2016年9月18日

オートクチュールのはずなのに 58

 リンコさまに肩を支えられ、引き摺られるように楽屋に戻りました。
「おつかれー。すごかったねー」
 しほりさまがバスタオルで、全身汗とよだれと恥ずかしい粘液まみれな私のからだを拭いてくださいます。
 陶酔の余韻で過敏になり過ぎている素肌を撫でられるだけで、貪欲な膣壁がヒクヒク蠢きます。

「モニターで観ていたけどエロかったー。イキ顔のアップになって照明がスーッと落ちていって、なんだか幻想的でさえあったよ」
 後ろ手錠のまま、うっとり立ち尽くす私の上半身から下半身へとタオルが移動していって・・・
「うわっ、凄い。白く濁って、これって本気汁ってやつじゃない。腿のところまでベットリ」

「ぁあんっ!」
 しほりさまのイジワルなご指摘にマゾマンコが大きくキュンと身悶えて、振動がブーン。
 右の内腿を拭いてくださっていたしほりさまの手をタオルごと、思わず両腿でギュッと挟んでしまいました。

「また疼いちゃったんだ?ほんと、底無しの淫乱どヘンタイさんなんだねぇ」
 苦笑い混じりにしほりさまがからかうお声を、乗馬鞭を手にされたリンコさまが引き継ぎました。

「アタシなんて、小夜ちんのお股と目と鼻の先の至近距離だったから、何とも言えない牝クサい、いやらしい臭いが漂ってきて、こっちまでおかしくなっちゃいそうだったよ」
「でしょうね、わかるわかる。わたしだって今、クサいもん。このタオル、どれだけ小夜さんのマン汁、吸っているんだか」

 おふたりにお言葉責めされているあいだも、夢の中にいるような心地良い快感の名残りに浸っていました。
 みなさまに注目されているピンスポットのステージ上でイッてしまったということが、もの凄く恥ずかしいクセに、もの凄く気持ち良かったのです。

「さあ。ついにフィナーレよ。最後は、来てくださったお客様に感謝を込めた素敵な露出狂ドレス」
 リンコさまが後ろ手の手枷を外してくださいました。

 テーブルの上にリンコさまが置かれたピンクの乗馬鞭に目を遣ると、私が咥えていた柄の真中辺りだけ真っ赤なルージュでベットリ汚れ、左右の糸切り歯の間隔にクッキリと凹みが出来ていました。
 そのテーブルの向こう側ではほのかさまが、何か思い詰めたような真剣なお顔で、私を凝視していました。

 リンコさまに首輪も外され、しゃがみ込んだしほりさまの手で足枷とチェーンも外されました。
 リンコさまの手がおっぱいに伸びてきます。

「ずいぶん長いあいだ挟みっ放しなのに、痛くないの?」
「あ、いえ、もちろん、痛いです・・・」
「ふーん。でもその痛いのが、イイんだよね?淫乱マゾは」
 おっしゃりながら右おっぱいに着けたパスティースのネジをリンコさまの指がつまみました。

 以前にもご説明しましたが、敏感なところを挟んで虐める洗濯バサミなどは、挟むときの激痛が去ると、付けているあいだは我慢出来るくらいの疼痛に変わります。
 揺らされたり弾かれたりすれば痛みもぶり返しますが、そのうちに感覚が失くなったような状態になってきます。
 そして一番辛く激しい痛みが襲うのは、実は外すときなのです。
 この痛みは、挟んでいた時間が長いほど激しくなります。

「あーうっ!」
 激痛を覚悟して身構えていた私に、リンコさまは、更に追い打ちをかけるイタズラを仕掛けてきました。
「ごめんごめん。こっちに回すと余計締まっちゃうんだ。逆に回すんだった」

 かなりキツメに乳首を挟み込んでいた金具が、更にギュウッと乳首にめり込んできたとき、予想していたのとは別の種類の激痛が全身を駆け巡りました。
 その単純な痛みに顔は歪み、膣内はキュンキュン跳ね回り、反応したローターが強モードでブルブル震えました。
 苦痛と快感の鬩ぎ合いに身悶えしているとき、今度は予想していた、じんわりした激痛がすぐに後追いで襲ってきました。
 リンコさまが今度はちゃんとネジを緩めてくださったようです。

「あーーっ、いぃぃっつぅぅーっ!」
 このCストリングの突起の、膣が蠢くたびに震え始めるという仕組みは、本当に残酷だと思いました。
 普通の人ならただ辛いだけの痛さという刺激に対し性的興奮を覚えてしまっているアブノーマルな自分の反応を、振動というハッキリした形に変えて思い知らせてくるのですから。
 その振動で更にもっと気持ち良くなってしまうという、ヘンタイマゾな私の出口の無い悪循環。

「いいぃーやーーっあっあっあーーーっ!!!」
 左乳首にも同じイタズラをされつつパスティースを外されるあいだ中、マゾマンコの中の突起は激しく振動しつづけていました。
 膝と腰がヒクヒク震え、内腿に本気汁が溢れ出し、激痛に他の液体も少し漏らしてしまったかもしれません。

「あーあ。またイッちゃったよ、この子」
「またマン汁垂らしちゃって。せっかく拭いてあげたのに」
「これってひょっとして、ボルチオイキっていうやつじゃないかな?一度それでイクとしばらくのあいだは、耳に息を吹きかけただけでも感じまくっちゃう、っていう」
「へー。そんなのあるんだ?」
「アタシもよくは知らないんだけれど、マンコのずっと奥の子宮の辺りに性感帯があって、そこでイッちゃうとスイッチが入っちゃうらしい」
「じゃあ今、小夜さん、超ド淫乱メス犬状態なんだ」

 私を視ながら嘲るようにあけすけなお言葉遣いで蔑んでくださるおふたりを、すがるように見ている私。
 からだが疼いて疼いて仕方ありませんでした。
 誰でもいいから私を視て、触って、虐めて、辱めて、この疼きを鎮めて・・・

 ふと視線を自分のからだに落とすと、まだジンジンと鈍痛を感じるふたつの尖った乳首の側面に、痛々しく潰された凹みが残っていました。
 自分のからだに刻まれた憐れな陵辱痕に被虐を感じて、性懲りもなくマゾマンコがヒクヒクブルブル。

「だったら予定外だけどさ、このCストは嵌めっ放しにしといてあげようか。どうせドレスの下半身は隠れちゃうし」
「最後だから、お客様に小夜さんの淫乱アヘ顔を堪能していただこうっていういうわけ?リンちゃんもドSだねえ。でも上の人に一応了解取ったほうがいいんじゃない?」
「だって、今これ抜いちゃったら、あの仕掛けもあることだし、きっとマン汁ダラダラ垂れ流しになるよ?それに、小夜ちんのアヌスにも挿さってた、こんなベトベトなの、アタシら弄りたくないじゃん」

 ひややかにおっしゃったリンコさまが、ちょっと考えてつづけました。
「でも、報告だけはしておいたほうが良さそうか、里美さん?聞いてみてくれる?」

「あ、はい」
 ずっとモニターに向かっている里美さまの背中が応え、インカムに向けておっしゃったお言葉がハッキリと聞こえました。

「夕張さんが例のCスト、ずいぶん気に入っちゃったようで、はい、次のアイテムでも着けたままでいいでしょうか、という大沢さんからのご提案なのですが・・・」
 数秒間の沈黙の後。
「はい、わかりました」
 里美さまが私たちのほうへと振り向かれ、主に私をじっと視ながらおっしゃいました。

「チーフからオーケー出ました。夕張さんへの伝言です。歩きながらマゾマンコをキュッキュと締め付けて、みなさんの前でイッちゃいなさい、ただし無表情で。とのことです」
「今のは、チーフがおっしゃった言葉通り、そのままお伝えしました。ちなみにわたしも、その姿をとても愉しみにしていることを、申し添えておきます」

 可愛らしいお顔で、事務的な口調で告げられました。
 ああん、またローターがプルプル震えてる・・・

「おーけー。それじゃあ。とっとと着せちゃおう」
 リンコさまのお言葉に、それまで無言でじーっと私たちの様子を眺めていらっしゃったほのかさまが、弾かれたようにハンガーラックへと駆け寄りました。

 リンコさまへと手渡されたのは、軽くて柔らかそうなカーテンみたいな黒っぽい布地で、全体的にクタッとしていました。
 色は黒のようですが、布そのものかなり薄いようなので、シースルーなことは間違い無さそうです。

「国産の最高級シルクを使っているの。アクセも含めて今日のアイテムの中じゃ一番お高い逸品ね」
 リンコさまがフワッと広げたその布地は、なんだかマントのような形状でした。
 だけど、ほのかさまが似たような布地をもうひとつお持ちになって、脇に控えていらっしゃいます。

「まず、これをこうして・・・」
 私の背後に回ったリンコさまが私の首に細い紐を絡めました。
 思った通り、それは紛うことなきマントでした。
 首の紐を正面で丁寧に結ばれると、裸の背中が足首の少し上くらいまで、緩くドレープのかかったシースルーの黒いシフォン地に覆われました。

 正面からの姿を鏡に映してみると、首元から逆V地に広がったマントが肩口から両腕を隠して、それ以外の真正面は丸出し。
 裸にマントだけの、マンガかアニメで見たことのあるヘンタイさん寄り女性ヒーローの姿そのものでした。
 でも、あの人のマントは赤で、お顔も仮面で隠していたんだっけ?

「それで、これ」
 ほのかさまから手渡されたもう一枚の布地を持って、私の前に回ってこられたリンコさま。
 ああ、やっぱり前も隠すんだ。
 ホッとして広げられた布地を見ると、なんだか形がヘン。
 どこがどう、と具体的な指摘は出来ないのですが、直感的に違和感を感じました。

「ちょっと失礼」
「ああんっ!」
 突然ギュッと右の乳首をリンコさまにつままれてビクン、ローターがブーン。

「うわー、まだコリッコリだねえ、デカ乳首。それに熱持って熱い」
 乳首をクイクイこねくりまわされ、私はあふんあふん喘いでしまいます。
 それから乳首の根本がギュウッと絞られた感覚がしました。
「ああんっ、だめぇ・・・」
 薄れつつあった乳首の疼痛が鮮烈に蘇りました。

 気がつくと私の右乳首から黒いシフォン生地が垂れ下がっていました。
 リンコさまは、私の淫ら声などにはもういちいいち反応せず、無造作に左乳首も弄んでシフォン生地がからだの全面を覆うようになりました。
 私の感じた違和感は、ドレスなのに袖と襟ぐりが無いなと思ったからなんだ、と気づいたときには、ウエスト付近で布に繋がっていた細い紐をエプロンのように背中側で結ばれていました。

 ふたつの乳首を起点として垂れ下がった薄い布地が足首の付け根くらいまでを隠していました。
 乳首には細い糸の輪が巻きついていて、輪の円周を調節出来るストッパーを絞ることで固定されていました。
 布地自体が凄く軽いので、乳首が下に引っ張られるような重さを感じることはありませんでしたが、リンコさまがかなりキツク乳首根本を絞り上げたので、両方の乳首がジンジン疼いていました。

 これって私がお家でひとりのときやお姉さまの前で時々している、マゾドレイの裸エプロンと同じだ。
 全裸にエプロンを着けて、布地の上から両方の乳首に洗濯バサミを挟んでエプロンが落ちないように留めてから、首の紐を解いちゃう、私のお気に入りのマゾ装束。
 そこにマントを加えてお尻を隠しても、布地が薄過ぎてほとんどスケスケ。
 ライトを浴びたらクッキリとボディラインが浮き上がることでしょう。

 ちょっと見はエレガントなシフォンドレープドレス姿なのですが、胸元が致命的でした。
 おっぱい丸出しの上、乳首で布地を支えているのです。
 鏡を見ると、黒いドレス姿の中で乳首まで丸出しなおっぱいのところだけ、逆ハート型にくっきり白く、嫌というほど目立ちまくっていました。
 布地越しに、膣と肛門を虐めているCストリングが嵌ったままなのもハッキリわかります。
 マゾマンコに埋まったローターがまた、ブルブル激しく震えました。

「仕上げはこれね」
 リンコさまが再び私の背後に回られ、首全体を覆うような幅の広いチョーカーが巻かれました。
 シルバーの地にキラキラしたパールとか白系の細かい宝石がびっしりと散りばめられた、どこかの王女様が召されるような見るからにゴージャスなチョーカー。

 そのチョーカー正面一番下の真ん中から細いシルバーチェーンが一本、首輪のリードのようにまっすぐに垂れ下がっていました。
 ちょうど私の恥丘のすぐ下くらいまでの長さで。
 その先端には、私の乳首を締め上げているのと同じ輪っかが付いていました。

「見てわかるでしょう?それは、アナタのお姉さまからの特別オプションプレゼント」
 私がシルバーチェーンの先端を見つめていることに気づかれたのでしょう、リンコさまが愉快そうにおっしゃいました。

「当初の企画通りだったら、ここで絵理奈さんのニップル初解禁、のはずだったんだ」
「最後だから、せっかくいらしたお客様にちょっとサービスしちゃえ、って感じでね。もちろん下は普通の黒いTバックショーツの予定だった」
「誰かさんのヘンタイ性癖のおかげで、誰かさんのお姉さままで悪ノリしちゃって、こんなアブノーマルなフィナーレになっちゃった」
 リンコさまのからかうようなお声がそこで途切れ、真面目なお顔に変わりました。

「本来なら、エレガントレディのちょっぴり大胆エクスポーズ大冒険。って感じで、エレガント寄りに締めて大団円っていう予定だったのに、アナタがヘンタイなおかげで、アブノーマルな方向に大暴走」
「そのドレスも、アナタみたいな人しか着てくれないんじゃないか、って思えてきちゃった。出来たときはユニークだから、けっこう気に入っていたのに、今じゃただのヘンタイドレスにしか見えなくなった」
「さしずめ、競りに出された囚われのセイドレイの貰われ先が決まって、精一杯おめかししたマゾペットデビュー披露パーティのドレス、っていう感じ」

 リンコさまの口調がエス度の増したひややかさに戻りました。
 でも、私を見る瞳には、怨嗟と言うか嫉妬と言うか、ひょっとしたら羨望みたいな、そういう類のフクザツな感情が混ざっているような気もしました。

「アナタなら、そのチェーンの先をどうすればいいか、言われなくてもわかるでしょ?」
「はい・・・」

 もはや名前さえ呼んでくださらなくなってしまったリンコさまに促され、チョーカーから垂れたチェーンをドレスと素肌のあいだに落としました。
 思っていた通り、チェーンの先端が恥丘の少し先まで届いていました。
 薄い布地からハッキリとチェーンの行末が見えていました。

 ドレスの脇から両手を差し込み、まず左手でターゲットを捕捉します。
 Cストリングの先端に隠れるか隠れないかのところで息吹いていた、その腫れ上がった肉の芽は、今まで放っておかれていたことに抗議するかのような敏感さで、自分の指でコソッと触れただけなのに強烈な快感を放電しました。

「ああんっ!!」
 思わずガクンと片膝が砕け、はしたない声がほとばしります。

 体勢を立て直してから、そっと指で根本を押さえ固定し、右手で輪っかを引っ掛けます。
 輪っかがおマメに触れたときにもビリっと電流が流れました。
「んんーっ!」

「ほら、悶えているヒマなんてないの。もうすぐスタンバイよ?」
「あ、はいぃ」
 肉の芽が輪っか内に完全に補足された感触がしたので、デタラメにストッパーを締め付けながら、前屈みになっていたからだを起こしました。
「あああーーーっ!!!」

 からだがまっすぐになると同時に、おマメがギューっと上へ引っ張られるのがわかりました。
 充血を更に絞り上げられ、胸の鼓動のドクンドクンと同じ速さのジンジンする痛みがマゾマンコ全体を痺れさせます。
 当然、膣内のローターは震えっ放しで、下半身全体がヒクヒクしっ放し。

 少し肩を落としていれば普通なのですが、胸を張って真っ直ぐに立つと、クリトリスも首から繋がるチェーンにグイッと引っ張り上げられる状態に。
 そしてもちろんショーモデルは、胸を張って姿勢良くランウェイを歩かなければなりません。
 首から剥き出しおっぱいの谷間を抜けてクリットへと、ギターの弦みたいにピンと張り詰めたシルバーチェーン。
 なんてイジワルな、絶妙なチェーンの長さ。

 こんな状態で私、ちゃんとみなさまの前を歩けるのだろうか・・・
 不安に思う一方で、早くお客様がたの前に出たい、淫らな私の格好を視姦していただきたいと思う欲求も沸々と滾っていました。
 根本から絞り込まれて今にも弾けそうに欲情している私の敏感な充血三銃士が、更なる刺激とあられもない恥辱を熱烈に欲していました。

「スタンバイお願いします」
 里美さまが振り向かれ、ニッコリ微笑みかけてきました。
「おーけー。それじゃあ、これ履いて」
 かなりヒール高めでエレガントな黒いミュールを足元に置かれました。
 ヒールが高いと、なおさら背筋を伸ばしていなければ格好がつきません。

 ほのかさまがひざまずいてミュールのベルトを留めてくださいます。
 しほりさまが最後のメイク直しを手早く施してくださいます。
 リンコさまに付き添われて、明るいステージの袖に立ちました。

「ランウェイの先端まで行ったら、肩脱ぎになって、剥き出しおっぱいさらけ出して帰ってきなさい」
 ステージ袖で、そうおっしゃって、ふっと微笑んだリンコさま。
 穏やかなお顔になって、つづけました。

「でもね、アタシこういうはっちゃけたの、嫌いじゃないよ。初めてで要領もよくわからないのに、ナオコはよくがんばった、上出来だわ」
「アタシ、これからナオコと一緒にオフィスで働くの、すっごく愉しみ。お望み通り、いろいろ虐めてあげるから、あ、もちろん性的な意味でね、だから覚悟しておきなさい」
 イタズラっぽい口調でおっしゃいました。

「最後に、ナオコはナオコらしく、ドヘンタイマゾらしく、乳首ツンツンおっ勃てた姿をみんなに視せびらかせてやりなさい。マン汁ダラfダラ垂らしながら、視られてイクところをお客様に魅せつけてきちゃいなさい」
 
 リンコさまに背中をやさしくトンと押されて私は、明るいステージの中央へと歩み出ました。


オートクチュールのはずなのに 59


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