー!」

「それじゃあ撮るわよ。みんな笑顔でこっち見てねー」
 私も目線をカメラに向けます。
 倉島さまに両乳首を引っ張られ、ヨーコさまメグさまに尻たぶをバチンバチンひっぱたかれている合間に、カシャカシャと5、6回ほどシャッター音が聞こえました。

「おっけー。ちょっと待っててね」
 里美さまがスマホのディスプレイを凝視しつつ何やら操作されています。
「こっちかな、うーん、こっちか、やっぱこれかな・・・」
 数枚の内のベストショットを選んだのでしょう、やがてディスプレイをこちらに向けて近づいてきました。

「ほら、なかなか良いデキじゃない?」
 私もその写真を見ることが出来ました、

 横向けにしたディスプレイ画面長方形の中央に私。
 全裸に赤い首輪、だらしなく緩んだ亀甲縛りロープだけの全裸。
 口に赤いボールギャグ、ノーズフックの豚鼻、眉根にシワを寄せた悩ましくも醜いツインテールのマゾドレイ女が少し顎を上げ、虚ろに宙空を見ています。

 背後に立たれた倉島さまは、満面の笑顔で両手を前面に伸ばし、指先で私の左右の乳首をつまみ上げています。
 硬そうな乳首がグインと上向きに引っ張られて伸び切り、ふたつのおっぱいが下乳ごと不格好に持ち上がっています。

 左右に立たれたメグさま、ヨーコさまもカメラに向けて愉しそうな笑顔。
 右側のヨーコさまの右手と左側のメグさまの左手は、バックスイングの位置から振り下ろされるタイミングでブレていて、すごい躍動感。

 私の尻たぶは、左右ともに手の形に赤くなり、その中央にクスコで押し広げられたマゾマンコ。
 クスコの銀色がフラッシュの光で綺麗な星型の輝きを作り、クスコの穴の奥のピンク色も、そのすぐ下の菊の窄みも鮮明に写っていました。

「とてもマゾ子らしい写真が撮れた。はい。あなたからみんなにメールで送ってあげて」
 里美さまがメグさまにスマホをお返ししながらおっしゃいました。

「その写真、どう使っても結構よ。お友達に見せるもよし、印刷して部室に飾るとかね」
「うわー」
 一斉にピョンピョンはしゃがれるお三かた。

「あ、ネットにあげちゃうのもありですか?」
 ヨーコさまがお声を弾ませてお尋ねされました。
「うーん・・・ま、いいでしょう」
 里美さまが少し考えてからうなずかれました。

「その写真なら素顔のマゾ子を知っている人でもわからないくらいの変顔になってるし、位置情報とかも全部オフっといたから」
「んんぬーっ、むぅぐぬぅーーーっ!」
 そのお言葉をお聞きして、いてもたってもいられません。
 顔を左右にブンブン振り、言葉にならない唸り声をあげて精一杯抗議しました。

「あら、ずいぶん悦んでくれるのね?ネットで大勢の人にマゾ子の抉じ開けられたマゾマンコを見られちゃうのが、そんなに嬉しい?」
 イジワル度満点な里美さまの笑顔。

「心配しないで。ネットにあげるときは、ちゃんとモザイクかけるから。そうしないとあげたアタシらが捕まっちゃうでしょ?」
 ヨーコさまもニヤニヤ笑って愉快そう。
「アタシらだって、ネットに素顔なんて晒したくないから、ちゃんとボカスわよ。マゾ子の顔と裸以外はね」

 お三かたがお帰りの支度をされているあいだ、私はそのままの格好で放置されました。
 さっき撮られた写真での私の顔は無様に変形していて、普段私と接している人でも、被写体が私と分かる人はいないでしょう。
 でも、そんな破廉恥過ぎる姿がインターネット上に晒されてしまうかも、という不安と被虐が私を疼かせていました。

「それでは今日は、ありがとうございました。すごく勉強になりました。また近いうちに遊びにきますね」
 来られたときにはお持ちでなかった大きな紙袋を提げた倉島さまが、里美さまにペコリとお辞儀されています。

「はーい。こちらこそ今日はたくさんのお買上げ、ありがとうございました。また何か欲しいものあったらいつでも寄って」
 里美さまも満面の笑顔でご対応。
 それからヨーコさまのほうを向いてつづけました。

「池袋でマゾ子を探せ、ううん、最近の流行りで言うとマゾ子Goかな、まあ、なんでもいいけれど、がんばってね。あのオフィスビルのショッピングモールなんか要チェックな出現ポイントよ」
 するとメグさまが横からお口を挟んできました。

「ワタシ、自信あります。小さい頃から人の顔覚えるの、得意なんです」
 そうおっしゃって、じーっと私のほうを見つめてから里美さまに向き直りました。

「さっきの写真は確かに参考になりませんし、ヘアスタイルの変化もムズいんですが、パーツの中で特徴的なポイントを押さえておけばいいんです」
「とくにこうして実際に間近で見た人なら、背格好とか雰囲気も知っていますから、今度会ったら95パーセントくらいの確率でゲットする自信があります」
 私に向けてニコッと微笑まれるメグさま。

「そうなんだ。もしみつけたら拉致る前にわたしに必ず連絡ちょうだいね。一応、マゾ子のお姉さまの許可を取るから」
「はい、必ずそうします。それは別としても、必ず近いうちにまた、マゾ子にレクチャーしてもらいに来ます。今度はお医者さんごっこかな」
 ヨーコさまが私の股間を見ながらおっしゃいました。

「それじゃあ、もう暗いから、気をつけて帰ってね」
「はーい」
 ぞろぞろとショールームの出入り口ドアへと向かうみなさま。

 ショールームをお出になる前に、みなさまがもう一度私のほうを振り返り、お声をかけてくださいました。
「じゃーねー、またねー」
「マゾ子、また今度ねー」
「また遊ぼうねー、モリシタナオコさーん・・・」
 おっしゃってからクスクス笑いつつ、ドアのお外へと消えたお三かた。

 最後のお声は、ヨーコさまだったでしょうか?
 なんで?なんで知っているの?
 一瞬、頭の中がパニックになりました。

「おつかれさまー」
 お三かたを送り出して戻ってこられた里美さまが、スタスタと私に近づいてこられました。
 私の背後に回りテキパキとノーズフックを外し、つづいてボールギャグも外されました。

「直子ちゃんががんばってくれたおかげで、今日は大助かり。三人で5~6万くらい使ってくれたのよ」
 マゾマンコのクスコを外しながら教えてくださいました。
「やっぱり私立の女子大生ってお金持っているのね。部費でタイマーボックスとウイップ一本キャッシュで買った以外はカード支払いだったけれど」

「なんで、なんであのかたたちが私の名前、知っているのですか?」
 ボールギャグが外されて自由になった唇で、息せききってお尋ねしました。
「やっぱり気づいてなかったんだ?でもそれって直子ちゃんのミスよ」
 足枷の鎖を外してくださるためにひざまづいていた里美さまが、上体をひねってテーブルのほうを指さされました。

「あそこの椅子の上に、直子ちゃんがロープを入れてきた巾着袋を置きっ放しにしたでしょう?それに小さくだけれどバッチリ書いてあったわよ、ローマ字で、NAOKO MORISHITA、って」
「あっ!」

 そうでした。
 母があの体操服袋を作ってくれたとき、袋の下の方に目立たない感じで小さく名前を刺繍してくれたのだっけ。
 流麗な筆記体がカッコよくて、すごく嬉しかったことを不意に思い出しました。
 ずっと何かを入れて膨らんでいることが多く、そこまで目が届かずにすっかり失念していました。

 そうしているあいだにもテキパキと足枷と手錠も外され、晴れて自由の身。
 放置されているとき、お三かたがお帰りになった後もまだこのままで、今度は里美さまだけでじっくり、いろいろ虐められちゃうのかな、とドキドキしていたので、なんだか拍子抜けでした。

「ロープは自分で解いて、お手入れをしたら、ここで干しておくといいわ。月曜日にでもわたしがオフィスに持っていってあげる。お姉さまや早乙女部長さんへの、今日のご報告も兼ねてね」
 すっかりビジネスのお顔に戻られた里美さまに急かさられるように、自分のからだを這う菱沼縛りを解き始める私。

「あの子たち、かなり直子ちゃんにアテられていたわよ?倉島さんなんて瞳が妖しく潤んじゃって」
「たぶんヨーコさんちに行って、それからくんずほぐれつね。ターゲットは倉島さん。あの子が一番エムっぽいし、他のふたりからよってたかってだと思うわ。バイブをいくつも買っていったし、麻縄もあるし」
 愉快そうにおっしゃった里美さまが、白いバスタオルを差し出してきました。

「あのドアの向こうでシャワー浴びれるから。トイレ共用のユニットバスだから狭いけれど、浴びないよりはマシでしょう?床ビショビショにしないように、ちゃんとシャワーカーテン掛けてね」
「直子ちゃんがシャワーしているあいだに、ここ片付けておくから、一息ついたらどこかに晩ご飯食べに行きましょう。直子ちゃんは今日の売上の功労者だから、わたしが奢っちゃう」

 おやさしくてお仕事のデキる、いつものクールな里美さま。
 お三かたとご一緒に、ついさっきまでドエス全開だったのに、その見事な豹変ぶりにドギマギしつつも、謎の部分が多い里美さまに俄然興味が湧いてしまいます。
 差し出されたバスタオルを手に全裸でオフィス部分に足を踏み入れ、シャワーをお借りしました。

 小さなバスタブの内側にシャワーカーテンを施し、シャワーのコックを捻りました。
 少しぬるめなシャワーの水滴が勢い良く肌を滑り、汗や色々なヌルヌル体液をキレイに流してくれます。

 二の腕やおっぱいの裾野にうっすらと縄の痕。
 まだ熱を持っているお尻と性器。
 そういったところを手で撫ぜていると、今日みなさまの前で行なった恥ずかし過ぎるあれこれがまざまざと脳裏によみがえってきました。

 お姉さまの会社に勤め始めてから、あきらかに私のマゾ度は上がりました。
 より自虐的に、より淫らに、より貪欲に。
 
 それまでは自分ひとりで自分のお部屋で、こっそりと行なっていた非日常的ヘンタイ行為。
 そんな行為をする場所が勤務中のオフィス、イベントショーのステージ、街中のカフェ、今日のように他人様のお店のショールームと、どんどん広がっていました。
 日常的だった場所が、どんどん非日常に侵食されているのです。

 そして、私がヘンタイ行為を、そういった開かれた場所でご披露するたびに、私を辱める権利を持つ人たちが増えていきます。
 今日も初めて出会った倉島さま、ヨーコさま、メグさまが、その権利を得ました。
 街で出会って何かご命令されたら、私は服従しなければなりません。
 私は、そういう人間、だとお三かたに認識されてしまったのですから。
 
 まるで王様ゲームで、ひとり負けつづけの罰ゲーム狙い撃ち状態。
 私の非日常的行為を目撃されたかたたちが次々に王様となり、私に恥辱たっぷりのご命令を下してくるのです。
 最愛のお姉さまが全体を統べる非日常な王様だらけの王国で、たったひとりだけドレイな私・・・

 激しいシャワーに肌を打たれながら、そんなイメージが湧き上がっていました。
 そしてその王国を私は、とても居心地良く感じていました。
 被虐が欲情となり、肌が上気してきます。
 今夜、この後お家に帰り着くまでこの身を委ねる王様に、想いを馳せます。

 里美さまは、どこへお食事に連れていってくれるのかな?
 普通にお食事するだけなのかな?
 お食事中に何か恥ずかしいご命令をくださるかな?
 あれほどイキまくって一時は眠ってしまったほどなのに、性懲りもなくマゾの血が滾り始めていました。

 もしも私が王様ゲームに勝って命令の権利を得たとしても、王様を辱めるような命令を下すことでしょう。


三人のミストレス 01

2 件のコメント:

  1. とても面白かったです。

    読みながら感じてしまったので、
    一発抜いてから仕事に行かないと駄目かな(笑)。

    「一人だけ負け続けの王様ゲーム」で罰を受けながら、
    「王様だらけの王国で、一人だけ奴隷」に
    なっていらっしゃるナオコさんは、
    私の想像の王国でも恥を晒すことになると思いますが…(笑)。

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  2. 鵺(ぬえ)さま

    コメントありがとうございます。
    お話を愉しんでいただけたようでとても嬉しいです。
    この章はここで一区切りして、新たなお話に進みたいと思っています。
    お時間のあるときにまた、覗きにいらしてくださいませ。

    直子

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