2014年10月26日

就職祝いは柘榴石 07


「はぁうぅぅっ!」
 パンパンに腫れ上がったおマメにキュッと吸い付いたクリットローターの強烈な刺激に、思わず腰がビクビクンと跳ねました。
 おマメを覆うカバーの内側には、ヘアブラシのようなケバケバがついていて、それが、充血し切って超敏感になっている表皮をザワザワと擦ってきます。
「あーんっ、いやぁー、だめぇー!」
 あっ、という間に天国への階段を駆け登っていきます。

 ブゥゥゥーーーン。
 悪魔のオモチャで抉じ開けられた穴の中には、ローターがふたつ、互いに身を寄せ合うように震えているので、その振動にプラスティック同士も共鳴して、びっくりするくらい大きな音となり、私の股間から淫らに鳴り響いてました。

「あーーっ、あーーーっ、あーーーーっ!」
 視界が閉ざされた暗闇の中だからこそ、他の四感が研ぎ澄まされ、中でも触覚が突出して敏感になっているようです。
 膣壁を擦るように震えるローターの振動が直接脳に響き、脳から全身へと快楽信号が伝達されていきます。
「イくぅぅ、イぃますぅ、おねえまさぁぁ、イきますぅぅ!!」
 お姉さまとのお約束通り叫ぶように宣言し、階段のてっぺんから身を躍らせました。
「んんーーーーーーっ!!!」

 一度イってからは、たてつづけに二度、三度、四度と小さくイって、最後に一番大きな絶頂感がやって来ました。
 頭の中が真っ白にスパークして意識が吹っ飛びます。
「イクっ、イクイクイクイグぅんぐうんぅーーーーーぐぅーーっ!!!」
 あまりの気持ち良さに、自分のからだが溶けて消えてしまったよう。
 五感すべても消え去って、残ったのは快感だけ。
 ヌメヌメの液体のようなからだで、そのまま快感の海をフワフワ漂いました。

 そんな至福の静寂も長くはつづかず、やがて、ブゥゥゥーーン、という低い持続音がフェイドインしてきました。
 再び、自分の窮屈な肉体を思い出します。
 私の脳裏には、さらに数倍も高い、天国への階段がそびえ立っていました。
 アソコへの物理的な陵辱はまったく緩むことなく、プルプルサワサワ私を苛んでいます。

「あうっ、んんんんぅー」
 さらなる高みに到達するために、再び一歩一歩、快感の蓄積。
 からだに四感が戻り、私は身悶え、喘ぎ始めます。

 このような、不自由に拘束されての強制的な連続オーガズム放置責め、を、私は今までに何度か体験していました。
 最初はシーナさまから、アイスタイマーあそびの一環として教わって、その後ひとりで何回かやってみて、より大きな快感が得られる方法を、自分なりに編み出していました。
 その方法とは、今、自分がこうしてみじめに拘束放置責めされている姿が、大勢の見知らぬ人たちの見世物にされている、と思い込むことでした。
 
 私の周りに何十人もの人たちが好奇の目を光らせて、その淫乱ぶりを観察している、という妄想。
 ケダモノのように何度も何度もイク姿を、見ず知らずのみなさまに視られてしまう、なんて、女性にとって何よりも浅ましく恥ずかしいことです。
 だから、なるべくはしたなく身悶えたり暴れたりせずに、出来る限りじっと、イキそうになってもがまんにがまんを重ねること。
 自分がヘンタイマゾ女であるということを、最後の最後まで隠すこと。

 そんな妄想で、被虐感や陵辱感、自分のみじめさや可哀相さをより高めると、否応なくからだに与えられ蓄積されていく物理的な快感との相乗効果となって、いずれどうしてもがまん出来なくなって迎え入れざるをえない絶頂時の快楽とカタルシスが、何倍にも、何十倍にも膨らむのです。

 最初の大きな波が去ったあと、そのことを思い出し、その妄想をしようと思いました。
 だけど、頭の中に思い浮かぶのはお姉さまのことだけ。
 敏感な箇所をノンストップで陵辱しつづけているローターたちの刺激も、お姉さまからの乱暴な愛撫と変換されていました。
 もはや、余計な妄想など必要無く、お姉さまを想いながら、感じるままからだに任せればそれだけで、妄想の力を借りたとき以上の快楽を得られるようになっていました。

「ああ、もうだめぇ、許してくださいぃ、お姉さまぁぁ」
 ひたすらがまんしつつ、被虐やみじめさをも感じて高まっていくのは妄想のときと一緒なのですが、妄想では得られなかった、ある種の幸福感さえも同時に感じながら、幾度も幾度もグングン昇りつづけました。

「ああっ、またくるぅ、きちゃう、イっちゃうぅ、おねえさまぁ!!!」
「だめぇ、もうだめぇ、いやいや、イちゃうぅ、おねえさまぁ、イきますぅ!!!」
「ごめんなさい、ごめんなさい、おねえさま、またくる、またくるぅぅんぐうんぅーーーーーっ!!!」

 何度イったのかわからないくらいの何度目かの天国の後、股間への振動がすべて止まっているのに気がつきました。
 からだはぐったり、意識は朦朧。
 うるさいくらいに聞こえていたローターの唸りも途絶え、しんと静まり返った中、自分のハアハア荒い息遣いだけが聞こえています。

 視界が無いので、自分のからだが今どんな状態なのかもわからず、とくに下半身を中心にジンジン痺れているのだけ、感じられました。
 意識がだんだんハッキリしてきて、興奮状態の全身の熱が、まず皮膚に戻ってきました。
 つづいて早鐘のような心臓の鼓動。
 汗やよだれに濡れているのであろう肌の感覚。
 棒枷に繋がれて自由に動かせない両方の手と足。
 そんなふうにひとつひとつ、現実の自分を認識していきます。
 天空から地上へと、徐々に舞い降りてくる感覚です。

「ぉ、お姉さま?」
 ローターたちが停止したのだから、きっとお姉さまが戻って来て、スイッチを止められたのだろう。
 それに、微かに我が家のシャンプーの香りもしたので、嬉しくなって声をかけました。
 でも、お返事はありません。
「お姉さま?戻られたのですよね?」
 気配のするほうへ顔を向けて発した私の声は、かなり掠れていました。

「あぅっ!」
 そのとき、突然私のアソコから、ふたつのローターが一緒にスポンと抜かれました。
「はぁうっ!」
 つづけてクリットローターが引っ張られ、おマメが伸びる感覚とともにスポッと抜けました。
「ああんっ、お姉さまのイジワルぅぅ」
 媚びるような私の声と同時に、明らかに人の指の感触で、再びおマメがつままれました。

「あうっ、お姉さま、そこは、そこはもう・・・」
 言い終わらないうちに、穴にも指が二本、挿入されました。
「あっ、いや、だめですぅ、お姉さまぁ、さっきいっぱいイったから、もう、もうぅ・・・」
 おマメはプニプニ弄られ、アソコの穴もおそらく二本の指でグリグリ掻き回され始めました。
「本当にもう、だめぇ、許して、ゆるしてくださぁいぃ、おねぇさまぁ・・・」
 言っていることとは裏腹に、性懲りも無く昂ぶり始めました。
 ローターではない、本物のお姉さまの指、お姉さまのいたぶり。
「あっ、お姉さま、もっと、もっとつよぉくぅ・・・」

 そのとき、今度は私の胸を、何かパラパラした紐状のものが撫ぜてくるのを感じました。
 これはきっとバラ鞭・・・

 えっ!?
 お姉さまってば、片手でアソコを嬲って、もう片方の手でバラ鞭を操ろうとされているの?
 下半身を嬲られる快感にグングン高まりながらも、必死に考えようとします。
 でも、クリットは間違いなく指二本に挟まれているし、アソコの中にも指が二本から三本、入っている感覚なのに・・・
 おっぱいを撫ぜるバラ鞭はユラユラ揺れて、両乳首の洗濯バサミをフルフル揺らしてきます。
 どういうことなの???

 クリットをつまむ指と、膣内を描き回す指のピッチが上がり、グングン昂ぶっていきます。
「あっ、お姉さま、イ、イキそうですぅ、いいっ、いいっ!」
 その瞬間、バラ鞭がパサッと、私のおっぱいを軽く打ちつけてきました。
「はうっ!いい、もっとぉ!」
 私の懇願とは裏腹に、バラ鞭の感触はおっぱいに戻りません。

「ほら、直子。イっていいわよ」
 唐突なお姉さまのお声は、私の股間のほうからでした。
「あっ!お姉さま!イキますっ、イってもいいですかぁ?」
「いいわよ、ほらっ!」
 クリットを爪で引っ掻かれました。
 ヒュンッ!
「あふぅっ!ぎゃぁっ!!」

 激痛がからだをつらぬき、全身がビクンビクン跳び跳ねました。
 お姉さまの、ほらっ、というお声を合図に、おマメにギュッと爪を立てられ、同時にヒュンという空気を切り裂く音とともに、鞭、おそらく乗馬鞭の切っ先が私の左乳首を噛んでいた洗濯バサミを弾き落としたのです。

「うんうん。いい啼き声だわ。瞬間、直子の膣がギュッと締まったわよ?こんなに無理矢理抉じ開けられているにも関わらず」
 お姉さまの愉快そうなお声は、相変わらず股間のほうから。
 そのあいだ乗馬鞭のベロが、ジンジン痺れて痛痒い私の左乳首を慰めるみたいに、サワサワ愛撫してくれていました。

「イったの?ねえ直子、今のでイった?」
 アソコを責める指は止めずに、お姉さまが尋ねてきます。
「あぅっ、え、えっと、イったような、ちがうような・・・んっ、んーっ・・・」
 あまりに唐突な激しい痛みに、瞬間すべてが真っ白く逝ってしまい、快感は間違いなく感じたのですが、自分でもよくわからない状態。
 からだはまだまだ、どんどん昂ぶっています。

「そう。でも大丈夫よ、もうひとつあるから。今度こそちゃんとイきなさいね?いい?」
「は、はい。お姉さまぁ・・・イ、イカせてくださいぃ」

 再びあの激痛がやってくる。
 唐突なのはもちろんですが、来るとわかっているのも、それはそれで怖いもの。
 あの痛みは、まぎれもなく快感でした
 だけど、出来れば何度も味わいたくない種類の激痛でもありました。
 恐怖と快楽は紙一重。
 左おっぱいの疼痛が薄れると、右おっぱいの洗濯バサミの疼痛に意識が集中して、ドキドキが止まりません。

「さあ直子、イクときはどうするのだっけ?」
「はい。お姉さま、イカせてください、マゾでヘンタイのどうしようもない直子を、どうか、どうかイカせてくださいぃ」
「ふふふ。からだが小刻みに震えているのは、気持ちいいからだけではなさそうね?」
 お姉さまの愉しそうなお声に覚悟を決めて、アイマスクの下でギュッと目をつむります。

 鞭を操っているかたの見当はついていました。
 こんなに見事に乗馬鞭を操れるのは、あのかたくらいしかいらっしゃらない。
 憶えのあるパフュームも微かに香っているし。
 でも、なぜ今日ここへ?

「さあ、イクわよ、さん、にー、いち、ぜろっ!」
 お姉さまの、ぜろっ、の掛け声でさらに目をギュッと強くつむると、ワンテンポ、いいえツーテンポ遅れて、ヒュンと鞭が鳴りました。
「ぎゃあっ、あぁーーーーーっ!!!」
 
 フェイント大成功。
 来るっ!と思ったら来なくて、あれっ?と思った瞬間、緊張が途切れた瞬間を、激痛が見事に襲いました。
 そのあいだ中、クリットが潰され引っ張られ、膣内は滅茶苦茶に掻き回され、弾け跳んだ洗濯バサミが転がる音に間髪入れず、バラ鞭がバシバシッとおっぱいを乱れ打ってきました。
 私のからだは、触覚がヘンになったみたく、どこもかしこも感じまくっていました。
 後から後から快感の波が全身に押し寄せてきます。

「あっ、あっ、まやイク、またイク、イっちゃうーーーっ!!!!」
「いやっ、だめっ、もう、もうっ、いやーーーっ!!!!」
「イクイクイクイクイクぅーーーーっ、くるくるくるくぅーーっ!!!」

 私の意識は、この日最大級の快楽の大波に遠くまでさらわれ、からだの機能もすべて失われ、今度はしばらく戻ってきませんでした。

「ごきげんよう。おひさしぶりね、直子さん。お元気そうで何より」
 目を開けると、アイマスクはすでにはずされていました。
 仰向けの私の視界に、覗き込むように私を見下ろすシーナさまのお姿がありました。

 シーナさまは、黒のエナメルっぽいビスチェと、同じ素材らしいTバックを身に着けていらっしゃいました。
 あとは、素肌に素足。
 こういうちゃんとした、と言うのもおかしいですが、本格的なボンデージファッションに身を包んだシーナさまを拝見するのは、ずいぶん久しぶりな気がします。

「ご、ごきげんよう、シーナさま。あの、えっと、お久しぶりです・・・」
 一応ご挨拶を返す私の姿は、赤い首輪に手枷足枷の全裸で仰向け。
 おまけに両足は棒枷で大きく広げられたまま、左右とも手首と足首を繋がれた超M字状態。
 さらにとどめで、アソコは相変わらず悪魔のオモチャでポッカリ抉じ開けられたまま。
 そんな私の姿を、シーナさまがニヤニヤ見下ろしていました。

「あたしが無理言ってお呼びしたのよ。いろいろアドバイスいただこうと思って」
 おそらく私が不思議そうな声を出したからでしょう。
 視界の届かないところからお姉さまのお声が聞こえ、やがてお姿も視界に入りました。

 お姉さまもシーナさまとお揃いのボンデージファッションでした。
 シャワー上がりらしく、いつもはサイドに垂らしているワンレングスをセンター分けして後ろに束ねたお姿は、とても知的で切れそうな感じ。
 ボンデージ姿とも相俟って、一段とクール、この場合は意味通りに冷酷、に見えました。

「これはエミリーのブランドの商品なのよ。私も出た頃一着作ってもらって愛用しているの。すごくいい感じよ」
「ありがとうございます。シーナさんにそうおっしゃっていただけると、あたしも一安心です」
 
 お姉さまがにこやかに、シーナさまの後ろに立たれました。
 お揃いのボンデージファッションの女王さまがおふたり。
 ふたりの女王・・・あれ?あっちは王女だったかな?・・・そう言えば、お姉さまのお見立てだとシーナさまは、月影先生だったな・・・

「だから、まあ、今日はそういうことなの。直子さんの所有権の移譲と、引き継ぎもろもろね」
 シーナさまがお姉さまを振り返り、おふたりで、うん、と頷かれました。
「それと、一応おめでとうも言いにきたのよ。直子さんにもやっと、ステディな恋人が出来たのだから」
「あ、ありがとうございます・・・」
 私はまだ、なんだかドギマギしながら、小さくお礼を言いました。

「それにしても、こんなに大歓迎されるとは思ってもいなかったわ。わたしがこの部屋に入るなり、直子さんはいやらしい声でイクイク喘いでいるし、そばに寄ったらオマンコ、こっちが恥ずかしくなるほど大きく開きっぱにしちゃっているし」
「こういうの、ネットでは、くぱぁ、って呼ぶのよね」

「エミリーがまだシャワー中だったから、しばらくそばで見ていたのよ?そしたら、アンアン喘ぎながらも、お姉さま、お姉さまって、ひっきりなしにエミリーのこと呼んでいて、お熱いったらありゃしない」
「こういうのはネットで、リア充爆発しろ、っていうのよね」
「あたしが見ていた限りでも直子さん、最低3回はイっていたわね。あ、あたしがまざってからのは除いてよ」

 シーナさまは、なぜだかネット用語の注釈を挟みながら、いつものイジワルなお声で私をからかってきます。
 その毒舌口調がニクタラシクも懐かしくて嬉しいのですが、反面、私への呼び方が、直子、から、直子さん、へ戻っているのに気がついて、一抹の寂しさも感じました。
 お姉さまを見ると、お姉さまはシーナさまと私を交互に見ながら、シーナさまのお話にニコニコうんうん頷いていました。
 シーナさまはお姉さまのこと、エミリー、って呼んでいるんだ・・・

「ま、とりあえず、一休みしましょうよ。直子さんもイキ疲れてぐったりしているようだし。わたし、美味しいアイスクリーム買ってきたから」
 シーナさまが、私とお姉さまのお顔を交互に見ておっしゃいました。
「そうですね。このあとの予定もありますし」
 お姉さまも賛成され、私を見てニッと笑いました。

「そうそう。このあと直子さんは、さらなる未体験の快感に打ち震えることになるのだから。夜はまだまだ、これからだもの」
 シーナさまが愉快そうにおっしゃって、録画装置に付いているデジタル時計のほうに視線を遣りました。
 私もつられてそちらを見たら、時刻は22時22分でした。


就職祝いは柘榴石 08


2014年10月19日

就職祝いは柘榴石 06

 私の下腹部でハァハァ荒い息をされていたお姉さまは、やがて、ゆっくりと上半身を起こし、私のからだを跨いで立ち上がりました。
 それから、よろよろとベッドまで行って、ストンと腰を下ろしました。
「もっと早く、直子と出会えていたらよかったかな」
 気怠そうなお声で独り言ぽく、おっしゃいました。

 私は顔をそちらへ向け、仰向け大股開きのまま、お姉さまの次のお言葉を待ちます。
「鞭だけでイっちゃう人、見たの初めてだし、クンニだけでイっちゃったのも初めてよ」
 乱れた髪をかきあげて、物憂げに私を見ています。

「でも、今の直子が凄いのは、百合草女史やシーナさまの教育のおかげでもあるわけだから、このタイミングがベストなのかもしれないわね」
 ふっと笑うお姉さま。
「それにこれからは、直子はあたしひとりだけのものになるのだし」

 お姉さま、確か先週も同じようなことをおっしゃっていました。
 やっぱり私の過去のこと、気にかかるのかな。
 私は今は、お姉さまだけが一番大好きなのに。
 ちょっぴりモヤモヤ、フクザツな気持ちになりました。

 困惑顔になってしまった私に気を遣われたのか、お姉さまは私を見つめてニッと笑い、明るいお声でおっしゃいました。
「さあ、あたしもイってスッキリしたし、はりきって直子のマゾ度チェックのつづきをやりましょう!」
 スクッと立ち上がるお姉さま。
 黒のブラだけ身に着けて下半身は剥き出しのフェティッシュなお姿で、ツカツカと私に近づいてきました。

「とりあえず手錠をはずしてあげるわ。からだ起こせる?」
「あ、はい」
 仰向け状態から、腹筋運動の要領で上半身を起こしました。
 お姉さまが私の背中にまわり、後ろ手になっている両手首に巻かれた手枷同士を繋ぐ鎖ジョイントを、はずしてくださいました。

「ブラのホック、はずしてくれる?」
 お姉さまがシートに膝立ちになって、背中を向けてきました。
 私は、久しぶりに自由になった両手で、お姉さまのブラのホックをはずしました。
「ありがとう」
 お姉さまが立ち上がり、はずしたブラジャーをベッドに置いて、また戻ってきます。
 これでお姉さまも全裸。
「裸になるのって、やっぱり気持ちいいわよね?とくにこの部屋では、オールヌードが似合う気がするわ」
 お姉さまは、鏡にご自分の全身を映して、しげしげとご覧になられています。

「お姉さまのおからだ、とってもお綺麗です。素敵ですっ」
 私が心の底から思っていることです。
「ありがと。直子のからだは、とってもいやらしいわ」
 お姉さまが小さく笑いながら、私の勃ちっぱなしの右乳首を、指でピンと弾きました。
「あんっ!」
「鎮まる、っていうことを知らないみたいね?そこも相変わらずビショビショだし」
 大きく開いた私の股間を、人差し指で指さします。

「お姉さまも、今日は先週よりもたくさん、濡れていらっしゃいましたよ?嬉しかったです」
 さっきのことを思い出し、思わず告げてしまったら、お姉さまの驚き顔。
「あ、そうだったの?あたし、鈍感なのか、自分が濡れているかどうかって、実際にさわってみるまでわからないのよね」
「えっ?そうなのですか?私は、すぐわかっちゃいます。奥がチリチリムズムズして・・・」
「へー。あたしは、性的に興奮したら、たぶん今濡れているのだろうな、とは考えるけれど、それがどのくらいなのかまでは、ぜんぜんわからないわ」
 鏡に映ったご自分の股間に目を遣って、苦笑いされるお姉さま。

「だけど今日、先週よりもあたしが濡れていたとしたら、それは間違い無く、直子に鞭をふるったせいだわ」
 銀色シートに転がっている乗馬鞭とバラ鞭に、チラッと視線を遣ってつづけます。
「直子のお尻に鞭していたとき、すっごく興奮しちゃったもの。直子が呻くたびにゾクゾク感じちゃった」
「自分の手で直接、誰かに物理的な苦痛を与えることなんて、そうそう出来ることではないものね?」
「しかも直子は、それを望んでいるし、悦んでくれるのだもの」
「どんどん興奮して、とうとうがまん出来なくなっちゃって、直子に舐めてもらったの」
「そっちも気持ち良くって、病みつきになっちゃいそう。征服感って言うのかな?やっぱりあたしって、苛めっ子体質だったのね」
 お姉さまが私の顔を覗き込み、イジワルそうにニッと笑いました。

 それは重々承知しております、お姉さま。
 だから私はお姉さまに惹かれたのです。
 私をいたぶるときのお姉さまの美しい瞳には、シーナさまにも負けないくらいの激しいエスの炎が、煌々と灯っておりました。

「ローターもたくさん持っているのねえ?それもリモコンのばっかり」
 全裸のお姉さまが銀色シートにしゃがみ込んで、オモチャ箱を覗き込んでいます。
 細長い翳りの下にチラチラと、濡れそぼったピンク色が見え隠れして卑猥です。
 思わずじっと、そこばかり追いかけてしまいます。

「どれがどれのコントローラーだか、わかるの?コントローラーもたくさんあるけれど」
「だいたいは、わかります。でも、そのブルーの、昔の携帯電話みたいな形のやつを使えば、全部が動きます。シーナさまが改造してくださいました」
「へー。器用な人ね。このクリットローターも、この貝みたいなやつも?」
「はい。リモコンのバイブも動きます。シーナさまがしたわけではなくて、誰かに頼んでやっていただいたらしいですけれど」
「ふーん。こういうのは、外で遊ぶときに愉しそうね」

 お姉さまがブルーのコントローラーをパチパチ試して、小首をかしげています。
「あ、今は全部電池を抜いてありますから、動かないです。電池類はまとめて、そっちの小さな箱に・・・」
「なるほどね。これが全部一斉に動き出したら凄いだろうな、って思ってやってみたけれど、電池抜いてあるのね、残念」
 さほど残念そうでもないお姉さまが、ローター類も銀色シートに並べていきます。

「そう言えば直子は、モロな形のバイブはNGだったわね?男性器型の」
「あ、はい・・・」
「あたしも賛成よ。生々しいのは好きじゃないわ。なんだか笑っちゃうのよ、あの形で」
「あっ、シーナさまも同じこと、おっしゃっていました」
「直子んちのバイブはみんなオシャレな形よね、ディルドも」

「ディルド?って?」
「あら、ディルド、知らないの?たとえばこれのことよ」
 お姉さまの右手に、直径の違うガラス球を何層も重ねたような形状の、私お気に入りの一品が握られています。

「バイブっていうのは、正式にはバイブレーターだから、バイブレーションするもののこと。つまり電池で震えたり、クネクネ動いたりするもの」
「ディルドっていうのは、動かない、ただの張り型ね。ほら、よく電動コケシなんて言うじゃない?」
「電動コケシはバイブレーター、ただのコケシはディルドなのよ」
「そうだったのですか。私、深く考えずに、そういったものは全部、バイブって呼んでいました」
「ふふ。直子らしいわね。あたしもこのガラスディルドは好きよ。うちにもひとつあるわ」
 お姉さまの手が愛おしそうにガラスディルドの凸凹を撫ぜています。

「直子は、この中ではどれが一番お気に入りなの?」
 銀色シートにズラリと並べられた、色も形もさまざまな8本のバイブとディルド。
「えーっと、一番良く使うのは、そのピンクのディルド、じゃなくてバイブです。電池を入れると動くから」
 さっきのガラスディルドと似た形状なのですが、スイッチを入れると球と球のつなぎ目の所を軸にディルド全体が震えながら、クネクネとランダムにうねり始める仕掛けのものでした。

「ふーん。それもシーナさんから?」
「あ、はい」
「だったらあたしが、それよりもっと直子が夢中になっちゃうようなやつを、探してこなくちゃいけないわ、ね?」
 お姉さまがピンクのバイブを手に取り、パチンと私にウインクしました。

「さすがの直子のオモチャ箱も、もうあと残り少なくなってきたわね」
 お姉さまは、そろそろ空になりつつあるスーツケースの、ポケットや仕切りの中を調べ始めました。
「これは、掃除機の先に取り付けるアダプターね。これで吸い込んじゃうんだ」
「玩具の手錠に縄手錠、こっちのはマジックテープ式か。南京錠、ローション類、馬油、ベビーオイル、ローソク」
「こっちの小さな袋には・・・あらあら、スースーする塗り薬が一杯。よく集めたわね?この虎のやつとか、凄そう」
「ナワトビトと、鎖もけっこうあるのね。これは使わせてもらおうっと。あら、手枷と足枷もあったのね」

 お姉さまが引っ張り出した赤いエナメルの手枷を見て、思い出しました。
 東京に来て初めての夏のある日、シーナさまにアイスタイマーの遊びを教わったとき、ベッドに磔にされる際に使ったものでした。
「でも、これエナメルだし、あたしのやつのほうがずっといいから、今後はあたしのだけ使いなさい!」
 お姉さまの真面目なお顔に気圧されて、思わず、はいっ!と大きく頷く私。

「うわー!これは強烈ね!」
 一際大きい、お姉さまの呆れたようなお声とともに引っ張り出されたのは、例の悪魔のオモチャでした。
「これって、洗濯物干しを改造したのよね?この洗濯バサミでラビアを挟んで、広げたまんま丸見えにしちゃうのでしょう?」
 さすが、お姉さま!
 その形状をご覧になっただけで、用途まで当ててしまわれました。

「これもシーナさん?」
「いえ。これはもともとミイコさま、あ、えっと水野さまのお手製で、私のために作っていただいたものです」
「へー。水野先輩も器用なのね。最初はきっと、ご自分のために作ったのでしょうね」
 お姉さま、ミイコさまもマゾなことまでご存知なんだ。
 おつきあいお古そうだから、当然といえば当然なのでしょうけれど・・・
 あ、そっか。
 ミイコさま、服飾部の先輩だったのかな?

 ミイコさま作の悪魔のオモチャは、やよい先生のお宅におじゃまするたびに持参するように言われ、ヴァージョンアップを施されました。
 最初にいただいたときは、リングが直径20センチくらいの赤いプラスティック。
 そこにゴムの滑り止めが付いた金属製の洗濯バサミ4つがゴムで繋がれた、簡単なものでした。
 それが何度かのヴァージョンアップの末、現在は、すごく使いやすく、その上情け容赦の無い仕様になっていました。

 リングは直径約25センチほどの合成樹脂製で、鮮やかなオレンジ色。
 そこに等間隔で6つの金属クリップが繋がれています。
 金属クリップの挟む部分は滑り止めラバー、挟む力はイヤリングと同じ方式で調節出来ます。
 クリップとリングを繋ぐのはゴムではなく細い鎖。
 そして、その鎖の長さも、リングに施されたストッパー機能で自由に調節出来ます。
 なので、一度ラビアを噛んだクリップは、どんなにヌルヌルしてもはずれることなく、また、鎖を目一杯引かれて留められると、ゴムと違って決して緩むことなく、恥ずかしい部分を思い切り広げられたまま固定されてしまうのです。

 最近は使っていなかったこの悪魔のオモチャを、お姉さまに取り付けていただく場面を妄想してゾクゾクしていたら、お姉さまの唐突なお声に遮られました。

「あらら、もうこんな時間なの!?いけないいけない。あたしいったん、シャワーを借りて汗を流してくるから、ね?」
 なんだか慌てたふうのお姉さまが、念を押すように私の顔を覗き込んでから、すぐにお顔をそむけました。
 何かをごまかすようなご様子。
 頭にクエスチョンマークを浮かべながら録画装置に付いているデジタル時計を見ると、21時35分でした。

「あたしがシャワーしているあいだ、直子は独りで愉しんでいていいからね」
 銀色シートに並べたお道具を眺めながらの、お姉さまのお言葉。
「直子って、からだ柔らかいのよね?少しくらい窮屈な格好でも平気よね?」
「あ、はい・・・」
「それと、コントローラーやローターの電池を教えて。これとこれとこれと・・・」
 お姉さまが選んだのは、楕円ローター3つとクリットローター、お気に入りのピンクのバイブとあともう一本でした。 
 仰せの通り、合う電池を指定すると、お姉さまがそれぞれに入れて試運転。
 ひとつのコントローラーで、全部がそれぞれヴーンと震え始めました。
「おっけーね。それじゃあ、愉しむためのセッティングをしてあげる」

 まず、私の右手首の手枷が右足首の足枷に繋がれました。
 腕は脚の外側を通り、もはや上半身をまっすぐ伸ばすことは出来ません。
「あっ!お姉さま?」
 同様に左の手首と足首も。
 背中を丸めて無理矢理な体育座りのような格好の私は、その窮屈さに、たまらず背中を床に着けて寝転んでしまいます。
 棒枷で大きく広げられた両足が宙に浮き、盛大な大股開きで寝転がる格好。
 棒枷の銀色パイプが、土手の上辺りをひんやり通り、膝を折った両脚がアソコを基点とした見事なMの字を描いています。

「ああんっ、いやんっ」
 アソコを大きく広げたまま宙に放り出すようなこの格好は、恥ずかし過ぎます。
「いい格好よ。とても直子らしいわ。両脚が綺麗なMの字だし」
 全裸のお姉さまが嬉しそうに見下ろしています。

「それから、これもやっぱり試したいわよね」
 悪魔のオモチャを手にしたお姉さま。
 ニッと笑って私の股間に腕を伸ばしてきました。

「あうっ!お姉さまぁっ」
 しなやかな指でラビアをつままれ、クリップの先がぎゅうぎゅうとラビアのお肉に食い込んできます。
「ヌルヌルしていてもクリップが滑らないのね。さすが水野先輩」
 お姉さまの指が手際良く動き、クリップが私のラビアを次々に挟んでいきます。
「あっ、いたぁぃぃ、お姉さままぁぁっ」
 あれよという間にアソコの円周を6つのクリップで囲まれてしまいました。
 だけどまだ、鎖は弛んだままなので、噛まれている痛みだけです。

「指先ビショビショになってふやけちゃった、直子のそこ、とても熱いんだもの」
 愉しそうなお声。
「次は鎖を引っ張って、このピンで留めればいいのね。こういうのは、対角線ごとがセオリーよね」

 私から見て、アソコの楕円の右上を噛んでいるクリップが、まず引っ張られました。
「ああんっ、だめですぅぅぅ」
 ラビアの皮膚がビローンと引っ張られ、粘膜がひきつります。
「うわー、ここって意外と伸びるものなのね」
 好奇心一杯なお声と共に、今度は左下。
「いゃぁぁっ!」
「直子自慢の柏餅の中身は、熟した柘榴だったのでしたー」
 右下、左上、左横、右横と、こじ開けられて固定されました。

 噛まれているラビアの疼痛、引っ張られてひきつる粘膜のむず痒さ、滲み出て滴るおツユのこそばゆさ、その部分をどうにも出来ない恥辱感・・・
 そういうのがないまぜとなり、アソコ全体がズキズキ疼いて、中もヒクヒク蠢いてしまいます。

「うわー、凄いことになっちゃった。ポッカリ空いちゃって、これは恥ずかしいわね。全部丸見えよ?」
「あたし、誰かのここをこんなに押し広げて、まじまじ見るの生まれて初めてだわ。皮膚が引っ張られて、肛門までちょっと広がっちゃってるわよ」
 お姉さまがカメラのリモコンを操作し、その部分から私の顔までが綺麗に収まるアングルに調整されました。

 お姉さまったら、なぜ急に、こんなたたみかけるように私を虐め始めたのだろう?
 なんだか時間も気にされているようだし、何かこの後、予定でもあるのかしら?
 頭の片隅に、そんな疑問もふと湧いたのですが、手際良く次々と責めてくるお姉さまに翻弄されて、深く考えることは出来ませんでした。
 
「さあ、これで準備完了。思う存分愉しむがいいわ」
 右手にピンクのバイブを握ったお姉さまの愉快そうなお声は、完全にエスの人のそれでした。

「あ、でもこのバイブ挿れても、これだけポッカリ空いていると、震え始めたら、バイブが暴れてすぐに抜けちゃいそうね」
「残念だけれどローターにしておきましょう。その代わり大きいの、2個挿れてあげる」
 お姉さまが、楕円形のローターを一度ご自分でしゃぶってから、私のソコに挿入しました。

「はあうっ!」
「ツルンと入っちゃった。はい、もうひとつね」
 ローターのリモコン受信アンテナが昆虫の触覚みたく、こじ開けられた穴から2本、飛び出しています。

「それから、これね」
「うっ!んふーんっ!」
 不意に肉芽をつままれ、カバーがかぶせられ、スポイトで吸いつけられました。
 クリットローター!
「これさえあれば、もうイキっぱなしでしょう?」
 お姉さまがコントローラーを私に見せ、スイッチを入れるフリをして、からかいました。

「これはオマケね」
「はうっ!だめぇっ!」
 両乳首にスースーするお薬、たぶん虎さん印のやつ、が塗り込められ、間髪を入れず、木製の洗濯バサミでギュッと挟まれました。
「はあうぅぅーっ!」
 独特なメンソールの強い匂いが目と鼻を刺激し、両乳首がポカポカズキズキ疼いてきました。

「さてと、シャワーしてくるわね。あたしが戻るまで何度だってイっていいのよ、嬉しいでしょ?」
 お姉さまがご自分の指に残ったスースーするお薬を、私のおへそのあたりになすりつけています。
「ただし、イクときは、シャワーを浴びているあたしにも聞こえるくらいの声で、イキまーす、って宣言するのよ?それがあたしたちスールのルールなのだから、わかった?」
「は、はい」
 お姉さまが身を屈め、私の唇にチュッとキスをくださいました。

「それじゃあ行ってくるわね、ボン・ボヤージ、マシェリ、ナオーコー」
 お姉さまは、私から離れるときにサササッと、私の両目をアイマスクで覆いました。
「あっ!お、お姉さま!?・・・」
 
 突然視界が真っ暗になって、びっくりして、咄嗟に呼びかける声が終わらないうちに、ローター類が一斉に震え出しました。


2014年10月13日

就職祝いは柘榴石 05

「一声出すごとに腰がガクガク上下に揺れてたいわよね?いやらしい言葉を口にするだけでも、そんなに感じちゃうんだ?」
 お姉さまの蔑むようなお声が背中に降りかかります。
「ぅぅっ、ご、ごめんなさいぃ、マゾでごめんなさいぃ・・・」

「それにほら、今もすけべなヨダレがトロトロ滴っているわよ?ひょっとして、イっちゃったの?言葉だけで」
「いえ、ま、まだ、でもあともうちょっとで・・・」
「ふうん。もうちょっとかあ」
 からかうようなお姉さまの口調。
「は、はぃぃ、お願いしますうぅ、イカせてくださいぃ、お姉さまぁ」
 ここぞとばかりに、声を振り絞る私。

「わかったわ。直子の顔が辛そうすぎて可哀相だから、一回イカせてあげる。でも普通の方法ではないわよ。面白いものがあったから」
 何かひんやりとした布のようなものが、私のお尻をスルッと撫ぜました。
「ひゃんっ!」

「こういう本格的な鞭って今まで実際に使ったことないから、愉しみだわ」
「この、先っぽがいくつもに分かれているのがバラ鞭よね?それでこっちは乗馬鞭かな?」
 バラ鞭の、その名の通りバラバラになった紐状の革の先っちょで、高く突き出しているお尻をパラパラと撫ぜられました。
 からだが期待でゾクゾク震えてきます。

「もっとちゃちなのはさわったことあるけれど、これはずいぶん本格的よね。本革みたいだし」
「これもきっとシーナさんの置き土産よね?どっちがより痛いのかしら?これとこれ」
 ニ番目の、これ、のとき、左の尻たぶを乗馬鞭のベロ部分で、ペシッと叩かれました。
「あぅっ!い、痛さで言えば、い、今の、乗馬鞭のほうですぅぅ」
「ふーん。それじゃあまずはバラ鞭からかな」

 おっしゃりながらリモコンを操作されたらしく、カメラが私のお尻から後方へ引いていき、床に這いつくばった私の全身を、上方斜め右から見下ろすように狙うアングルになりました。
 右側を向いている私の顔も、小さいながらしっかり映っています。
 いやらしく突き上げている自分のお尻の左横に、黒のブラとショーツだけを身に着けたお姉さまのスレンダーなお姿が見えました。
 お顔までは画面に入りませんが、右手にバラ鞭を、左手に乗馬鞭を握っていらっしゃるのがわかります。

「さっき定規でちょっと叩いただけで、あんなに身悶えちゃった直子だもの、こういうちゃんとした鞭なら、きっとすぐイっちゃうのでしょうね?」
 お姉さまの右手のバラ鞭が、パサッと軽く、私のお尻に振り下ろされました。

「あうっぅ、はいぃ、どうぞ存分に、直子のお尻を虐めてくださいぃ」
「どのくらい耐えられるの?」
「あ、いえ、どうぞお好きなだけ」
「本当にいいのね?」
「はいぃっ!」

 私は、モニターに映るお姉さまの右手の動きを、今か今かと凝視しています。
 やがてお姉さまの右手がスーッと上がりました。

 パサッ!
「あうっ!」
 パシャッ!
「うぅぅ!」
 お尻にバラバラと当たる鞭の感触は、それほど痛いものではありません。
 だけど、回数が増えるごとにジワジワと火照りが蓄積し、いてもたってもいられない被虐感に包まれていくのです。

 お姉さまは、最初は恐々という感じでしたが、そのうちにコツを掴まれたらしく、打擲がリズミカルになってきました。
 パシャッ!
「うぅぅ!」
 パシャッ!
「ひぃっ!」
「なんだかだんだん愉しくなってきたわ。気持ちいい。SMしている、っていう感じ」
 お姉さまのハスキーなお声が、少し上ずっています。

 上から打ち下ろし、左から打ち払い、右からも打ち払い、下から打ち上げる。
 そのたびにてんでバラバラの革鞭が、私のお尻の皮膚を満遍なく、強く弱く打ちつけてきます。
 そのたびにいやらしい呻き声をあげる私。

「どう?気持ちいい?」
「はうっ!、はいぃぃっ!」
「ほら、もっといい声で啼きなさい」
「ひゃんっ!」

 自虐オナニーのとき、自分で自分を鞭打つことは、今まで何度もしてきました。
 でも、やっぱり誰かにされるほうが何万倍もいい。
 自分で打つと、当然ながら自分の手のやることですから、いつどこに鞭が来るか事前にわかりきっているので、スリルがまったく無いのです。
 お姉さまの、ときに連打、ときに焦らすような鞭使いが、私のドキドキをどんどん駆り立ててくださいます。

 ヒュンッ!ピシッ!
「はうっ!!」
 突然、空気を切り裂く鋭い音の後、一際強い痛みが左臀部を襲いました。
 お姉さまが乗馬鞭に持ち替えたようです。

「あら、こっちは本当に強烈みたいね。ベロの形通りに痕がついたわ。見るからに痛そう」
 ヒュンッ!ピシッ!
「キャンッ!」
 今度は右の尻たぶ。
「いい声ね。ゾクゾクしちゃう」
 お姉さまの愉しそうなお声の中に、明らかに冷酷な響きが混じってきていました。

 お尻がジンジン熱を持って、感覚が鈍くなっているようにも感じるけれど、鞭が当たった瞬間の痛みは、回を増すごとにどんどんエスカレートしていきます。
 同じ場所に連続して当たると、痛くて痛くて涙が滲みます。
 もうこれ以上無理、許してください、と懇願したい気持ちと、もっとください、めちゃくちゃにしてください、という自虐的な気持ちの鬩ぎ合い。
 焦らされてしばらく鞭が落ちてこないと、ホッとしているのに、おねだりするように腰が動いてしまいます。
 お姉さまは鞭を頻繁に持ち替えて、容赦無く私のお尻を打ち据えました。

「直子のお尻、満遍なく真っ赤っかよ?満遍なく腫れちゃってる。内出血もしてそうだし、大丈夫?」
 お姉さまのちょっぴり心配そうなお声。
「はぁはぁ、大丈夫ですぅぅ、もっと、もっとぉぉ」
「まだイケないの?」
「もう少しですぅ、もっとぉ、もっとくださいぃ・・・」

「まったく!呆れたヘンタイマゾムスメね!早くイきなさいっ!」
 心配して損をした、とでも言いたげな冷酷非情なお声。

 バシッ!
 お姉さまのバラ鞭が、私の大きく開いた股間を下から上へ、ちょうど性器を撫で上げる格好で勢い良く当たりました。
「はうぅぅっ!!」
 からだ全体を電流がつらぬきました。
 暴れた鞭先の一本が、私の腫れ上がったクリトリスをジャストミートでヒットしたのです。
 その瞬間、目の前が真っ白になりました。

「からだ全体がヒクヒク痙攣しているわね?何?イったの?直子」
「もっとくださいぃ、もう一回、もういっかいぃぃぃ」
 お尻をグラグラ振ってアピールします。

「イってませんんーっ!もう少しなんですぅぅ、イかせてぇ、イかせてくさいぃぃぃ」
「あっ!そっか。今、鞭の先がクリットに当たって、それでビクンとしたのね?なるほど」
 おっしゃりながらもう一回、バラ鞭が股間を勢い良く撫で上げました。
「ううぅ、そうですぅ、もっと、もっとそこに鞭をくださいぃぃ」

「そっか、これが気持ちいいんだ」
 お姉さまのバラ鞭が、まさに乱れ打ちという感じで、私のお尻を乱打し始めました。
「お尻ぶたれて、クリットぶたれて、ヘンタイ直子はそんなのが気持ちいいんだ?そんなのでイキたいんだ?」
「はいぃはいぃ、気持ちいいいいぃぃですぅぅぅ」

 股間を下から上への打擲割合が増え、そのたびに私の性器がピチャピチャ音をたて、ときどきクリットをヒット。
「ほら、イキなさい!」
 バチンバチンという打擲音と、あうあう呻く私の喘ぎ声の淫靡な輪唱。

「ほら、直子がイクときは、どうするのだっけ?」
 絶え間なく鞭を振るいながら、お姉さまも息を荒くされています。

「はぅっ!イキますぅ、イキますぅ、お姉さまぁぁ・・・」
「ほらっ、イキなさい!」
「ひぃっ!イキますぅ、イカせてくださいぃ、お姉さまっ、おねえさまぁぁぁ」
「さっさとイキなさいっ!」
 かなり強烈な一撃が連続で、二度三度と私のクリットをクリティカルヒット!
「はうぅぅっ!!あっ、あっ、いッ、イキますぅぅぅぅぅっ!!!」

 ハァ、ハァ、ハァ・・・
 気がつくと私もお姉さまも、荒い息遣いで肩を上下させていました。
 お姉さまは、私のお尻の横にしゃがみ込んでいます。
 私は、激しくイッた余韻とお尻ヒリヒリのムズ痒さに懲りもせずまだムラムラ。
 アソコがひっきりなしにムズムズ疼いています。

 突然、お姉さまが、ゆらり、という感じで立ち上がりました。
「はぁ、はぁ・・・直子、あたし、もう、がまん出来ないの・・・」
 おっしゃるなり、私の両足を繋いでいる棒枷がむんずと掴まれました。

「仰向けになるのよ!はら、早く!」
 棒枷で下半身を吊り上げるように乱暴に持ち上げられたので、顔がタオルに押し付けられました。
「あんっ、お姉さまっ!痛いっ!」
 からだが下半身から強引に捻られて、まずは横向きになりました。

 大股開きの側臥開脚を恥じらう暇も無く、後ろ手のまま仰向けに。
 ずっと潰されっぱなしだったおっぱいが息を吹き返しました。
 両腕は背中の下。
 両足が大開脚状態なので、膝を立てると即大股開き。
 でも、火照ったお尻に銀色シートの冷たさが気持ちいい。
 ただし、シートは自分のおツユでヌルヌルベタベタですが。

 仁王立ちのお姉さまが私を見下ろしています。
 久しぶりに肉眼で拝見するお姉さまのお姿。
 細かいレースのゴージャスな黒のランジェリー。
 トップもボトムもシースルーっぽい、とてもエレガントかつエロティックな下着姿。
 クールなワンレングスが乱れて、白くて細い首に黒い髪が汗で貼り付き、からだ全体もうっすら汗ばんでいらっしゃるようで、匂い立つようなオトナの色香ムンムンなお姿です。
 お姉さまは、少し潤んだような瞳で私を見下ろしています。

「直子ばっかり気持ち良くなるのは、不公平よ!」
 少し怒っていらっしゃるようなお声でつぶやくと、その場でスルスルッと黒いショーツを下ろされました。
 足首からショーツをはずすと、そのままツカツカと寝ている私の頭のほうに歩いてきました。
 そして、お顔を私の膝のほうに向けて私の顔面を跨ぎ、そのまま腰を落としてきました。

「舐めなさい。舐めてあたしも気持ち良くしなさい!」
 私の顔面の真上にお姉さまの剥き出しの股間があり、お姉さまのご命令のお声と共に、その部分がグングン私の顔面に迫ってきました。
「は、はぃ、むぐぅぅ・・・」
 私がお答えしようとしたときには、すでに私の唇はお姉さまの下の唇に塞がれていました。

「しっかり舐めてっ、あたしをイカせなさいっ!」
 明らかに興奮されているお姉さまの息遣いに、私はすっごく嬉しくなります。
 一週間ぶりのお姉さまのヘア、お姉さまのお味。
 先週よりも遥かにたくさん濡れていらっしゃいました。

 舌を思い切り突き出して、お姉さまの中に侵入します。
 お姉さまも両腿を一直線にまで広げて、侵入を助けてくださいます。
 舌を動かして、お姉さまの中を舐め上げます。
 花びらをしゃぶり、粘膜を舐め上げ、壁を擦り、美味しい蜜をジュルジュル飲み込みます。
 私の顎の先あたりがお姉さまの肉芽のはずなので、顎をしゃくり上げてその部分も刺激して差し上げます。
 ときどき焦らすように舌を抜いて、お尻の穴までペロペロ舐め上げます。

「あっ、いいわっ、そこよ、そこ・・・」
「あうっ、もっと、もっと強く・・・」
「うっ、それ、それがいいわっ・・・」
「いいわ、じょーずよ、そう、そこぉ・・・」

 お姉さまの悩ましいお声に、私はますます激しく舌を動かします。
 お姉さまが腰を押し付けるようにグイグイ密着させてくるので、窒息しちゃいそう。
 でも、お姉さまのアソコに息の根を止められるのなら本望です。
 顔中をお姉さまのお尻に押し付けて、うーうー唸りながら一生懸命ご奉仕しました。
 ネットリとした白い蜜を、夢中ですすりました。

 お姉さまのせつないお声が切れ切れになり、荒い息遣いのリズムが上がって、すぐにハスキーな遠吠えが響き渡りました。
 お姉さまの腰が私の顔の上でピクピク痙攣しています。
 やがて、お姉さまのお顔ががっくりと、私の下腹部に倒れ込んできました。
 顔面からお姉さまのアソコが離れ、私の口の周りはびしょ濡れでした。

 顔を上げた私の目の前に、お姉さまの美しいお尻の穴がありました。
 お姉さまはしばらくのあいだ、ときどきからだをヒクヒク震わせて、私のお腹に頬を埋めていました。
 私はお姉さまのお尻をうっとりと見つめ、喩えようのない幸せな気持ちに包まれていました。


就職祝いは柘榴石 06


2014年10月5日

就職祝いは柘榴石 04

「これは何?ああ、電動歯ブラシね。1、2、3・・・なんで6本もあるの!?」
「えっと、ほとんど私ので、あとのはシーナさまです」
「ふーん。何に使うのかは、だいたいわかるけれど、どうして6本も必要なのかしら?」
「あの、えっと、2本組み合わせて使ったり、あと、メーカーによって振動がけっこう違ったりもして・・・」

「へー、研究熱心だこと。でも今これ使ってどこか磨いたりしたら、きっと直子はすぐイッちゃうでしょうから、とりあえずパスね」
 色とりどりの電動歯ブラシを私の足元に並べるお姉さま。

「ホイッパー、ガラスのマドラー、栄養ドリンクの空き瓶。このへんは挿れて愉しむのよね?あっ、これ、懐かしい!」
 明るいお声と共にお姉さまがスーツケースから引っ張り出したのは、小さなカエルさんのおもちゃでした。
 ゴム製のけっこうリアルなカエルさんと、楕円形で手のひらサイズの空気ポンプが細くて長いチューブで繋がっていて、ポンプを押して空気を送ると、カエルさんの脚がビョーンと伸びて、ジャンプしたり泳いだりするおもちゃ。

「これもまさか、挿れちゃうの?」
 おっしゃりながら、お姉さまがポンプをプニプニ押すと、そのたびに緑色のカエルさんがピョンピョン跳ねました。
「あ、えっと、これはお友達にどこかのお土産ってもらって、可愛いからお風呂で遊んでいたとき、ふと思って、これを挿れたらどんな感じかなって、試したら・・・良くて」
 私とカエルさんを交互に見て、呆れたようなお顔をされるお姉さま。

「・・・アソコの中でモゾモゾ動いて、なんだか得体の知れない生き物に中を検査されているみたいな妄想が広がって、夢中でパフパフしちゃって・・・」
「ふーん。そんなにいいのなら、あとでやってあげるわ。これ、全部挿れてあげる」
 後日、私がおもちゃ屋さんなどを巡って買い足して全部で3匹となったカエルさんたちも、私の足元に並べられました。

「いろんな種類の筆に刷毛、メイクブラシ、ペットグッズのネコじゃらしまであるのね」
「使い捨てのゴム手袋、くっつく包帯。この大きな麻袋の中は何かしら?」
 お姉さまは、ひとつひとつ品物をスーツケースから取り出しては、私の足元に並べていきます。

「ああ、麻縄か。なんだかいい色に光って、年季が入っているわね。ちゃんとお手入れしているんだ?」
「はい・・・ミイコさまとシーナさまから教わって・・・」
「こっちの袋にはクリップ類が一杯。洗濯バサミは木製かステンレスなのね。あら、目玉クリップなんて、挟んだらかなり痛くない?」
 麻縄の束も洗濯バサミも、わざわざ袋から出して私の足元に置かれました。

 銀色のレジャーシートの上に、一見脈絡の無いさまざまな品物が、公園のフリーマーケットのお店みたく並びました。
 どれも最低一度は、私の肌や粘膜をいたぶったことのあるものたち。
 自分で集めた、自分を虐めるためのお道具をこうしてあからさまに目の前に並べられると、自分のどうしようもないヘンタイ性癖の歴史を赤裸々に突きつけられている気がして、ものすごく恥ずかしくなってきます。

「日用品系は、こんなところかしら」
 お姉さまは、スーツケースから取り出した30センチのプラスティック定規を右手で持ち、ご自分の左手のひらを軽くペチペチ叩いています。

「まだまだ面白そうなものがたくさん入っているけれど、このへんでちょっと、気分転換しましょうか」
 私の足元に並べたお道具たちをザザザっと、無造作に私の左側、お姉さまの足元のほうに押しやりました。
「充分にスペースを空けておかないと、体勢崩したとき、金属とかの上に倒れこんで怪我でもしたら危ないからね」
「・・・?」
 私は、キョトンとお姉さまを見ていました。

「直子?」
「はい?」
「四つん這いになりなさい」
「えっ!?」
「そこでまずひざまづいて、頭は鏡に向けて、お尻をカメラに向けて、四つん這いになりなさい」
「あ。えっと、はい・・・」
 お姉さまの豹変した冷たいお言葉に、背筋がソクソクッ。

 ご命令に従うには、まず回れ右をしなければいけません。
 棒枷で固定された両足をズルズル摺り足で、からだを180度回しました。
 鏡の中の自分と目が合い、私の全裸正面が映ります。
 それから、ゆっくりと両膝を曲げ始めました。

 この過程で私は、棒枷の、その残酷な威力に気がつきました。
 両足のあいだを約70センチ幅にも広げられたまま両膝を床に着いたら・・・
「ほら、さっさと床に這いつくばりなさいっ!」
 プラスティック定規でペチッと、背後のお姉さまにお尻を叩かれました。
「ひっ!あんっ!はいぃ!」
 膝を深く折るごとに、恥ずかしさが増していきます。

 和式のおトイレで用を足すときよりも数段大げさに両足を開いた状態で、その場にしゃがみ込む格好になりました。
 この段階ですでに、私の両腿の付け根部分は全開です。
 それから少し上体を前傾させ、両膝を床に着けます。
「ああんっ、いやぁんっ!」
 このあと、前屈みになってお尻を持ち上げたときの自分の格好がまざまざと脳裏に浮かび、激しい羞恥に思わず声が出てしまいました。

 四つん這い、と言っても、両手は手錠状態で背中に回されているので、上半身を両腕で支えることは出来ません。
 必然的に、上半身の支点となるのは頭。
 膝立ち姿勢から上体を前に傾けて、床に頭から飛び込んでいくのは、かなりの恐怖心を伴います。
 躊躇しているとお姉さまが、40センチ四方くらいに折りたたんだ白いバスタオルを、私の目の前に置いてくださいました。

「ほら、とりあえずここに頭を着けなさい」
 私の傍らにしゃがみ込んだお姉さまが、バスタオルを定規でツンツンつつきます。
「は、はいぃ」
 意を決した私は、その場で土下座するみたいに、バスタオルに正面から顔をうずめました。

 背中がお尻からの急降下斜面となり、背後のお姉さまに開ききったお尻を突き出す格好になります。
「顔は、モニターが見える方向に向けておきなさい。ほら、お尻はもっと高く上がるでしょ!?」
 タオルにうずめていた顔を右に向けると、左頬がタオルに沈みます。
 ふくらはぎと太腿が直角になるほど、グイッとお尻を上に突き上げました。
 両おっぱいの上部分のカーブが銀色のシートにベッタリ貼り付いて潰れ、両乳首がシートに擦れます。

「ふふ。すごい姿になったわね。直子が好きなカエルそっくり」
 お姉さまの愉しそうなお声。
 リモコンを弄っているのでしょう、右側のモニターに私のお尻がズームアップしてきました。

「いい眺めだこと。直子って、お尻の穴周辺にもまったくヘアが無いのね。ツルッツル綺麗で羨ましいわ」
 そんなに羨ましくもなさそうな、お姉さまのお芝居がかったお声。
 ドアップになった私の裸のお尻の前に、お姉さまの後頭部が邪魔するみたいに大きく映り込んでいるので、直接至近距離で、まじまじとそこを覗き込んでいらっしゃるのでしょう。

「お尻が左右に目一杯割れちゃっているから、アソコも割れて中の具まで覗けているわよ?」
 お姉さまがおしゃべりするたびに、その部分の皮膚にお姉さまの吐息がコソコソかかります。
 そのじれったい刺激と、あまりの屈辱恥辱感、それに相反するはずの恍惚感がごちゃ混ぜとなり、私の息もどんどん荒くなってしまいます。

「おツユがダラダラ垂れて、すごくいやらしい匂い。あら、お尻の穴がヒクヒク動いたけれど、直子、感じているの?こんな格好にされたのに?」
「はぁ、はぁ、はぁぃ・・・」
「こんなにみじめでみっともない格好なのに、そんな姿を視られて嬉しいんだ。何もかも丸見えで、クリットなんて、弾けて破裂しちゃいそうに膨れ上がっているわよ?」
「あぅぅっ、はぁ、はぁ、はぁぃ・・・」
「ふん!いやらしい子!」
 不意にモニターからお姉さまの後頭部が消えました。

 大きなモニター画面には、私のお尻を画面全体に捉えた白い肉塊のドアップ。
 お姉さまがおっしゃった通り、左右の尻たぶが見事に泣き別れになって、その中央に、周囲をシワシワで飾られた小さくて丸い穴と、その少し下に縦長の楕円形に広がったピンクの穴が、まるっきり無防備にさらけ出されていました。
 普通の女の子なら、絶対誰にも視られたくない、あまりにも屈辱的なアングル。

 そう考えた刹那、左の尻たぶに強い刺激が。
 パチンッ!
「あうっ!」
 お姉さまのプラスティック定規が私のお尻に振り下ろされた音でした。

「こんな格好にされたのに、悦んで愛液をダラダラ垂らすようないやらしい子には、お仕置きが必要よね?」
 パシンッ!
「あうっぅぅ、はぁぃぃ」
「だけど直子みたいなヘンタイだと、お仕置きもご褒美になっちゃうのよね?」
 パシンッ!
「うっぅぅ、はぁぃぃ」
「直子はお尻叩かれるの、大好きなんでしょ?」
 パシンッ!
「はうっぅぅ、はぁひぃぃ」
「マゾだものね?」
 パシンッ!
「はうっぅぅ、はひぃぃ」

「叩いたところがみるみる赤くなって、面白いわね、これ。もっと強いほうがいい?」
「はぁいぃ」
 バシッ!
「いたぁひぃぃっ」
「もっと強く?」
 バシンッ!
「はぁひぃぃ。もっとぅぅ」
 バシンッ!
「気持ちいいの?」
 バシンッ!
「はぁひぃぃ・・・」
「そろそろイキそう?」
 バシンッ!
「はぁひぃぃ!もっとぅ、もっとぅぅぅ!」
「じゃあやーめた」

 それきり、お姉さまの定規がお尻に降ってこなくなりました。
 また、焦らし責め。
 息をハァハァ荒くしながら、しばらくはお姉さまのイジワルさを呪っていた私でしたが、いつまでもつづく沈黙にだんだんと不安になってきました。
 
 床のタオルに左頬を押し着けた私の視界は、右側のモニターとその周辺しか見れません。
 お姉さまが私の背後や左側に居られると、そのお姿がモニターに映り込んだときしかお姿を確認出来ないのです。

「・・・お姉さま?」
 お尻への打擲が途絶えてしばらくすると、お姉さまの気配がまったくしなくなっていました。
 お姿も見えず、お声も聞こえず。
 苦労して顔を左側に向け、そちらも確認してみましたが、お姉さまのお姿はありません。
「・・・お姉さまぁ?」
 私が二度目に、大きな声でお姉さまを呼んだとき、私のお尻のほうから、微かな衣擦れの音が聞こえました。

 あ!
 きっとお姉さま、お洋服を脱いでいらっしゃるんだ!
 思い当たった途端に、不安が消し飛びました。

「直子のお尻叩いていたら、少し汗ばんじゃったから、リビングで服、脱いできたわ」
 私のお尻間近から、お久しぶりなお姉さまのお声が降ってきました。
 私は急いで、自分の顔をモニター側に向け直しました。
 でも、モニターには相変わらず、私のお尻のドアップしか映っていませんでした。

「うわー。お尻の左側だけ真っ赤っか。熱そう」
 お声と共に、モニターに再び、お姉さまの後頭部が侵入してきました。
 チラッと見えた白い肩先には、黒いブラジャーの紐らしきものが見えました。
「でも、叩かれて感じる、っていうのは本当のようね。ワレメが、以前にも増して濡れそぼって開き気味だもの」
 お姉さまの興味津々なお声が、吐息と共に私の皮膚を愛撫してきます。
「熱持って、なんだか痛々しいから、これで撫ぜてあげる」

 お声と同時に、赤くなった右の尻たぶに、こそばゆいものが当てられました。
「あふぅんっ!」
 モニターにチラッと映った感じでは、たぶんメイクブラシ。
 それも一番毛先が細くて柔らかい、私お気に入りのチークブラシのよう。

「ふぅん、んふふんっ、だめですぅぅぅ」
 熱を持ったお尻の敏感になっている皮膚をコショコショとくすぐられて、思わずお尻が大きく揺れてしまいます。
「おねだりしているみたいに腰振っちゃって、本当にスケベな子ね」
 なじるようなお姉さまのお言葉とは裏腹、ブラシの愛撫は止まらず、どんどんお尻の穴のほうに近づいてきます。
「いやんっ、くすぐったいですぅぅ」
 蜜がトロトロ、粘膜から滲み滴り落ちるのが、自分でも分かります。

「百合草女史とお会いしたとき、面白いこと、おっしゃっていたのよ」
 お姉さまは、私のお尻の穴の円周をなぞるようにブラシの毛先で撫ぜ回しながら、愉しげな口調でおっしゃいました。
「直子、女史やシーナさんに、ここはあんまり可愛がってもらえなかったんだって?」
 
 ここ、っていうお言葉と同時に撫ぜられたのは、お尻の穴。
 お姉さまのブラシが、今はもろに、私のお尻の穴を上から下から撫ぜつけていました。
「あふんっ、は、はい?」
 くすぐったさと恥ずかしさに身悶えしつつ、ご質問の意味がよくわからず、曖昧にお返事する私。

「あのふたりに、今までここにされたこと、思い出せる?」
 相変わらずピンポイントでそこをブラッシングされながら、再度のお尋ね。
「あぁん、えっと、百合草先生には、ぅふぅんっ、お浣腸と、あと、タンポンを挿れられたのは、憶えていますぅ」
「シーナさまには、そ、そう言われてみれば、ぁふうんっ、ゆ、指とか、ローター当てられたくらい、ですぅ、ううう、かな?」

「ふーん。自分では?」
「あ、えっと、自分だと、お浣腸と、指と、あと、マ、マドラーの先っちょを、ちょっ、ちょっとくらい、ですぅぅ」
「ふーん」
 お姉さまが操るブラシの毛先が、私のお尻の穴から離れました。

「おふたりがおっしゃるにはね、直子が将来、ステディなパートナーをみつけたときのために、ここだけは、そのまだ見ぬパートナーのために開発しないで、とっておいてあげよう、って決めていたのですって」
「えっ!」
「ほら、百合草女史は直子のヴァージン破っちゃったし、マゾ性を開花させちゃった張本人。シーナさんは、マゾの心得をどんどん教え込んで、直子のヘンタイ度を上げちゃったわけじゃない?」
「だけど、おふたりとも、直子を自分だけのパートナーに出来る立場ではないから。それぞれすでに本命がいるしね」

「だから、いつの日か直子にめでたく相手が出来たとき、ひとつくらい、その人の手で開発出来ることを残しておいてあげよう、って決めたんだって。それがここ」
 お姉さまのブラシが、もう一度私のお尻の穴をスルッと撫ぜました。
「あはんっ!」
「そしてあたしが、めでたく直子のパートナーとして認められたのよ、おふたりから」

「直子はもちろん、ここを弄くられるの、好きよね?」
「ぁあんっ、はいぃ」
「たとえキライって言われたって、あたしはヤル気マンマンよ?せっかくふたりが残してくれた未開発部分なのだもの」
 お姉さまが毛先を穴に強く押し付けて、やがて離れました。
「あはぁんっ!」
 微かなチクチクがもどかしい。

「あたしも、今まで誰かのここをイタズラしたのって、アユミにふざけて浣腸して紙オムツさせたくらいだったな」
「がまんしきれずに洩らしちゃったアユミの辛そうな顔を見たときは、すごくゾクゾクしたものだわ。あの情けない臭いにも、妙に興奮しちゃったし」
「それにここって、開発すればするほど、どんどん淫乱になっちゃうらしいじゃない?直子がそうなったとき、どんな顔を見せてくれるのかしら?」
 夢見るようなお姉さまの愉快そうなお声が、背中へ降りそそぎます。

「ねえ?直子はここのこと、いつも何て呼んでいるの?」
 お姉さまのブラシが、私のお尻の穴に戻りました。
「あんっ!えっと・・・お、お尻、の穴」
「他には?」
「ア、アナル・・・」
「他には?」
「ア、アヌス・・・」
「他には?」
「えっ、えっと、こ、肛門・・・」
「その呼び名の中で、どれが一番恥ずかしいと思う?」
「そ、それはやっぱり・・・えっと・・・こ、肛門がやっぱり・・・かな?」
「おーけー。それなら、こう宣言なさい」

 背後でお姉さまがカサカサ何かされる音がして、やがて一枚の紙片が私の目の前に差し出されました。
 レポート用紙大の紙に、細めの黒マジックの端整な文字で、短い文章が書かれています。
 紙片を置くときにチラッと見えたお姉さまのお姿は、上下黒の艶やかなランジェリー姿でした。

「大きな声で、ゆっくり、はっきり読むのよ?あたしたちスールのロマンティックな思い出として一生ビデオに残るのだから」
 お姉さまのお芝居がかったお声には、クスクス笑いが少し混じっていました。
「は、はいぃ!」
 
 お返事すると、カメラが更にズームアップしてきて、画面の中心が私のお尻の穴のアップになりました。
「あ!いっ、いやんっ!」
 直径10センチくらいにまで拡大された、自分のお尻の穴。
 恥ずかし過ぎて死にそうです。
「ほら、早く読むのっ!」
 パチンと平手で、高く突き上げたお尻をお姉さまにぶたれます。
「はいぃっ!」

「わ、私、も、森下直子の、のい、いやらしい、こ、この、こ、こう、もん、んっ、こ、肛門は、こ、これから一生、え、絵美お姉さま、ぁんっ、お姉さまだけの、もの、んっ、ものであることを、ち、誓いますぅぅぅぅ」
 
 自分で読んでいる文章の意味、その一字一句が私のマゾ性を激しくゆさぶり、お姉さまへの忠誠心が漲ります。
 同時に、被虐な血の昂ぶりで全身が滾り、イク寸前、息も絶え絶えにつづきを読み始めます。

「ど、どうぞ、どうぞっ、い、いつ、いつでも、ご、ご自由に、にっ こ、このこ、この肛門を、お、お使いください、くださいませぇぇぇ、ハァハァハァ・・・」
 
 まさしく私の本心が代弁された文章と、自分の肛門のドアップ画面を交互に見ながら、私の恥辱メーターは、振り切れたまましばらく戻りませんでした。


就職祝いは柘榴石 05