2011年5月29日

しーちゃんのこと 06

私の背より50センチくらい高くて頑丈そうな本棚には、少女マンガ、少年マンガ混ぜこぜで、ずいぶん昔の名作から最新刊まで膨大な数のコミックス本が判型を合わせて整然と並んでいます。
棚が横にスライドする方式の本棚なので、裏にもまだ本が詰まっています。
軽く1000冊くらいはありそう。
「親が持っていたのも並べてあるからネー」
最初にお部屋を訪ねたとき、しーちゃんが言っていました。

有名作家さん以外の作品は、ジャンルによっておおまかに分けられているみたいで、ラブコメ、スポーツもの、ギャグマンガ、ファンタジーもの、グルメものなどなどでひとかたまりになっていました。
これまだ読んでないっ、あっ、これも・・・
心の中でタイトルにチェックを入れながら、上から下まで順番にじっくり見ていきました。
一番下の段は、週刊マンガ誌と同じ判型の本が並んでいて、その大部分が背表紙のついていない、パンフレットみたいな二つ折り中綴じの薄い本でした。

私たちが中二で、私がまだあのトラウマを受けてない頃、みんなでしーちゃんのお部屋で遊んでいたとき、このコーナーから何気なく一冊取り出した私は、ひどいショックを受けました。

すっごく人気のある男子向けサッカーマンガの主人公とそのライバルが、上半身裸で顔をくっつけあってキスしているカラーイラストが表紙に描かれていました。
「うわっ!」
私は思わず、大きな声をあげちゃいました。
「あーあっ。なおちゃん、みつけちゃったねー」
曽根っちがニコニコ笑って近づいてきます。
「そのへんはBLのどーじんぼんなんだよ」
「ビーエル?・・・ドージンボン?」
「同人本。アマチュアのマンガ好きな人たちが自主制作で、人気マンガの主人公や設定だけ借りて、自分の考えたストーリーで描いた本のことだヨ。それで、男の子同士でえっちなことをさせちゃうのがBL、ボーイズラブ、ネ」
しーちゃんも私の傍らに来て、教えてくれます。
「やおい、って前に話題になったじゃない?あの流れの二次創作本で、一年に何回か、そういうのばっかり集まった盛大な即売会があってね・・・」
しーちゃんと曽根っちで、いろいろ詳しく教えてくれました。

その解説を聞きながら中身をパラパラッとめくると、二人が真っ裸になって抱き合っていたり、ライバルの告白に主人公が頬を染めていたり・・・
正直、私は、なんだかキモチワルイ・・・って思っちゃいました。
「パロディみたいなもんだからネー。ワタシは純粋にギャグマンガとして楽しんでるヨー」
しーちゃんは、無邪気に笑いながら言っていました。

そんなことを思い出して、今の私はこの段のは見れないなー、なんて考えていたら、ベッドのしーちゃんから声がかかりました。
「そこにあったBL本は、全部お姉ちゃんの部屋に移しちゃったから、今そこにある同人誌は、非エロと百合系だけだヨ」
しーちゃんは、月刊マンガ誌を読み終えたらしく、ベッドから下りて私の横にペタンと座り込みました。
「お姉ちゃん、BLにどっぷりハまっちゃったみたいで、最近は自分でも何か書いているみたい。もうすっかりフジョシ」
「フジョシ?」
「腐った女子って書いて腐女子」
「えーっ?しーちゃんのお姉さん、キレイな人じゃない?それに生徒会副会長でしょ?」
「そういうのはカンケーないの。考え方が腐っているから腐女子。だって一日中、男同士のカップリング、考えてるんだヨ?どっちが受けでどっちが攻め、とか」
「お姉ちゃんがそうなっちゃったから、ワタシはじゃあ、女同士でいこうかなア、なんて。百合系のほうが絵柄的にもキレイでしょ?」
しーちゃんはそう言うと、その段から一冊の薄い本を抜き出しました。
これまた良い子に大人気な美少女戦士が二人、裸で抱き合っている表紙でした。
私は少し、ドキンとします。

「お姉ちゃんがネー、ワタシが高校進んだら、同人誌の即売会、連れて行ってくれるって。そんときは、なおちゃんも、一緒に行こう?」
「う、うん。ぜひ」
「実はネー、ワタシも最近、ちょこっとマンガ描き始めたんだ。まだまだ人に見せられるほどじゃないけど・・・」
「今は受験勉強でそれどころじゃないけど、終わったら本格的に描くんだ!ガラかめの二次ものとか、描きたいなア・・・コスプレもしてみたいし」
しーちゃんが夢見る目つきでつぶやきます。

しーちゃんから手渡された美少女戦士の本をパラパラとめくってみます。
絵はあんまりうまくない感じですが、女の子同士で胸をさわりあったりして、感じている顔になっていたりします。
「しーちゃんは、こういうマンガをみると、何て言うか、その、コーフンしたり、するの?」
その絵を見ていたら、ちょっと大胆な気持ちになってきたので、思い切って聞いてみることにしました。
「うーん・・・コーフンってほどじゃないけど、ちょこっとドキドキしたりはするかナ・・・でも・・・」

しーちゃんはうつむいて、言おうか言うまいか少し迷ってたみたいでしたが、やがて真っ赤になったお顔を上げて小さな声で言いました。
「でもワタシ、まだ・・・まだひとりエッチをちゃんとしたことないんだよネ・・・マンガでやってるみたいに自分のからださわってみても、くすぐったいだけだったり、痛かったり・・・ぜんぜん気持ちいい感じがしないって言うか・・・」
「たぶんきっとまだ、ワタシのからだはオトナじゃないんだヨ。もうちょっと成長しないとサ・・・」
「・・・ふーん」
私は、ドキドキしながらしーちゃんの告白を聞いていました。
「だから、そういうのはきっと高校生になったらいろいろわかるんじゃないかなー、って思ってるヨ」
しーちゃんが私を見つめて、恥ずかしそうにニッて笑いました。
「ワタシ、こんなこと教えたの、なおちゃんだけだヨ。曽根っちにも言えない。なおちゃん、何でもちゃんと聞いてくれる感じがして、すごーく安心できるから」
しーちゃんがいつもの感じに戻って、ニコニコ笑って照れ臭そうに私を見つめてくれます。

その告白はすっごく嬉しかったのですが、私の心は、その後の展開に先走りしていました。
しーちゃんから、なおちゃんはどうなの?ひとりエッチしてるの?って絶対聞かれると思って、心臓が飛び出しそうなくらいドキドキしていました。
聞かれたら何て答えよう・・・少しだけ、でいいかな?どういうふうにするの?って聞かれたらどうしよう・・・こんなふうに、なんて教えてあげたりして、そのまま一気に今夜が二人の記念日になっちゃったりして・・・

でも、しーちゃんとのおしゃべりは、いつの間にか、今一番お気に入りのライトノベルのお話に移ってしまい、二度とえっち系な話題には戻ってきませんでした。

その後また少しゲームをやったり、おしゃべりをして夜が更け、二人とも眠くなってきました。
パジャマ代わりのロングTシャツに着替え、お夕食の後しーちゃんのお母さまが持ってきてくれたお布団を床に敷き、電気を消して横になりました。

「ねえ、なおちゃん、そっちだと寒くない?」
少ししてから、ベッドのしーちゃんが声をかけてきました。
「ううん。だいじょうぶ」
「暖房消すとけっこう寒いし、床も冷えちゃうし・・・なおちゃんもこっちで寝ヨ?って言うか、寝て・・・」
「う、うん。いいけど・・・」
私はまたドキドキしてきました。

お布団から出て、枕だけ持って、ベッドのしーちゃんの左横にからだをすべらせました。
「うふふ。ほらー、二人だとあったかいネー」
しーちゃんの体温でほんわか温まった毛布の中で二人、横向きに向き合いました。
しーちゃんのベッドは、二人だとちょっとだけ狭い感じ。
「今日はすごーく楽しかったヨー。ワタシなおちゃん、だーいすきっ!」
しーちゃんがそう言って、寝ている私のほうに両腕を伸ばし、私のからだを抱きしめてきました。
しーちゃんの頭が私の首の下あたりに埋まっています。
まるで小さな子がお母さんに抱きつくみたいな感じです。
「あらあら、しーちゃんは甘えん坊さんねー」
私も両腕でしーちゃんの背中を抱き寄せ、右手でしーちゃんの髪をやんわり撫ぜます。
「修学旅行のときお風呂で見たなおちゃんの裸、すごーくキレイだった・・・」
しーちゃんが私の胸に顔を埋めたまま、ボソボソっとつぶやきました。
「やんっ。恥ずかしい・・・」

しーちゃんは、下半身を丸めていて、毛布の中でしーちゃんの両膝が私の伸ばした太腿にあたっていました。
私の心臓がひっきりなしにドキドキしているのが、しーちゃんにも伝わっているはずです。
しーちゃんのからだは細くて、しなやかで、温かくて・・・
私は、この後どうするか、盛大に迷っていました。

そのうち、私の胸の谷間あたりに規則正しい寝息が、くすぐったく感じられるようになっていました。
どうやらしーちゃんは、私にしがみついたままあっさり、眠ってしまったようでした。

しーちゃんの生身のからだの感触にしばらくドキドキしていた私の鼓動が徐々に治まって、今は何て言うか、自分の中の母性のようなものを感じていました。
しーちゃんを守ってあげなくちゃいけない、みたいな。

焦る必要はないみたいです。
さっきのお話だと、しーちゃんは、まだ自分がえっちなことをするのは早すぎると思っているみたいだったし、高校に入ってから、いろいろしてみたいようだったし。
しーちゃんが私を好いていてくれることは、充分確認できたし。
新しいステップを踏み出すのは、高校に入ってから、が正解かな?
しーちゃんを抱く腕に力を込めて、そんなことを考えているうちに、私もいつしか眠りに落ちていました。

そんな夜を過ごしつつも、お勉強会の成果もあり、翌年の二月中旬、私としーちゃんは無事、第一志望の女子高校に合格することができました。


しーちゃんのこと 07

2011年5月22日

しーちゃんのこと 05

修学旅行の後、文化祭、体育祭とたてつづけにあり、文化祭では、私たちのクラスは演劇をやることになりました。
演目は、星の王子さま、で、曽根っちがキツネさんの役、あべちんが火山その2の役に選ばれました。
しーちゃんは背景美術、ユッコちゃんはタイムキーパー、私は衣装作りで、愛ちゃんが総監督。
みんな遅くまで学校に残って準備して、たくさん練習して。
文化祭最終日に体育館のステージで、たくさんのお客さんを前に曽根っちとあべちんが可憐な演技を見せてくれました。
体育祭では、愛ちゃんとユッコちゃんが徒競走やクラス対抗リレーで大活躍しました。

それも終わってしまうといよいよ、本格的な受験モードになってきました。
私も入試が終わるまで、バレエ教室をお休みすることにしました。
愛ちゃんグループでときどきやっているお泊り会も、お勉強会という名目に変わりました。
途中まではちゃんと真面目にお勉強していても結局、真夜中にはおしゃべり会になってしまうんですけどね。

グループのお勉強会とは別に、しーちゃん一人でもよく私の家にお勉強をしに来るようになりました。
「ほら、ワタシの部屋は勉強に適した環境じゃないんだよネー。遊ぶ物だらけだから、集中できなくって」
一週間に一、二回、放課後からとか、お夕食が終わった頃に訪ねてきました。
2、3時間集中してお勉強してからおしゃべり、っていうのがパターンでした。

数学や理科は私のほうが得意で、国語と社会はしーちゃん、英語は同じくらい。
お互いの不得意科目は相手に教えてもらって、すっごく楽しく有意義にお勉強できました。
お勉強の合間にしーちゃんの好きなアニメやゲームのことをお話したり、私がバレエのステップを教えたり。
私たちは、すっかり打ち解けていました。

母もしーちゃんのことがとても気に入ったみたいでした。
「しーちゃんて雰囲気がロココよねー。絶対、ゴスロリが似合うわよ。高校合格したらお祝いさせてね」
って、いつも言っていました。

しーちゃんは、私と二人だけのときは、よくしゃべるし表情も豊かで、みんなでいるときよりずっと明るいオーラを発していました。
私がそれについて聞くと、
「ワタシ、3人以上での会話って、苦手なんだよネー。ワタシがしゃべって相手が答えてくれる、相手が何か言ってワタシが答える、っていうくりかえしじゃないとちゃんと伝えられない、っていうか・・・。だから、みんなといるときは聞き役になってたほうが楽しい、みたいな・・・」
「同じこと、曽根っちにも言われてるヨ。曽根っちと二人のときも、ワタシけっこうしゃべってる」
「ふーん」
「なおちゃんも、そういうとこ、あるよネ?ワタシたち、似てるよネ?」
「うん。確かにそうかもしれない・・・」

曽根っちは、カレシとおつきあいを始めてから、私たちといる時間が少なくなりつつありました。
お泊り会も欠席しがち。
カレシにお勉強を教えてもらっているようです。
「しーちゃん、最近、曽根っちがあんまりかまってくれなくて、寂しくない?」
「うーん・・・正直言うとちょっと寂しいけど・・・でも、しょうがないヨ。曽根っちは、それがシアワセなんだもん。ワタシたちのつきあい長いし、曽根っちがシアワセになれるなら、ワタシ嬉しいし、それに・・・」
「それに、今はなおちゃんとこんなに仲良くなれたし、ネ?」
そう言って微笑むしーちゃんを、私はなりふりかまわずその場で抱きしめたくって、がまんするのが大変でした。

年末にかけて、たくさんの時間をしーちゃんと過ごしたことで、しーちゃんと私は、お互いの性格や好み、長所や短所など、たいがいのことは、わかりあえるようになっていました。
しーちゃんは、聡明で、素直で、恥ずかしがりやさんで、可愛らしくて、私はどんどん好きになりました。
ただ、えっちに関することについては、やっぱり言い出せないままでいました。
しーちゃんと親密になればなるほど、どんどん言いづらい感じになっていました。
穏やかな関係に余計な石を投げ入れて波をたてるのが、前以上に怖くなっていました。

その頃、私がお気に入りだった妄想オナニーのシチュエーションは、10月のある夜、確かしーちゃんがお泊りに来て楽しく過ごした次の日の夜、に、唐突に見た夢がヒントになっていました。

なぜだか、しーちゃんが悪い人にさらわれてしまいます。
私は、しーちゃんを助けるべく、悪い人のアジトに潜入します。
悪い人のアジトは、田舎によくある古くて大きいお屋敷みたいな日本家屋で、そのお庭のはずれの大きな土蔵の中にしーちゃんは閉じ込められていました。
なんでそんな建物なのか、と言うと、これは、その数日前にテレビで見た、田舎の旧家を舞台に、ちょっとえっちな場面もある推理サスペンスものの日本映画の影響だと思われます。
父の実家のお屋敷にも似てたかな?

しーちゃんは、薄暗い土蔵の中に下着姿、薄いブルーのスポーツブラとカワイイ青水玉のショーツ姿、で、お腹のところを縄で大きな柱にくくりつけられていました。
口には猿轡をされ、ガックリ首を落としてうなだれています。
「なんでこんなことをするのっ!?」
「それは、アナタをおびき寄せるためよ」
悪い人の声は、女性でした。
悪い人の顔は影に覆われて見えず、ワザと出しているような低い声だけが響きます。
「この子を助けたかったら、あたしの言う通りにすることね・・・」
悪い人の声に気がついたのか、しーちゃんがゆっくりと顔を上げて、私のほうを潤んだ瞳で見つめてきます。
「しーちゃんっ!」
「どうなの?あたしの言う通りにするの?」
「わ、わかりました。言う通りにします。その代わり早くしーちゃんの縄を解いてあげてください」
「聞きわけがよくて助かるわ」
悪い人は、柱の後ろ側にまわってお腹の縄をほどき、しーちゃんは膝から崩れてその場にペッタリ腰を落としました。
しーちゃんの両手は手錠で、両脚は足枷で、まだ繋がれたままです。
「この手錠と足枷は、アナタの今後の服従度次第ね。うふふ。それじゃあまず、服を全部脱ぎなさい・・・」

私は、なぜだか学校の制服を着て、そのアジトに乗り込んできていました。
震える手でブレザーのボタンをはずし、ブラウスのボタンをはずし、スカートのホックをはずし・・・
衣服を全部脱ぎ終えると、なぜだかその下にバレエの真っ白なレオタードを着ていました。
それもバストのカップと下のサポーター無しの、素肌にじかの状態で。

「あらー。やる気マンマンなのね?さあ、早くそれも脱ぎなさい」
何がやる気マンマンなのか、私にはわからないのですが、その言葉に私はカーッと恥ずかしくなって、みるみる乳首が勃ち、アソコが湿ってきてしまい、そのいやらしい証拠が薄い布地越しにクッキリと、バストの突起と股間のスジとなって浮き出てしまいます。
「ほら、早く言う通りにしないと、この子がもっとヒドイめにあうことになるわよ?」
私は、観念してレオタードの肩紐に手をかけて・・・

こんな感じで、この後私は、その悪い人にたっぷり苛められてしまいます。
四つん這いの恥ずかしい格好をさせられたり、洗濯バサミをたくさん挟まれたり、お尻をペンペン叩かれたり、裸のままお外に連れ出されたり・・・

そんな私の恥ずかしくてみじめな姿を、しーちゃんがじーっと見つめています。
お風呂場で私のからだを見つめてくれたときと同じ、食い入るような視線。
その肌に突き刺さるような視線が、ひどく気持ちいいんです。

その夢から目覚めたとき、私のショーツは、まるでオモラシしてしまったみたいにグッショリ濡れていました。
夢だけでこんなに濡れたりするのかな?
たぶん寝ている間に無意識に、いろいろからだをまさぐったのかな?
どちらにせよ、生まれて初めての経験でした。

このえっちな夢がすっかり気に入ってしまった私は、高校入学前後までムラムラ期が来るたびにいつも、責められかたの細部はいろいろ変えつつ、この夢を元にした妄想でオナニーしていました。
もちろん姿見の前で、声を殺して。

しーちゃんに直接手をふれたり、しーちゃんの手でふれられたり、ということは、いっさい考えませんでした。
しーちゃんを助けるために私が恥ずかしいことをしなければならない、っていう状況がひどく気に入っていたみたいです。

夢で見たとき、月の光が土蔵の高いところにある窓から一筋差し込んで、悪い人が相原さんだったとわかる、という場面があったので、妄想するときの悪い人役は、最初から相原さんになっていました。

この夢を細かく分析すれば、その頃の私のいろいろこんがらかってしまった深層心理、受験を控えたストレスとか、相原さんやしーちゃんに対する想いなどなど、がわかるような気もしたのですが、なんだか結論を出すのが怖い感じがするし、考え過ぎてますます迷路にハまってしまいそうな気もしたので、やめておきました。

冬休みに入って、年の瀬も押し迫ったある日、久しぶりにしーちゃんのお家に遊びに行くことになりました。
私たち二人、ずいぶん一生懸命お勉強してきたから、年末に一日くらい、楽しいものがたくさんあるしーちゃんのお部屋でマンガやゲームやアニメ三昧で過ごしてもバチは当たらないだろう、っていう、がんばった自分たちにご褒美お泊り会、でした。

お昼過ぎからしーちゃんのお部屋で、対戦テレビゲームやしーちゃんのおすすめアニメを見て楽しく過ごしました。
お夕食は、ご家族のほうのお部屋に招かれてご一緒しました。
しーちゃんのお父さまとお母さまも一緒で、お姉さんは、お出かけ中のため、いませんでした。
ご両親とも、今までみんなで遊びにきたときに何度もお顔を合わせていたのですが、こうして間近でご一緒してみると、しーちゃんのお父さまの温和そうなお顔は確かに、クイーンのベースの人に似ているかも、と思いました。
お母さまは、しーちゃんをそのままオトナの体つきにしたような可憐なかたで、相変わらずお綺麗でした。

すっごく美味しかったお夕食を終え、しーちゃんのお部屋に二人で戻りました。
「ふーっ。ちょっと食休みネ」
しーちゃんはそう言うと、ベッドに寝転んで、まだ読み終えていないらしい月刊少女マンガ誌を途中から読み始めました。
私は、みんなで来たときだとゆっくりと見れなかった、しーちゃんの膨大なコレクションがぎっしり詰まった本棚を、端からゆっくり眺め始めました。


しーちゃんのこと 06

2011年5月21日

しーちゃんのこと 04

今度は、脱衣所が私たちだけの貸し切り状態でした。
「いいお湯だった、ね?」
「うん」
裸のまま至近距離で、こそっと言葉を交わします。
私としーちゃんの顔がピンク色に火照っているのは、お湯にのぼせたせいだけではないはずです。

バスタオルで丁寧にからだを拭いて、時間をかけてゆっくり服を着ました。
さっさと服を着てしまうのが、なんとなくもったいない気がしたんです。
ショーツとブラを着け終えたとき、壁際に飲み物の自動販売機があるのに気がつきました。
「しーちゃん、何飲みたい?」
「えっ?}
しーちゃんも薄いブルーのスポーツブラとカワイイ青水玉のショーツ姿でした。

「あの自動販売機で牛乳売ってるの。ちゃんと瓶入りのやつみたいだよ。私、おごってあげる」
「えっ、ほんとに?いいの?・・・お風呂あがりは、やっぱり白牛乳だよネ?腰に左手あてて、上向いてゴクーッと飲んでプハァーッってするのっ!」
しーちゃんが愉快そうに笑ってから、
「それに・・・ワタシ、もっと大きくなりたいし・・・」
ちょっと声をひそめたと思ったら、私の顔をまじまじと見つめてクスッと笑い、しーちゃんにしては大きな声で、私を指さして言いました。
「でも、なおちゃんは白牛乳禁止ネ!コーヒー牛乳にしなさいっ。もうそれ以上大きくなったらダメですっ!」
しーちゃんのいたずらっ子なお顔に私が思わず吹き出すと、しーちゃんもプッと吹き出して、しばらく二人でクスクス笑いました。

「なおちゃんは、なんで女子高に行くことにしたの?」
お風呂からお部屋に戻る途中、二人で並んで歩いているときにしーちゃんが突然聞いてきました。
「なんで、って言われても・・・うーん、なんとなく・・・」
どういうふうに答えればいいのか・・・
しーちゃんなら、正直にいろいろお話しちゃってもわかってもらえそうな気もします。
それに、曽根っちのヒミツのことでもわかるように、みんなに言いふらしちゃうような人ではないし。

「なおちゃんは、共学に行くと思ってたヨ。昨夜、愛ちゃんも言ってたけど、なおちゃん、男子にもてそうだしネ」
「うーんと、そういうのは私、まだ苦手なの。男子とか、ちょっと怖い感じがして・・・」
「だから、まわりがみんな女子、っていうほうが気が楽かなー、なんて・・・」
言葉を選びながら、しーちゃんの反応をうかがいます。
「あ、なんとなくわかる。ワタシもそんな感じだヨ。男子がいないほうがラクそー」
しーちゃんは、ニコニコ笑ってうんうんうなずいてくれました。
「ワタシ、絶対なおちゃんと一緒の高校、行きたいっ!」
しーちゃんから手をつないできました。

お部屋に戻ると、勝負はすでに始まっていました。
「あー、お帰りー」
「けっこう長湯だっだねー」
「わたしら、曽根っちからいろいろ聞き出しといたから、トランプやりながら教えてあげようっ!」
あべちんが私たちのために席を空けてくれて、しーちゃんと隣り合って座り、大貧民ととりとめのないおしゃべりで修学旅行最後の夜も楽しく更けていきました。

修学旅行でしーちゃんと仲良しになれたのは、すっごく嬉しいことなのですが、同時に心の中にまた一つ、モヤモヤを抱え込んでしまいました。

修学旅行から戻ったその夜、私にムラムラ期が訪れました。
て言うか、学校で解散して、帰り道に一人になったときからずっと、しーちゃんとのお風呂での出来事ばかりを思い出していました。
あの出来事に私は、発情していました。

その夜、お風呂上りにお部屋の姿見の前で、早速オナニーを始めました。
思い浮かべるのは、しーちゃんからの指の感触、興味津シンシンなお顔、白い裸身、そして、私にさわられたときの困ったような表情・・・
自分の胸をまさぐっている私の両手は、しーちゃんの控えめな胸の感触をはっきり思い出していました。
しーちゃん、カワイイ・・・

その夜は、そのまま突っ走って、しーちゃんとの妄想だけでイってしまいました。
自分でも驚いたのは、私が普段している、痛くしたり、縛ったり、叩かれたりっていう妄想は全然必要なくて、しーちゃんと互いにやさしく愛撫しているのを思い浮かべるだけで、シアワセに気持ち良くイけたことでした。

終わった後、考え込んでしまいました。

私は、しーちゃんとそういうふうになりたいのでしょうか?
しーちゃんはカワイイし、性格もいいし、趣味もけっこう合うようだし、慕ってくれているし、大好きです。
だから、そういうふうになりたいと思うのも当然なこと?
いいえ、そう単純に割り切れない気持ちが、私にはありました。
一学期に経験した相原さんとのことが、私にブレーキをかけていました。

私は、相原さんとおつきあいするうちに、相原さんにどんどん惹かれていきました。
相原さんのお部屋で、二人でからだをさわりあってえっちなことをした後は、もうこれからずっと、いつでもどこでも相原さんと一緒にいたい、と思いました。
でも、相原さんにカレシが出来たことで、あっさり関係は終わってしまいました。
相原さんは、女性を恋愛対象としては見ていませんでした。

そして、日頃身近に接していた大好きな人との関係が終わっていく過程で感じる焦燥感と、終わったことを知った後の喪失感・・・
もうあんな思いは絶対したくないと思っていました。

しーちゃんは、女性同士の恋愛にも大いに興味を持っているように見えました。
二年生のときに冗談めかして、グループの5人の中だったら誰とつきあうか、って聞かれたしーちゃんが、なおちゃん、って答えてくれたのも憶えていました。
でも、そういうのは、あくまでもしーちゃんの空想、コミックやアニメで知って憧れている妄想の中でのお話かもしれません。
現実にしーちゃんが女性とそういう関係を持ってみたいと考えているのか、は、定かではありません。

さらに、しーちゃんがえっちなことについて、どのくらい興味があるのか、オナニーの経験はあるのか、誰かとそういう関係になるのを今現在望んでいるのか、についても、何一つ知りませんでした。

相原さんのときは、そもそもの出会いが、相原さんが私に自分の性的嗜好を披露するところから始まったので、その点はスムースでした。
相原さんと私の嗜好が合致して、短かい間に深い関係になれました。
ただ、相原さんにとって、女性とのそれは、単なる興味本位の遊びだったのだけれど・・・

相原さんとの出来事で、私は、普通のお友達以上の関係、何て言うか、裸で抱き合ってお互い楽しめるような、恋人になってくれる女性が欲しくてたまらなくなっていました。
自分でさわるのとは違う、誰かにさわられる気持ち良さ、が忘れられなくなっていました。
でも、それをしーちゃんに求めていいものなのでしょうか?

しーちゃんとは、おつきあいしてきた時間は長いのだけれど、今までそういうことはまったく話題にしてきませんでした。
だから今さら聞きにくい、ていうのもあります。
もしも私が本能のままにしーちゃんにえっちなアプローチをして、しーちゃんがそれに嫌悪を感じてしまったら・・・
拒絶されてしまったら・・・
その瞬間から、しーちゃんとだけでなく、グループの他のお友達たちとも気まずくなるのは目に見えていました。
それを考えると、やっぱり一歩踏み出すのは、躊躇してしまいます。

私が一番恐れていたのは、しーちゃんに対して私が勘違いなアプローチをして、中学三年間の愛ちゃんをはじめとする仲良しなお友達との思い出が全部崩れ去ってしまうことでした。
平穏な日常は、壊したくありません。
だったら日常のお友達には、そういうことを求めないほうがいいのかもしれません。

いろいろグダグダと考えても、結局答えはみつかりませんでした。
一つだけ確信したのは、私がしーちゃんに恋をし始めている、っていうことでした。
やよい先生や相原さんに感じたのとは、また何かが違う愛おしさ、その何かは自分でもわからないのですけれど、で、しーちゃんのことを想っていました。

しーちゃんのほうからアプローチしてくれないかなあ・・・
そんなムシのいい考えもしたりなんかして。

でも・・・

やっぱり今は、余計なことはしないほうがいいよね。
これからしーちゃんとたくさんいろいろお話すれば、しーちゃんのことももっともっとわかってくるだろうし。
それからだって、遅くはないもの。
とにかく今は、しーちゃんと同じ高校に進めるように精一杯仲良くがんばろう。

その夜にそう決めました。


しーちゃんのこと 05

2011年5月14日

しーちゃんのこと 03

お役目を終えてしーちゃんと二人、お部屋へ戻ると、みんなすでにお風呂に行ったみたいで誰もいませんでした。
「私たちもお風呂、行こ?」
「うん」
しーちゃんと連れ立って大浴場に向かいました。

しーちゃんは、今日は、バスタオルで隠すことはせず、淡々と裸になりました。
昨夜見られちゃったことで、もう平気になったみたいです。
シャンプーなどを入れたお風呂セットを片手に、一応、前にタオルを垂らして少し隠しつつ二人、浴室へ入っていきました。

「あっ!お疲れーっ!」
大きな声をかけてきたのは、湯船に浸かっていたあべちんでした。
あべちんのまわりには、他の3人が私たちに向かってそれぞれひらひら手を振っていました。
「けっこう時間かかったんだね?あたしたちそろそろ出るところなんだ」
と、愛ちゃん。
「うん。でも意外と面白かったよ。調理場の人もやさしかったし・・・」
答えながら、空いている鏡の前の場所を確保します。

今日は、昨日より人が少なくて、愛ちゃんたちの他に、別のクラスのグループが一組5人だけ。
私がまわりを見回したのに気づいたのか、曽根っちが湯船の中をしゃがんだまま私たちのほうに近づきながら、
「さっきまでかなり混んでいたんだけど、5分くらい前にみんな段々と出てったんだ。でも、あと20分くらいすると次のクラスの子たちの時間になってまた混み始めるから、しーちゃんたちもさっさと洗っちゃったほうがいいよ」
なんて教えてくれました。
「そうなんだ?」
私たちは、急いでからだを洗い始めました。

愛ちゃんたち4人は、私としーちゃんがからだを洗っている鏡のところに近い場所まで、みんなで湯船の中を移動してきて、浴槽の縁に頬づえをついて、私たちの裸の背中をジーッと鑑賞しているようです。
目の前の鏡の奥に、その様子がボンヤリと映っていて、時折、ヒソヒソ言ってクスクス笑ってるみたい。
お尻もバッチリ見られちゃってるよね、恥ずかしい・・・
私は、石鹸をいっぱい泡立てさせようとタオルにゴシゴシこすりつけ、そのタオルでからだをテキトーに撫ぜながら、モジモジしてしまいました。

「そんじゃあ、うちら先に戻るから。ほどほどにごゆっくり、ね?」
お風呂椅子に座ってからだを流していた私は、ふいにポンと軽く背中を叩かれました。
振り向きつつ顔を上げると、曽根っちの豊かなアンダーバストが頭上にありました。
「う、うんっ」
その、めったにお目にかかることのないアングルにドギマギして、声が上ずってしまいます。
「お先ー」
「お先にー」
私としーちゃんの背中をパンパン叩いてそう言いながら、愛ちゃんたち4人の裸のお尻が脱衣所へ消えていきました。

「しーちゃんは将来、美大とかに進むの?」
しーちゃんと二人、湯船の端のほうで、向き合って浸かりました。
広い湯船の向こうのほうには、別のクラスらしき5人が輪になってキャイキャイやっています。
大浴場には、湯船に私たち7人だけ、洗い場には誰もいなくて、ガランとしていました。

「うーん、わかんないけど・・・」
「しーちゃんもあの学校、受けるなんて知らなかった」
「あの学校はネー、お姉ちゃんが今、通ってるんだ。二年生。生徒会の副会長やってるんだヨ」
「へーっ!?」
「うちのおばあちゃん、パパのお母さんネ、も、あの学校出てるんだ。うちの家系の女の子は代々あの高校行ったんだって。だからワタシもできればなー、って」
「ふーん」
「それで、お姉ちゃんによるとあの学校、外から見ると、由緒正しくて規律が厳しいお嬢様学校、ってイメージがあるけれど、中に入ったらそうでもないんだって。服装とか細かいこともあんまりチェックしないし、先生も生徒もユニークな人が多いって」
「その代わり、勉強だけはかなり厳しい、って。ついていけなくて途中で転校する人も少なからずいるみたい」
「ワタシ、頭良くないからどうかなー、って思ったんだけど・・・でも、なおちゃんも行くんなら、ワタシも絶対入りたいなー」

ユラユラ揺れている半透明のお湯の向こうに、しーちゃんの白いからだがぼやけて見えています。
ひっくりかえしたお皿みたく少しだけ盛り上がっている胸と華奢な手足が、お湯の中で儚げに揺れています。
しーちゃん、カワイイなー・・・
知らず知らず水面を見つめてしまいます。

「だからなおちゃん、これからワタシに勉強、教えてくれる?」
うつむいている私の顔を覗き込むようにして、しーちゃんが小首をかしげています。
「う、うんっ!。もちろんっ!私も受かるかどうか自信ないんだけど・・・でも、受験まで二人で一緒にがんばろー!ね?」
お湯の中で二人、やんわり握手しました。

「しーちゃん、曽根っちのことは知ってたの?」
昨夜のことを思い出しながら聞いてみます。
「うん。夏休み中に曽根っちが報告に来たもん。進展があるたんびにすっごく嬉しそうに。だからあの告白、誰にも教えていないヒミツ、じゃないんだよネー、厳密に言うと」
しーちゃんがクスッと笑います。
「曽根っち、すっごく楽しそーにお話するから、聞いてるワタシも嬉しい気分になったヨ」
小さく笑ったしーちゃんは、言葉のわりには、あまり嬉しそうには見えませんでした。
「曽根っちとはおつきあい、長いんでしょ?」
「そう。小学生から。ママ同士が仲良かったからネー」
「曽根っちって、けっこう惚れっぽいんだヨー。あの人カッコイイよねー、とかよく言ってくる」
「今度のカレシは、しーちゃんも知ってる人なの?」
「ううん。でも写真見せてくれた。あの人に似てた・・・えーっと・・・」
しーちゃんは、テレビで人気のなんとかっていうアイドルグループのなんとかっていう男性タレントさんの名前を教えてくれましたが、バラエティ番組をあまり見ない私には、まったくわかりませんでした。

気がつくと、別のクラスのグループはあがってしまい、広い大浴場に私たちだけでした。
「しーちゃん、このお風呂、今は私たちの貸し切りみたい」
私は、中腰になって湯船の真ん中へんまで移動しました。
しーちゃんもついてきて、また二人でザブンと肩まで浸かります。
「気持ちいい~」
両脚を前に投げ出して全身をお湯の中で伸ばし、顔だけ上に上げます。
しーちゃんは、そんな私の行動をお湯に浸かったままジーッと見つめていました。

「なおちゃんの胸って、なんだかカッコイイ形だよネー」
しーちゃんがポツンと言いました。
「えっ?やだやだ、そんなことないよー」
じっと私の胸を見つめてくるしーちゃんの視線に、内心ドキンって胸を疼かせながらも、つとめて普通の感じに答えます。
「しーちゃんだって、全身キレイなまっ白いお肌で、お人形さんみたいだよー」
しーちゃんは、私の声なんか聞こえていないみたいに、ずーっと私のからだを見つめています。
「ねえ、なおちゃん?・・・」
「うん?」
「さわってみて、いい?胸・・・」
「えっ!?」

私の頭の中が高速でフル回転しています。
ここで必要以上に恥ずかしがるのもオカシイよね、しーちゃんとはお友達同士だし、お友達ならじゃれあってそんな遊びをしてもおかしくないし、しーちゃんはちょっとさわってみたいだけだろうし、でも感じてしまったらどうしよう、でもさわって欲しいし・・・

「う、うん、いいよ・・・」
私は、なるべく、そんなことは何でもないこと、っていう余裕ある雰囲気が出るようにニコニコ笑いを浮かべて、お湯に肩まで浸かったまま、しーちゃんに一歩、近づきました。
でも内心はドッキドキ。
間違っても絶対、ヘンな声は出さないようにしなきゃ・・・

しーちゃんと私は、湯船に肩まで浸かってしゃがみ、向かい合っていました。
お湯の表面が揺らいで、しーちゃんの右手が私の左おっぱいに水圧と共に伸びてきます。
乳首の左脇の肌をやんわりとつかまれました。
「わーっ、やわらかーいっ!」
今度は、左腕を伸ばしてきて、右おっぱいの肌も同じようにつかまれます。
「こっちもやわらかーいっ!いいなあー」
しーちゃんは、手のひらを軽く握るように動かして、ゆっくりモミモミしながら笑っています。
私は、お湯越しにしーちゃんの手の動きを見つめながら、うつむいてじっとしていました。
しーちゃんは、いつまでもそのままの姿勢で私の胸をモミモミしてきます。

「ね、ねえ?・・・わ、私もしーちゃんの胸、さわっていい?」
なんだかだんだん気持ち良くなってきてしまっている私は、その感覚を振り払うためにしーちゃんに話しかけました。
「え?うん、いいけど、ワタシの胸なんて、さわっても全然面白くないヨー?」
しーちゃんが恥ずかしそうに言いますが、私はそれには答えずに、しーちゃんが伸ばしている両腕の内側に自分の両腕を伸ばし、左右の手のひらを広げたまま、しーちゃんの胸に押し付けました。
左手のひらにしーちゃんの右おっぱい、右手のひらに左おっぱい。
しーちゃんの胸は、わずかになだらかに隆起しているだけで、そのふくらみ具合は、ちょうど私が中一だった頃、私がオナニーを覚えたてな頃の懐かしい感触でした。
「ほらー、しーちゃんだってちゃんとふくらんでいるじゃない?カワイイー」
あまり刺激しないように、かすかに手を動かしてモミモミすると、しーちゃんが照れたように私を見てニッて笑いました。

私の左右の手のひらの真ん中にそれぞれ、しーちゃんの小さめな乳首の感触がありました。
そしてそれは、間違いなく硬くなっている気がしました。
しーちゃんも今の状況に、ちゃんと感じてるんだー・・・
そう思った瞬間、私の乳首が左右同時にフワッとつままれました。
「あ、やんっ!」
思わず小さく呻いてしまいます。
私の乳首は、この状況になってからどんどん尖ってきていました。
幸いしーちゃんは、おっぱいの肌のほうだけにふれて乳首をほっといてくれたので、バレずにすむと思ってたのですが・・・

「なおちゃんの乳首、かわいいネー。つまみやすくてコリッコリ、赤ちゃん喜びそー」
しーちゃんは、私の乳首が硬くなっているのに気づいているのかいないのか、そんなことを言いながらプニプニと私の乳首を弄んできます。
そ、そんなにされると、か、かなりマズイことに・・・
私はうつむいて、必死に声が出るのをがまんします。
自分の乳首に与えられている刺激から、意識をそらさなきゃ、って焦ります。
その分、しーちゃんの胸に置いた自分の両手の動きが知らず知らず早くなってしまい、いつのまにか、しーちゃんもうつむいちゃっていて、二人の両手だけがお湯の中で動いていました。

ボイラーなのか換気扇なのか、けっこう大きめなザーーーていう音以外は聞こえない二人きりの大浴場で、私たちの周囲のお湯だけがユラユラと揺らめいています。
このままだと・・・

そう思ったとき、脱衣所のほうからガヤガヤとした音が聞こえてきました。
次のクラスの人たちが来たようです。
私としーちゃんは、同時に互いの胸から両手を離し、お湯の中しゃがんだまま、最初に二人がいた湯船の端のほうにゆっくりと移動しました。
「わー、今日はまだ空いてるよー」
ガラガラっと脱衣所からの扉が開いて、裸の女の子が4人、元気良く浴室に入ってきました。
「ほんとだー。早くからだ洗って温泉浸かろー」
「さんせー」
「りつ、泳ぐなよー?」
「きゃはははー」
3人、5人、また3人と知らないクラスの子たちが入ってきて、大浴場はまたたく間にワイワイガヤガヤ賑やかになっていきました。

「もう出よっか?」
しーちゃんに聞きます。
「そだネー」
しーちゃんが先にサバッとお湯の中で立ち上がり、背中を向けてゆっくりと湯船の縁に向かいました。
湯船から出るときに片脚を大きく上げたので、その白くて小さなお尻が割れて、ゆらめく湯気越しにしーちゃんのピンクな中身が一瞬チラっと見えたような気がしました。
ドキンッ!

洗い場に出たしーちゃんが私を振り返って微笑んでいます。
その視線に急かされるように、私も立ち上がりました。
しーちゃんは、お湯に濡れた私の全身を上から下まで、舐めるように見つめてくれました。


しーちゃんのこと 04

2011年5月7日

しーちゃんのこと 02

各自持ってきたお菓子とトランプの大貧民で盛り上がりながら、いろんなことをたくさんおしゃべりしました。

進路のお話もしました。
愛ちゃんとあべちんは、沿線近場にある公立高校、ユッコちゃんは、スポーツが盛んで水泳部が強い私立高校、曽根っちは、とある私立大学の付属高校に進学するつもりだそうです。
私は、なかなか決められずにいろいろ迷っていたのですが、夏休みの間によく考えて、沿線にある私立の女子高校に進むことに決めていました。
この高校は、この土地に古くからある歴史のある学校で、お勉強のレベルもけっこう上のほうな進学校。
私の学力だとギリギリのラインでしたが、他に良い候補がみつからないので、がんばって挑戦してみることにしました。

私がそれを告げると、
「あっ、ワタシもそこ、受ける予定」
しーちゃんが場に最後のカードを出して大富豪を維持しつつ、嬉しそうに言いました。
「でも、ワタシの頭じゃたぶん、受かんないだろうけどネー」
しーちゃんが私の顔を見て、はにかむように笑いました。
しーちゃんは、そこを含めて3つ、女子高ばかりを受験するそうです。

そんな感じでワイワイガヤガヤ楽しく時間が過ぎていきます。
「じゃあ、そろそろラスト三回勝負にしよっかー」
曽根っちが時計を見て場を仕切ります。
「最後の最後に大貧民だった人は、罰ゲームね。何にしよっかなー?」
「明日の自由行動のとき、みんなにアイスおごる」
「お風呂でみんなの背中を流す」
「くすぐりの刑とか」
みんな口々にいろんなことを好きに言い合っています。

「じゃあ、今現在大貧民のあべちんに決めてもらおう」
愛ちゃんの提案です。
「うーんとねえ・・・今まで誰にも教えていないヒミツを一つ、告白する、っていうのはどう?」
「いいね、いいねー」
「賛成!」
「わたし、なお姫のヒミツ、すっごく聞きたーいしぃ」
そういうことになりました。
って、私は何を告白したらいいのかな?・・・
一気にドキドキしてきてしまいました。

結局、私はなんとか平民を維持して、最後の最後に大貧民になってしまったのは曽根っちでした。
「こういうのって、たいてい言い出しっぺがなっちゃうんだよねー」
ユッコちゃんがニヤニヤしながら曽根っちの背中を軽くポンポンと叩きました。

トランプやお菓子を片付けて、並べて敷いたお布団の中央にみんなで顔を寄せてうつ伏せに寝そべりました。
「それではお待たせしました、ナカソネスミレさんの告白ターイムッ!」
言いながらあべちんが立ち上がり、お部屋の電気を薄暗くしました。

みんなの視線が曽根っちに集中する中、曽根っちは、しばらくためらってるみたいに目を伏せていましたが、やがて覚悟を決めて小さく口を開きました。
「アタシねえ、この夏休みの間に、カレシができちゃったんだ・・・」
「ええーーーーーーーっ!」
つぶやくような曽根っちの声をかき消して、私たちの驚愕の声が大きくお部屋に響きました。
「うそうそ、うそーっ!」
「え、どこでどこでどこでみつけたの?」
「誰?誰?誰?」
「うちの学校の人?何才?何才?」
私も含めてみんな一斉にワイワイと、曽根っちにいろんな質問を投げつけていました。

「あなたたちっ!明日も早いんだから早く寝なさいよっ?!」
突然、お部屋の扉がガラッと開いて、他のクラスの担任な女性の先生に厳しい声で注意されました。
各お部屋を見回っているのでしょう。
「は、はーい」
「ごめんなさーい」
「おやすみなさーい」
先生が扉をピシャリと閉めて出て行くと、みんなで耳をすませ、廊下から立ち去った頃合を見計らって、またボソボソとおしゃべりを始めました。

曽根っちのお話をまとめると、
そのカレシは、曽根っちのお姉さんの高校の頃のお友達の弟さんで、現在高校一年生、演劇部に入っているそうです。
お姉さんがまだこっちにいた頃にも二、三度顔を合わせたことがあって、その頃から曽根っちはその人のことをカッコイイな、と少し思ってて、この夏休みにお姉さんが帰ってきていたとき、お姉さんたちの同窓地元グループ数名でサッカーの試合を観に行くのについていったら、その人も来ていて、向こうからアプローチされて意気投合したんだそうです。

「顔はまあまあイケメン。でもそれよりもとっても優しい感じなとこが気に入っちゃった」
曽根っちがテレテレになって惚気ています。
私、つい最近にもこんなお話、たっぷり聞かされたっけなー・・・
シアワセそうな曽根っちのお顔を見て、私はデジャブを感じていました。

「それで、アタシたち、もうキスもすませちゃったんだ・・・」
薄暗がりでもわかるほど真っ赤に頬を染めた曽根っちのバクダン発言。
「おおぉーーーーっ!」
声を殺した低いどよめきがお部屋に響きます。
「胸もさわれちゃったし・・・」
「うわぁーーーーっ!」
「どんな感じだった?」
「気持ち良かった?」
「まさか、もっと先まで?」
あべちんも愛ちゃんもユッコちゃんも、興味シンシンで矢継ぎ早に質問を投げつけていました。

私たちのグループが、こんなに具体的に男の子との恋愛に関してお話ししているのは、そのときが初めてでした。
私は、曖昧な笑顔を浮かべてみんなのおしゃべりを聞きつつも、ビミョーな居心地の悪さを感じていました。
こういうお話は早く終わって欲しい、みたいな・・・

シアワセ一杯な曽根っちのお顔から視線をそらすと、隣にはしーちゃんのお顔がありました。
しーちゃんは、ときどき、うんうん、ていうように小さくうなずきながら、ニコニコ顔で曽根っちのお惚気を聞いていました。
だけど、そんなしーちゃんのお顔が、なぜだか私にはちょっぴり寂しそうに見えました。

「お風呂で見た曽根っちの裸、立派にオトナだったもんねー」
曽根っちの驚きの告白が終わって、みんなそれぞれ自分のお布団に潜り込んでから、暗闇の中であべちんがポツンと言いました。
「やっぱり曽根っちが一番最初にオトナになりそうだねー」
「直子の胸もキレイだったじゃん、ピンクの乳首がツンとしててオトナみたいな色っぽさだった」
ユッコちゃんが言います。
「ううん、ユッコちゃんや愛ちゃんみたくスポーツで鍛えたしなやかなからだのほうが断然カッコイイよ」
私は、お布団の中で恥ずかしくなりながら、精一杯抗議します。
「なおちゃんだってバレエしてるし。なおちゃんにその気なくても男子がほっとかないって。曽根っちの次はなおちゃんかなー、カレシできるの」
愛ちゃんが悪気の無い声でニヤニヤ冷やかしてきます。
「わたしも高校生になったらカッコイイカレシ、作らなきゃなー」
あべちんの夢見るような声。

「でも、高校進んでも、カレシが出来ても、社会人になっても、一年に何回かはみんなで集まって遊ぼうよ、ね?」
ユッコちゃんがお話をまとめるみたいに提案します。
「うん」
「もちろん」
「うん」
「あたしたちの友情は、何があってもずーっと変わらないから」
と、愛ちゃん。
「そのときまでに、みんなに自慢できる、超イケメンなカレシ捕まえるぞーっ!」
曽根っちのお話に一番影響を受けちゃったのは、あべちんのようでした。

翌日は、朝早くからさまざまな名所旧跡を観光しました。
前の夜のお話なんて無かったみたいに、みんなあえて何も蒸し返さず、ワイワイキャーキャーと無邪気に楽しくはしゃぎまわって、非日常な旅行気分を満喫しました。

あっ、一回だけ話題になってたっけ。
曽根っちが真剣にアクセサリーのお土産を選んでいたとき。
「あー、熱い、熱い」
って冷やかしていたのはあべちんでした。

夕方にホテルに戻り、大広間でまたお夕食。
食べ終わった後の後片付け当番に、出席番号の抽選で私としーちゃんが当たってしまいました。
「ありゃー。お気の毒さまー」
曽根っちが同情してくれます。
食べ終わったたくさんのお膳を仲居さんの指示で調理場まで運んでいくお仕事です。
「30分くらいはかかると思うから、みんな先に温泉、入っちゃってていいよ」
お部屋に戻る愛ちゃんたちにそう告げて、しーちゃんと二人、担当の先生のところに駆けつけました。

「あらあら、嬢ちゃんたち、わざわざありがとなぁー」
お膳を持って調理場に行くと、恰幅のいい中年のおばさまがニコニコしながら受け取ってくれて、西のアクセントでそんな言葉をかけてくれました。
そのはんなりした物言いに、ほっこり温かい気持ちになりました。


しーちゃんのこと 03

2011年5月5日

しーちゃんのこと 01

しーちゃんとは、中学校の三年間ずっと同じクラスでした。
最初に言葉を交わしたのは、私が愛ちゃん=川上愛子さんとバレエ教室でお友達になり、その流れでクラスの愛ちゃんたちのグループに紹介されたとき、中学一年の6月のことでした。

藤原しのぶちゃん、という名前で紹介されたその女の子の第一印象は、幼っぽくてすっごくカワイイ子だなー、でした。
しーちゃんは、前髪長めでふんわりカールな栗毛色のショートヘアーに、黒目がちでまん丸な大きな瞳が特徴的で、まるでヨーロッパのアンティークなお人形さんのようでした。
背は私より少し低くて、全体的にスレンダー。
初めて紹介されたときは、まだ胸もほとんど膨らんでなくて、中性的な美少年のような佇まいでした。

性格は、大人しめ、控えめな感じで、愛ちゃんたちのグループで集まると、背が高くて発育もいい曽根っちの傍らでいつも、私たちのおしゃべりを聞いてニコニコ笑っていました。
でも、打ち解けていくうちにかなりの物知りさんなことがわかりました。
私たちがおしゃべりしていて、何か思い出せないこととかで悩んでいると、それって・・・てポツンと核心を突く答えを出してくれたりします。
かと思うと、ときどき抜群のとんちんかんな天然っぷりを発揮することもあって、何ていうか、不思議な女の子でした。

曽根っちとユッコちゃんとしーちゃんが同じ小学校からのお友達で、愛ちゃんとあべちんが別の小学校で一緒で、中学に入って愛ちゃんとユッコちゃんが体育の時間にお友達になったのを期に、今の愛ちゃんたちのグループが出来たそうです。

しーちゃんのお家でお泊り会をしたことも何度かありました。
初めて行ったとき、とても驚きました。
しーちゃんのお家は、昔から代々この土地で薬屋さんをしているそうで、今は駅前すぐのところに立派な4階建てのビルを建て、一階が店舗、二階全体がしーちゃんたちの住まい、三階と四階はマンションとして貸しているそうです。
二階のしーちゃんたちのお家は、普通のマンションみたく廊下に3つの扉があって、家族みんなのお家としーちゃんのお部屋、しーちゃんのお姉さんのお部屋がそれぞれ独立していました。
しーちゃんのお部屋は、12帖くらいのワンルームで、簡単なキッチンとユニットバスも付いていました。
壁際のラックや衣装ケースには、コミックス本とTVゲームとアニメのDVD、音楽CDがぎっしり。
コミックスは、有名な少女マンガはもちろん、少年マンガからちょっとえっちなのまで、すっごくたくさんありました。
お隣のお姉さんのお部屋にもまだまだあるそうです。
あとは、大きなテレビモニターとさまざまなゲーム機、シンプルなベッドとお勉強机とクロゼット。

「うちの家系はネー、コレクター体質らしいの。パパは趣味でおやじバンドやってるから、ギターを何本も買ってきちゃうし、ママは中学生の頃から今でもクイーンの大ファンで、ステージ衣装のレプリカとかまで買っちゃうんだヨ」
しーちゃんが苦笑いしながら教えてくれました。
「クイーンて、ウイ~アザチャ~ンピョ~ン、のクイーン?」
私が聞くと、
「そう。日本でデビューしたときからずっとなんだって。来日公演も全部行ったし、ファンレターの返事までもらったって」

そんなしーちゃんのお部屋は、遊ぶものには事欠かず、夜通しTVゲームやボードゲームしたり、飽きたらマンガ読んだりして、いつもすっごく楽しく過ごせました。
こういう独立したお部屋を持っていたら、家族に気兼ねなくいろんなことができるなあ、なんて羨ましくも思ったり。

しーちゃんは、絵を描くのも上手でした。
お勉強のノートを貸してもらうと、あちこちの片隅に可愛らしいマンガチックな動物や女の子のイラストが描いてありました。
お部屋には、油絵のキャンバスやイーゼルもさりげなく置いてありました。
何度目かの訪問のとき、描きかけの油絵の風景画を見せてもらったことがありました。
色彩の濃淡の加減とか、私は絵画とかぜんぜんわからないのですが、なんだか本格的で、スゴイ、と思いました。
小学校の6年間ずっと、近所の絵画教室に通っていたそうです。
しーちゃんのお部屋にいつもそこはかとなく香っていた油絵の具の匂いの記憶は鮮明で、今でも同じ香りがすると瞬間的にしーちゃんを思い出します。

しーちゃんと一対一で親しくお互いのお家を行き来するようになったのは、三年生のとき、9月中旬に行った修学旅行がきっかけでした。
それまでも、グループ単位でいつも一緒に遊んでいたし、しーちゃんも含めてグループのみんな対等に大好きだったのですが、私の一番の親友は愛ちゃんでしたし、しーちゃんは曽根っちと一緒にいることが多かったと思います。

修学旅行の行き先は、関西の古いお寺がたくさんある一帯でした。
お部屋割りとグループ行動の単位となる班分けは、幸い一班6人づつということになったので、私たちはいつものグループみんなで同じお部屋に泊まれることになりました。

修学旅行自体は、もちろんワクワクで超楽しみなのだけれど、一つだけ、気にかかってることがありました。
たぶん、みんなでお風呂に入ることになるでしょう。
みんなの裸が見れるのは、すっごく嬉しいのですが、当然私も裸になることになります。
私は、こういう性癖なので、みんなに裸を見られると何か良からぬ余計な妄想をして、その場の空気をおかしくしてしまうかもしれません。
あんまり過剰に恥ずかしがったり、みんなの裸をジロジロ見たりは、よくないよね・・・
できるだけ平常心で、ごく普通に振舞わないと。
気まぐれに私に訪れるムラムラ期は、3日前にした渾身のオナニーで治まっていましたし、グループの5人に対してえっち系の感情はぜんぜん抱いていなかったので大丈夫とは思うけれど、やっぱり少しドキドキしていました。

旅行一日目の夜、お夕食の後でやっぱり、みんなでお風呂に入りに行こう、ということになりました。
泊まったホテルのお風呂は、広い湯船の大浴場で、一応温泉でした。
私たちの他にも、他のクラスの子たちや一般客のおばさまたちなど、十数名くらいがすでに入っていました。

私は、内心かなりドキドキしながらも過剰に隠すこと無く、たんたんと服を脱いで裸になり、タオルで前だけ押さえて他のお友達をうかがいました。
脱衣所で一番モジモジしていたのは、しーちゃんでした。
胸から下をバスタオルで厳重に隠して、モゾモゾと脱いでいました。
「そんな一生懸命隠したって、どうせ中に入ったら見られちゃうんだよん?」
曽根っちが笑いながらしーちゃんをからかっています。
「だってワタシ、子供みたいなからだなんだもん。アソコの毛もちょびっとだし・・・恥ずかしい・・・」
しーちゃんは真っ赤になって、バスタオルを素早くタオルにチェンジして股間を隠しました。
「いいんだよ、それでこそしーちゃんじゃん」
そう言う曽根っちは、タオルを首に掛けた丸裸で、豊かな胸をプルプル揺らしながらしーちゃんの手を取っていました。
なんだか年の離れた姉妹みたいでした。

洗い場の鏡の前に横一列に6人並んでからだを洗いました。
私の隣は愛ちゃんとあべちん。
「なお姫、本当、立派に育ったねー」
あべちんがわたしのおっぱいをしげしげと見ながら、言ってきます。
「あべちんだって、案外着やせするタイプなのねー」
私も負けじとおどけた感じでやり返します。

愛ちゃんとは、バレエのレッスンのときの着替えでお互い見慣れていました。
その他の4人のヌードは初見です。
おっぱいの大きさで言うと、大きい順に、曽根っち、私とあべちんが同じくらい、愛ちゃん、ユッコちゃん、しーちゃん。
アソコの毛もさまざまで、一番しっかり生えていたのは、やっぱり曽根っち。
あべちんと愛ちゃんとユッコちゃんが同じくらいで、やっぱり私は薄いほうみたいで、しーちゃんの順。
しーちゃんは、本当にまだスジの上にチョロチョロ、って感じでした。
何て言うか、5人それぞれ、その人らしい裸で、みんなそれぞれキレイでした。

曽根っちは、もう充分オトナのからだ、って言っていいほどのセクシーな存在感。
愛ちゃんは、腕と脚に筋肉がしなやかについたスポーティなからだ。
ユッコちゃんもしなやか筋肉質系、くっきりスクール水着通りな日焼けの白い部分が艶かしかった。
あべちんは、オトナと子供の端境期、発達途上まさしく女子学生っていう感じ。
しーちゃんは、ロリータなすべすべお肌のお人形さん。

愛ちゃんにやさしく背中を流してもらいながら、そんなことを考えていました。

無事、えっちな妄想を浮かべることもなく、でも5人の裸はしっかり脳裏に焼き付けて、お風呂から上がりました。
学校指定のパジャマ代わりな体操ジャージに着替えたら、これから寝るまでは、楽しいおしゃべりタイムです。


しーちゃんのこと 02

2011年5月4日

メールでロープ 21

「柱を使っての自縛」というのは、お部屋の中の適当な柱にロープの先端を結び付けて、もう一方の端を持ってからだを回転させ、からだにロープを巻きつける、という方法です。
最終的には、柱を背に、からだにロープがグルグル巻きに縛られた状態になります。

と言っても、私のお部屋には、ロープを結び付けられるような柱なんてありません。
うーん・・・
お部屋をぐるーっと見渡すと、ベッドの足側つきあたりの壁に東南向きに設えてある、小さな三角出窓が目に留まりました。
ほとんど飾りみたいな存在の窓で、たぶん一度も開けたことないかも。
レースのカーテン内側の窓が突き出たスペースは単なる棚と化していて、大きなネコさんのぬいぐるみやなんかをいくつか飾っていました。
確かあの窓は外開きだから、あの窓の把手ならロープを結び付けるのにちょうどいいんじゃないかな?
早速、裸のまま出窓に歩み寄り、ぬいるぐみさんたちを床に降ろしてカーテンを開けました。
出窓の棚が私のおヘソの辺り、把手の高さが胸のちょっと上辺りで、良さそうな感じです。

一番長そうなロープを二つ折りにして、先端を出窓の把手に結び付けました。
ロープをずーっとひっぱって来ると、お部屋の真ん中あたりまで伸びてきました。
それから、ミーチャンさんのお手本ビデオをもう一度見て、やり方をしっかり頭の中に焼き付けました。

把手に結びつけたロープは二重になっているので、結びつけた元から二本のロープが絡んだりよじれが出ないように軽く引っぱりながら手でまっすぐにして、もう一方の端までピンと張ります。
自分の胸の位置くらいの高さでピンと張ったまま、二本のロープの端を右の手首に二度三度巻きつけ、端は右手で握ります。
右手首からつながるロープが背中に回るようにからだを左に回転させます。
このとき、両腕とも背中に回して後ろ手になります。
左手は、右腕の下に添えて右手首から肘のあたりを掴んでいるといいようです。
右手首からのロープが左の二の腕を後ろから通り、からだをさらに回転させるとロープが前に戻って、おっぱいの上を通過していきます。
「ああんっ!」
張りつめたロープがおっぱいの裾野に食い込んでくるとき、思わずえっちな声が出てしまいました。

さらにからだを左回りに回転させると、右の二の腕ごとロープでくくられて、再びロープは背中に回りました。
背面にきたロープを右手の指先で調整し、今度はおっぱいの下を通過するようにします。
さっきくくられた左二の腕の肌より数センチ下を通ったロープは、下乳に潜り込みます。
このとき、ロープに下乳を押し付けるようにからだをよじると、ロープはおっぱいを上下から強く搾り込むような形になります。
「あんっ!ぁはーん!」
痛いけど気持ちいい!
押しつぶされて飛び出した両方の乳首が恥ずかしいくらい突起して尖っています。
「ふんぅふーん」
上半身がカーーッと火照ってきます。
再び右二の腕を通過し、ロープが背中に回りました。

もう一回転できそうです。
今度は思い切って、飛び出している乳首の真上にロープが来るように調整してみます。
左二の腕を背中から通過する張りつめたロープが、これまた張りつめている左乳首をピンッと弾き、乳輪に食い込んできます。
ビクンッ!
下半身がガクンと崩れて、アソコから蜜がタラタラしたたり落ちました。
あーん、気持ち良過ぎますぅ・・・
右乳首も押し潰したロープが三たび背中に回ったとき、私の上半身は、出窓の把手から繋がれたロープによって、出窓を背にした壁際にギチギチに縛り付けられてしまいました。

二の腕ごと縛られて後ろ手になった両腕は、手のひら以外ピクとも動かすことが出来ません。
おっぱいは上下からキツク搾られ、さらにおっぱいの真上にもロープがキツク食い込んでいます。
肌に食い込むロープの痛さにからだをよじると、ロープはさらに食い込んできます。
からだ中をジンジン駆け巡る気持ち良さに下半身がクネクネ身悶えし、内股をスリスリするごとに下のお口からえっちなよだれがダラダラしたたってきます。
「あっぁーんっ!」
どうしても悦びの声が抑えられません。
心の中では、誰に向かってかずっと、許してください許してください、ってつぶやきながら、被虐の炎がどんどんどんどん燃え上がり、からだ中に熱い汗が浮いてきます。

しばらくクネクネモジモジ身をよじって身悶えていました。
私は誰か悪い人に捕まって縛り上げられ、これからとてつもなく恥ずかしい責めを受けるのです。
本格的な自縛の経験、肌に絡みついてくる麻縄の感触は、私のオナニー生活の中でも決して忘れられないほど強烈なものでした。
でも・・・
やっぱり、最初の衝撃が過ぎると、ちょっと物足りなくなってきました。
両手を使えないから下半身は身悶えするしかない、っていうのが最大のネックでした。
もうちょっと、こう何か、下半身にも刺激が無いと、イクにイケない、って言うか・・・

そうだっ!
ステキなアイデアを思いつきました。
縛ったときと逆にからだを回転させ、いったんロープをほどきます。
肌から麻縄が離れていくたびに血行が戻り、気持ちのいい開放感を感じました。
右の手首と両二の腕に、縄目の痕が赤くクッキリとついていました。

まず、姿見を出窓の脇に。
ロープでグルグル巻きになった私を自分で見れる位置に移動しました。

次に、お勉強机の一番上の引き出しを鍵で開けて、リモコンローターを取り出しました。
ベッドの縁に腰掛け、両膝を開き、卵型のローターをアソコにあてがいます。
アソコの中はすでにヌルヌルなので、苦も無くツルリと入りました。
立ち上がってローターが落ちてこないか、少しお部屋を歩き回って確認します。
今まで、ずっと長い間挿れっぱなしにしていても、ローターが落ちてきちゃうことはありませんでした。
やよい先生とのときも、一人で遊んでいるときも。
でも、今日これから私がやろうとしていることで、万が一ローターがアソコから出て床に落ちてしまったら・・・
きっと、けたたましい音をたててしまい、それは間違いなく階下に聞こえてしまうはずです。
それに、そのとき私はギチギチに縛られているので、すぐに拾うこともできません。
やっぱり念のためにショーツを穿いておこうか。
いいえ、それならいっそのこと・・・

短かめのロープを手に取って、股縄をすることにしました。
ミーチャンさんが演じてくれる股縄のかけ方のお手本を見つつ、ロープのTバックのような股縄が完成。
お尻のスジからアソコにかけて、二重のロープをかなりキツク食い込ませました。
「ああんっ!」
ローターのアンテナになっている短かいコードを二重のロープの間に挟んで固定した上に、クリトリスの上に結び目のコブが一つくるように調整しました。
イイ感じ、これならローターが床に落ちることはないでしょう。

「ああんっ!」
ローターのコントローラーを出窓の棚のところへ置いてこようと一歩踏み出した私は、股縄のイジワルさに気がつきました。
足を一歩踏み出すたびに股間の縄が擦れて、クリトリスの上を縄のコブがお豆をひっかくように行ったり来たりするんです。
「あん、あん、あん、あんっ」
そろりそろりと歩いて、やっと出窓までたどりつき、コントローラーを棚に置きました。
再びそろりそろりとロープの端のところまで歩きます。

クリトリスを嬲る縄のコブに翻弄されながら、さっきの要領で再び縛られの身になりました。
今度は、さっきよりもさらにキツク、情け容赦無く縛られました。
二の腕ごとおっぱいを挟む上下のロープは、上下の幅をより狭くしたので、両方のおっぱいがキツキツに搾られてパンパンに張っています。
飛び出した乳首が二本のロープの間に挟まるように三回目のロープをからだに回しました。
ロープはおっぱいのお肉に食い込みながら、二つの乳首を上下から押しつぶしてきます。
「んふーーっ!」

出窓を背にして、二の腕ごと後ろ手に縛られている自分のみじめな姿が姿見に映っています。
ロープの間から搾り出された痛々しく歪んだおっぱいの二つの山。
その頂点で皮膚を突っ張らせながら派手に突起しているピンクの乳首を、二本の張りつめた麻縄が容赦なく挟んでいます。
上半身全体が火照って、上気して、紅潮しています。
両腿の付け根に食い込んだロープも 結び目のコブが見えないほど奥深く食い込んでいます。

私は、鏡の中の自分の顔を見ました。
額にじっとりと汗を浮かべて、目を細めて、眉根を寄せて、歯を食いしばって痛さをこらえる自分の顔。
下半身をモジモジするたびに、痛さが快感に変わり、ビクンと震えて口元が緩んでしまう自分の顔。
これから訪れるであろうさらなる刺激の期待に、うっとり思いを馳せている自分の顔。
我ながら、なんていやらしい女なんだろう、って思いました。

後ろ手の指で見えないコントローラーを探ります。
らしきものが指に触れたので、少し膝を折って屈むと、胸のロープがさらにギュッと締まり、股間のコブがまたクリトリスを直撃しました。
「あふんっ!」
コントローラーが手の中に入りました。
いよいよです。
このスイッチを指先でひねれば、囚われの縄奴隷直子の無限絶頂放置プレイの始まりです。
たぶんイクまで一分ももたないでしょう・・・

覚悟を決めてスイッチをひねりました。
もちろん、一気に最強です。
ヴーーーーーンーーーーーーー
「んんーーーーーっ!!」
全身が大きくブルンと震えると同時にアソコの中が強力に震動し始めて、頭の中が真っ白になりました。
「んっ、んっ、んっ、んーっ!」
大きな声を出すまいと必死に口をつぐんでいます。
右手に持っていたコントローラーは、最初の衝撃で棚に落としてしまいました。
股間からからだ中に広がる快感に、全身がクネクネ動いてしまいます。
屈もうとすると胸のロープがさらに締まります。
痛い・・・
腰を動かすとクリトリスをロープが擦ります。
気持ちいい・・・
脚を広げるとアソコの中をローターが暴れ回ります。

「はぁーんっ、はぁーんっ、はぁーんっ!」
だらしなく開けた口から荒い息がひっきりなしにこぼれてしまいます。
「いーーっ、いーーっいーーっ!!!」
呆気なく最初のピークを迎えた後も、ローターは容赦なく震え続けます。
「んんーーーーーっ!!!」
すぐに二回目のピーク。
頭の中に幾千の綺麗な花火が広がっています。
「ンんんんーーーいいいーーっ!!!」
三回目。
もうだめもうだめ、許して許して許してぇーーっ・・・
心の中で懇願しても震動を止めてくれる人は誰もいません。
「んんーーぐぅーーーぅーーーっ!!!」
四回目。
イってもイっても、後から後から休むヒマもなく快感の波が押し寄せてきます。
「んぁーーーぁーーんぁーーーーっ!!!」
五回目。
こんなにしたら、直子のオマンコ、きっと壊れちゃう・・・
後ろ手で棚の上にあるはずのコントローラーを探りますが、指には何も触れません。
許して、許して、もう許してくださいーっ・・・
と思っている間に六回目。

もう限界・・・

自分でも気づかないうちにからだを逆回転させて上半身の緊縛から逃れていました。
ロープがほどけて両手が自由になると、震えつづけるローターは挿れたままベッドに仰向けに倒れ込み、片手で右乳首を、もう片方の手でクリトリスを思いっきりつまんでひねっていました。
「いぃいいぃいーーーーーんぐぅーーーっ!!!」
七回目の天国を迎えた直後に、ローターのコードをひっぱってアソコから抜き、ローターの胴をひねって電池が通らないようにして震動を止めました。

そのまま気を失いました。

目を覚ましたのは、小一時間ほどしてから。
「はあぁーーーっ・・・」
大きなため息をひとつ。
がらだがグッタリ疲れ果てていました。
お部屋の電気は点けっぱなし。
後片付けしなくちゃ・・・
ヨロヨロとベッドを下りてフラフラと出窓のほうへ歩きます。
股縄はすっかり緩んでいたので、ベッドの上ではずしました。

私が縛られていた出窓の前の床には、あちこちに小さいとは言えない水溜りができていました。
私が漏らしたえっちなおシル・・・
姿見に映った自分のからだを見ると、二の腕からおっぱい、右の手首、そしてウエストにくっきり鮮やかに赤く縄目の痕がついていました。
一晩寝れば消えてくれるかなあ・・・
しでかしてしまったことの重大さを、いまさらのように悔やみながら、ロープを片付けたり床をざっと拭きました。
その最中に、どうしようもなく眠くなってきてしまったので、ロープなどは袋に入れてひとまずクロゼットに押し込み、お部屋の灯りを消して裸のままベッドに潜りこみました。

翌朝起きたら9時過ぎ。
早く起きてシャワーしようと思ってたのに・・・
全身がだるくて、まだかなり疲れが残っている感じです。
縛られるのって、案外体力を使うのかもしれません。
すっごく気持ち良かったのは確かですが、こんなに翌日にまで疲れが残っているオナニーは初めてでした。
つまり、激しい運動と同じ、ってことかな?
胸や右手首の縄の痕もまだ薄っすら残っていました。
朝シャンしても消えなかったら、今日は手首にブレスをしてごまかすことにしましょう。

その日の昼過ぎに生理が来てしまったので、それからしばらくえっちな実技はおあずけとなりました。
生理が去る前に夏休みが終わり、新学期を迎えました。
私は、短く切ったロープの切れ端とやよい先生が送ってくれたロープの結び方の本をいつも持ち歩いて、ヒマをみつけてはさまざまなロープの結び方の体得に励んでいました。
やよい先生とミーチャンさんに、一日も早く私のいやらしい縄化粧姿写真を見ていただくために。

ちょうどその頃、懐かしいある人と再会しました。


ピアノにまつわるエトセトラ 01